中学受験算数で必須の【単位】のまとめ ~頻出の4つの量(長さ、面積、体積、重さ)の単位を理解する~

皆さんは中学受験算数の単位の問題と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか?簡単な単位の変換が頭に浮かぶ人が多いと思いますが、あやふやな人も多いのではないでしょうか。単位の問題は、それだけで難しい問題が作りにくいということもあり、しっかりと学習する機会はあまり多くありません。そもそも教えてもらった記憶がなく、自己流で乗り切ってきたという人もいるかもしれませんね。今回はそんな単位について解説します。単位計算が早くできれば、それだけ入試本番でも有利に働きますし、大人になってからも、単位の変換がすぐにできるという人はスマートに見えますね。では早速解説していきましょう!

単位の問題で頻出の4つの量

単位の問題と聞いて思い浮かべるものは人によってまちまちだと思いますが、頻出の量をすべて答えられる人は少ないのではないでしょうか。単位の問題を攻略するといっても、ゴールが見えないことにはとっつきにくいですよね。そこでまずは、単位の問題の概要を説明します。以下で紹介することを理解すれば、ほとんどの単位の問題に対応できるという気持ちで最後まで学習に臨みましょう。単位の問題で良く問われる量は次の4つです。

  • 長さ(\(\mathrm{m}\))
  • 面積(\(\mathrm{m^2, a}\))
  • 体積(\(\mathrm{m^3, L}\))
  • 重さ(\(\mathrm{g, t}\))

単位の問題というと果てしない気がしますが、中学受験算数ではこれだけ押さえておけば十分です。後は、それぞれの量についてポイントを覚えていきましょう。

長さの単位

長さの基本単位は\(\mathrm{m}\)(メートル)です。日常的によく使う単位なのでイメージがつきやすいでしょう。長さの単位は最も簡単で、\(1\,\mathrm{m}\)を基準に以下のように考えれば良いです。

  • \(1\,\mathrm{km}\)(キロメートル)は\(1\,\mathrm{m}\)の\(1000\)倍
  • \(1\,\mathrm{m}\)は\(1\,\mathrm{cm}\)(センチメートル)の\(100\)倍
  • \(1\,\mathrm{m}\)は\(1\,\mathrm{mm}\)(ミリメートル)の\(1000\)倍

面積の単位

面積の基本単位は\(\mathrm{m^2}\)(平方メートル)です。これは辺の長さが\(1\,\mathrm{m}\)の正方形の面積に対応します。同じように、\(1\,\mathrm{cm^2}\)は辺の長さが\(1\,\mathrm{cm}\)の正方形の面積です。このとき、\(1\,\mathrm{m}\)は\(1\,\mathrm{cm}\)の100倍なので、\(100\times 100=10000\)倍になります。一覧にして確認しましょう。

  • \(1\,\mathrm{km^2}\)(平方キロメートル)は\(1\,\mathrm{m^2}\)の\(1000000\)倍(辺の長さは\(1000\)倍)
  • \(1\,\mathrm{m^2}\)は\(1\,\mathrm{cm^2}\)(平方センチメートル)の\(10000\)倍(辺の長さは\(100\)倍)
  • \(1\,\mathrm{m^2}\)は\(1\,\mathrm{mm^2}\)(平方ミリメートル)の\(1000000\)倍(辺の長さは\(1000\)倍)

面積の単位にはもう一つ重要なものがあります。それが\(\mathrm{a}\)(アール)です。\(1\,\mathrm{a}\)は辺の長さが\(10\,\mathrm{m}\)の正方形の面積に対応し、\(1\,\mathrm{m^2}\)の\(100\)倍になります。また、\(\mathrm{ha}\)(ヘクタール)というものもあり、これは辺の長さが\(100\,\mathrm{m}\)の正方形の面積に対応します。\(\mathrm{a}\)と\(\mathrm{ha}\)は主に土地の面積を表すときに使われます。\(1\,\mathrm{m^2}\)の上の単位の\(1\,\mathrm{km^2}\)が\(1000000\)倍とかなり大きいため、その間をとって使いやすい単位を作ったと考えると良いでしょう。

  • \(1\,\mathrm{a}\)は\(1\,\mathrm{m^2}\)の\(100\)倍(辺の長さは\(10\)倍)
  • \(1\,\mathrm{ha}\)は\(1\,\mathrm{m^2}\)の\(10000\)倍(辺の長さは\(100\)倍)

体積の単位

体積の基本単位は\(\mathrm{m^3}\)(立方メートル)です。これは辺の長さが\(1\,\mathrm{m}\)の立方体の体積に対応します。考え方は面積と同じです 。

  • \(1\,\mathrm{m^3}\)は\(1\,\mathrm{cm^3}\)(立方センチメートル)の\(1000000\)倍(辺の長さは\(100\)倍)

辺の長さが\(1\,\mathrm{km}\)や\(1\,\mathrm{mm}\)の立方体は日常生活で使う機会が少ないため、除外しています。他に重要な体積の単位として、\(\mathrm{L}\)(リットル)があります。これは辺の長さが\(10\,\mathrm{cm}\)の立方体の体積に対応します。これは\(\mathrm{a}\)と同じような考え方で、\(1\, \mathrm{m^3}\)と\(1\,\mathrm{cm^3}\)の間をとった単位と理解することができます。主に水の体積を測るときに使います。

  • \(1\,\mathrm{L}\)は\(1\,\mathrm{cm^3}\)の\(1000\)倍(辺の長さは\(10\)倍)

牛乳パックがちょうど\(1\,\mathrm{L}\)だということを思い出すと、辺の長さが大体\(10\,\mathrm{cm}\)程度の大きさですよね。

重さの単位

重さの基本単位は\(\mathrm{kg}\)(キログラム)です。\(\mathrm{g}\)(グラム)を基本単位と考えても良いですが、水\(1\,\mathrm{L}\)が\(1\,\mathrm{kg}\)という対応関係があるため、\(\mathrm{kg}\)を基準とした方がわかりやすいです。他の重さの単位も水の体積と対応させて考えると以下のようになります。

  • \(1\,\mathrm{t}\)(トン)は\(1\,\mathrm{kg}\)の\(1000\)倍(水\(1\,\mathrm{m^3}\)の重さ)
  • \(1\,\mathrm{kg}\)は\(1\,\mathrm{g}\)の\(1000\)倍(水\(1\,\mathrm{cm^3}\)の重さ)
  • \(1\,\mathrm{kg}\)は\(1\,\mathrm{mg}\)(ミリグラム)の\(1000000\)倍(水\(1\,\mathrm{mm^3}\)の重さ)

大きさを表す文字

これまで基本的な単位について解説してきましたが、これらにはある共通事項があります。それは、基本となる単位(\(\mathrm{m}\)や\(\mathrm{g}\))の前に\(\mathrm{m}\)(ミリ)や\(\mathrm{c}\)(センチ)、\(\mathrm{k}\)(キロ)といった文字がついているということです。これらの文字は、もととなる大きさとの違いを表す意味があります。例えば\(\mathrm{k}\)(キロ)であれば、もととなる大きさから\(1000\)倍するというような具合です。このような文字を使うと、非常に大きな数字から小さな数字までを簡単に表わすことができます。

  • \(\mathrm{p}\)(ピコ) … \(\frac{1}{1000000000000}\)倍
  • \(\mathrm{n}\)(ナノ) … \(\frac{1}{1000000000}\)倍
  • \(\mathrm{\mu}\)(マイクロ) … \(\frac{1}{1000000}\)倍
  • \(\mathrm{m}\)(ミリ) … \(\frac{1}{1000}\)倍
  • \(\mathrm{c}\)(センチ) … \(\frac{1}{100}\)倍
  • \(\mathrm{d}\)(デシ) … \(\frac{1}{10}\)倍
  • \(\mathrm{da}\)(デカ) … \(10\)倍
  • \(\mathrm{h}\)(ヘクト) … \(100\)倍
  • \(\mathrm{k}\)(キロ) … \(1000\)倍
  • \(\mathrm{M}\)(メガ) … \(1000000\)倍
  • \(\mathrm{G}\)(ギガ) … \(1000000000\)倍
  • \(\mathrm{T}\)(テラ) … \(1000000000000\)倍

非常にたくさんの文字があるため、一度に覚えるのは難しいかもしれませんが、よく使う\(\mathrm{m}\)(ミリ)、\(\mathrm{c}\)(センチ)、\(\mathrm{d}\)(デシ)、\(\mathrm{h}\)(ヘクト)、\(\mathrm{k}\)(キロ)がそれぞれ何を意味するかは覚えておきましょう。

ちなみに、\(\mathrm{p}\)(ピコ)、\(\mathrm{n}\)(ナノ)、\(\mathrm{\mu}\)(マイクロ)、\(\mathrm{m}\)(ミリ)、基本の単位、\(\mathrm{k}\)(キロ)、\(\mathrm{M}\)(メガ)、\(\mathrm{G}\)(ギガ)、\(\mathrm{T}\)(テラ)はそれぞれ\(1000\)倍ずつ大きくなるという法則があるので、全部記憶したいという人は参考にしてください!

入試問題に挑戦!

問題

\(0.65\,\mathrm{dL}\)の水が入るグラスと、ある大きさの容器があります。グラス26はい分の水で、容器はちょうどいっぱいになります。この容器の体積は何\(\,\mathrm{cm^3}\)ですか。(2015年 愛知淑徳中学 改題)

解答

まず、グラスに入る水の量が何\(\,\mathrm{cm^3}\)であるかを明らかにしましょう。\(1\,\mathrm{dL}\)は\(1\,\mathrm{L}\)の\(\frac{1}{10}\)の量です。\(1\,\mathrm{L} = 1000\,\mathrm{cm^3}\)なので、

\(1\,\mathrm{dL} = 100\,\mathrm{cm^3}\)

が成り立ちます。容器はグラス26はい分の水でいっぱいになるので、その体積は

\(0.65\,\mathrm{dL}\times 26 = 16.9\,\mathrm{dL} = 1690\,\mathrm{cm^3}\)

となります。したがって、求める答えは\(1690\,\mathrm{cm^3}\)

です。

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