補助線の引き方のコツ【中学受験算数/平面図形】

平面図形の問題の中には、図をそのまま見ているだけでは解けない問題が存在します。

そのような問題とは、「ある部分を移動させる」ということで解けるようになるものや、「補助線を引く」ということで解けるようになる問題です。

今回は、その中でも「補助線を引く」という部分に注目していきたいと思います。

補助線を必要とする問題は試験という場において差がつきやすい問題です。また、「補助線の引き方」にはコツがあります。補助線を必要とする問題で点数が取れない人の中には、「線の引き方がわからない」だけでなく、「自分自身で考えを妨げるような余分な線を引いてしまう」というような人がいます。

正しい補助線の引き方を理解して、少しでも得点アップにつなげていきましょう。

 

補助線の引き方における3つのポイント

まず何より大事なことは、「補助線を引くからには、その線によって新たな有力情報が生まれるかどうかが重要」ということです。

闇雲に点を結んでいけばいいというものではありません。余分な線はかえって混乱のもとになります。

有力情報を生み出すための補助線の引き方のコツ、それは次の3つにほぼ集約されます。

  1. 図形の中心から線を引く
  2. 今ある辺に平行(または垂直)な線を引く
  3. 今ある線をそのまま伸ばす

1つ目のポイントは、円やおうぎ形、正多角形の場合などに有効的な方法です。中心からの線が等しい長さのため、二等辺三角形(場合によっては正三角形)を作ることができます。

2つ目と3つ目は、角度を考える場合にも長さや面積の比を考える場合にも使います。2つ目と3つ目のどちらを使っても解けるというパターンも多いです。(垂直な線を引くのは、主に高さを考える場合です。)

補助線を必要とする平面図形の問題の大半は、この3つのいずれかの補助線によって、解くための糸口が見えてきます。(ただし、等積変形を利用するための補助線は例外となります。)

具体的にどのような問題でどう補助線を引くべきかを少しご紹介していきます。

円やおうぎ形の中に引く補助線

円やおうぎ形に関する問題では、「円の中心から半径を補助線として引く」ということで解決することがほとんどです。これで9割方解決すると言っても過言ではないでしょう。

例えば次のような問題があったとします。

  • (問題)半径6cmの円周上を12等分し、下のような図を作りました。斜線部分の面積は何㎠ですか。ただし、円周率は3.14とします。

斜線部分の面積を出そうにも、このまま見てもおうぎ形とも台形とも言えない、微妙な形状をしています。このままでは面積を求められないので、うまいこと補助線を引いて面積を求められるようにしたいと思います。

さてここで、上記の<悪い線の引き方の例>を見てください。「とりあえず今見えている点と点を結んでみた」という状態です。補助線のコツが身についていない人が最も多くやってしまいがちな間違いといえます。その「とりあえず」の線があることで、何も出せない状態が改善されないばかりか、余計な線があるせいで正しい考え方に進むことができません。

では、ここで正しい補助線の引き方を見てみましょう。

まずは、図の中の「図形の中心」を作ります。直径の交わるところで探せば正確に見つけることができます。ただし、中心を見つけるために引いた直径については、そのあと必要がない分は消しておきましょう。

次に、上の図の右側のように、半径を引いていきます。すると、なんということでしょう、三角形2つとおうぎ形2つに分けることができました。そして、これらの図形はひとつひとつ面積の出せる形になっています。

円を12等分しているので、目盛り1つあたりの中心角は30度ずつになっています。上のように4つの図形をア、イ、ウ、エとして計算していきます。

  • (考え方)アの図形は、底辺が6cm、高さが3cmの三角形で、面積が9㎠です。高さが3cmになるのは、30度・60度の直角三角形の性質によるものです。イとウの図形はそれぞれ中心角が30度と90度のおうぎ形で、面積は合わせて37.68㎠です。エの図形は直角をはさむ2辺が6cmの直角二等辺三角形で、面積は18㎠です。
  • (解答)9+37.68+18=64.68(㎠)

今回の問題のように、「どこで分ければ面積を求められる形になるのか」を考える場合、円の中であれば半径を引くのが正解といえるでしょう。正多角形の場合にも有効的な方法です。

相似形を作るための補助線

さて続いてもう1問、今度は平行四辺形を題材にした問題をご紹介しましょう。

  • (問題)下の図のような平行四辺形ABCDがあり、辺ABを1:2に分ける点をE、辺ADを3:2に分ける点をFとします。このとき、ECとBFの交点をGとして、EG:GCを最も簡単な整数の比で求めなさい。

この問題の図を見ると、今の図の中には、相似形となるところがひとつもありません。しかし、線分の長さの比を聞かれているため、相似を作って考える必要があります。このような問題の場合にも、「とりあえず」で適当な線を引くのは厳禁です。なんとなく前進できたように見えて、実のところ自分自身の足を引っ張ってしまっている状態になりかねません。

では、相似形を作るためにはどのような補助線を引けばよいのか?その引き方はいくつかあります。

まずは、「今ある辺に平行な直線を引く」という方法で考えてみましょう。

どこに線を引けばよいのか迷った場合、「最終的にEG:GCを求める」というのが大きなポイントです。EG:GCを求めるということは、点Gで交わる砂時計型の相似を作ればよいということになります。すると、今回のように、EからADに平行な直線を補助線として引く方法を思いつくことができます。

  • (考え方・解答)辺ADに平行な直線EHを引くと、三角形EBHと三角形ABFが相似となる。AB:EB=3:2なので、AF:EH=3:2となり、EHの長さは2⃣となる。次に三角形EGHと三角形CGBの相似に注目する。EH:BC=2:5なので、EG:GC=2:5である。

このように、平行な直線を引くことで相似形を作ることができます。しかし、EG:GCを求めるための相似形は上記の形だけではありません。

次に、「今ある辺を伸ばす」という方法で考えてみましょう。

例えば上のように、直線BFと辺CDを伸ばして交わった点をHとして考えることもできます。

  • (考え方・解答)辺CDと直線BFを伸ばして交わった点をHとすると、三角形DFHは三角形AFBと相似になる。AF:FD=3:2なので、AB :DH=3:2となり、DHの長さは②となる。次に、三角形EBGと三角形HCBの相似に注目すると、EB:CH=2:5なので、EG:GC=2:5である。

このように、補助線の引き方が違っていても、どちらからでも正しい答えにたどり着くことが可能です。今まで、補助線の引き方がわからなかったという人は、今回のように「平行に引く」または「辺を伸ばす」の方法で考えるようにしてみましょう。

 

 

まとめ

「補助線」とはその名の通りに、「その線によって助けられる」というものでなくてはなりません。

  • ここに線を引けば、ここに相似形ができる。
  • ここに線を引けば、この図形の面積が求められる。
  • ここに線を引けば、この部分の角度を求められる。

など、その線によって有力情報が生まれるかどうかが大事なのです。

しかし、問題によって必要な線は複数存在します。その中の1本で足りることもあれば、2本3本を組み合わせないといけない場合もあります。

例えば今回最後に紹介した問題では問われているのが「EG:GC」のため、最終的にGで交わる砂時計型を作ることを想定すると、ここで紹介した2通りのパターンになります。しかし、もし問われているのがFG:GBだった場合には、辺ABと直線ECを伸ばして相似形を作ったほうがよいです。このように、「最終的に何を求めたいか」によっても、最適な補助線の引き方が変わってきます。

聞かれているものによって、補助線の引き方が変わるということもぜひ身につけていってほしいと思います。最終的には数多くこなして慣れてもらわないといけないのですが、何も考えずに数をこなすよりは、ポイントを理解したうえで多くの練習に励んでもらえたら幸いです。

(ライター:桂川)

 

<関連記事>

【中学受験算数】等積変形と等積移動の基本

平面図形の苦手を解消!三角形の面積比~基本編~

公式を図解!すい体の体積、円すいの表面積の求め方

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です