【中学受験】6年生の保護者が直前期にすべき準備とは?注意点も解説

前回は、6年生、すなわち受験学年の皆さんが、これから直前期に向けてどのような学びをしていくのが良いのか、そのヒントについてお伝えしました。これからの学びでは、志望校対策として、過去問演習とそれにともなって基礎基本を短いスパンで回していく弱点克服をしていく、という2つを両輪としていくことが大切です。

また、これから直前期に向けては、「役割分担」が非常に大切になってきます。受験生、保護者の方、そして塾という3者がそれぞれの役割を意識し、合格を勝ち取るために連携していくことができてこそ、受験生は安心して受験勉強に打ち込むことができます。そういった意味で、保護者の方の果たすべき役割は非常に重要になってくると言えるでしょう。

基本的には、これからの勉強内容については受験生と塾の先生に任せるのが良いでしょう。お子さんは頑張って受験勉強をしていますが、複数の方向から違うことを言われたり、プレッシャーをかけられすぎると不安感が増してしまい、勉強が手につかなくなることにもなってしまいかねないからです。

そういった状況を避けるためにも、保護者の方は受験全体をつかさどるプロデューサーのような役割に徹していただくのが賢明です。受験生や塾ができないこと、そして勉強内容には口を出さないけれども学習計画を管理することなど、保護者の方にしかできないことはたくさんあります。

今回は、受験生の保護者が直前にすべき準備とその注意点についてご紹介します。ぜひお子さんが安心して学習できるよう、参考にしてください。

保護者が準備する上で気をつけたいこと

2学期に入り、いよいよ志望校対策なども本格化してくる時期になりました。お子さんは日々の課題の量も増え、内容も難しくなってきてなかなかスムーズに勉強が進まない・・・ということもあるかもしれません。

ですが、考えてみてください。入試日はこれから5カ月先の話です。志望校の過去問などを解いていると、なかなか合格最低点に届かない、これまで勉強してきたことは何だったのか、と悲観的になってしまう受験生と保護者の方は毎年少なくありません。ですが、過去問を今の段階で十分合格点レベルで解けるのなら、今がピーク、それをキープしていくことが必要になりますが、そもそも今の段階から直前期までの期間に受験勉強を重ね、解けるようにしていくのが直前期の学習です。

ですから、たとえば一度過去問を解いて全く合格点に届かないとしても嘆く必要はありません。見つかった弱点を再度復習し、次の問題に取り組むという地道な勉強が必要です。過去問は今の実力と中学校が求めるレベルの距離を測るために解くものです。ですから、これからが勝負、ということを忘れずに地道な学習を進めていくことが最終的に合格につながる、という意識を持ってください。

入試問題は、一見すると初めての問題に見えるかもしれませんが、基本的には「いままでどこかで見たことのある問題」が融合していることがほとんどです。使う知識や解法も、決してこれまで学習してきた範囲を逸脱するものではありません。ただ、聞かれ方に工夫が凝らされているので、一見して「これは何に関する問題だろう」ということが分かりにくく、難しい、解けない、もうだめだ、という意識に陥ってしまうのです。

ですが、基礎基本に戻り、弱点を克服することによって解ける問題は増えていきます。これからは叱るのではなく、受験生の気持ちを盛り上げていくことも大切です。そして、勉強内容に関しては受験生本人と塾に任せて、「あれをやりなさい、これをやりなさい」と口うるさく言うよりも、そっと学習計画を立ててあげておく、というかかわり方にするのが賢明です。お子さんは日々、合格に向けて熱い思いを持って勉強しています。ですから、保護者の方は保護者の方にしかできないサポートをしっかり行っていきましょう。

出願はまだ先ですが、入試当日の準備を始めるのがこの時期です。入試直前になるとなかなか時間が取れないので、今のうちに準備できることはしておきたいですよね。キーワードは「シミュレーション」です。

中学校までのルートをシミュレーションしておく

学校説明会などで足を運んでいらっしゃる場合はすでに準備できているかもしれませんが、今年は新型コロナウィルスの影響もあり、オンラインで学校説明会をおこなう中学校も少なくありません。また、休校しているところもあるので、脚を運びたくても機会がない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし、これまでに志望校・受験校に足を運んでいない場合には、ぜひ一度自宅から校門前まで公共交通機関を使って、どこで乗り換え、どのくらい時間がかかるのかシミュレーションしてみてください。実際に入試がおこなわれる曜日の、集合時間30分前までに現地につけるように設定してシミュレーションするのがポイントです。

入試当日は、多くの受験生が集まってきます。そうすると、駅から校門まで、校門から試験会場まで混雑し、時間がかかることが想定できますよね。たとえば、埼玉の浦和明の星女子中学校は、女子御三家の受験生の多くが受験する1月の名観光です。こちらは何千人と受験生が集まります。駅から校門まではそれほど細い道はないのでスムーズですが、校門が少し狭く、受験会場となる校舎まで少し距離があります。

また、当日は各塾による校門激励がおこなわれるので、普段の校門を2車線と考えると、当日は1車線分校門激励に訪れた塾関係者が占めていると思ってください。そういう状況なので、校門から入試会場まで約20分程度かかることも少なくありません。試験の前にお手洗いを済ませておきたいことなどを考慮しても、やはり集合時間30分前にはついておきたいところです。

ただし、開門時間は学校によって異なります。あまり早く着きすぎても寒空の下、外で待つことになりかねません。もし交通の便があまり良くない場合は、談が取れる近くのお店などを探しておくことも必要です。

また、中学受験の時期は雪が降ることもあるので、大幅に公共交通機関に遅れが生じる場合があります。そういった場合に備えて、遅れが出た場合はどの路線を使っていくのが良いのか、といったこともシミュレーションしておきましょう。もちろん雪や事故など、不測の事態については学校側が配慮してくれるケースがほとんどですが、何より受験生が動揺しないことが平常心で入試を受けるためにも大切です。いくつかルートがある場合は、それぞれについて同じようにシミュレーションしておきましょう。

受験をお考えの学校が複数ある方は、それぞれの学校について、同じように当日ルートのシミュレーションをしてください。考えてはいるけれど実際に受験するかわからない、という学校もあるかもしれませんが、1月直前になってあわてると冷静にシミュレーションできなくなるので、なるべく2学期の間に実際に足を運んで把握しておくことをおすすめします。

万が一に備えて併願パターンのシミュレーションは必須

中学入試の合否に絶対はありません。実力からすれば合格して当然と思っていた学校が不合格であることもあり得るのが入試の厳しいところです。そのため、万が一の場合に備えて、併願パターンをシミュレーションしておくことは受験前の準備として必須だと言えるでしょう。

今のところ、大きく入試日程を変更するという学校は(もともと入試日の変更が予定されている学校以外は)それほど見られません。ですから、予定通りの日程で入試が実施されることを前提に準備をしておく必要があります。

第一志望校1校だけ受験して、不合格なら公立中学校に、というお考えのご家庭もあるでしょうから、その場合は第一志望校合格に向けて人事を尽くしていただきたいと思います。一方で、第一志望校を軸に、併願校をいくつか受験する予定だというご家庭も多いのではないでしょうか。

併願校は、第一志望校の校風などを考慮して、お子さんの力を伸ばしてくれるかどうか、通わせても良いと思える学校を選ぶことがほとんどです。その際には、第一志望校をチャレンジ校とした場合の併願校の位置づけを考えておく必要があるでしょう。

もし、すべての受験校がチャレンジレベルだとすると、すべてが第一志望のようなものなので、過去問対策もままならないでしょう。最悪の場合、時間切れになってしまうこともあり得ます。ご家庭のお考えにもよりますが、ここは冷静に、第一志望校までの距離を測りながら併願校を決めておくことをおすすめします。

別の記事で詳しく書きますが、基本的に併願校選びにはいくつかのパターンがあります。ひとつは、第一志望校が最初に受験日を迎える場合です。もし第一志望校が合格だったらさらにチャレンジ校を受験する、あるいは不合格だった場合に備えて押さえとなる学校を翌日あるいは翌々日の受験スケジュールに持ってくるというものです。

もうひとつは、第一志望校の受検までにいくつか押さえの学校を受験しておき、合格をとって万を持して第一志望校を受験するというパターンです。このパターンが一番多いかもしれません。この場合も、第一志望校に合格すればそこで受験は終わりですが、もし残念な結果だった場合にはさらに何校か受験するシミュレーションをしておきましょう。

近年は午後入試などもありますから、それらも活用して無理のないように、また通わせてもいいと思う学校をチャレンジ校、実力適正校、押さえ校というように分類し、複数回入試を実施する学校があればその何日目に出願しておくか、ということを考えておきましょう。

併願校のシミュレーションをする際には、大きめのカレンダー(手帳のカレンダーのコピーやインターネットで無料のカレンダーをダウンロードしたもので十分です)に、志望校を軸にした受験パターンと、併願校の出願期限を書き込んでおいて、いざというときにこの方法で行く、というパターンをいくつか作っておくとあわてずに済みます。筆者も実際にこの方法で併願パターンを把握していましたが、一目でわかるので、おすすめの方法です。

出願書類では通知表のコピーを忘れずに準備

出願書類を集めてそろえておくことも、保護者の方にしかできない重要な役割です。出願書類には、願書や写真のほか、中学校によって異なりますが、学校の通知表のコピーあるいは調査書が必要になる場合があります。調査書を要求する中学校はかなり減り、少数派ですが、通知表のコピーは必要という中学校は女子校を中心にまだまだ多いです、まずは志望校や受験校ごとに、何が何部必要になるのか、まずは書き出してみましょう。

願書については、例年受験する学校の事務室に受け取りに行きますが、今年は新型コロナウィルスの影響もあり、郵送対応している中学校もあります。心配な場合は中学校にの事務室あるいは入試広報室などに電話して、今年の対応はどうなるのか問い合わせてみましょう。

注意が必要なのは、通知表のコピーや調査書です。これは、小学校の担任の先生に依頼をし、渡してもらうものです。単にもらった通知表をコピーして提出すればよいとは限らないので注意しましょう。小学校によって形式は異なりますが、受験用の通知表のコピーは小学校によって受験校提出用に体裁を整えてくれることが多いです。調査書については、内容を一から担任の先生が書くことになるので、その旨依頼しておく必要があります。

どちらも、作成にはある程度時間がかかります。通知表や調査書には成績だけでなく出席日数も含まれています。これは2学期までのデータが含まれるので、冬休みから1月初めにかけて渡してもらえることが必要ですが、小学校によってはいつ、何部必要かということを事前に書いて提出しておき、渡してくれる日を指定されるので、それに合わせて忘れずに受け取っておきましょう。

基本的に通知表や調査書は封がされており、中身を見ることはできません。また、余分にもらっておくこともできないので、正確な通数を小学校の先生にお伝えしておきましょう。

また、1月から中学入試が始まりますが、入試日は小学校を休むことになりますよね。中学受験がある日については事前に小学校に提出しておく必要があることがほとんどなので、併願パターンも踏まえて、受験する可能性がある中学校の入試日程はすべて書いて提出しておきましょう。そうすると、欠席扱いになりません。

お子さんとともにご自分のメンタルケアを

2学期から1月初めの入試直前期には、刻々と近づいてくる入試を意識しすぎて非常に緊張するものです。これは大人でもたとえば面接などの前には緊張して眠れない、ということもあるのでイメージがつきやすいかもしれません。

特に、はじめてお子さんの中学受験を経験されるご家庭においては、経験したことのない緊張感から不安でたまらなくなってしまう、ということも少なくありません。そのため、保護者の方が焦ってしまい、頑張って勉強しているお子さんに対して「まだこんなのもできないの!」「こんな点数じゃ志望校に受からない」といったネガティブなことを言ってしまい、お子さんのモチベーションが直前期に一気に下がってしまうことがあるので注意が必要です。この時期は、モチベーションを上げていくことはあっても下げることは絶対に避けなければいけません。

基本的に、勉強に対する不安は、勉強をして克服する以外に解消することができません。そして、実際に受験勉強をしているのは受験生であるお子さんなので、勉強の内容についてはこれからの時期、お子さんと塾に任せ、塾の先生に様子をマメに聞くといった、一歩引いた状態で保護者の方は接することが重要です。どうしても口を出したくなるかもしれませんが、お子さんは塾の先生から指示を受けて、何をいつまでに、と勉強しています。方々から違うことを言われると混乱のもとになってしまうので注意してください。

そして、非常に重要になってくるのがメンタルケアです。受験生に対するメンタルケアはもちろん大切です。ですが、保護者の方も同じく中学受験のために頑張っていますよね。ですから、直前期は受験生とともに、保護者の方のメンタルケアも非常に大切になってくるのです。大人だから何とかなる、とがまんしていると直前期に爆発してしまうことがあるので、早め早めのケアが大切です。

受験生に対するメンタルケアとしては、自宅学習している様子を見て、いつもと違った言動がないかどうか良く見極めるようにしてください。ときどき、ストレスによって髪の毛を抜く、鉛筆を自分の手に刺す、消しゴムを粉々にする、という行為が見られます。そういうことが見られたら、少し時間をとって、保護者の方がお子さんを信頼しているよ、頑張っているのをいつも見ているよ、という声掛けをしてあげてください。

どうしてもやらなければいけないことが山積みだと、それをこなすことに保護者の方の方が必死になりすぎて、お子さんの表情や言動を良く見ていないケースは少なくありません。受験生といってもまだ小学生、形の見えない初めての経験である中学入試を前に、不安感は顔に出ていなくてもたくさんため込んでいます。二人三脚で頑張っていこうね、応援しているよ、何かあったらすぐに話してね、というように暖かく包み込んであげてください。

また、保護者の方も3年間の長丁場であるお子さんの中学受験に寄り添ってきたので、気づかないうちにストレスをため込んでいます。たとえば模試やクラス分けテストなどで成績の上下が激しい時期を経ていたなら、成績に対する恐怖感を知らず知らずのうちに持ってしまっています。また、はじめてお子さんの中学受験に臨む場合は、得体のしれない大きな存在に挑戦することになるわけなので、どう対処したらよいかわからなくなってしまうこともあります。

そういう場合は、家族の中で話せる環境を作っておいたり、塾の先生に不安を聞いてもらいましょう保護者の方の不安感は受験生に伝播してしまうものです。ですから、やはりいつも元気で応援している顔を見せたいですよね。ですから、第三者や家族と不安を口に出して話してみることが大切です。感情は、口に出すとふっと楽になります。誰にも話せない、と思い詰めるよりは、誰かに話してすっきりすることが大切です。そういったことは繰り返すものですが、そのたびに口に出して相談したり話したりすることによって克服していきましょう。

また、お子さんが就寝した後にゆっくりお風呂に入ってリラックスしたり、好きな本(受験に関係ない本)を少し読むなどして、自分だけの時間を持つ、ということを意識的にやってみることも有用です。受験生の保護者は知らず知らずのうちに緊張感をため込んでいます。ぜひ、リラックスする時間を持つようにしましょう。

まとめ

これからの時期は、お子さんは受験勉強に、保護者の方は受験準備を中心に志望校合格に向けたトータルプロデュースに集中することが大切です。役割分担をすることによって不要なストレスを減らすことができますし、あれもこれもではなく、自分がやるべきことを自覚することによって冷静に対処することができます。

受験勉強は受験生ご本人と塾や指導者に任せ、大人にしかできない準備やシミュレーションをしっかりしていくことが重要です。抜けや漏れのないよう、時期ごとにやるべきことを着実におこなってください。ぜひうまく役割分担をして、志望校合格を勝ち取っていきましょ。

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