【中学受験】来年度入試でとり上げられる可能性の高い時事問題は?

中学入試で毎年話題になるのは、時事問題の出題が非常に増えてきているということです。近年では、ほとんどの中学校が、社会、理科、あるいは科目横断の形で時事に関する問題を出題するようになってきています。中には、社会は時事問題がほとんどを占める中学校もあるほどです。このような時事問題を受験生に問うという傾向は、今後さらに続いていくと考えられます。なぜなら、大学入試改革において重視される能力に非常に親和性が高いからです。

時事問題、というと頭に浮かぶのはどのような問題でしょうか?中学入試で問われる時事問題は、単にテレビや新聞などで日々報道されていることを知識問題としてそのまま聞かれる、というものではありません。毎年秋になると、各塾の時事問題の問題集や重大ニュースを集めた参考書などが書店で販売されるようになりますが、時事問題は必ずしもその年に起こったことだけが出題されるわけではないので、前年度の時事問題もしっかりおさえておく必要があるので注意しましょう

特に、世界中で問題になっている国際問題などは、1年や2年で解決できるものではなく、多くの国が、それぞれの事情を考えながら何度も国際会議をおこない、少しずつ解決していくものです。ですから、「今年の時事問題集には載っていないから出ない」という考え方はやめて、1、2年分の時事問題はしっかり頭に入れておいた方が賢明です。

ただし、時事問題集が発売されるのは、秋から冬にかけての入試直前期です。また、実際に塾の授業で扱われるのは冬期講習のみ、というケースも少なくありません。つまり、「問題集はあるから自分で勉強しなさい」と言われ、塾ではほかの分野の学習に充てられているのが現状なのです。しかし、世の中で起こっていることを正確に理解し、問題を解決する方法を考え出すのは、受験生一人で考えるのは無理があるでしょう。他の科目との学習の兼ね合いだけでなく、学習の方法そのものがわかりにくいからです。時期的にも、必ず覚えておかなければいけない知識問題の量が増えるので、正直なところ手が回りきらないということもあるので、学習を始める時期と学習方法には注意が必要です。

今回は、来年度の中学入試でとり上げられる可能性の高い時事問題のトピックスについて解説します。

時事問題はなぜ出題されるの?

時事問題の出題形式は、中学校によって大きく違います。もちろん、学校ごとに時事問題を出題する出題意図も異なります。大問1題をまるまる時事問題にあて、その中で答えていく設問もあれば、関連のないような問題の中で時事関連の問題を集め、知識を聞いてくる中学校もあります。特に、公民分野に重点を置いている学校はその傾向が強いです。1つの問題で政治、経済、国際関係などを総合的に答えさせることによって、頭の切り替え、知識の連携ができているかどうかを試すのです。

また反対に、問題文は時事問題だと見せかけて、実はそれに関連した、時事とは関係ない地理、歴史、公民などすべての分野の知識を聞くような問題も増えています。すべての分野の知識がしっかり備わっているかどうかを聞くという形式の出題で、これも増えています。大問1題の中で、頭を切り替えながら、スピーディに知識問題を答えるという問題は、本当にその知識を理解しているかどうかを判断するのに最適なのです。中学入試で求められる「頭の切り替え」こそが、入試問題、特に時事問題では非常に重要なのです。

秋になり、すでに過去問などを通して時事問題に取り組んできたという受験生の方も多いと思いますが、「最近話題の、日本の問題や国際関係は完璧!」と言えるほど知識の整理はできているでしょうか。時事問題については、多くの塾では、秋以降に発売される時事問題集をやれば大丈夫、と言われます。しかし、秋から冬にかけての時期はどんな学習をしているかどうかを想像してみてください。各教科の弱点補強、志望校だけでなく併願校の過去問演習や志望校別コースの授業などで、手が回らなくなってしまっていることが多く、時事問題を新しく覚える余裕がない可能性が高いです。

時事問題は、1つの中心となるテーマからさまざまな設問を派生させて作ることができる、という、中学側にとっては問題を作りやすいという特徴があります。たとえば、最近の日本の政治に関する問題であっても、憲法や三権分立、国際問題といった公民分野だけでなく、歴史や地理など、関連する設問をたくさん作ることができるので、いろいろな切り口から知識の正確な理解を確かめることができます。

また、近年の傾向として、台風や地震、自然災害がよく起きることから、社会の問題に見せかけて理科の知識を聞く、また、その逆もあります。つまり、科目横断型の時事問題の出題も増えているのが特徴的です

時事問題というと、「難しい」「覚えられない」「こんなこと知らない」などと、敬遠する受験生の方が非常に多いのですが、なぜ難しいと思うのでしょうか。その理由としては、勉強を始める時期が受験直前になり遅いことや、苦手分野がまだ残っていて、時事問題より他にやらなければいけないことがたくさんたまっているということがあります。そのようにアップアップしているところにプラスして時事問題という、覚えなければいけない知識が増えるため、「難しい」と思いがちなのです。

時事問題は、中にはある時事に関するできごとに特有の問題も出題されますが、多くの設問は、各分野の基本的な知識を正確に整理して理解できているかどうかを確認するものとなっています。

これから始まる大学入試改革では、科目横断型の授業や、グループ学習などを通して、「答えのない問題をどう解決していくべきか」ということを思考していくことが重視されます。

そのため、中学入試で求められている知識というのも、難しすぎる、細かすぎる知識を知っているかどうかではなく、中学校入学後の学習についていくことができるための基礎的学力が身についているかどうかということです。

「知らないこと」を知らないからわからなくていい、で済ますのではなく、答えがないからこそ試行錯誤して自分の頭で知恵を絞って考え、なぜ自分がそのような考え方のプロセスをたどったのかどうか、という姿勢を評価したい、という中学校側の意図があることを知っておきましょう。単に「時事問題はとりあえず知識を詰め込むだけ詰め込んでおこう」という姿勢で学習していては、中学校に入ってからの学習についていけなくなってしまうことが目に見えています。

時事問題を学習するうえで大切なことは、ある1つのテーマが与えられたときに、それに関連する様々な分野の基礎知識が瞬時に出てくるかどうかです。つまり、知識と知識のつながりが頭の中で整理されているかどうか、という点が重要なのです。基礎知識のレベルは、中学校によっては発展的なものも含まれることもありますが、基本的には学校の教科書を中心に、塾のテキストで必ず学習するようなものが多く出題されています。

だから、時事問題だからといって難しく考える必要は実はないのです。もちろん、テーマとして問題文に出された内容を全く知らない、という状態では困ります。解こうと思ってもどの知識と関連させればよいのかわからないですから。やはり、その年に話題になったことくらいは頭に入れておくべきです。

問題をよく読んで、設問を見てみると、決して見たことのないような知識が出題されているわけではないことがわかると思います。受験生は小学生なのですから、その年齢なりに、いま世の中で起こっていることや、ニュースや新聞などで話題になっていることに興味を持ち、それをほかの分野で知っている知識と関連づけるという意識をもっているかどうかを見たいというのが学校側の率直な出題意図です。

来年度入試でとり上げられる可能性の高い時事問題は?

国内の時事問題

  • 沖縄の基地移転問題~基地の地理と関連させて
  • 原発問題~地理と関連させて
  • 百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に~世界遺産全体の知識、位置に関連させて
  • 夏におこなわれた参議院選挙~選挙制度、国会、憲法など公民分野と関連させて
  • 消費税が10%にアップ~社会保障、経済関係に関連して
  • 天皇の退位、新天皇の誕生、改元~歴史、憲法に関連して
  • お札の顔が2024年に一新される~歴史・人物に関連して
  • 新しい地図記号(自然災害伝承碑)
  • 2019年度予算成立、過去最大、100兆円台に~経済、国会など公民全体に関連して
  • アイヌ民族支援法が成立~歴史、地理と関連して
  • 食品ロス問題~国際問題とも関連する可能性大

このほか、10月31日に起こった沖縄・首里城の火災は時期的にぎりぎりですが、沖縄関連の時事問題として出題される可能性が考えられます。

世界をまたいだ時事問題

  • 米朝首脳会談~歴史、地理、人名と関連して
  • イギリスのEU離脱問題~地理、歴史、国際関係に関連して
  • トランプ政権の政治~人名、国際政治、日本との関係に関連して
  • フランス(パリ)のノートルダム寺院の大火災~歴史、地理と関連して
  • ニュージーランドで銃乱射、スリランカで連続爆弾テロ事件~地理、テロの背景、歴史、政治に関連して

世界の首脳の顔と名前は一致させること、また、世界地図の主要な国の位置は正確に覚えておきましょう。

周年問題

周年問題とは、中学入試の年やその前年から見て節目の年に起こったことについて出題するものです。時事問題の一種であり、かなり前にさかのぼって出題されることもあります。年号には敏感になっておきましょう。2019年とかかわりのある年号とできごとをまとめておきます。

  • 1429年(590年前)琉球王国が成立する~沖縄問題、世界遺産、首里城の火災も関連するかも
  • 1549年(470年前)ザビエルが鹿児島に上陸し、キリスト教伝来~歴史、地理に関連して
  • 1639年(380年前)ポルトガル船の来航が禁止される
  • 1669年(350年前)シャクシャインの戦い~地理、歴史に関連して
  • 1789年(230年前)フランス革命勃発、人権宣言~歴史、世界地理に関連して
  • 1869年(150年前)版籍奉還がおこなわれる~明治維新の動乱の時代についておさえておこう
  • 1889年(130年前)大日本帝国憲法が発布される~歴史、日本国憲法との比較など公民との関連
  • 1909年(110年前)伊藤博文が安重根に射殺される~歴史、朝鮮との関係
  • 1909年(110年前)生糸輸出量が世界1位に~産業、工業地帯など地理と歴史に関連して
  • 1919年(100年前)朝鮮で三・一独立運動、中国で五四運動が起こる~日本と朝鮮、中国との関係、地理に関連して
  • 1919年(100年前)ベルサイユ条約が調印される~歴史、地理に関連して
  • 1929年(90年前)世界恐慌が起こる、生糸価格の暴落、昭和恐慌~経済問題、国際関係など公民と歴史に関連して
  • 1939年(80年前)第二次世界大戦がはじまる~歴史、国際関係、地理に関連して
  • 1949年(70年前)湯川秀樹がノーベル賞を受賞~日本人のノーベル賞受賞、歴史に関連して
  • 1949年(70年前)中華人民共和国が成立~成立の経緯、中国と日本の関係に関連して
  • 1969年(50年前)アポロ11号が人類初の月面着陸に成功~歴史、人名に関連して
  • 1989年(30年前)平成スタートの年、消費税3%導入~公民、歴史に関連して
  • 1989年(30年前)ベルリンの壁崩壊、マルタ会談で冷戦終結を宣言~歴史、人名、世界地理に関連して
  • 1090年(30年前)子どもの権利条約が国連で採択~国連をはじめとした国際政治に関連して
  • 1999年(20年前)ヨーロッパの単一通貨であるユーロが誕生~ヨーロッパの歴史、日本とヨーロッパの関係などに関連して
  • 2009年(10年前)裁判員制度が開始された~裁判員の仕組み、司法、憲法など公民分野に関連して

こうしてみると、周年問題と言える年号はかなりたくさんあるのがわかりますが、歴史上のできごと、身近な制度に関連する出来事が多いので、知識の整理をするのにちょうどよいです。年表などを作って覚えておくことをオススメします。

まとめ

秋から冬にかけてという、学習を始めるのが遅い時期であることなどから敬遠してしまいがちな時事問題ですが、実は問題文をしっかり読めば、聞かれていることが、いままで学習してきたできごとや人物というような、基礎知識が固まっていれば答えられるということがわかると思います。時事問題だからといって、難しいという先入観を持ってしまい、基本的な語句の意味を理解しきれていなかったり、間違って覚えていたりというところで差がついてしまいます。また、入試の現場ではどうしても平常心を保つのが難しいので、焦りのあまり怖さを感じてしまうことも多いのです。

時事問題は、決して難問だと考えるではなく、むしろ身近なテーマを扱っている問題だという意識をもつと苦手意識も和らぎます。基本的な知識を最後の最後まで整理しながら理解し、これまで覚えてきた知識と結びつけるという練習にしっかり取り組んでください。自分の持っている基礎知識が問題とぴったり合えば、時事問題はけっして怖くありません。ぜひ、自信をもって知識と問題の関係を意識するように学習を進めていっていただきたいと思います。

時事問題では。政治や経済、社会保障や国際問題など、小学生にとっては少しハードルが高い概念がかかわってくるため難しいと感じることも多いかもしれません。保護者の方が、簡単でよいので、お子さんがそのできごとのイメージを持つことができるように解説してあげると頭に残りやすいですし、受験期間中のよい息抜きにもなります。お子さんは、新しい知識を吸収する貪欲な力を持っています。ぜひ保護者の方もご一緒に楽しみながら時事問題を整理していきましょう。

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