【系列校・内部進学あり】大妻中学校の理科の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策法をご紹介します!

大妻中学校・高等学校は、東京都千代田区三番町に所在する別学の私立女子校です。

完全中高一貫校であるため、高校からの募集は行っていません。

大妻多摩中学校・高等学校、大妻中野中学校・高等学校、大妻嵐山中学校・高等学校、函館大妻高等学校、大妻女子大学、大妻女子大学短期大学をはじめ、全国各地に系列校があることが特徴的です。

今回は、そのような大妻中学校の、学校情報や評判、部活動や制服などについてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

大妻中学校の理科は、試験時間30分、満点が50点となっています。また、大問数は4問、総設問数が15〜20程度となっています。ここ数年の入試では、大問数総設問数ともに大きな幅もなく、安定した傾向が見られます。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、同じ分野から複数問出題されるということはほとんどありません。

近年の出題内容

2021年度

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

大妻中学校の理科は、試験時間が30分、満点が60点となっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜20問程度出題されています。

試験時間30分に対して総設問数は15〜20問と、比較的に時間に余裕はありませんが、問題の難易度自体はそこまで高くありません。

基本的には、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されていますが、年度によっては複数分野の融合問題が出題されることもあります。

また、難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の理科は、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴のうちの一つだと言えるでしょう。一般的な中学受験理科でよく出題されるような、記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき、1〜3問程度の記述問題や、計算問題が出題されていることも特徴的です。

計算問題に関しては、途中式や考え方についての記述を求めるような問題も出題されています。

出題傾向についての詳細

大妻中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。基本的に、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されています。

なかでも物理からは「電気回路」「熱」「光の角度・反射」といったエネルギーに関する問題が、化学からは「ものの溶け方」「化学反応」「水溶液の性質」といった化学物質に関する問題が、生物からは「光合成」「生物のからだの仕組み」が、地学からは「地形」「地層」「天体」に関する問題がよく出題されています。

最難関男子校で出題されるような難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

知識問題の割合が大きいため、受験生の演習量や知識の豊富さがそのまま得点に直結するような内容となっています。難易度がそこまで高くない分受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

合格平均点は約5割強、受験者平均点は約5割弱となっており、全体的に点差がつきにくい内容と言えるでしょう。少しのミスが命取りになりかねないので、油断せずに取り組みましょう。

また当校の理科では、出題形式がある程度一定であることが特徴としてあげられます。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき、1〜3問程度の記述問題や計算問題が出題されています。内容は、基本的な知識を問うような問題がほとんどです。

計算問題では、しばしば途中式や考え方を記入させるような問題も出題されています。

また当校の理科は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が30分であるのに対し、総設問数は15〜20問となっており、1問あたりにかけることができる時間は最大1分程度しか与えられていません。

一見余裕があるように思えるかもしれませんが、記述問題や計算問題などは時間がかかる問題も多いため、決して時間に余裕があるわけではありません。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問で実力試しをしてみよう!〜

大妻中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも地学の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2019年度第1回・第1問より抜粋)

〔1〕

マグマにはさまざまな鉱物がふくまれています。そして、ふくまれている鉱物の種類や割合、冷えかたのちがいによって、さまざまな岩石が生じます。図はマグマが冷えて固まってできた岩石のうち、2種類の岩石の薄片(岩石を薄く削ったもの)を作り、顕微鏡で観察したものです。あとの問いに答えなさい。

 

問1 岩石AやBのようにマグマが冷えて固まってできた岩石をまとめて何というか答えなさい。

問2 岩石Bのaは石基とよび、鉱物が急激に冷やされて固まった、微小な結晶が集まったものや、ガラス質の部分を指します。また、岩石Bのbは斑晶とよび、石基の中に散らばる大きな結晶を指します。この斑晶の中で、無色でガラスのような光沢をもち、六角の柱状かとがった結晶をもつものを何というか答えなさい。この結晶は電圧をかけると一定のリズムで振動することから、時計などに利用されています。

問3 岩石A、Bにふくまれている鉱物の成分と結晶のつくりを分析したところ、岩石Bは岩石Aと類似の成分を持つリュウモン岩だとわかりました。このことをふまえて、岩石Aは何岩であるとわかりますか。名前を答えなさい。

問4 岩石Aはどのように生成されたものですか。岩石Bとのちがいがわかるように、岩石ができるときの地表面からの深さと、冷えかたについて答えなさい。

問5 ハワイ島の地下ではマグマの活動が活発で、常に噴火活動がみられます。代表的なものはキラウエア火山で、2018年にも度々噴火がおきました。このキラウエア火山一帯は、世界自然遺産に登録されています。次の【選択肢】(ア)〜(オ)の中で、世界自然遺産ではないものを1つ選び、記号で答えなさい。ただし、世界自然遺産、世界文化遺産の登録条件の内のいくつかを下記に示しています。

【選択肢】

(ア)白神山地 (イ)知床 (ウ)小笠原諸島 (エ)屋久島 (オ)富士山

【世界自然遺産】

  • ひときわすぐれた自然美、及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  • 地球の歴史上の主要な段階を示す、顕著な見本であるもの。
  • 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と、動植物群集の進化と発達において、侵攻しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す、顕著な見本であるもの。
  • 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。

【世界文化遺産】

  • 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
  • ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例となるもの。

 【答え】

  • 問1 火成岩
  • 問2 セキエイ
  • 問3 カコウ
  • 問4 マグマが地下深い場所でゆっくりと冷えてできた岩石で、岩石Bはマグマが地表あるいは地表付近で急激に冷えてできた岩石である。
  • 問5 オ

〔ポイント〕

  • 大妻中学校の理科では、基本的に各単元からそれぞれ1問ずつ出題されています。
  • 今回の問題のように、用語記述や適語補充といった基本的な知識問題がほとんどです。
  • また、各大問で1〜3問程度記述問題が出題されますが、いずれも1〜2行程度の軽めの分量の問題が多いです。。
  • 難しいことは出題されていないため、受験生の演習量や知識量がそのまま得点に直結するような内容となっています。

高得点を目指すためにおさえておきたいポイント

知識問題では満点を目指す

大妻中学校の理科では、難関男子校で出題される難問・奇問と呼ばれるような問題は出題されていません

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては「今まで学習したことを関連づけて、論理を組み立てる」ような、一筋縄ではいかないようなものも見かけられます。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。

過去問演習は入念に

大妻中学校の理科では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験理科でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題がほとんどです。

また、各大問につき1〜3問程度は、記述問題や計算問題なども出題されています。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は事前にしっかりと行うと良いでしょう。

時間配分は慎重に

大妻中学校の理科は、試験時間が30分、満点が60点となっています。また、試験時間に対して大問が4問、総設問数が15〜20問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は1分程度しかなく、まったく時間に余裕がないことが特徴的です。

試験時間が始まったらまずは全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は、大妻中学校の入試情報や、理科の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の理科は、試験時間が30分、大問が4問、総設問数が15〜20問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択、用語記述の問題がほとんど」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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