これで解決!白百合学園中の社会の特徴と対策法を徹底検証!

入試情報

問題構成・解答形式

白百合学園中の社会は、試験時間30分に対して大問が4、5問、総設問数が20〜40問程度となっています。ここ数年で大問数は安定していますが、総設問数は年度によってかなり変化しています。

基本的には地理・歴史・公民・時事の4分野から少なくとも1問ずつ出題されていますが、同じ分野から複数問出題される場合がほとんどです。

近年の出題内容

2020年度

2019年度

2018年度

出題傾向

概要

白百合学園中の社会は、試験時間30分に対して大問が4、5問、総設問数が20〜40問程度となっています。

基本的には地理・歴史・公民・時事の4分野から少なくとも1問ずつ出題されますが、ほとんどの年度で1つの分野から複数問出題されています。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の社会では、様々な種類の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替えといった問題のほかにも、記述問題なども毎年必ず出題されています。

出題傾向についての詳細

白百合学園中の社会では、地理・歴史・公民・時事の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

なかでも地理からは「国土と自然分野」「日本の各地方」「日本の諸産業」といった問題が、歴史からは「明治〜平成時代」「文化・宗教史」「歴史の総合問題」といった問題が、公民からは「三権分立の仕組み」がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。ここ最近の合格者平均点は7〜8割程度とかなり完成度の高い解答が求められます

また、様々な形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった問題はもちろんですが、記述問題などもよく出題されています。

記述問題は、現象説明のような短い記述を求めるものから、受験生同士の考えを問うような手ごたえのあるものまで様々です。各大問につき必ず1問は出題されており、当校の社会では頻出の問題となっています。

当校の社会は、とにかく問題分量が多いことが特徴的です。試験時間が30分と、かなり短いなかで、全20〜40問にもわたる問題を解き終えなければなりません。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

白百合学園中の社会では、地理・歴史・公民・時事の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも特に頻出の、地理・歴史の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

実際の出題例1〜地理〜

(2018年度第1回・第1問より抜粋)

〔1〕エネルギー資源と日本の発電について、あとの各問いに答えなさい。

問1 以下の文章の空欄( 1    )〜( 5    )に当てはまる語句を答えなさい。

1960年代はじめまで、日本の発電は水力発電が中心であった。その後は火力発電の方が多くなり、燃料も( 1    )から( 2    )に主力が変わった。この変化を( 3    )という。しかし1970年代に2度起こった( 4    )によって火力発電の割合が減りはじめて、かわりに原子力発電の割合が高くなった。その後、原子力発電は2011年3月の( 5    )をきっかけにほとんど使われなくなった。

問2 以下の1〜6は、水力・火力・原子力発電の長所と短所を説明しています。それぞれどの発電を説明していますか。水量発電はア、火力発電はイ、原子力発電はウでそれぞれ答えなさい。

1.小さな設備で、大きな力を出すことができる。

2.資源を輸入する必要がなく、日本の地形に適している。

3.工場や都市など、多くの電力が必要な地域の近くに発電所をつくることができる。

4.二酸化炭素などが発生し、環境に大きな影響を与える。

5.発電後の廃棄物の処理に問題をかかえている。

6.天候の変動に左右されやすい。

【答え】

  • 問1 ⑴石炭 ⑵石油 ⑶エネルギー革命 ⑷石油危機 ⑸東日本大震災
  • 問2 ⑴イ ⑵ア ⑶イ ⑷イ ⑸ウ ⑹ア

〔解説〕

  • 問1
    • どれも基本的な用語問題。大問1は地理分野の問題だが、⑸は時事要素も入っている。
  • 問2
    • 発電に関する基本的な知識が問われる問題。必須の暗記事項が頭に入っていれば解くことができるので、満点を目指したい。

〔ポイント〕白百合学園中では、地理・歴史・公民・時事の4分野のなかでも、地理・歴史が特に頻出です。地理の問題のなかでは、日本の諸産業に関する問題が頻繁に出題されています。

また、今回の問題のように、基本的な用語説明や知識問題がほとんどです。難易度はそこまで高くない場合が多いので、満点を目指したい内容となっています。

実際の出題例2〜公民〜

(2019年度第1回・第4問より抜粋)

〔4〕次の文を読んで、あとの問いに答えなさい。

平成最後となった②昨年の夏には立て続けに大きな災害がおきました。また③9月20日には衆参両院で過半数の議席を持つ政党の総裁選挙が、④9月30日には沖縄県知事選挙がおこなわれました。

問1 下線部①について、元号と天皇の代替わり(皇位継承)の説明として誤っている文を、次のア〜ウから1つ選び、記号で答えなさい。

ア.最初の元号「大化」から、天皇の代替わりの時だけ、元号を変える「改元」がおこなわれてきた。

イ.明治以前は、大災害がおこった時なども改元がおこなわれてきた。

ウ.現在は、元号法により天皇の代替わりの時のみ改元がおこなわれる。

問2 下線部②について、

⑴ 次のア〜ウの災害がおきた順番に並べ、記号で答えなさい。

(ア)北海道胆振東部地震

(イ)西日本豪雨

(ウ)台風21号(チェービー)

⑵上のアが引きおこしたこととして、次のa〜fからあてはまるものをすべて選び、記号で答えなさい。

a.1つの都道府県全域にわたる数日間の停電

b.がけ崩れによる生き埋め

c.高潮による飛行場の冠水

d.鉄道運休

e.川の氾濫による大規模な住宅地の浸水

f .その他の観測史上最強の風による住宅被害

問3 下線部③について、

⑴この政党の名を書きなさい。(党を入れて漢字5文字)

⑵この政党の総裁を選ぶ選挙が、日本の他の政党の党首選挙と違う点を簡潔に書きなさい。

⑶この選挙で総裁に選ばれた人の氏名を書きなさい。

⑷⑶の選挙で対立候補だった人が、公約に「政治・行政の信頼回復100日プラン」を掲げたことは、どんなできごとを背景とするか。次のa〜eから、あてはまるものをすべて選び、記号で答えなさい。

a.森友学園問題

b.2019年中の消費税10%への増税を決定

c.築地卸売市場移転問題

d.加計学園問題

e.憲法改正への意欲表明

問4 下線部④について、この選挙は、政府が米軍の新基地建設を推進することに強く反対した前知事が人気中に死去したことに伴うものでした。

⑴政府は沖縄のどこに米軍の新基地建設を推進していますか。

⑵前知事は基地建設に必要な埋め立て承認とりけしを表明し、東アジアの軍事的緊張がゆるんでいることを理由としてあげました。これは2018年前半に、ある3つの国が合意したことを指しています。この3カ国との合意の内容を書きなさい。

⑶この選挙では、(a)国政与党が推薦する人 (b)前知事の方針を受け継ぐ人のどちらが当選しましたか。a・bの記号で答えなさい。

【答え】

  • 問1 ア
  • 問2
    • ⑴ イ→ウ→ア
    • ⑵ a、b、d
  • 問3
    • ⑴ 自由民主党
    • ⑵ 与党なので、この党の総裁が内閣総理大臣になる。
    • ⑶ 安倍晋三 
  • 問4⑴ 名護市辺野古
    • ⑵ 3つの国…アメリカ合衆国、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国
    • 合意…北朝鮮の核放棄による、朝鮮半島全体の非核化。
    • ⑶b

〔解説〕

  • 問1ア.最初の元号「大化」から、天皇の代替わりの時だけ、元号を変える「改元」がおこなわれてきた。→天皇の代替わりの時だけではないため、不適切
  • 問2(ア)北海道胆振東部地震→2018年9月6日(イ)西日本豪雨→2018年6月28日〜7月8日

    (ウ)台風21号(チェービー)→2018年8月28日発生、9月4日上陸

〔ポイント〕

  • 白百合学園中の社会では、様々な形式の問題が出題されることが特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった問題のほかにも、記述問題も出題されています
  • なかでも記述問題は毎年必ず出題されています。今回のように、基本的な知識を問うような簡単な問題から、受験生独自の思考を問うような手応えのある問題まで、分量・難易度も様々です。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

白百合学園中の社会は、あくまで単元についての本質的な理解を問うような問題が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。

過去問演習は入念に

白百合学園中の社会では、色々な形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験社会でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題、並び替え問題のほかにも、記述問題などが出題されています。

なかでも記述問題は各大問につき必ず1問は出題されているほどで、当校の理科に特徴的な問題と言えるでしょう。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は本番までにあらかじめしっかりと行いましょう。

まとめ

今回は、白百合学園中の入試情報や、社会の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の社会は、試験時間30分に対して大問が4、5問、総設問数が20〜40問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記述問題の割合が多い」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

参考

学園概要|白百合女子学園中学高等学校

生徒の一日/行事一覧|学園生活|白百合女子学園中学高等学校

アクセス|白百合女子学園中学高等学校

クラブ活動/生徒会活動|学園生活|白百合女子学園中学高等学校

説明会日程|受験生の方へ|白百合女子学園中学高等学校

入試結果|受験生の方へ|白百合女子学園中学高等学校

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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