【中学受験】時事問題決定版!③政党政治ってどんなもの?日本の政治システムを見てみよう

このところ、自民党総裁選や立憲民主党総裁選のニュースを良く見ますよね。今後、自民党総裁になった国会議員が国会で内閣総理大臣の指名を受け、天皇が任命することによって内閣総理大臣になります。

わたしたち国民は、全員で政治をバラバラにおこなうことができないので、代表者として国会議員を選び、代わりに政治をおこなってもらうことになります。また、衆議院議員、参議院議員はそれぞれ政党というかたまりを作っており、選挙においてはどの政党に属している議員を選ぶのか、比例選挙制では政党に投票するのか、ということが重要になってきます。

なぜ、政治においては政党の存在感が大きいのでしょうか。それは、日本が採っている政治手法や制度に大きく関係しています。

今回は、政党政治について、日本の特徴と、アメリカなど諸外国の特徴についてもご紹介します。時事問題として来年度入試で狙われるであろう政治分野についてまとめるいい機会なので、ぜひ参考にしてください。

国民が選ぶのは国会議員?政党?

自民党総裁選や立憲民主党の総裁選では、わたしたち国民は直接選挙はしませんよね。それは、自民党、立憲民主党といった「政党」の中で代表者を選ぶ選挙だからです。わたしたち国民が選ぶのは国会議員であり、それぞれの党の代表をだれにするかという権利はないんですね。

日本の政治システムは、「議院内閣制」です。衆議院、参議院それぞれの国会議員が国会を形成し、内閣とお互いにけん制し合う、また協力することによって政治をおこなうというものです。そして、国会議員はいくつかある政党に所属し、政党単位で政治をおこなっているのが日本の政治システムの特徴だと言えるでしょう。

政党ってそもそも何?

では、そもそも政党とは何でしょうか。どうして必要なのでしょうか。それは、日本が議院内閣制を採っていることにも関係しています。

政党とは、国会議員のかたまりだと思ってください。政党によって公約(国民に対してどういう政治をしますよ、という約束)は異なり、目指す姿も異なります。

国会議員は一人ひとり政治に対して異なる考え方を持っていますが、その中でも重要政策について共通点が多いな、という人が集まって作るのが「政党」です。

もともと、日本では国会議員を「国民の代表者」として憲法で位置付けています。本来であれば、わたしたち国民一人ひとりが主権者(国の在り方を最終的に決定できる人)なので、国民全員で国政の運営をしていけるのが理想といえば理想の形です。

ですが、国民は1億2千万人以上いるので、それだけ多くの人々が勝手にこうしよう、ああしようと主張したら、まとめる者もまとまりませんよね。だから、国民の代表者として国会議員を選び、その人たちが政治をおこなうわけです。

そして、国会議員もそれなりに多数ですから、国会議員一人ひとり掲げる政策が異なります。また、ひとりでできることには限界があります。そのため、政策が似ている、目指すところが共通している、あるいは近い国会議員が集まって「政党」をつくり、政党単位で政治をしていく、という仕組みになっているのです。

政党は、国会議員が集まったかたまりであると同時に、実際に政治をおこなっていく主体としての存在になっています。いまや、政党なくして日本の国政は成り立たないと言っても過言ではありません。

ただし、政党は国会議員が集まって形作るものですから、あくまで国会議員が主体となってできているものです。誰がどこの政党に所属するかについて、国民が口を出すことはできません。国民が選べるのはあくまで誰を国会議員として当選させるか、ということにとどまります。当選した国会議員は、自分の政策を実現するために政党に入って議員としての活動をしていくのです。

なお、なかには「無所属」という国会議員もいます。これは、特定の政党に所属せずに議員活動をおこなっていく人々です。既存の政党では自分の政治ができないな、という人は無所属議員となりますが、新党が結成されたときに合流することもあります。選挙するときにも、無所属ですが〇〇党の推薦を受けて立候補、という人もいます。選挙のときにぜひチェックしてみてください。

国民が政党を選ぶ機会はあるの?

さきほども書きましたが、国民が選挙で選ぶのはあくまで国会議員です。ただし、実際のところは現職の国会議員がまた立候補して選挙に臨むケースも多いので、実際のところは○○党の誰々、という形で立候補します。有権者である国民は、自分が住んでいる選挙区内で政党に属している(推薦を受けている)候補者に投票して国会議員を選びます。

ただし、これは小選挙区制の場合です。小選挙区制では、それぞれの選挙区ごとに選ばれる議員の数が割り当てられており、国民が立候補者の名前を書いて投票します。また、小選挙区制で国会議員個人を選ぶ場合であっても、政党の名前が選挙ポスターなどに書かれているので、実際のところは所属している政党も加味して選挙していることになるわけですね。

また、比例代表制度の場合は、政党名を書きます。比例代表制度の場合、どの政党に政権をとってもらいたいかを有権者が選びます。そのため、政党に投票するわけですね。各政党には、比例代表制度のもとで立候補する候補者に順位をつけておき、選挙の結果の得票数に応じて上の順位の立候補者から何人、という形で当選者が決まっていきます。

基本的に、国会議員を選ぶときは政党ではなく立候補者に票を入れますが、比例代表制度の場合は、政党名を書いて投票する機会があるということを知っておきましょう。

自民党総裁選挙をきっかけに、解散総選挙をおこなうかもしれない、という見方も出ています。解散総選挙がおこなわれるのは衆議院だけだということを覚えているでしょうか。衆議院と参議院によって、選挙方法や定員数、衆議院と参議院の役割や解散の有無、半数改選の時期など、異なる点がたくさんあるので、この機会にしっかり見直して知識を完全なものにしておきましょう。

国民は内閣総理大臣を直接選べない

今回、自民党総裁選挙や立憲民主党総裁選挙がおこなわれました。そして、自民党総裁選挙で総裁に選ばれた人が、国会での指名を受け、天皇から任命されることによって安倍晋三さんの次の内閣総理大臣に就任します。

内閣総理大臣は三権分立のなかの「行政権」のトップとして、内閣を構成する大臣のトップに君臨する存在です。三権分立は立法権(国会)、行政権(内閣)、司法権(裁判所)の三権がそれぞれ独立し、お互いに監視し合って暴走しないように見張り、正しい政治の姿を実現していくために必要な概念であり、制度でもあります。三権分立と内閣総理大臣の位置づけについては、図で再度確認しておきましょう。

内閣総理大臣はどう選ばれるの?

内閣総理大臣は内閣のトップとして、実際に行政権を行使して政治をおこなう内閣を束ねる役割を果たす重要なポストです。今回安倍晋三内閣総理大臣が体調不良を理由に辞任することとなりましたが、政治的空白を置くわけにはいかないのです。そのため、自民党では新しい総裁を選挙で選ぶわけですね。

自民党総裁だからといって自動的に内閣総理大臣にはならない

ここで注意していただきたいのは、今回おこなわれたのはあくまで自民党の総裁選挙であって、内閣総理大臣の選挙ではありません。ニュースなどの報道でご存じだと思いますが、今回の自民党総裁選挙では、菅官房長官、石破元防衛大臣、岸田政務会長・元外務大臣の3名が立候補していました。ニュースでも連日、3名のなかの誰が「自民党総裁」として選ばれるのか、ということを報道していましたね。あくまで自民党総裁候補で合って、自動的に内閣総理大臣になるわけではないことに注意が必要です。

内閣総理大臣を選ぶ前提として、各党の総裁選挙があるということに注意してください。日本では、国民が直接内閣総理大臣を選挙するという制度はとられていません。なぜかというと、日本の政治システムは議院内閣制をとっているからです。議院内閣制では、国民は国会議員を選挙で選び、国会議員が内閣総理大臣を選ぶというステップを踏みます。

つまり、内閣総理大臣を選ぶためには、国会議員を選ぶ選挙と内閣総理大臣を指名する選挙の二段階の仕組みをとっているのです。この点において、国民が直接内閣総理大臣を選ぶという仕組みになっていないことは非常に重要なので確認しておきましょう。

なぜ自民党総裁が内閣総理大臣になるの?

そして、なぜ自民党総裁が次の内閣総理大臣に指名されるかというと、現在、自民党と公明党が連立して与党(政権を担当する党)となっているからです。自民党と公明党を合わせると、衆議院でも参議院でも圧倒的多数を占めています。また、公明党は連立していますが、公明党の議員数は圧倒的に自民党よりも少ないので、自民党支持に回ります。

そのため、自民党総裁に選ばれた人を公明党も内閣総理大臣候補として票を入れるので、結果的に内閣総理大臣を選ぶ選挙においては多数を与党が占めて自民党総裁が内閣総理大臣に選ばれる、というわけです。あくまでも党の総裁に選ばれただけでは自動的に内閣総理大臣になるわけではない、ということはしっかり押さえておいてください。

政党政治においては、各政党の総裁や代表者が内閣総理大臣候補として立候補し、国会の場で内閣総理大臣を指名するための選挙がおこなわれます。その選挙では、国会議員だけが投票することができるようになっており、国民は代表者としての国会議員に内閣総理大臣の選挙をまかせる形を採っています。そのため、国民が直接ではなく間接的に内閣総理大臣を選ぶ、ということになっているのです。

内閣総理大臣の選挙の方法

内閣総理大臣がどのように選ばれるかをもう一度おさらいしておきましょう。内閣総理大臣は、国会で「指名」されます。つまり、内閣総理大臣を選ぶための選挙は、国会議員が票を投じておこなわれます。衆議院・参議院の両議院で、それぞれ誰を内閣総理大臣に選ぶか名前を書き、開票されて最も多く票を獲得した人が最終的に内閣総理大臣として指名されるという形を採っています。

ここで重要になっているのが、その候補者がどの政党の総裁あるいは代表者であるか、ということです。内閣総理大臣の選挙では、各国会議員は自分が所属している政党の総裁や代表者に票を入れます。ですから、政党がどのくらいの議員数を持っているか、それによって結果がおおむね予想できると言えるでしょう。

現在であれば、自民党が圧倒的多数を誇るため、自民党の総裁が国会での選挙の結果、内閣総理大臣に指名されることがほぼ間違いない情勢だと言えるのです。自民党の総裁選では自民党の国会議員と自民党員だけが投票をおこないますが、内閣総理大臣指名選挙の場合は、連立を組んでいる公明党の国会議員も自民党総裁に票を入れるという約束ができているので、最終的に圧倒的多数で自民党総裁が次期内閣総理大臣に選ばれるという筋書きになっています。

内閣総辞職・衆議院解散がおこなわれた場合はどうなる?

今回おこなわれる内閣総理大臣選挙は、安倍晋三内閣総理大臣が体調不良により辞任することが原因でおこなわれます。では、内閣総辞職により衆議院が解散され、国政選挙がおこなわれた場合は、どのようにして次の内閣総理大臣が選ばれるか、整理できていますか?これは三権分立や内閣について非常に重要なことなのでしっかり押さえておきましょう。

答えは「特別国会を開いて内閣総理大臣を選ぶ」です。国会の解散というのは衆議院だけでおこなわれるもので、参議院では解散という制度はありません。衆議院を解散すると、衆議院議員は国会議員としての資格がなくなるため、次の選挙に向けて立候補し、当選すればまた衆議院議員として返り咲くことができます。

衆議院議員がいないという状態が一時期生じるため、内閣はそのまま行政をおこない、参議院が衆議院の代わりに国の非常事態について協議する必要があるときは臨時国会を召集するなどして対応することになります。衆議院の解散というのは、衆議院議員の資格を取り上げて新しい議員を選ぶ、ということだということも押さえておきましょう。

衆議院が解散されても選挙結果が出るまでは今の内閣が政治の空白期間を造らないためにも引き続き執務をおこないます。ですが、それは次の内閣総理大臣が選ばれ、新しい内閣が組閣されるまでです。そのため、衆議院議員選挙がおこなわれたあと、内閣総理大臣を指名するための選挙をおこなわないと、内閣、ひいては内閣総理大臣不在の状態になってしまいます。

そうすると行政権が空っぽになってしまうので、衆議院議員選挙がおこなわれてからすぐに「特別国会」が召集されます。特別国会は、内閣総理大臣を指名するための特別な国会だということも覚えておきましょう。国家には通常国会、臨時国会、特別国会があります。それぞれ会期やどのような役割を果たすのか、目的は何か、ということを整理しておくことをおすすめします。

特別国会が召集されると、内閣総理大臣を指名するための選挙がおこなわれます。この選挙は、各政党の総裁や代表者を候補者として、国会議員、つまり国会内部でおこなわれるので、主権者であるわたしたち国民は関与することができません。だからこそ、どの政党に票を入れるかが大切になってくるわけです。

内閣総理大臣は、特別国会でおこなわれる選挙で最も得票数が多かった人が選ばれます。その形は「指名」です。国会議員の票をどれだけ獲得できるかが内閣総理大臣になれるかどうかを決めるという仕組みになっています。そして、特別国会で指名された内閣総理大臣は、その日のうちに天皇から「任命」を受けて、内閣総理大臣として就任します。

天皇は政治的行為をしないので、任命といっても形式上のものであり、実質的には国会で指名された時点で内閣総理大臣は決まりですが、その日のうちに天皇が任命する、という手続きが毎回されていることは知っておきましょう。

なお、9月14日に菅義偉官房長官が自民党総裁に選ばれました。15日に国会が開かれ、内閣総理大臣指名選挙に臨みますが、今回開かれる国会は「臨時国会」です。通常国会の会期中ではなく、また、衆議院の解散をおこなっていないので特別国会を開く場合にも当たらないからです。国会の種類と特徴についてもこの機会にまとめておきましょう。

内閣総理大臣は国務大臣を任命する

内閣総理大臣に選ばれた人は、内閣を構成する国務大臣を任命します。財務大臣や防衛大臣、外務大臣など、国務大臣にはさまざまな種類があります。決まった省庁ごとの大臣だけでなく、省庁横断的、あるいは特別に解決しなければいけない問題がある場合にはそれに応じて国務大臣を任命します。

国務大臣を任命できるのは内閣総理大臣だけです。そのため、国務大臣の任命は内閣総理大臣の専権事項と言われます。逆に、辞めさせることができるのも内閣総理大臣です。ときどきスキャンダルや失言で大臣を辞める人がいますよね。そうした場合も、最終的に辞めさせるのは内閣総理大臣です。

連立政権ということばも知っておこう

現在、自民党は公明党と連立を組んでいます。これを連立政権といいます。自民党だけでも圧倒的多数を占めているのに公明党の国会議員がプラスされるので、国会における国会議員の数も圧倒的に多いです。

昨年参議院議員選挙がおこなわれましたが、その際も自民党は圧倒的多数を占めています。衆議院選挙は3年前におこなわれていますが、その際も圧倒的多数を獲得して勝利しています。

政党政治においては、多少の違いはあったとしても、政策が同じ方向性の政党が「連立」つまり協力して政権運営にあたる、という連立政権が組まれることがあります。その中で調整し、場合によっては連立しているどうし意見を交わして最終的に政策を決めていくわけです。たとえば、新型コロナウィルスにともない、国民一人ひとりに10万円をくばるということがありましたが、これも自民党案に対して公明党が案を出し、最終的に決定しました。連立政権は、単なる数合わせと思われることも多いのですが、いろんな方向から意見を交わすという意味では重要なので、このことばの意味も知っておきましょう。

連立政権をとっていることもあり、現在は自民党の総裁が、自民党と公明党の圧倒的多数の国会議員票をバックにして、内閣総理大臣として指名されることになっているのです。だから、自民党総裁=内閣総理大臣になるのも不自然ではないのです。

まとめ

今回は、日本における政党政治についてまとめてみました。自民党総裁選をきっかけに、政治に対する関心が高まっているので、中学入試においても時事問題として政治分野から出題される可能性は非常に高いと言えるでしょう。

ぜひ、出てきた用語や仕組みをしっかり理解し、手を動かして仕組みを覚えておきましょう。わたしたちの生活に密着した政治というものがどういうものなのか、どのような政策が政党で議論されているのか、ニュースなどにもアンテナを張っておくと時事問題対策になりますよ。

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