平面図形と辺の比の利用[証明&実践編]〜有名定理を演習問題付きでわかりやすく解説します!〜

角の2等分線の性質

角の2等分線の性質ってなんだっけ?

最初は角の2等分線の性質について話していきます。まずは、角の2等分線の性質とはなんだったかの確認をしていきましょう。

三角形ABCの角Aを2等分する直線を引き、その直線と対辺との交点Fを作ります。そうすると、あら不思議

\(AB:AC=BF:CF\)

が成り立ちますよ、というものでした。

今回はこの不思議に迫っていこうというものです。

角の2等分線の性質の証明

手順; \(AC:AB, CE:BE\)を使うような相似を見つけていく!

  1. 角Aの角の2等分線に対して点B、点Cから垂線を引きます。今回はその交点をそれぞれ点F、点Gとしましょう。これにより∠BFA、∠BFE、∠AGC=90°となりますね。ただの直角です。
  2. ここで三角形ACGと三角形ABFに注目していきます。
    まず、1であげたみたいに、 ∠BFA=∠AGC=90°・・・ⅰ
    次に、角の二等分線なので、BAF=∠CAG・・・ⅱ
    ⅰ、ⅱより2組の角が等しいので、三角形ABF∽三角形ACG
    相似比が等しいので、\(AC:AB=CE:BE\)・・・ⅲ
  3. 次に三角形BEFと三角形CEGに注目していきます。
    これも、1にあげたみたいに、∠BFE=∠CGE=90°・・・ⅳ
    対頂角なので、∠BEF=∠CEG・・・ⅴ
    ⅳ、ⅴより2組の角が等しいので、三角形BEF∽三角形CEG
    相似比が等しいので、\(BE:CE=BF:CG\) ・・・ⅵ
  4. ⅲ、ⅵから
    \(AC:AB=BE:CE\)が成り立つ。

これが角の2等分線の性質の証明になります。

抑えておきたいポイントとしては、直角を作り出すこと相似を見つけること、この2点があげられます。

これはメネラウスの定理を証明するにあたっても必要になってくることなので、今のうちに抑えておきましょう。

メネラウスの定理

メネラウスの定理ってなんだっけ?

では、次はメネラウスの定理です。メネラウスの定理とはどういったものだったでしょうか。

同じ角を持つ三角形を2つ用意して、共通する角を重ねるように置くと、あら不思議

\(\frac{AE}{EB}\times\frac{BD}{DC}\times\frac{CF}{FA}=1\)

が成り立つんですね、というものでした。

お次はこれがなぜ成り立つのかについて話していきます。

メネラウスの定理の証明

手順; \(AE:EB, BD:CD, CF:FA\)を使うような相似を見つける。

  1. 点A、点B、点Cから半直線DFに向かって垂線を引き、その交点をそれぞれ点G、点H、点Lとします。
    この時、∠DGC=∠DLB=∠DHA=90°・・・ⅰ
  2. まず、三角形DBIと三角形DCGに注目します。
    共通の角なため∠BDI=∠CDG・・・ⅱ
    また、ⅰより、∠BID=∠CGD=90°・・・ⅲ
    ⅱ、ⅲより2組の角がそれぞれ等しいため、三角形DBI∽三角形DCG
    よって、\(BD:CD=BI:CG\)・・・ⅳ
  3. 次に、三角形BEIと三角形AEHに注目する。
    対頂角であるため、∠BEI=∠AEH・・・ⅴ
    また、ⅰより、∠BIE=∠AHE=90°・・・ⅵ
    ⅴ、ⅵより、2組の角がそれぞれ等しいため、三角形BEI∽三角形AEH
    よって、\(BE:AE=BI:AH\Rightarrow BE\times AH=AE\times BI\)・・・ⅶ
  4. 三角形AFHと三角形CFGについて注目する。
    対頂角なため、∠AFH=∠CFG・・・ⅷ
    また、ⅰより、∠AHF=∠CGF・・・ⅸ
    ⅷ、ⅸより、2組の角がそれぞれ等しいため、三角形AFH∽三角形CFG
    よって、\(AF:CF=AH:CG\Rightarrow AF\times CG=CF\times AH\)・・・ⅹ
  5. ⅳ、ⅶ、ⅹの両辺をかけると、
    \(\frac{BD}{DC}\times\frac{AE}{BE}\times\frac{CF}{AF}=\frac{BI}{CG}\times\frac{AH}{BI}\times\frac{CG}{AH}\)となり、
    \(\frac{AE}{BE}\times\frac{BD}{DC}\times\frac{CF}{AF}=1\)が成り立ちます。

これがメネラウスの定理の証明です。

ここで重要視されるのは、角の2等分線の性質の証明同様、直角を作る相似を見つけるという点です。

また、今回は積が1になるという形を意識する必要はありますが、流れは角の2等分線と変わらないですね。

今回は証明という場で、直角を作り、相似を見つけ出すということを利用しましたが、証明以外の問題でも利用することが多いので是非抑えておきたいですね。

チェバの定理

 チェバの定理ってなんだっけ?

最後にチェバの定理です。前2つと同様に、まずはチェバの定理はどのようなものだったかということを振り返りましょう。

三角形の中に、1つ点を置きます。その点に向け、各頂点から半直線を引きます。その半直線と対辺との交点を点E、F、Gと置くと、あら不思議

\(\frac{AF}{FB}\times\frac{BE}{EC}\times\frac{CG}{GA}=1\)

が成り立つんですね。

これもなぜ成り立つのか、説明していきます。

チェバの定理の証明

  1. くさび形ABCDに注目します。
    メネラウスの定理を利用して
    \(\frac{AF}{FB}\times\frac{BC}{CE}\times\frac{ED}{DA}=1\)・・・ⅰ
  2. くさび形ACBDに注目します。
    メネラウスの定理を利用して、
    \(\frac{AG}{GC}\times\frac{CB}{BE}\times\frac{ED}{DA}=1\)・・・ⅱ
  3. ⅰ÷ⅱをすると、
    \((\frac{AF}{FB}\times\frac{BC}{CE}\times\frac{ED}{DA})\div(\frac{AG}{GC}\times\frac{CB}{BE}\times\frac{ED}{DA})=1\)となり、
    \(\frac{AF}{FB}\times\frac{BC}{CE}\times\frac{ED}{DA}\times\frac{GC}{AG}\times\frac{BE}{CB}\times\frac{DA}{ED}=1\)よって、
    \(\frac{AF}{FB}\times\frac{BE}{EC}\times\frac{CG}{GA}=1\)

が成り立ちます。

これがチェバの定理の証明です。せっかくメネラウスの定理を学んだすぐだったので、メネラウスの定理を採用しました。(但し、チェバの定理”のみ”を証明する場合に、何の断りもなくメネラウスの定理を用いると減点される可能性があるので注意が必要です)

今回はメネラウスの定理を利用しましたが、反対に、メネラウスの定理の証明にもチェバの定理を利用することもできます。

また、その裏を返せば、メネラウスの定理を、直角を作り、相似を見つけるという方法でも証明することができるのです。興味のある方はぜひトライしてみてください。

演習問題

では、実際の問題では、どのように使われていくのでしょうか?

今回はメネラウスの定理を使って考えていきます。

  • Q. 三角形ABCの面積を1とします。点D、E、Fはそれぞれ辺AB、BC、CAを3:1に内分します。また、線分AEとBF、線分BFとCD、線分CDとAEとの交点をそれぞれ、点I、G、Hとします。
    • (1)\(AG:GI:IE\)を求めよ。
    • (2)\(\triangle{GHI}\)の面積を求めよ。
  • A.
    • (1)
      まず、くさび形ABCIに注目し、メネラウスの定理を用いると、
      \(\frac{AD}{DB}\times\frac{BC}{CE}\times\frac{EI}{IA}=1\)・・・ⅰ
      点D、EはそれぞれAB、BCを3:1に内分するため、
      \(\frac{AD}{DB}=3\)、\(\frac{BC}{CE}=4\)・・・ⅱ
      ⅰ、ⅱより、
      \(3\times4\times\frac{EI}{IA}=1\)、\(\frac{EI}{IA}=\frac{1}{12}\)・・・ⅲ
      次に、くさび形ACBGに注目し、メネラウスの定理を用いると、
      \(\frac{AF}{FC}\times\frac{CB}{BE}\times\frac{EG}{GA}=1\)・・・ⅳ
      点F、EはそれぞれAC、CBを3:1に内分するため
      \(\frac{AF}{FC}=\frac{1}{3}\)、\(\frac{CB}{BE}=\frac{4}{3}\)・・・ⅴ
      ⅳ、ⅴより、
      \(\frac{1}{3}\times\frac{4}{3}\times\frac{EG}{GA}=1\)、\(\frac{EG}{GA}=\frac{9}{4}\)・・・ⅵ
      ⅲ、ⅴより、\(AG:GI:IE=4:8:1\)
    • (2)
      \(BH:HG:GF\)について、(1)と同様の手順で求めると、
      \(BH:HG:GF=4:8:1\)よって、
      • \(\triangle{ABE}=\frac{3}{4}\triangle{ABC}\)
      • \(\triangle{BGE}=\frac{9}{13}\triangle{ABE}=\frac{9}{13}\times\frac{3}{4}\triangle{ABC}=\frac{27}{52}\triangle{ABC}\)
      • \(\triangle{GHI}=\frac{8}{9}\times\frac{8}{12}\triangle{BGE}\)\(=\frac{8}{9}\times\frac{8}{12}\times\frac{27}{52}\triangle{ABC}\)\(=\frac{4}{13}\triangle{ABC}=
        \frac{4}{13}\triangle{ABC}=\frac{4}{13}(\because \triangle{ABC}=1)\)

まとめ

これが実際にメネラウスを利用するような問題の一例です。比を、面積比を求めるために使う、そのための比を求めるために、メネラウスの定理を使う、ということが定石になってきています。

中学では、相似の問題で、高校生では初等幾何で使うことが多いです。

この文章を通して、少しでも理解してもらえば、クラスメイトに「その問題?比で解けるよ?」とドヤ顔できること間違いなしです。実際の問題は理解するのが難しいかもしれません。それでも、何回も何回も噛み砕きながら、理解してもらえれば幸いです。

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