最強のルール”憲法”その基本をおさらいしよう!

憲法って何??

みなさん、憲法って知っていますか??「憲法」というのは、国の中で一番強いルール(法律)のこと

です。そもそもみなさんは、なぜルールが必要なのかわかりますか??学校でもルールがありますよね。授業中はおしゃべりしちゃいけないとか、何か意見を言いたいときは手を挙げてから言わなきゃいけないとか、日直さんは朝のあいさつと帰りのあいさつをして黒板を消して日記をつけなければいけないとか。こうしたルールは大人になってからもずっとつきまといます。なぜこういうルールが必要なのかというと、みんなが自分勝手に行動してしまって集団でのまとまりがなくなってしまうことを防ぐためなのです。ルールはこの世に君1人だけしか存在しなかったら必要ないのかもしれませんが、2人以上いるともうそこにはルールが必要になります。例えば、友だちと2人で遊ぶ時も、何時に集まって何して遊んで何時に帰るかとか、そういうことを2人で決めていきますよね。それは明確なルールとは言わないかもしれませんが、2人で意見を合わせて決めていくという点では、それも立派なルールなのです。

さて、そんなルールにも、学校でのルールとか、会社でのルールとか、社会のルールとか、国のルールとか、いろいろなルールが存在します。そのたくさんのルールの中でも最も力を持っているのが、「憲法」であるということです。

憲法は国のルールを決めているんだよ!!

憲法」は一つの国全体が守るべきことを定めているルールです。国が決めるルールというものには、ほかにも「法律」とか「政令」とか「条例」などがあるのですが、それらのルールの中でも「憲法」が、一番立場が上のルールということになるのです。そのため「憲法」は難しい言葉で「国の最高法規」とも呼ばれています。そして、国のために働いている政治家の人たちは、その憲法というルールの範囲内で、国民のみんなが守るためのルールを決めているのです。政治家の人たちが決めるルールのことを「法律」とか「政令」とか「条例」いいます。つまり、「法律」「政令」「条例」は国民やその地域に住む人みんなが守るべきルールで、「憲法」は国会議員とか公務員の人とか、国のために働いていて国家権力を国民から預かって持っている人たちが守るべきルールなのです。

なんで「憲法」が必要なの??

もし「憲法」がなかったらどうなるでしょうか。みなさんは、テレビに映る政治家の人や道を歩いていて見かける警察官の人のことを怖いなと思ったことはありませんか。私は、警察官の人がいるとなんだか身の引き締まる思いをすることがあります。政治家というのは、国全体のルールを定める人で、例えば「税金はいくら払ってくださいね」とか「悪いことをしたら逮捕しますよ」とか、そういった国民が守るべきルールを決めて、もしこのルールを破ったら逮捕しますよということを決めることができるのです。すごい力を持っていますよね。そして、警察官の人はそのルールを破った人を見つけたら、そのルールに基づいてすぐにその人を逮捕することができます。つまり、政治家の人も警察官の人も、みんなの行動を少なからず制限することができてしまうのです。こうしたルールがないと、困っている人を助けられなかったり、ほかの人を傷つけても平気でいられる人をつくってしまったりするかもしれませんからね。だけど、この制限が行きすぎたらどうなってしまうでしょうか。例えば、政治家の人が「子どもたちは学校に行く必要はない!今すぐ働かなければいけません」という法律を作ったとしたら、みんなは国が決めたルールを守らなければいけませんから、もう学校には行けず、友だちとも会えないで、大変なお仕事を今から始めなければならなくなってしまいます。

他にも政治家の人が「ほかの人と違う意見とか考え方をしている人がいたら、すぐに逮捕します」という法律をつくって、君が「あなたは周りの人の意見に反対したから逮捕します」と警察官の人に逮捕されてしまったらどうでしょうか。もちろん今の世の中では絶対にありえませんが、政治家や警察官など国家権力を持っている人たちのことをある程度制限していないと、そういうことも起こり得てしまうのです。実は過去の日本の歴史にも、「国の思想に反対する人は処罰する」とか「国民はみんな兵隊になる義務を負わなければいけない」などという、国民の人たちの自由を制限してしまうような法律って存在したのですよ。そういった国家権力をある程度制限して、私たち国民の自由や権利を守ってもらうために、「憲法」というのは存在するのですね。まさに、「憲法」というのは国家権力者から私たちのことを守ってもらうための最強の盾となるルールなのですね。そういった意味で、「憲法」というのはとても大切なものなのですよ。

日本国憲法ではどんなことが決められているの??

では、日本で定められている「日本国憲法」というのはどのようなものなのでしょうか。日本国憲法には3つの原則があります。原則というのは、「日本国憲法」の土台や中心となる最も重要な決まりごとのことです。その3つとは、一つ目は、「国民主権」、二つ目は「平和主義」、三つめは「基本的人権の尊重」です。「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」、この3つは何度も何度も唱えて覚えましょうね。

まず「国民主権」ですが、これは「国民」が一番国を動かす力を持っているよという原則です。「主権」というのは政治をする力のことで、政治は国民が守るべきルールを決めたり、税金をいくらにするか決めたり、外国の人との約束事を交わしたりします。でもみなさんは疑問をきっと感じますよね。「僕たちはそんな政治には全然かかわっていないよ」と。そうですね、日本で実際に政治をしているのは「国会議員」と呼ばれる政治家の人たちです。でも、国会議員の人たちは国民の意見をよく聞いて、すべての政治の決め事は国民の意見として決定していくのです。そしてもしその国会議員の人たちの決定が国民の意見と違って、国民がそれに反対をしたら、その国会議員のことをみんなは「選挙」に行くことでやめてもらうことができます。また、逆に「この人に僕たちの代わりに政治をやってほしい」という人を「選挙」によって決めることができます。つまり、政治をしているのは国会議員の人たちで、その国会議員を選んでいるのは「国民」で、直接的ではないけれど、間接的には「国民」が政治を動かしているという体制をとっているのです。このような政治のやり方を「間接民主制」とか「議会制民主主義」といいます。このように「国民」が政治の中心にいる状態こそが「国民主権」で、日本国憲法ではこれを絶対的に保障してくれています。

次に「平和主義」ですが、これは日本が戦争をしないで、戦力も持たないで、平和を永遠に守り続けるという原則です。日本はみんなが生まれる70年~80年ぐらい前に大きな戦争を経験しました。この戦争を「第二次世界大戦」といいます。この戦争で、アメリカ・イギリス・中国など多くの国と争って、多くの犠牲者を出して、最後には戦争に負けて、悲惨な結末を迎えました。この反省から日本は二度と戦争をしない国になろうと世界に誓いました。そのため、日本国憲法で「平和主義」の原則が決められました。

最後に「基本的人権の尊重」です。みなさんは「人権」ってどのようなものか知っていますか。人間が生まれた瞬間からもっている権利のことを「基本的人権」といいます。たとえばどんなものがあるのかというと、みんな平等に生きていいですよという「平等権」であったり、みんな自由に生きていいですよという「自由権」であったり、そういった権利が基本的人権の中に含まれています。みんなが国によって不平等や差別を受けたり、何もしていないのに逮捕されたり行動を制限されたり、国に住む場所を強制されたり働く場所を決められたりしないように、「基本的人権の尊重」が定められています。これも実は第二次世界大戦の反省から生まれた原則なのですよ。第二次世界大戦の前までは、国が法律を作ってそのルールで「国民の行動を制限してもよい」と書かれていたら、平気で国民の人権というのが阻害されていたのです。第二次世界大戦前の、法律の範囲内だけで人権が認められることを「法律の留保」といいます。現在の日本国憲法では法律によらなくても、生まれた瞬間に無条件で人権が憲法によって保障されているのです。これを「基本的人権の尊重」といいます。

この3つの原則は、これから変化の激しい時代を生きるみなさんにとって、とても大切な原則です。今、時代の変化の中で「憲法を変えようかどうか」という議論が巻き起こっています。私の個人的な見解としては、この3つの原則はどれだけ社会の変化が起ころうとも変わってはいけない原則だと思っています。なんでもそうですが、新しい方向に向かっていく際に、変えてもいいところと変えてはいけないところがあります。私の好きな言葉に「不易流行」という言葉があるのですが、これはいつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しい変化を取り入れていくという意味です。まさに日本国憲法の三原則は変えてはいけない本質的な原則だと私は思います。この原則の中で、どのように時代に適応した憲法にしていくのか、これがこれからの日本国民の課題の一つとなっていくのです。まだ若いみなさんも、しっかりと憲法について学んで、これからの憲法のありかたについて考えていきましょうね。

参考文献

『社会・予習シリーズ6年上』 p7-p8

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