【中学受験】共働き家庭だからこそできる中学受験の取り組み その2

前回は、共働き家庭だからこそできる中学受験の取り組みとして、家庭内のコミュニケーションに、保護者の方が日々仕事で実践しているコミュニケーション法が役に立つことや、保護者同士の役割分担について解説しました。

近年、共働き家庭は珍しくなく、共働き家庭であってもお子さんの中学受験をお考えのご家庭は決して少なくありません。中学受験生は小学生なので、心配だから面倒をみてあげなくちゃ・・・と、特にお母さまが仕事を断念して受験に集中する、というご家庭も中にはあります。

もちろん、ご家庭の事情によって違いが出てくるのは当然のことです。今の時期にしか一緒に成長できないから受験を優先し、無事終わったらまた復職しよう、と考えることもあるでしょう。一方、やはり中学受験の勉強にはお金がかかりますし、特に私立中学に進学した場合、公立中に比べはるかに高い学費などを払う必要があるので、経済的にやはり共働きを、とお考えになるご家庭もあります。

ご家庭の教育方針や方向性がぶれていなければ、どちらの選択をとったとしても家族そろって中学受験に取り組むことができるでしょう。ですが、仕事も大事な時期、といったときは、やはり辞めるというのは躊躇しますよね。本当に共働きでは中学受験に合格できないのでしょうか?

そんなことはありません。中学受験に必要なのは、お子さんが頑張って勉強した結果身につけた学力と、ご家庭の学習計画や食事など生活面も含めた全面的なサポートです。決して一緒にいる時間の長短が命運を分けるわけではありません。

共働きのご家庭の場合、迷われることもあるかと思いますが、お子さんが「自分のためにお仕事辞めちゃったんだ」とプレッシャーに感じることもあるので、受験だから、と身構えて環境を変える必要はありません。むしろ、前向きに考えて、仕事をしながらできるサポートを精一杯おこなう、というのが健全な考え方ではないでしょうか。

今回は、共働き家庭だからこそやってしまいがちな失敗も交えながら、お子さんへの働きかけについて考えてみたいと思います。

仕事をしている背中を見せるのはお子さんの成長につながる

共働きのご家庭の場合、特にフルタイムの場合は、残業することもあり、家に帰る時間は遅くなることもありますよね。お子さんは塾に通っていらっしゃることが多いですが、そうすると塾に行く時間までには家に戻ることができず、お子さんがひとりで塾に向かう、ということもよくあることです。

今年度は新型コロナウィルスの影響で、共働きのご家庭でも、保護者の少なくともどちらかはテレワークといったケースが多く、十分に一緒にいる時間が取れたというご家庭も多いのではないでしょうか。ただし、お子さんの小学校や塾が休校になっていたため、ずっと一緒にいてかえって仕事にならない、ということもあったかもしれません。それでも、仕事をしている背中をお子さんに見せられるということは貴重な機会だったことでしょう。

お子さんは、いま、中学受験という人生の岐路に面して日々受験勉強に励んでいますが、それは何のためでしょうか。中学、高校、大学とこれから続く人生を経て、社会に出て自分のやりたいことに思い切り取り組むため、というのがひとつの答えだと言えるでしょう。選択肢は幅広いですが、小学生にとってはまだ社会に出るということがどういうことなのか具体的にイメージするのは難しいでしょう。

しかし、共働きのご家庭の場合、ご両親が仕事に一生懸命取り組んでいる姿勢をお子さんに見せることができます。その姿は10年後のお子さんの姿に重なることでしょう。働く保護者の方の背中を見て、お子さんは将来のイメージを膨らませてモチベーションを上げ、中学受験に向かっていく勇気を持つことができます。仕事をしている背中をお子さんに見せることにはそういったメリットもあるのです。

「お父さんが/お母さんがあなたくらいのときは」は禁句

お子さんの中学受験をお考えのご家庭では、保護者の方が中学受験を経験されていることっも珍しくありません。特に共働きの場合、いわゆる受験戦争を乗り切ってきた保護者の方も少なくないでしょう。そういう場合にときたま起こってしまう「事件」があります。それは、保護者の方が自分の中学受験時代を現在のお子さんの中学受験勉強と比較してしまうことです。それをやってしまうと、お子さんのモチベーションはぐっと下がってしまうので非常に危険です。

特によくあるのは、保護者の方が「塾に行かなくても自分で勉強して中学に合格した」と言ってしまい、塾に通って頑張っているお子さんを否定してしまうことです。保護者の方の時代といまの中学受験事情は大きく異なります。保護者の方が中学受験をした時代は、まだ中学受験人口自体今に比べるとずいぶん少なかったですし、入試問題も基礎をしっかり押さえておけばその順に合格していくのが一般的でした。

しかし、今は塾に通って受験勉強をすることがほとんどですし、塾のカリキュラムにしっかりついていってこそ合格に手が届くのが実情です。その中で頑張っているお子さんに対して、根本的に違う視点からアドバイスのつもりで「塾に行かなくても合格はできる」などと言ってしまうと、お子さんは反発しますし、塾に通っても意味はないのかと思ってしまい、勉強にも熱が入らなくなってしまいかねません。

「頑張れ」「中学受験はそんなに怖くない」という意味合いでおっしゃっていたとしても、「お母さんの頃は~」「お父さんのときは~」と日々聞かされると、お子さんは混乱してしまいます。お子さんをひとつの人格、個体として扱ってあげることも受験生の保護者としては大切です。

日々社会で必死に仕事をしている保護者の方からすると、中学受験くらい・・・という思いを持たれる方も少なくありません。ですが、お子さんはまだ小学生です。やりたいことも我慢して塾に通い、日々勉強に励んでいるので、その姿勢を尊重してあげるようにしてくださいね。

仕事での失敗談を披露するのもおすすめ

共働きの保護者の方は日々の仕事の中でトライ&エラーを繰り返していることでしょう。いつもすべてがうまくいくわけではなく、思うような結果が出ないというご経験は枚挙にいとまがないかもしれません。そういったことも包み隠さずお子さんに語ることは、モチベーションアップに非常に高価的です。

保護者の方からすると、失敗談をお子さんにするなんて、親として恥ずかしいとか、子どもに馬鹿にされるのではないかと思われるかもしれません。ですが、保護者の方の仕事上の失敗談は、実はお子さんにとってとても励みになるものです。なぜなら、お子さんも受験勉強をする中で日々失敗を経験しています。自分だけではなく、大人である保護者の方にも起こりうることなのだということを示してあげると、お子さんは自分を卑下することなく、また頑張ろうと思うことができます。

たとえば、「仕事で〇〇なことがあって、お母さんはこう対応したけれど、かえって大変になっちゃったの」「でもね、こういう方法を試してみたら解決したよ」といったことをかみ砕いてお子さんにわかりやすく話してあげると良いですね。トライ&エラーは決して恥ずかしいことではなく、むしろ経験するからこそ解決策を自分で見つけることができる、ということを伝えることによってお子さんも「間違えてもリカバーすればいいんだ」ということを身をもって知ることができます。失敗したらもう終わり、ではなく、改善するためにさらに頑張る、という良いスパイラルができます。

また、保護者の方が子ども時代にやらかしてしまった失敗、というのをお子さんに気軽に話してみるのもおすすめです。「全然勉強しないでテストを受けたらひどい点数を取ってしまって、おじいちゃんにおこられたよ」「でも、次は頑張ろうと思って一生懸命勉強したら成績が上がって、学校の先生にもびっくりされたなあ」「うれしかったな」といったように、失敗談から、それを克服するためにどうしたか、その結果どうなったか、ということをイメージできるようにお子さんに話してあげると、「お母さん/お父さんも自分と同じだったんだ」「失敗しても頑張ったらこうなれるかな」と思うことができるので、お子さんのモチベーションもアップしますし、第一励みになりますよね。

 失敗談を話せるということは、ご家庭の中でしっかりコミュニケーションが取れているということでもあります。保護者の方が毎日の仕事の中や、子どものころの失敗談を話してあげることで、お子さんを尊重していることにもつながります。お説教をするのとは異なるアプローチの仕方といっても良いでしょう。お子さんと一緒に保護者の方もこれまでの自分を振り返る良い機会になり、中学受験をきっかけに親子で成長することができます。

まとめ

今回は、共働きのご家庭に多い失敗もご紹介しながら、お子さんにどのように接したらよいのかについてご紹介しました。共働き家庭だからこそ、お子さんに接する際の態度にも幅が出ますし、ご家庭のなかでのコミュニケーションもスムーズになるケースはとても多いです。一緒にいられる時間がなかなかない、すれ違ってしまう、というご心配はあるかもしれませんが、お子さんは置かれた立場で頑張っています。ぜひ前向きにとらえて、その環境の中でお子さんに対してできるサポートをしっかりおこなって中学受験生活を送っていただきたいと思います。

おわりに

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。