【中学受験算数】タイプ別ケアレスミス対策のチェックリスト

計算は、算数においては一番の基礎となる部分です。そのため、そこでの失点というのはなるべく避けたいもの。

しかし、計算問題で毎回のように間違えてしまうのであれば、それには原因があります。

計算問題で間違えてしまう子どもは大まかに3つのタイプに分かれます。

  • 情報不足タイプ
  • 思い込みタイプ
  • 自信家タイプ

ここでは、それぞれのタイプを分析し、その対策を考えていきます。

情報不足タイプはまず手順を確認しよう

情報不足タイプの主な失点の原因は次の通りです。

  • 整数の計算があやふや
  • 九九以上の計算がまったく暗算できない
  • 計算の順序を理解していない
  • 分数、小数のルールがあいまい
  • 計算の工夫を知らない
  • 逆算を考えられない

このタイプは、「知っていればできる・得する」ことを知らずにいるため、とても損をしています。

「学校や塾で教えてくれたはずだから大丈夫」と思っていても、もし授業中にボーっとしていて話を聞いていなかったとしたら・・・・?もしくは、一度は学んだけれど忘れてしまったとしたら・・・・?

周りの子たちはできるようになっているのに、その中で置いてけぼりになっている可能性もあります。そうすると、「やろうと思ってもできない」ので計算練習をしたがらず、練習不足にもなっていきます。

このタイプは特に小数・分数が絡む計算を苦手としていることが多いです。例えば、「分数のかけ算・わり算は仮分数で計算する」というルールを、たし算・ひき算でも適用して仮分数にしてしまい、無駄に計算を難しくしてしまっていることもあります。

まずきちんと手順・ルールを覚えているか確認し、その上で練習を重ねていくことが必要です。学校や塾の先生にも授業中のお子さんの状況を確認し、協力をしてもらうとよいでしょう。

思い込みタイプは集中力と注意力を鍛えよう

思い込みタイプの主な失点の原因は次の通りです。

  • 記号を読み間違える
  • 数字を読み間違える、書き間違える
  • 計算途中で答えを書く
  • 明らかにおかしな数字が出てきてもそのまま突き進む

このタイプは「普段から注意力が散漫でケガをしやすい」、または「テストなどの時間制限のあるときに焦りやすい」という人が多くいます。

いわゆるケアレスミスと呼ばれるものなので、本人がいかに気をつけるかでその間違いは減らすことができます。逆に、本人が気をつけるつもりがなければ、間違いを減らしていくことは難しいとも言えます。しかし漠然と「気をつけて」と言われても子どもは何に気をつけるのかわかりません。

まずは、「自分が起こしやすいミスの傾向」を子ども自身にきちんと分析させ、「同じような間違いをしてしまっていないか」というところに気をつけてもらうことが必要となります。

また、普段から時間を意識して集中力を高める練習も効果的です。

  • 「目標時間5分で複雑な計算問題を3題解く」
  • 「今から10分でこのページの問題を解き切る」
  • 「〇時までに今日の宿題を終わらせる」

など、自分で時間制限を決めてゲーム感覚で取り組んでもらうとよいでしょう。

時間制限をどのくらいの時間に設定すればよいのかわからない場合は、単純に「1ページ(または1問)を解き始めてから解き終わるまでの時間を計測する」という方法で、自分の大まかなスピードを把握するところから始めてみましょう。

集中力の切れやすいタイプであれば、まずは5分・10分といった短い時間で1つのことに集中する練習をしていくのが効果的です。

自信家タイプはひと手間かけて精度を上げよう

自信家タイプの主な失点の原因は次の通りです。

  • 途中の計算や式をほとんど書かない
  • 見直しをしない
  • 1点の重みを理解していない

このタイプは「算数が得意、または好きという意識がある」、または「細かい作業が苦手、面倒くさがり」という人が多いです。特に男の子に多いのですが、「計算を書かずにできるのがカッコいい」という大いなる勘違いをしていることもあります。

算数が得意だと暗算でそこそこ計算できてしまうため、自分の出した答えに不安を抱くことをせずに先へ進んでしまいます。また、「面倒だから」と間違いがないかどうかを確認する作業を怠りがちです。その手間にかける時間を、少しでも後ろの問題を解く時間に回したいという気持ちの表れでもあります。

こういう自信家タイプの場合、「見直し」といっても自分の計算結果に自信を持ってしまっているため、見直しをしない・または眺めているだけで終わることが多いのです。つまり、すでに自分が犯してしまっているミスを見つけられないことが多いということです。

このタイプに是非、実践してもらいたいのは、「同じ計算をもう一度はじめからやってみる」という方法です。算数が好き・得意だというタイプであるからこそ、この方法を制限時間内に行うことが可能です。

同じ計算を2回やってみたとき、1回目と2回目で答えが食い違っていれば、少なくともどちらかは間違っているということになります。その場合は、もう一度計算します。何回かが同じ答えになった場合には、それが「正解している可能性が高い答え」ということです。

入試という特殊な環境の中においては、正解した問題の難易度というのはほとんど関係ありません。正解した問題の合計得点でしか判断されず、1点の差で合否が分かれる世界です。

たかが計算問題といえど、きちんと正解して得点するのとミスに気付かずに失点するのとでは大きく差が開くということをまず意識してもらいましょう。

(ライター:桂川)

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