【中学受験】算数のオススメ基礎問題集とその使い方

中学受験において、算数が苦手なお子さんはとても多いと思います。

今回は算数が苦手な子でも、実行することで必ず成績を上げることが出来る算数の基礎問題集とその使い方について解説いたします。

今回ご紹介する基礎問題集で正しい勉強を実践した結果、算数が得意になり偏差値が20アップしたケースもございます。

それは特別な事をしたわけではなく、基礎をきちんと【固める】ことができたからです。

この記事では、「これから中学受験を始めようとしている、または始めたばかりの人」や、「6年生で首都圏模試偏差値45をなかなか超えられない人」などを対象として市販教材を紹介していきます。「中堅難関校またはそれ以上を目指しているが算数が伸び悩んでいる人」のための記事はまた別の機会に書きたいと思います。

計算、特殊算、割合、速さ、平面図形の基礎がある程度できるようになれば、首都圏模試で偏差値50のラインを下回ることはまずありません。

 

算数は圧倒的に基礎が大事

 

何事も基礎が大切なのは当たり前のことなのですが、こと中学受験の算数においては「単元同士のつながり」が大きいので、ひとつのことにつまずいてしまっていると、その先の単元でもまたつまずくという悪循環に陥りやすいのです。

例えば、整数の計算ができるようになってから、小数の計算ができるようになります。整数の計算でつまずいている人が、小数の計算だけ完璧にできるということは絶対にありえません。

長さの考え方を理解せずに面積の考え方を理解することもないでしょうし、面積が理解できないのに体積が理解できるということもないでしょう。分数を理解せずに割合の単元を理解することもできません。

 

例を挙げれば切りがないくらい、算数とは「つながりの多い学問」です。ひとつのことができるようになると、その先のことができるようになります。そこが算数の面白い部分でもあるのですが、逆に怖い部分でもあるのです。

 

基礎ができていない状態で、その先の内容を無理にやらせてみたとします。

「解法を丸暗記」という方法で、一時は問題ができるようになるかもしれません。しかし、そこから基礎の内容との結びつきを見い出せないのであれば、「忘れてしまったら終わり」となります。そして、「すべての問題に対してすべての解法を暗記」しなければならなくなります。

根本的なことを理解していれば、「暗記」ではなく「考えればわかること」となっていきます。算数はもともと、「覚えること」よりも、「考えればわかること」のほうが圧倒的に多いのです。

 

おすすめの基礎問題集の紹介

 

【参考書として使える問題集】

自由自在は、昔ながらの分厚い参考書です。語句や概念の説明のあと、例題の解説を読むという形で解法を知ることができます。小学校高学年の内容と中学受験に必要な基礎単元が網羅されています。総合的研究も自由自在と同じような参考書で、例題の前に語句や概念の説明があります。総合研究には索引がついているので、語句からの逆引きも可能です。

どちらもフルカラーで見やすく、わかりやすいです。自由自在よりも総合的研究のほうが文字が大きいので、より見やすく作られていると感じます。

どちらも辞書のような分厚さなので、持ち歩きには少々不向きかもしれません。「この単元、どうやって考えればいいのかな?」「どんな図を書いたら整理しやすいのかな?」「素数ってどんな数のことだろう?」などと、ご家庭での勉強に取り組んでいる中で疑問が沸いたときに、調べて確認するというようなスタンスで使うのがよいでしょう。

問題も掲載されていますが、書き込みができるタイプのものではないため、ノートや紙を用意して解いていくとよいです。

 

すでにamazonでもランキング上位の「塾技」と「計算名人免許皆伝」は、問題集というよりも解法を知るための参考書としての役割が強いかと思います。

塾技はその名の通り、塾で教えている解法知識をこの1冊で100個紹介しています。これで受験に必要な単元はほぼ完全に網羅できていると思われます。ある程度の基礎が備わっていないと少しレベルが高いと思いますので、5年生~6年生向けかと思われます。

見開きの左側にその項目のポイントとなる内容がカラーでぎっちり説明されており、見開きの右側には実際の入試問題から例題が1~2問、チャレンジ入試問題が2~3問ほど掲載されています。書き込みできるようにはなっていないので、ノートを用意して解きましょう。問題量が少ないため、実際に解いて力をつけるための問題はまた別に用意しておき、項目ごとに解き方がわからなくなったら参考にするというスタンスでの使い方がよいでしょう。親御さんが家で教えるときに参考にしてもよいと思います。

計算名人免許皆伝は、計算を素早く正確に計算するための計算の工夫を解説しています。実際の計算問題は少ししか掲載されていないのですが、読み物として手元にあると計算の工夫を知ることができます。付録の計算カードは、よく使う「2けた×1けた」の計算の答えが語呂合わせで書かれていたり、よく使う倍数・約数、計算を簡単にできる小数のかけ算などが単語カードサイズの用紙に書かれています。切り離して、穴をあけてリングを通して持ち歩くと隙間時間で計算の特訓ができるでしょう。

かけ算の工夫についてはこのブログでも記事がありますのでご参考になれば幸いです。今後も記事は増やしていく予定です。

 

【中学受験の勉強を始める人向けの問題集】

中学受験をしようと思い始めてから、手始めに取り掛かるにはちょうどよいテキストです。小数・分数の計算手順や図形の性質などを確認しつつ、中学受験算数の初歩の部分をやってみよう、というくらいのレベルです。平面図形の基本(角度、三角形や四角形の面積、円とおうぎ形など)や特殊算の一部(和差算、つるかめ算、方陣算、植木算、消去算など)は掲載されていますが、割合、速さ、規則性、場合の数、立体図形などは一切出ていません。

6年生でも算数の偏差値がずっと30前後というくらいの状態であれば、このあたりの基礎中の基礎を確認してあげてもよいかもしれません。要点を読んでから、例題と例題の解説を見て、練習問題で実践するという形式になっています。テキストの中身は赤と黒の2色カラーで、大事なところは赤字で書かれています。テキストに書き込みできるタイプではありません。

強育ドリルのシリーズの中で、中学受験に直結する内容になっているのがこの3冊です。「完全攻略・分数」は割合の基礎の内容、「完全攻略・速さ」は速さと旅人算の基礎の内容、「文章題」は和差算・つるかめ算・年令算・平均算などの特殊算の基礎の内容になっています。割合や速さも、比の概念を使わない解法になっているため、小学校3年生や4年生あたりでも無理なく中学受験の基礎を学ぶことができます。テキストは赤と黒の2色カラーです。

分数のテキストは線分図を分母の数で切り分けて書いてくれているので、とても親切です。速さのテキストは、進んだ長さを線分の長さで表すオーソドックスな解法となっています。どちらも見開きの左ページが問題ページ、右ページには解くためのスペースとヒントがあります。

文章題のテキストは、内容的には特殊算がいくつか出てきているのですが、問題に「〇〇算」と書かれているわけでもなく、目次もありません。つるかめ算は面積図ではなく、表で書き出して解くスタイルに統一されています。

いずれもテキストに書き込みながら考えることができますが、繰り返し使いたいのであればノートの使用などをおすすめします。

 

【文章題の基礎を確認したい人のための問題集】 

上記2冊はどちらも、特殊算、割合、速さの文章題の基礎を確認できます。見開き左ページに例題と解き方があり、右ページには数値替えした類題が掲載されていて、解き方の空欄に入る数値を入れて解いていくようになっています。テキストは黒と青の2色カラーです。

それぞれのよいところとしては、学研のものは、論理的に考えられるように「まずは」「つぎに」「よって」などを強調して文章が構成されています。旺文社のものは、線分図や面積図の意味合い的なところから説明が始まっています。

解法は多少異なる部分があるものの、扱っている内容や使い方などに大きな違いはないので、文章から論理的に考えさせたいなら学研、線分図や面積図を使った解法を定着させたいなら旺文社、というような使い分けでよいのではないでしょうか。

 

 

学研からはこちらも出版されています。線分図、面積図を扱うような文章題のみを掲載した問題集です。見開き左ページから空欄の穴埋め方式で考え方を誘導しています。右ページは必要な図がすでにほぼ完成に近い形で書かれ、ヒントがある状態で自分で式を書いていく形式です。普通の「基礎からしっかりシリーズ」では数値替えの類題は1問ずつでしたが、こちらはそれよりも数値替えの類題がやや多く、3問程度ずつ掲載されています。

 

 上記3冊とも、テキストに書き込める方式になっていますが、誘導のない問題ページもあります。そのページについては、書き込むよりもノートなどに自分の考え方(図や式)をしっかり書くようにしましょう。どうやって解いたらいいのかがわからなくなったら、また前のページに戻って図の書き方や考え方を確認すればよいのです。そして、何のヒントも誘導もなく、自分1人で解けるようになるまで繰り返してほしいと思います。

3冊とも割合の語句の意味や速さの概念などは知っている前提で問題が出てきています。そういった初歩の初歩でつまずいている人は、まずは先述している自由自在や総合的研究のような参考書を併用するか、強育ドリルの割合や速さなどを先にやってみてください。

 

【図形の基礎を確認したい人のための問題集】

三角形・四角形や円とおうぎ形の面積などの基本形から確認できるので、図形の基礎から学習したい人におすすめの教材です。円とおうぎ形についてまだ学校や塾で習っていないというお子さんでも、基本の形から自分で学んでいくことができます。

平面図形の面積だけでなく、角度、相似、図形の移動と回転、立体図形の体積・表面積、水量変化、立体切断といった中学受験算数の図形に必要な内容がほぼ網羅されています。図形の学習についてはこの1冊をやり切ることができれば、かなりのレベルアップが図れるでしょう。

見開きの左ページに基本例題があり、それを読んでから右ページで類題を練習します。右ページの練習問題は解説の式の中で穴埋めをしながら考えていくようになっています。何ページかごとに確認プリントと習熟プリントがあり、ここでそれまでに出てきた例題のおさらいをします。習熟プリントが確認プリントより少しだけ難易度を上げた類題になっています。確認プリントの内容がしっかりできるようになってから習熟プリントに取り組むとよいです。

テキストは黒とオレンジの2色カラーです。書き込むこともできるようにはなっていますが、紙が上質でつるつるしているため多少書きにくいかもしれません。繰り返し解くことを想定して、ノートに取り組むほうがよいでしょう。

 

文章題でも紹介した学研と旺文社のテキストの図形バージョンです。こちらも左ページに例題と解説、右ページは空欄を穴埋め方式で誘導されながら解法の道筋をたどることができます。

三角形・四角形の面積や円とおうぎ形の基本形についてはまとめページに公式が載っているだけで、問題練習は複合図形になってしまいます。相似、平行移動、回転移動、すい体、水量変化なども出てくるため、すでに受験勉強をし始めている小学校5年生~6年生向けと感じます。

小学校4年生以下やこれから受験勉強を始めようかなと思っている時期くらいですと、円とおうぎ形の基礎を学んでいない状態ですので進めていくのは難しいかもしれません。旺文社版はさらに、六角形の分割や立体切断の内容も出てきているため、入試演習まで見据えた構成となっています。

上記2冊はどちらも、平面図形と立体図形のそれぞれで、面積や体積などを求める公式がまとまっているページがあるので、なかなか公式が覚えられないタイプのお子さんは忘れかけたころにそのページを確認するようにしておくとよいです。

 

【総合的に底上げしたい人のための問題集】

偏差値50以上を目指すのに、時間をかけず最短距離で到達したい人のための1冊です。平面図形、割合と比、速さ、数の性質といった頻出単元に絞って構成されています。ただし、特殊算などの文章題と、場合の数や立体図形などは掲載されていません。テキストは黒と緑の2色カラーです。

各単元ごとに押さえるべきポイントがまとまったページがあり、そのあとに問題ページがあります。問題ページは、解き方のヒントありの問題ページが見開き2ページ、その次にヒントなしの問題ページが見開き2ページあります。まとめのページや問題ページに図が多くて親切な作りの分、解説のほうは式と言葉のみでシンプルに作られています。

書き込むこともできないわけではないのですが、間違えた問題を繰り返して解くために、ノートに考え方を書きながら解くことをおすすめします。

 

首都圏模試のデータをもとにして、正答率30%以上の問題のみで構成されています。計算問題からすべての単元を網羅して出てきています。各単元で、知っておくべき知識や考え方をまとめたページがあり、そのあとに問題ページがあります。問題ページの分量は単元によって異なります。テキストは黒と水色の2色カラーです。

すべての問題に正答率が書かれているので、「これくらいはできないとまずい」という意識が芽生えます。現状のレベルに応じて、首都圏模試で偏差値40未満であれば正答率70%以上の問題だけ、偏差値50未満であれば正答率50%以上の問題だけというように取り組むべき問題を絞ってもよいです。または、1回目は正答率70%以上の問題だけ、2回目は正答率50%以上の問題だけ、3回目は全部、というように何回か繰り返し取り組む場合にも有効的です。

繰り返し取り組むことを前提としてノートなどに考え方を書いて解くことをおすすめします。

 

テキストは他の問題集と比べると分厚いので、持ち歩くにはやや重たい感じがします。最初に「解く前の準備」のページ、途中に「解くためのコツ」のページがそれぞれ数ページにわたってあります。これらのページは、手書きスタイルの語り口調で書かれています。この部分のテキストは黒とピンクの2色カラーで、問題用のページはシンプルな白黒のページです。

問題用のページは1回分が計算問題と各種小問を合わせて10問、全部で100回分あります。全ての単元から出題はありますが、単元ごとの学習ができるような形式ではないので、毎日の学習習慣として取り組むようなスタイルになります。1回分の10問は目標時間が10分で設定されていますが、首都圏模試偏差値で50を超えていない状態では10分は正直厳しいと思われます。

1日1回分を毎日取り組むとすれば100日分、つまり3か月半くらいで終えられる内容です。6年生の最初の首都圏模試を4月に受けて、あまり結果がよくないようであればそこから毎日始めて7月の終わりか8月頭くらいには終わる計算です。もしくは、予め5年生後期くらいから始めておくのがよいでしょう。

書き込んで解いていくこともできますが、分厚いテキストなので書きにくいかもしれません。やはりノートを使用することをおすすめします。

 

問題集の使い方

よく言われることですが、問題集はやみくもにあれこれと手を広げても効果が出るものではありません。ひとつ手を付けた問題があれば、それをそのまま放置して次の問題集に進んでしまう、ということのないようにしてください。

  • 繰り返し解くことを前提として、解き方や答えは直接書き込まず、ノートを使用する。
  • 解いた問題は必ず解答を確認して、〇×をつける。
  • 合っていた問題でも解説には目を通しておく。
  • 間違えていた問題は問題番号にチェックをつけて、解説を読んだ後にもう一度解き直しをする。

この手順をしっかり守って取り組んでみてください。チェックをつけた問題(=間違えた問題)は、意識的に繰り返し取り組んでみるとさらによいです。

もし、「1問解くのにやたらと時間がかかる」、「どのページを解いても、解いた問題が1問も正解しない」というようなことがある場合には、使用している問題集のレベルが自分に合っていない可能性が高いです。そのような場合には、もう少し基礎的な問題集を使うようにしてください。その際、この記事で紹介した教材を参考にしていただければ幸いです。

 

(ライター:桂川)

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