中学受験算数は特殊!?身に付けたいテクニックも紹介

中学受験をお考えの場合、まず気になる科目として挙げられるのが「算数」ですよね。中学受験の算数は、小学校で学習する算数と見た目も単元も大きく異なります。そして、求められる能力の特徴や学習法にも違いがあります。そのため、得手不得手がはっきりわかってしまう科目だと言えるのです。

中学入試では、多くの学校が算数と国語の配点を理科と社会より高く設定していることが多いです。国語は日本語読解のみである以上まったく点数が取れないということはあまりありませんが、算数の場合、問題文をしっかり読み、何の問題なのかを把握し、問題文に書かれている条件などを忘れずに使いながら式をたて、最終的には計算で解答を出す、という流れを踏む以上、どこかのステップが弱いとまったく点数が取れないこともあり得る科目です。だからこそ中学受験を考えていらっしゃるご家庭では「受験算数をなんとかしなきゃ」とお考えになるでしょうし、塾でも膨大な量の問題を解くことで対策をしておこうという授業が実施されるのです。

近年の中学入試では、算数1教科型入試を導入する中学校も増えてきています。1教科で受験できるという手軽さはありながらも、問題の難易度が一般入試よりもかなり高く、試験を受ける受験生も算数が非常に得意なのでハイレベルな戦いになっています。このような入試がはじまるほど、受験生にとっての受験算数の重要性、比重の高さがさらに増大していると言えるでしょう。

今回は、受験生なら誰もが気になる受験算数の攻略法をご紹介します。受験算数の特殊性と、必要になる解法テクニックの基本についてもご紹介するので、是非チェックしてくださいね。

受験算数の特殊性はどこにある?

中学受験をお考えのご家庭では、日々算数を何とかしなければ、と勉強時間の多くを割いていらっしゃるのではないでしょうか。中学受験の算数は難しいもの、特別な勉強をしないと克服できない、というイメージは従前からあり、現在もあまり変わらないでしょう。中学受験を考えて算数の問題集や過去問をちらっと見てみたら、大人でもパッと見て「これは解けない」という印象を持つような問題が並んでいてビックリされたご経験がある保護者の方も少なくないのではないでしょうか。

中学入試は各中学校が特徴のある算数の問題を出題してきます。基本レベルの問題を大量に出題する中学校もあれば、小学校の教科書レベルではとうてい対応できないようなハイレベルの問題を出題する学校までさまざまですが、いずれにしても通常小学校で学習する算数のレベルでは見たこともないような問題が並んでいるのが受験算数の特徴です。小学校の算数の成績はよく、テストでも満点ばかりというお子さんが、力試しとして中学受験の模試を受けてみたところ、算数は半分も取れず非常にショックを受けたというご家庭も少なくありません。持っている道具と求められている道具が異なるのですから、ある意味その結果は当然だと言えるでしょう。

このような受験算数には、大きく分けて2つ、小学校レベルとはかなり異なる特徴があります。それを知っておくことでどのように受験算数の勉強にこれから取り組んでいけばよいかが分かってきます。その特徴とは、以下の2つです。

<受験算数の特徴>

・求められる計算力のレベルが非常に高い
・小学校ではあまり出てこない特殊算が多数出題される

反対に言えば、これらの特徴を把握し、対策ができれば受験算数を克服しやすくなります。では、それぞれの特徴について見ていきましょう。

ハイレベルな計算力

中学受験算数で外せない大切なポイントが、ハイレベルな計算力です。単純な計算問題ばかりでなく、いろいろな要素が計算問題の中に入り込んでいたり、文章題の解答を出すにも計算力で解ききることが要求されます。では、ハイレベルな計算力とはいったいどのようなものなのでしょうか。

受験算数で求められるハイレベルな計算力とは、「複雑な計算を速く、正確に」解いていくための力です。ここで言うハイレベルというのは、中学校で習うような方程式や不等式を使うという意味ではありません。中学受験で必要となるのは四則計算、つまりたし算・引き算・かけ算・割り算です。ただし、単純な整数だけの四則計算であれば小学校でも学ぶでしょうが、中学受験の計算問題の場合は、整数だけでなく分数や小数が複雑に入り交じり、場合によっては複数のカッコで囲われていたりしてどこまでがひとくくりなのかが分かりにくいような問題も出題されます。だからこそ「複雑」なのです。そういう意味で中学受験算数で求められる計算力はハイレベルなのです。

塾でも、皆さん先生から「計算問題は絶対に間違えないように」と言われますよね。また、自宅学習の際も保護者の方は「計算問題は間違えたらだめ」とおっしゃっているのではないでしょうか。さらに模試やテストでも、最初に出てくる計算のみの問題を間違えると「計算ミスをした」「なぜこんな問題で間違えたのか」と思われるケースも多いでしょう。塾や保護者の方が計算問題を間違えないようにと口を酸っぱくして言うのは、計算問題が非常に重要だということの表れだと言えます。ただし、模試やテストの計算問題を「ミス」で片付けてしまうのは危険なので注意しましょう。それはミスではなく立派な「間違い」です。なぜ間違えたのか早いうちに検証するクセをつけておくことが大切です。

いわゆる計算だけの問題に限らず、文章題や図形の問題でも計算力は必須です。どちらも問題文や図形などから必要なポイントを見つけ出し、正しく式を立てて計算に持ち込まないと解ききることができないからです。つまり、最終的には計算で間違えてしまうと点数が取れないということにもなりかねないのです。いくら式を正しく立てられたとしても、計算で間違えたために正解できず、点数が取れなかったという経験をされたことはありませんか?

入試では途中式を書かせる学校が多く、その場合は部分点をもらえることがありますが、たとえば海城中学校の算数は難問が並んでいるにもかかわらず、解答欄に解答だけを書き込む形を採っています。ということは、途中式を見てもらえないので、最終的に出した答えだけで点数が出されるので、式を正しく立てることはもちろん、最後まで見切って解ききることが要求されます。そういう意味でも、計算の重要性がお判りいただけるのではないでしょうか。

計算問題の難しいところは、解き方はわかった、途中式も立てられた、それでも正解できるとは限らないところです。算数が得意で好きだというお子さんであっても、少し字を雑に書いたばかりに数字を読み違えて計算間違いをしてしまったり、筆算の場所をバラバラにしていたので検算ができなかったりして計算が不正確になってしまうということは少なくありません。また、計算は細かい数字を使いこなす必要があるので、ちょっとした体調不良や睡眠不足などで集中力が途切れてしまうと簡単に計算ミスをしてしまうことにも注意が必要です。

模試でも時間配分で苦労することが多いですが、ましてや入試当日は制限時間と独特の雰囲気にのまれてしまい、思うように解き進められないこともあります。制限時間があるということは1問にかけられる時間配分をしっかり守らなければならないという大きなプレッシャーがかかるということです。そのような普段とは異なる状況でもミスすることなく制限時間内に最後まで解ききるだけの計算力が求められます。この、制限時間内に最後まで解ききるだけの計算力こそ、中学受験で求められるハイレベルな計算力なのです。

特殊算への対策が必要

小学校ではあまり習うことのない、中学受験の算数を攻略するためのポイントのふたつめは、「特殊算」への対策が必要だという点です。特殊算とは、文章題をパターン化したもので、解き方もその特殊算ごとに異なります。代表的なものを挙げてみましょう。

<代表的な特殊算>
● つるかめ算
● 和差算
● 植木算
● 損益算
● 旅人算・出会い算・追いこし算
● 通過算
● 流水算
● 過不足算
● 規則算・数列
● 仕事算
● ニュートン算

このほかにも割合を使ったやり取り算など、一見して複雑そうに見える特殊算があります。中学受験算数のカリキュラムでは、代表的な特殊算を中心に攻略法を学ぶことになります。

特殊算にはさまざまな種類がありますが、実は方程式や不等式を使えば簡単に解くことができる者も少なくありません。中学生であれば、未知数をx、yといった文字であらわして方程式や不等式を立てて解いていくといったいわばパターン問題のようなものです。しかし、中学受験では方程式や不等式は使ってはいけないことになっています。小学校で習わないからです。中学受験と言っても、小学校でまったく習わない道具を使って解くことはできないのです。

方程式や不等式といった道具が使えないということは、中学受験算数においては、四則計算が基本になるということです。式を立てて四則計算でその式を解き、答えを出すということができるかどうか、そういう意味でハイレベルな思考力と計算力を見るには特殊算は最適なのです。そういった思考力や計算力を含めた表現力こそが、中学校が受験生に求めている力だと言えるでしょう。

ただし、特殊算が大切だと言っても、低学年のころから無理に特殊算の勉強をしなければいけない、というわけではありません。特殊算の勉強は4年生から始まりますが、解けるようになるためには問題文を正確に読み取り、式を立てる力、そして計算に持ち込んで正解する力が必要です。まだ本格的に中学受験の勉強を始めていない場合には、教科書レベルや薄い学年相当の問題集を使って、文章題をすばやく正確に解けるようにすることが大切です。それによって特殊算を解ききるだけの基礎力が身に付けられます。

解法テクニックを身に付けて合格を引き寄せよう

計算力や特殊算、その他図形問題なども出題され、グラフなどの読み取りも必要ですし、何より問題文を正確に読み取り、条件などを抽出することが求められます。どれひとつ欠けても正解することができないのが受験算数の難しいところです。そのため、得手・不得手がはっきり分かれてしまう傾向があります。ほかの科目はそれほど抵抗はないけれど、算数はどうしても成績が上がらないからやる気が出ない、そしてまた成績が下がってしまう、と悩んでいらっしゃるご家庭も多いのではないでしょうか。

そのような悩みを解消する方法としてこのタイミングで意識したいのは、解法テクニックの重要性です。テクニックだけに頼っても解けない問題はありますが、問題を解くときに知っておくと時間の節約になったり計算を楽にできたりと言ったりする効果があります。こういう面も含めて、中学受験の算数を攻略する際には解法テクニックが重要になりますが、その理由は「計算力のアップ」と「応用問題への苦手意識が減る」からだと言えるでしょう。

ただし、解法テクニックを下手に身に付けてしまうと、よく考えずに飛びついてテクニックだけで解こうとして、地道に考え、努力して解こうとしなくなるのでは?という危惧はどうしても出てきますよね。解法テクニックと聞くと「裏ワザ」という気がして、お子さんも使いたくなるのは当然です。もちろん地道な努力は必要ですし、1問1問丁寧にコツコツと取り組んでいくことは何よりも大切です。

いくらテクニックを知っていてもそれだけに頼って地道な努力をしないという姿勢は良くありません。しかし、単にコツコツと一から解いて量だけを増やしても、そこに質が伴っていなければ、なかなか結果は出ません。つまり、受験算数を攻略するためには「量」と「質」のバランスを意識しながら勉強していくことが必要なのです。ここで紹介する解法テクニックは、コツコツ努力する際に「質」を高めるための道具としてとらえ、使えるときに自由自在に使いこなすことがポイントです。

計算力のアップ

解法テクニックを身に付け、うまく使いこなすことができると計算力がアップし、計算問題だけでなく文章題や図形問題などでも最後まで計算して解ききることができるようになります。

たとえば、「1.2×3.5」という計算問題があったとしましょう。小学校だと、筆算をして答えを導くのではないでしょうか。一の桁から計算しなければならないので計算の手順が複雑になり、筆算のやり方次第では間違えてしまうでしょう。ですが、計算のテクニックを持ち、使いこなせる受験生なら、少し工夫することで間違えることなく、しかも手順を減らして解くことができます。解き方は以下の通りです。

1.2×3.5

=0.6×2×3.5

=0.6×7

=4.2

ここで行った計算の工夫は、小数2つのかけ算を、ひとつを整数にするというものです。つまり、「1.2」を「0.6×2」に分解し、「2×3.5=7」という整数を導き出すので、最後は九九の暗算で解ける、というわけです。このようなとき方であれば筆算よりも簡単に、しかも手順が少なく解けますよね。計算がシンプルになるので、計算ミスも防ぎやすくなります。

これは非常にシンプルなテクニックですが、ちょっと簡単に、速く計算できるだけじゃない、と思われるかもしれません。しかし、入試本番では制限時間があるので、節約できるところでは節約して、複雑な問題の解き方を考える方に時間を割きたいものです。少しのテクニックで計算が間違えずに正確に、しかも速く解けるようになれば、自信をもって難問にも立ち向かうことができますし、ハイレベルな計算力をさらにアップすることができます。ほかにもさまざまな計算テクニックはありますが、どの部分を計算しているかという意識を持ちながらテクニックを身に付けていくと忘れにくくなりますよ。

応用問題への苦手意識が減る

解法テクニックが身に付くと、応用問題に対する苦手意識が減ります。たとえば、受験生がつまずきやすい「速さ」に関する文章題を例に考えてみましょう。「速さ」自体は小学校の教科書でも扱う内容です。速さの文章題では「道のり」「時間」「速さ」の関係がとても大切ですよね。その関係を覚えたうえで、問題文を読んで式を立てます。

では、中学入試レベルの算数の問題はどうでしょか。もちろん速さの三原則の知識に違いはありませんが、問題文の中に複雑な条件が加わっており、式を立てるまでに思考のプロセスを積み重ねなければいけないので、単純に式を立てられるような問題は少なく、一筋縄ではいかないようないわゆる「応用問題」が頻出です。ですが、そのような応用問題の場合であっても、たとえば表を使って問題文の情報を整理するというテクニックを使うとどの数字を使うべきなのかが見えてくるので、式を立てやすくなります。ですから、手を動かして情報、条件を書き出してみるというのも立派な解法テクニックです。

速さに関する特殊算のなかには、出会い算や追いこし算などがありますが、これらはダイヤグラムの図を使えば正解に近づきます。問題にすでにダイヤグラムが書かれている場合もありますが、もし書かれていない場合は、それぞれの動く物体がどのような動きをするのかダイヤグラム、グラフにすることが正解への早道です。

応用問題を克服するためには、まずその問題が何に関する問題であるかを見極めることが大切です。そしてその問題に合わせて線分図や面積図などを用いて問題文の内容を図示化すると解きやすくなります。算数が苦手なお子さんの場合、頭のなかだけで考えようとしてなかなか解法にたどり着かないということがありますが、手を使って図を描くということで一見して解けないように見えた問題が実は単純な問題に分解できることに気づくことができます。このような手を動かして問題を解くというのも、応用問題を克服するためにはとても大切な解法テクニックです。

思考力を問う問題も攻略できる

先ほど述べたように、解法テクニックを活用できると、応用問題を攻略するための強い味方になります。それをさらに応用して、思考力を要求する問題の攻略にも使えるのでぜひ知っておきましょう。

近年、思考力を問うタイプの問題を出題する中学校が増えている傾向が顕著です。こういった問題の場合も、応用問題を解く際に使ってきた「手を動かして図示する・まとめる」というテクニックが実は非常に役に立つのです。思考力を試すような問題の場合、一見して解き方がすぐに浮かび上がってくることはありませんよね。必要なのは、問題文をよく読み、条件を整理しながらさまざまな角度から解くための糸口をつかんで正解へのプロセスを見切って式を立て、計算して答えを出す、といういくつもの段階を踏んで解いていくことです。

その際に仕える解法テクニックが「この問題のこの部分は、どこかで見たことがある、解いたことがある」ということに気づくことです。どのように複雑な問題であっても、実はどこかで見たことがある問題が組み合わせられていることがほとんどです。そういった問題と結びつけることができれば、どのような表や図を描いて整理し、どの部分を求めて次の段階に行く、というプロセスが見えてきます。解法テクニックを駆使しつつ、問題を分解していって、そこにちょうど良い解法テクニックを使ってまた次の段階に進む、ということを何回か繰り返すと解けることが少なくないので、難しそうに見えて実は絡んでいるだけなので分解してあげると解きやすくなります。これも解法テクニックです。

まとめ

中学受験の算数は、正確で速い計算力や解法テクニックを身に付けることで非常に解きやすくなります。小学校で学習する内容だけでは中学受験には足りないので、どうしても塾のテキスト中心の勉強になりますが、小学校の教科書が意味を持たないわけではありません。教科書は、その単元の土台となる部分です。

受験算数の怖いところは、土台ができていないのにいくら問題を解いても正解することは難しい、という点です。そのため、まずは基礎基本の力をしっかりと蓄えることが必要です。基礎基本の理解ができて初めて解法テクニックが意味を持ちます。また、テクニックだけに走って地道な努力をしないのは本末転倒です。解法テクニックは問題を解くためのヒントを与えてくれるものなのでうまく使いこなしたいものですから、テクニック偏重にならないよう、「こういう工夫はできないかな?」と常に疑問を持ちながら問題に向き合い、使える解法テクニックを身に付けていきましょう。

解ける問題が増えると、算数への勉強意欲は飛躍的に上がります。ぜひしっかりした計算力と解法テクニックを身に付けながら、1問1問丁寧に取り組んでいき、成績アップにつなげていきましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。