平均算とは
平均算はいくつかの数の平均を求めたり、逆に平均から個別の値を求めたりする問題です。平均という言葉は聞いたことはあると思いますが、その意味について考えましょう。
平均は訓読みすると「平らに均す(たいらにならす)」となります。分かりやすいイメージは、でこぼこした道を平らにする感じです(図1)。
図1自己作成・転載OK
試しに次の問題を解いて、より理解を深めましょう。
例題1
A君は5回テストを受け、その点数は90点、95点、64点、73点、88点でした。A君の5回のテストの平均点は何点でしょう。
平均算の解き方
例題1を解いていきましょう。A君の5回のテストを棒グラフで書いてみると図2のようになります。高さは点数を表します。
図2 自己作成・転載OK
次に、図3のように出っ張ているところをへこんでいるところに入れてぼこぼこを平らにします。すると図4のようになります。この時の高さが求める平均点となります。どうしたらこの高さが求まるでしょうか。
まず、図3に注目してください。ここでは、出っ張ている部分をへこんでいるところに入れているだけなので面積は変わりません。つまり、図3と図4の面積は同じです。
図3の面積は、\(90+95+64+73+88=410\)です。
図4の面積は「テストの回数×平均点」で、これが410になります。テストの回数は5回なので平均点は、\(410\div5=82\)点となります。これを公式にすると「平均=合計÷個数」となります。
図3 自己作成・転載OK
図4 自己作成・転載OK
例題2
次に平均が分かっていて、個別の値を求める問題を解いてみましょう。
東京の7日間の最高気温は以下の表のようでした。またその平均は28℃でした。5日目の最高気温を答えなさい。
日にち |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
最高気温(℃) |
27 |
31 |
30 |
33 |
? |
24 |
26 |
表1 自己作成・転載OK
表1を棒グラフで表すと図5のようになります。図5を平均したものが図6です。今回は平均が分かっているので図6の面積が分かります。図6の面積は\(28\times7=196\)です。これが図5の面積と等しくなるのでした。
図5の面積は7日間の最高気温を全て足すことで求まります。5日の最高気温を▢℃とすると、図5の面積は、\(27+31+30+33+▢+24+26=171+▢\)となります。
\(171+▢=196\)となるので\(▢=25\)、つまり求める最高気温は25℃となります。
図5 自己作成・転載OK
図6 自己作成・転載OK
平均算の解き方のまとめ
- 面積(合計)の値をだす
- 求める値を計算する
応用例題1
ここでは少し難しい平均算を解いてみましょう。
男子16人、女子14人からなる30人のクラスがあります。あるテストをしたところ、クラス平均は76.4点でした。また、男子の平均点は75点でした。女子の平均点は何点でしょう。
- 面積(合計)の値をだす
クラス全体の合計点は\(76.4\times30=2292\)点です。一方、男子の点数の合計は\(75\times16=1200\)点です。
(クラス全体の合計点)=(男子の合計点)+(女子の合計点)なので、
\(2292=1200+\)(女子の合計点)
(女子の合計点)\(=2292-1200=1092\)点です。 - 求める値を計算する
よって女子の平均点は\(1092\div14=78\)点です。
応用例題2
もう1問解いてみましょう。
いろんな重さのりんごがいくつかあります。その重さの平均は300グラムでした。そこからりんごを5個取り除くと残ったりんごの重さの平均は305gになりました。りんご5個の重さはそれぞれ、313g、256g、243g、297g、296gでした。最初りんごはいくつあったでしょう。
- 面積(合計)の値をだす
りんご5個を除いた個数を▢個とすると、問題文よりこの▢個のりんごの重さの平均は305gだと分かります。
一方取り除いたりんご5個の重さの平均は \((313+256+243+297+296)\div5=281\)gです。これを図にまとめると図7のようになります。
また、りんご全部の平均の重さは300gで、個数は(▢+5)個となります。これをまとめると図8のようになります。
ここで図8の左側と、右側の面積は以下のようになります。
(左の図の面積)は\(305\times□+281\times5\)となり、
(右の図の面積)は\(300\times(□+5)\)となります。 - 求める値を計算する
ここで図8の左側と右側の面積は等しくなるので下の等式が成立し、
\(305\times□+281\times5=300\times(□+5)\) これを解くと、
\(305\times□+1405=300\times□+1500\)左辺に□を含む式を、右辺に数字を移行し、
\(305\times□-300\times□=1500-1405\)分配法則を使うと
\(5\times□=95\)より、
\(□=19\)
つまり、最初のりんごの個数は\(19+5=24\)個となります。

図7 自己作成・転載OK
図8 自己作成・転載OK
まとめ
いかがだったでしょうか。簡単な問題はすぐ慣れると思いますが、難しい問題は図を書いて整理しながら解かないと解きにくいのでしっかり演習を積みましょう。
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