和差算とは
和差算は簡単な四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)のみで解けるため中学受験では小学校4年生で習うことが多いです。
一番基本的な形はある2つの数量例えばAとBに対してその和と差が与えられていてAとBの値を求めるという形です。これでは分かりにくいと思うので具体例を出してみましょう。
1⃣りんごとみかんが全部で25個あります。りんごの方がみかんより3個多いです。りんごとみかんはそれぞれいくつありますか?
これだと想像がつきやすいのではないでしょうか。これが和差算の基本形です。問題を解く上で大切なところには色を付けました。赤が和で青が差です。この情報さえあれば問題は解けます。
和差算の解き方
それでは1⃣を実際に解いてみましょう。問題を線分図でまとめると図1のようになります。このくらいの問題だと適当に数を当てはめればそのうち答えは出ますがそれでは難しい問題が解けないので、ここでは難しい問題を解いていく上で応用の利く考え方を3つ紹介します。

図1 自己作成・転載OK
線分図で解く(大きいほうに合わせる)
まず以下のような問題を考えよう。
2⃣りんごとみかんは同じ数(差が0)だけあり、全部で30個である。りんごとみかんはいくつあるでしょう?
この問題は和差算の「差が0」である特殊な場合と考えることが出来るだろう。線分図は図2のようになる。

図2自己作成・転載OK
これなら30÷2=15(個)と簡単に答えを出すことが出来るだろう。
では次に1⃣の問題を考えてみよう。2⃣の形なら簡単に解くことが出来たので1⃣の問題を2⃣に近づけるためにみかんを5個持ってきて足したと考えよう。するとまさしく図2と同じ状態となる。なのでりんごもみかんも15個ずつだと思うかもしれない。たしかにりんごは15個であるが、みかんは最初の状態から5個付け加えて考えてしまっているので15個よりも5個少ない。そのためみかんの数は15-5=10(個)となる。
以上より答えは りんご 15個 みかん 10個 となる。
自信がない人はこれが本当に問題文の条件を満たすか確かめてみる(検算する)といいだろう。りんごとみかんの数は15+10=25(個)、その差は15-10=5(個)で確かに問題文を満たしていることが分かるだろう。
線分図で解く(小さいほうに合わせる)
この解き方は2.1が理解出来たらすぐに理解することが出来るだろう。先ほどのようにまずこの問題を考えてみよう。
3⃣りんごとみかんが同じ数だけあり、全部で20個である。りんごとみかんはそれぞれ何個ずつあるでしょう?
この問題を線分図で表すと図3のようになる。

図3自己作成・転載OK
この問題も簡単に解け、りんごとみかんはそれぞれ20÷2=10(個)と分かる。
次に1⃣の問題を考える。簡単に解ける3⃣の形に1⃣を近づけたいのでりんごを5個取り去ったとします。すると、りんごとみかんは同じ数になり、図3と同じ状態となる。なので、りんごとみかんはそれぞれ10個ずつだと、、、思いませんよね(笑)。前で学んだように、取り去った5個のりんごを付け加えてあげる必要があります。なので、りんごは10+5=15(個)となります。
以上より答えは りんご15個 みかん10個 となる。
方程式で解く
方程式で解くやり方は汎用性が高い(色んな場面で使える)が中学受験の範囲を少し逸脱しているので余裕のある人だけ読んでみよう。
りんごの数を▢(個)、みかんの数を△(個)とすると、りんごとみかんが全部で25個というのは
▢+△=25・・・① と表すことが出来る。
りんごがみかんより5個多いというのは
▢=△+5・・・② と表すことが出来る。
②を①に入れると
(△+5)+△=25
△+△+5=25
△+△=20
2×△=20
△=10
これを②に入れると
▢=10+5
=15
以上より答えは りんご15個 みかん10個 である。
まとめ
線分図
- 線分図を書く
- 「少ないほうに足す」または「多いほうから引く」ことで2つの数を合わせる
- 2で割ることで片方の数がわかる
- 差の情報からもう片方の数もわかる
方程式
- 2つの数を▢と△とおく
- 和と差の情報を▢と△の関係式で表す
- 方程式を解く
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