【中高一貫・附属大あり】共立女子中学校の社会ってどんな特徴があるの?最新出題傾向・入試対策方法・過去問対策についてご紹介!

共立女子中学校・高等学校は、東京都千代田区一ツ橋二丁目に所在する別学の私立女子校です。

完全中高一貫校であるため、高校からの募集は行っていません。

共立女子大学、共立女子短期大学、共立女子大に中学校・高等学校、共立大日坂幼稚園をはじめ、各地に系列校があることが特徴的です。

今回は、そのような共立女子中学校の、社会の入試問題の出題傾向と対策法についてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

共立女子中学校の社会は、試験時間が35分、満点が70点となっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜25問程度となっています。

大問数、総設問数ともにここ数年で安定しており、特に目立った増減は見られません。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民、時事含それぞれ)の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されています。複数の分野を組み合わせた融合問題などは、特に出題されていません。

近年の出題内容

2021年度

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

共立女子中学校の社会は、試験時間が35分、満点が70点となっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜25程度となっています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民・時事それぞれ)の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、複数の分野を組み合わせた融合問題などは特に出題されていません。

また。ここ数年でこの問題構成には特に変化がなく、大幅な増減などは見られません。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替えといった知識問題がほとんどです。

そのほかにも、各大問につき1問〜2問程度、字数制限付きの記述問題が出題されることもあります。

出題傾向についての詳細

共立女子中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事それぞれ)の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

ここ最近の出題パターンを見てみると、大問数は4問、総設問数は15〜25問の間で増減を繰り返しています。

なかでも地理からは「国土と自然分野」「日本の各地方」「日本の諸産業」といった問題が、歴史からは「文化史」「経済史」といった問題が、公民からは「国会の仕組み」「日本国憲法・法律の仕組み」「現代社会の時事問題」についての問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

合格者平均点などは特に公開されていませんが、社会が苦手な場合であっても、6〜7割の得点は目指したいところです。受験者平均点は例年5割程度の得点が続いています。

また、毎年さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった知識問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき、字数制限付きの記述問題が出題されることもあります。限られた空欄の中で、論理的かつ整理された記述が求められます

当校の社会は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が35分と、他の学校と比べてもかなり短いなかで、多い年では25問近い問題を時終えなければなりません。

1問あたりにかけることのできる時間は1分程度しかなく、かなり時間が短いことから、試験時間には全く余裕がないと言っていいでしょう時間がない中で完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

共立女子中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも歴史の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2020年度・第1問より抜粋)

〔1〕次の文章を読み、後の各問いに答えなさい。

新しい元号「令和」の時代が始まった。この元号の2文字は「①」から引用されたものである。②の長官であった大伴旅人が宴を開いた際に「梅花の歌三十二首」がよまれた。その歌について、序文に「初春の令月にして、気よく風和らぎ、梅は鏡前の粉を拓き、蘭は背後の香を薫らす」とあるものからとられた。元号で「令」の文字が使われるのは初めてのことで、③「和」の文字は20回目だ。

このように日本ではしばしば表現に花が使われる。例えば、桜は美しいものや、限りがあり、はかないものを表すことが多い。絶世の美女とされた小野小町は、④『古今和歌集』で「花の色はうつりにけりないたずらに、わが身世にふるながめせしまに」と年とともに衰えている自らの美貌を嘆いている。また、⑤西行は「願わくは花の下にて死なん その如月の望月の頃」と桜の頃の死を願い、願い通りの時期に亡くなった。また奈良時代までは、一般的に花といえば梅の花をさした。そのなごりか、桜が絶賛されるようになった平安時代においても⑥は、自らが②に左遷される際に「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」と歌い、親しんだ梅の花との別れを惜しんだ。

権力者も花を好んだ。⑦室町時代には、3代将軍⑧が四季折々の花が咲くように邸宅を造ったことから、その邸宅は「花の御所」とよばれるに至った。さらに、織田信長・⑨豊臣秀吉の頃の文化が「安土桃山文化」とよばれるようになったのは、伏見城に桃の花が多く咲いたことに由来している。⑩千利休は秀吉を招いた際、満開の朝顔の花を全て摘んでしまい、茶室に一輪だけ飾っていたという。花の美しさをどのように生かすかは、どの時代の人にも永遠の課題なのかもしれない。…

問1. 空らん①には、奈良時代に作られたとされる、日本最古の和歌集が入ります。この語句を答えなさい。

問2. 空らん②には、当時の九州に置かれた政治機関が入ります。この語句を答えなさい。

問3. 下線部③に関して、「和をもって貴しとなし」から始まる史料として正しいものを次から1つ選び、記号で答えなさい。

ア.冠位十二階 イ.十七条の憲法 ウ.改新の詔 エ.大宝律令

問4. 下線部④に関して、平安時代の日本の説明として誤っているものを次から1つ選び、記号で答えなさい。

  • ア.聖武天皇が東大寺に大仏を造立した。
  • イ.桓武天皇が最澄を保護した。
  • ウ.紀貫之が『土佐日記』を著した。
  • エ.平清盛が太政大臣となった。

問5. 下線部⑤の人物はもともと武士でした。このあと武士は幕府を開きますが、13世紀に起こった、北条氏率いる幕府軍と上皇率いる朝廷軍との戦いを何というか答えなさい。

問6. この空らん⑥にあてはまる人名を漢字で答えなさい。

問7. 下線部⑦に関して、この頃の日本と正式に貿易をおこなっていた東アジアの国々の中で、下の地図のA・Bにあてはまる国名の組み合わせとして、正しいものを後から1つ選び、記号で答えなさい。

  • ア. [A:唐 B:朝鮮(李氏朝鮮)]
  • イ. [A:唐 B:新羅]
  • ウ. [A:唐 B:高麗]
  • エ. [A:宋 B:高麗]
  • オ. [宋 B:朝鮮(李氏朝鮮)]
  • カ. [A:宋 B:新羅]
  • キ. [A:明 B:新羅]
  • ク. [A:明 B:高麗]
  • ケ. [A:明 B:朝鮮(李氏朝鮮)]

問8. 空らん⑧にあてはまる人名を漢字で答えなさい。

問9. 下線部⑨の政治として、正しいものを次から1つ選び、記号で答えなさい。

  • ア. 旧仏教と対立し、比叡山延暦寺を焼き打ちにした。
  • イ. 将軍足利義昭を京都から追い出して室町幕府を滅ぼした。
  • ウ. 刀狩をし、農民による一揆を防止した。
  • エ. 武家諸法度を出して、全ての大名を従わせた。

問10. 下線部⑩の人物の説明として、正しいものを次から1つ選び、記号で答えなさい。

  • ア. 堺の商人であったが、茶人として大成し、わび茶を創始した。
  • イ. 色絵付けの手法を取り入れて、色彩豊かな焼き物を作ることに成功した。
  • ウ. 友禅染を始め、鮮やかな着物の柄を生み出すことに成功した。
  • エ. 茶室や禅寺の書院に花を飾るため、生け花を創始した。

【答え】

  • 問1 万葉集
  • 問2 大宰府
  • 問3 イ
  • 問4 ア
  • 問5 承久の乱
  • 問6 菅原道真
  • 問7 ケ
  • 問8 足利義満
  • 問9 ウ
  • 問10 ア

〔ポイント〕

  • 今回の問題は、主に新元号である「令和」に関する問題を、歴史的事項に関連させて出題されています。
  • 今回の問題のように、基本的な用語説明や記号選択などの知識問題がほとんどで、記述問題などはほとんど出題されていません。
  • 全体的に難易度はそこまで高い訳ではありませんが、今まで身につけた知識を組み合わせて考える複雑な思考力が求められます。

高得点を目指すためのコツについて

知識問題では高得点を目指すように!

共立女子中学校の社会では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては、「今まで学習した内容を関連づけて推測する」ような、一筋縄ではいかないようなものもあります。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう

過去問演習は繰り返し行おう!

共立女子中学校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験社会でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題、並び替え問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき1、2問程度は記述問題が出題されることもあります。内容は基本的な知識を問うものがほとんどで、字数制限のないのものがほとんどです。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は本番までにあらかじめしっかりと行いましょう。

慎重な時間配分を心がけよう!

共立女子学園中学校の社会は、試験時間が35分になっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜25問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は1分程度しか与えられていないため、非常に時間に余裕がないことが特徴的です。

かなり手ごたえのある問題も多いため、記号選択形式が中心だからといって油断せず、冷静に取り組みましょう

試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

ここ数年で特に大きな傾向の変化などは見られませんが、昨年度と大きく傾向が変化しても焦らず、落ち着いて取り組みましょう。

まとめ

今回は、共立女子学園中学校の入試情報や、社会の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の社会は、試験時間が35分、満点が70点となっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜25問程度となっており、試験時間に対する問題量がかなり多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択や用語記述といった知識問題がほとんどである」、「さまざまな分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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