「算数の得点力を上げたい!」と思うなら、何よりも計算力を鍛えるべきです。
「計算が素早く、正確にできること」は理想でもあり、大きなプラス要素です。
- 計算が速くなると、時間内に解ける問題数が増える。
- 計算が正確になると、ミスによる失点が少なくなる。
得点におけるプラス要素が増え、マイナス要素を減らすことにつながります。つまり、得点が自然と上がります。
では、具体的にどのようにして鍛えていくべきかをお伝えしていきます。
まずはスピードよりも正確さを重視
落ち着いた状態であれば解けるようなものでも、制限時間を決めて慌ててやってしまうと、ミスが増える可能性のほうが圧倒的に多くなります。算数でいう計算の訓練とは、運動でいうところの筋力トレーニング、料理でいうところの包丁で野菜を切るという段階です。慣れもしないのに制限時間を決めて慌ててやることが、よいことかどうか想像していただければおわかりでしょうか。
まずは、きちんと計算のルールと手順を確認し、正確に計算できるようにします。最初のうちは時間を気にせず、間違えずに計算できるようになる成功体験を多く経験させましょう。計算を行う際、次のことに気をつけるように伝えましょう。
- 計算の筆算は大きく、しっかりと読める字でかくこと。
- 筆算の列がずれないように注意すること。
- 四則混合計算が複雑になった場合にも、途中の計算をきちんと残しておくこと。
- 逆算をした場合、求めた数を当てはめて式が成り立つかどうかを確かめること。
慣れるまでの積み重ねが大事
計算は「一度やったことがあるからできるようになる」というものではありません。慣れるまでは何度も何度も、繰り返し同じような計算を行う必要があります。「コツをつかむ」という感覚は、計算においても生まれます。中学受験を指導している算数の講師の中には、2けた以上の平方数(12×12=144など)や、円周率を3.14としたときのかけ算の数値まで、生徒に覚えるように指導する講師も珍しくありません。
また、一度に大量の計算練習をしたからとそのあと何日も触れずにおくより、毎日少しずつ計算をしていくほうが効果があります。運動でいうところの筋トレと同じことです。計算に全く触れずにいる期間が長ければ長いほど、計算力はどんどん衰えます。これから計算力を鍛えようという人は、まずは毎日やるべきものを決めて、取り組みましょう。毎日やるときの目安は次の通りです。
- 1日のスケジュールの中で取り組む時間帯を決めておくとよい。(例:朝ごはんの前、お風呂のあと、など)
- 1日分は5分~15分程度で解き終わる量でよい。
- 計算問題のみでもよいが、計算と一行文章題の組み合わせでもよい。
- よく使う計算の数値や計算の工夫は覚えておくとよい。
1日分にかかった時間を計測して記録
スピードをつけたいがために、むやみに制限時間を決めてしまうのは実はあまりよくありません。冒頭にも書いたように、「まずは正確に計算すること」を優先させるべきです。しかし、時間を意識せずにスピードをつけることはできません。制限時間(カウントダウン)ではなく、解き始めてから解き終わるまでの時間(カウントアップ)で時間を測るようにしましょう。
かかった時間がどんなに短くなったとしても、間違えた問題があるのであれば反省すべき点があるはずです。全問正解をしつつベストスコアを目指す、そういったゲーム感覚を取り入れてみましょう。
時間を測るときの手順は次の通りです。
- タイマーや時計などを準備する
- 0分0秒の状態から、解き終わるまでの時間を計測して記録する
- 答え合わせをし、正解数も記録する
おすすめ計算書籍、無料HP
上記の3点を普段の学習の中で心がけていただくと、計算力は格段に上がっていきます。毎日行う計算問題用のテキストは、大手塾であれば独自テキストですでに用意されています。中には、一般書籍として購入可能なもの(★)もあります。
- SAPIX→「算数基礎力トレーニング」
- 四谷大塚、早稲田アカデミー→「予習シリーズ 計算(★)」
- 日能研→「計算と漢字」または「マスター1095題(★)」
- 栄光ゼミナールなど→「中学受験新演習 計算日記」
上記のSAPIXの教材、予習シリーズ、中学受験新演習は、計算だけでなくそれぞれのカリキュラムに応じた一行文章題が入っているため、普段の授業用教材とセットで使うことで復習も兼ねて学習効果が上がるように作られています。
その他、計算問題を練習させたい場合に有効と思われるテキストや無料ダウンロードのできるHPを以下にご紹介しておきます。
【市販教材(amazonなどでも購入可能)】
- 公文式のドリル(小学校1~6年学年別・基礎レベル)
- 日能研BOOKS マスター1095題(小学校1~6年学年別・標準レベル)
- 旺文社 出る順計算920(小学校5~6年・中学受験用)
- 中学入試 算数 実力突破 計算と一行問題 基本編: 偏差値55を超える! 毎朝10分の合格トレーニング (中学入試絶対合格プロジェクト)(小学校5~6年・中学受験用)
【計算問題が無料でダウンロードできる】
- ちびむすドリル(規定プリント)
- 算数の計算問題 自動作成(自動作成プリント)
- 計算問題.com(自動作成プリント)
- 算願(規定プリント)
- 「算数の基礎から確認したい!」という方は【中学受験】算数のオススメ基礎問題集とその使い方を参考にしてください。
- 「計算のケアレスミスを減らしたい!」という方は【中学受験算数】タイプ別ケアレスミス対策のチェックリストも参考にしてください。
- 「ミス失点を減らす方法が知りたい!という方は【中学受験】算数のミス失点、原因と対策は?ミスを減らしたい人のための処方箋も参考にしてください。
- 「計算力をまず鍛えたい!」という方は中学受験の計算問題を素早く正確に解けるようになる3ステップを参考にしてください。
- 「偏差値を上げるための勉強法を知りたい!」という方は【中学受験】苦手な子でも偏差値20アップする算数勉強法を参考にしてください。
- 基本ができるようになったら【中学受験】算数の得点力アップのためのおすすめ問題集も参考にしてください。
(ライター:桂川)