【中学受験】算数のミス失点、原因と対策は?ミスを減らしたい人のための処方箋

返却された我が子の算数のテストを見て、「なんでこんなミスしちゃったの?!」とガックリきた経験のある方は少なくないでしょう。

「前やったときはできてたのに…」とか、「ミスによる失点がなければ…」と、クヨクヨしていても目の前に返されたテストの点数は変わりません。しかし、この次のテストで同じような間違いを起こさないように対策していくことはできるはずです。

先に言ってしまうと、残念ながら「ミスを完全になくす」ことはできません。人間が行う以上、ミスは起こり得るものです。しかし、「ミスを減らす」ための対策を取ることはできます。この記事の中では、よくあるミス失点の原因と対策についてお伝えしていきます。

 

 

目に見える形で意識させる

お子さんに「この問題で点数が取れなかったのはどうして?」と聞いたときに、「単なるミス」とか「うっかりしていた」など、非常に大まかな回答が返ってくることが多いと思います。そのようなぼんやりとした分析では、また同じようなミスを繰り返す可能性が高いです。もう少し具体的に、「自分の間違え方の傾向」を分析しておくと、「同じ間違いを繰り返さないように直そう」という意識が働きやすくなります。

また、具体的に自分の間違えについて分析したら、それに対しての対応を考えなくてはなりません。ここでまずおすすめしたいのが、「原因の分析と対策を紙に書き、目に見えるところに貼りだしておく」ということです。

 

例①「90と書いたつもりだったが、あわてて書いたので96に見えてしまい、そのあとそのまま96で計算してしまった(原因)」→「数字を丁寧にかくように気をつける(対策)」

例②「Aさんの速さを求めなければならないのに、Bさんの速さを答えてしまった(原因)」→「問題で問われていることを読み返すようにする(対策)」

例③「すい体の体積の求め方を忘れてしまい、計算できなかった(原因)」→「すい体の体積の公式を確認しておく(対策)」

例④「途中の問題で手こずってしまい、残りの問題を見る時間がなかった(原因)」→「時間配分を考え、解けそうな問題から手を付けていく(対策)」

 

上記の例に挙げたものは、一言にまとめてしまえば「ミスした」「うっかりしてた」で済まされてしまいます。ミスを減らすためには、本人が「ミスを直そうという意識」を強く持たないことにはありえません。とはいえ、漠然と「気をつけよう」と思っても、何に気をつければよいのかがいざというときに出てこないのです。例に挙げたように、具体的な内容を記し、客観的に目にすることで意識すべき点を気をつけるようにすることが必要です。

目で確認させることで意識させていくというのは、例えば「今月の目標」などを紙に書いて壁に貼っておくというようなことと似ています。ふとしたタイミングで、「ああそうだ、これを頑張らなくてはいけないのだ」と思い出させるということです。

ミスの原因と対策を紙に書いて貼りだす場所については、学習する場所の壁や机に貼っておきましょう。自分の字の雑さを意識しなければいけないタイミングに関しては、「勉強している時間」でなければ意味がありません。

また、上記のような「具体的な原因」が見つけられなかった場合には、ミスとかいうレベルではなくそもそもの問題理解ができていないことが大半です。その場合には、その単元の基礎の確認などを行う必要があるかもしれません。本当は「理解できていない」のを、「うっかりミス」と片付けてしまうお子さんも多くいますので、気をつけてあげたいものです。

 

マス目のノートを活用する

  • 数字を雑に書く人は、自分で自分の字を読み間違えやすい。
  • 筆算を雑に書く人は、桁の大きい計算での筆算で数字の桁がずれやすい。

「0と6」「2と3」「1と7」は数字を雑に書く人には誰しもがやりがちな、形が似ているために間違えやすい数字です。さらに上級者(?)になると、「4と9」でも間違えます。(「4」を一筆書きで雑に書くと「9」に見えることがあります。)

また、数字だけでなく「+と÷」のような記号でも、見間違いが起こります。式を書いたときに、「÷」を急いで書くと上の点と下の点がつながってしまい、「+」に見えてしまいます。

もともと几帳面なタイプの人には信じられない話かもしれませんが、このように「自分自身に気づかないうちにだまされている」という経験をしている人というのは、実は意外と多いのです。こういったミスについては、何よりも本人が意識しないことには減らせません。まずは先ほどの例に挙げたように、勉強しているところから見える位置に「0と6を間違えないように丁寧に書く!!」といった対策を書いた紙を貼りだしてみましょう。

また、数字そのものだけでなく、筆算をかくときのバランスによってミスが起こりえます。例えば商が小数第3位以降に続くようなわり算や、3桁同士のかけ算などで、途中から筆算が斜めに歪んでいってしまうというようなお子さんは要注意です。本来同じ列になくてはならない数字がずれてしまうと計算が合わなくなっていきます。特に、小数点のある計算で余りを出す場合などは、列をしっかりと揃えて書いていないと間違えてしまう可能性がとても高いです。

 

数字や筆算を雑に書いてしまうお子さんに対しては、まずその「雑に書いてしまう癖」を矯正していく必要があります。普段の学習の中でマス目のあるノートを使い、マス目を意識して数字や筆算を書かせる練習をしましょう。数字や筆算を雑に書くお子さんは、たいていこの「マス目に合わせて数字や筆算を書く」ということができません。マス目に対して大きすぎたり、小さすぎたりするような数字を書きます。マス目の線がまるで見えていないかのように、罫線を無視して筆算を書いています。これを矯正するために、次のように練習させていきましょう。

  1. マス目のあるノートを用意する。(数字や筆算の矯正には10ミリ方眼か8ミリ方眼がベストです。)
  2. 数字は1マスの中に1つ入るように書かせる。(桁数が大きくなってきたら1マスに2つ入るようにするとバランスが良くなります。)
  3. 式を書くときは左から寄せて書き始める。(余白を有効活用できるようになります。)
  4. マス目に合わせて書けるようになってきたら、マス目のない紙でもマス目があるときと同じように書く練習をさせる。

数字をマス目に合わせて書くと、それだけで自然と筆算も列が揃ったきれいな状態になります。また、「ノートの中身はその人の頭の中身」と言われるように、ノートをきれいに書けるようになると、頭の中が整理された状態で考えられるようになっていきます。

マス目のノートに合わせて書くことができるようになってきたら、マス目や罫線のない紙でも「マス目があると思って書いてみて」と練習させましょう。実際のテストの時には、マス目も罫線もない状態で計算をしなければなりません。問題用紙の余白という限られたスペースをうまく活用するためにも、マス目があるようなイメージを持つ練習が必要です。

 

式に言葉や単位を付け加える

  • 問われているものと別のものを答えてしまうことがある。
  • 単位を間違えてしまう。
  • 途中から何を計算していたのかわからなくなる。

「速さ」「割合」といった単元では、上記のようなミスが起こりやすくなります。登場人物が複数いたり、同じ大きさでも単位を変えて答えなければならなかったり、条件と処理量が多くて最初の方で求めたものが何だったのかを忘れてしまう、などが要因となります。

こういったミスを防ぐためには、ただ式を立てて計算するだけでなく、式の中に単位をつけて書いておいたり、求めた数値に言葉を付け加えておくのがよいです。

  1.  360÷8=45
  2.  360(m)÷8(分)=45(m/分)…Aくんの速さ

①と②を見比べてみると、一目瞭然ですね。①では何を計算したのかがパッと見てもわかりませんが、②ではどのような条件から何を求めたのかがわかりやすくなっています。このように、単位や言葉を付け加えるだけで、あとから見ても何をしたのかがすぐに思い出せるようになります。

本来、式とは数字と記号のみで表すものなので、上記の例では単位に()をつけて表記しています。()を省略して、式の中に単位をつけた状態で書いてしまってもよいと思いますが、途中式を見られる学校で減点にならないかなどを不安に思う方もいらっしゃるでしょう。おそらく減点対象にはならないと思うのですが、心配であれば式の途中には単位を入れず、答えの単位に()をつけて表すとよいです。いずれにしても、答えのあとに言葉を付け加えておくことは全く問題ありませんし、むしろそのように言葉を付け加えておくことを推奨している学校もあります。

 

見直しをルール化しておく

ミスが減らない人の中でも、「見直しをしたら間違えるから見直しをしない」という意見を持つ人がいます。これはとても危険な考え方です。この意見を持つ人は、「最初に書いた答えが合っていたのに、見直したときに違う気がして直したから間違えた。だからもう見直しはしない。」と言います。これは単純に、その時の印象が強かったのと、結局面倒だから見直しをしなくて済む言い訳が欲しいだけだったりします。

言い換えると、常に「最初に書いた答え」を無条件に信用する、ということになってしまいます。「最初に書いた答え」と「後から見直して出た答え」で、出した答えが違うのであれば、どちらかもしくは両方が間違えているのは当然のことです。もし違う答えが出てきてしまった場合には、どちらが正しいのかをきちんと検証する必要があるはずです。

まずは下記の例のように、見直しの取り組み方やタイミングをルール化し、常にそのルール通りに取り組むような習慣づけをしていきましょう。

  1. 答えを出したら、単位や求めたものが問われていることと一致しているか問題文を読み返して確認する。
  2. 計算量の多い問題は、途中式や筆算で計算間違いが起きていないかをざっと見返す。
  3. 残り時間5分になったら、計算問題を解き直す。
  4. 1回目と2回目で答えが違う場合は、もう一度計算し直す。
  5. 「絶対にどこかにミスがあるはず、それを見つけるのだ」という意識を持つ。

上記はほんの一例なので、自分のミスの傾向に合った見直しのルールを作るとよいです。

 

実力を鍛える努力

冒頭でも記述した通り、人間である以上はミスを完全になくすことは難しいです。誰しもがミスすることはあります。それはもう、税金のようなものだと思うしかありません。「得点できる問題の約〇%はミスする傾向にある」と自覚したうえで、実力を鍛える方向に努力をすることも必要です。「ミスも実力のうち」というのはまさしくその言葉通りなのです。

例えば次のようなことを実践していくと、素早く正確に解く実力が鍛えられます。

  • 比を活用すれば計算が楽になる。(複雑な計算はミスが誘発されやすい)
  • 3.14をかける計算は1回にまとめる。(分配法則の利用)
  • 平方数や3.14のかけ算でよく出てくる数字は覚えておく。(円周率が3.14でない場合もあるので注意)
  • 同じパターンの数値替えだけでなく、少し異なるパターンの出題を知っておく。(結果として演習量が増える)

そして一番大事なことは、「同じような間違え方を二度としない」という意識を持つことです。同じような間違いを繰り返す人は、勉強においても仕事においても「成長できていない」と思われてしまいます。人は努力次第で成長できる生き物です。ミスした経験は、次に同じような問題が出てきたときには得点源にするためのチャンスと捉えていきましょう。

 

(ライター:桂川)

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