中学受験・社会 日本の社会保障制度をマスターしよう!その2

社会保障制度については、勉強を始める時期が遅く、内容をしっかり理解できないまま入試に突入、ということもありえるところです。しかし、少子高齢社会が進んでいる日本では避けて通れないテーマです。時事問題と関連させて入試でも出題される可能性の高い単元ですから、早いうちにしっかり理解しておきたいところです。

最近の入試問題は、時事問題に関する知識は必須ですが、社会の仕組みや、いま日本が抱える問題点について考えさせる問題が多く出題されます。社会保障制度などはまさに格好の題材です。前回も書きましたが、覚えにくいと感じるということは、差がつきやすいということでもあります。早めにマスターし、「差をつけられる」ようにしていきましょう。

今回は、社会保障制度の4本の柱のうち、前回に続いて残りの3本の柱についてまとめていきます。

復習ー社会保障制度の4本の柱

前回、社会保障制度の4本の柱について書きましたが、覚えていますか?もう一度書いておきますので、しっかりマスターしましょう。

  1. 社会保険
  2. 公的扶助
  3. 社会福祉
  4. 公衆衛生

でしたね。社会保険については前回の記事に書きましたので、そちらを参考してください(最後に関連記事リンクを貼っておきます)。

社会保障制度の4本の柱②公的扶助

「扶助」という言葉は、「助ける」という意味があります。ですから、社会で困っている人を助けるという制度が公的扶助だ、ということになります。具体的に言うと、生活保護がその中心です。何らかの理由で所得のない人、低所得の人に対して生活費や医療費が支給されるという制度です。

最近では、生活保護受給者が過去最高を記録したというニュースや、あるいは不正受給の問題が明らかになったニュースなど、よく話題にされます。そもそも何のために作られた制度なのか、生活保護はどういう人のためにあるのか、憲法の根拠は何条か、などについて、ぜひニュースを見たときなどに話し合っておきましょう。知識と知識がつながり、忘れにくくなります。

社会保障制度の4本の柱③社会福祉

「福祉」という言葉には、「しあわせ、幸福、生活の安定や充足」という意味があります。社会福祉とは、特に身寄りのない老人や子ども、障害のある人など、社会的にハンデを負っている人々の生活を国が援助する制度のことを言います。

高齢者福祉法、児童福祉法、身体障害者福祉法、知的障碍者福祉法、母子及び寡婦福祉法など、様々な福祉法が整備されています。法律の細かい意味は知らなくてかまいません。ですが、何らかの理由で普通の、人間らしい生活を送ることが難しい人々の生活の安定のために、様々な法律が作られているということをぜひ知っておきましょう。

受験生の皆さんにとって身近な社会福祉としては、保育所や児童相談所について考えてみるとよいと思います。これらは、児童福祉法に基づいて設置されている施設です。なぜそのような施設が必要なのか、そして法律によって何を守ろうとしているのか、について考えてみると、イメージがつかみやすいと思います。

社会保障制度の4本の柱④公衆衛生

4本の柱のうち、これが一番イメージしやすいかもしれません。病気の予防清潔な環境を維持する事業を国がおこなう、というものです。たとえば、感染症対策の予防接種や、上下水道の整備廃棄物の処理公害対策などがあります。私たちの日常生活に密接に関わっていますね。地方自治体の保健所や保健センターが中心になって行われています。

公衆衛生としておなじみのものとしては、感染症対策として行われている、乳幼児期の予防接種が挙げられます。受験生の皆さんも、赤ちゃんの時から今でも、予防接種を受けていますよね。注射は痛くて嫌ですが、伝染病を防ぐためにも非常に大事な制度なのです。

また、ペットを飼っているなら、犬や猫の保護、管理なども保健所の仕事ですから、公衆衛生に関連しています。家族が定期的に受けているであろう、がん検診などの健康診断も公衆衛生ですね。

災害、特に水害が生じると、被害にあった住宅を消毒する作業が行われます。ニュースで見たことがある光景ではないでしょうか。水害があったところをそのままにしておくと、感染症が起こるおそれがあります。これも公衆衛生であることを思い起こすきっかけになると思います。なぜそれが公衆衛生になるのか、という視点を持っておくと理解しやすくなりますよ。

社会保障制度は身近な制度

受験生にとってみると、社会保障制度は難しいイメージがあると思いますが、社会保障制度は誰しもが利用している制度です。塾の授業や机の上の勉強だけで覚えるのではなく、「生活の中」で理解し、覚えていきたいですね。内容が少し難しいですから、ここは親御さんの出番です。ニュースになっているような、社会保障制度の問題点についてはぜひ親子で話し合ってみてください。難しい言葉が出てきたら、言葉の意味を一緒に考えたり、具体的な例を説明してあげるとしっかり定着しますので、ぜひやってみてください。

また、少子高齢化問題や国家財政支出における社会保障関係費増大の話題は、時事問題として出題される可能性の高いところです。政府もないところからお金を出すことはできませんから、税金をどうするか、という問題にもかかわってきます。政治との融合問題として出題されることも予想されますので、しっかり理解しておくようにしましょう。制度の内容の知識と、それがどういう場面で使われるのか、身近な例をあげて説明できるようにしておくと、直前期に非常に楽になります。ぜひ、やってみてください。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。