【中高一貫・附属大あり】共立女子中学校算数の特徴と対策法を徹底検証!

学校情報

 応募状況

2020年度 募集人員 応募者数 受験者数 合格者数 繰り上げ合格者数 実質倍率
2/1入試 130 556 529 160 45 3.3
2/2入試 110 943 736 202 3.6
2/3入試(PM)合科型入試 40 487 348 43 8.1
2/3(AM)インタラクティブ入試 15 64 52 17 0 3.5

進路実績

2020年度卒業生:230名 表示形式:合格数(現役合格数)

京都大学 1(1)
早稲田大学 34名
慶應義塾大学 15名
上智大学 27名
東京理科大学 22名
学習院大学 7名
青山学院大学 16名
立教大学 52(48)名
中央大学 42名
法政大学 32名
明治大学 42名
医学部医学科(※)合計 10(8)名

※北里大学、杏林大学、埼玉医科大学、筑波大学、帝京大学、東京女子医科大学、関西医科大学、昭和大学

学校説明会日程(2020年度)

  • 学校説明会(全学年対象)
説明会 日程 時間
春①(ナイト)

春②

春③

秋①

秋②

秋③

秋④

秋⑤

秋⑥

秋⑦(ナイト)

5月22日(金)

5月23日(土)

5月23日(土)

9月12日(土)

9月20日(日)

9月20日(日)

9月26日(土)

10月3日(土)

10月10日(土)

10月23日(土)

18:00~19:00

10:30~11:30

14:30~15:30

10:30~11:30

14:00~15:00

13:30~14:30

13:30~14:30

13:30~14:30

9:00~10:00

18:00~19:30

  • 帰国生向け学校説明会
説明会 日程 定員
帰国生①

帰国生②

7月12日(日)

8月8日(土)

14:00~15:00

10:00~11:00

  • 塾スタッフ向け学校説明会
日程 定員
2月25日(木) 13:15~14:30

 入試情報(2021年度入試)

※2021年度についての詳細は、後日学校HPにて掲載

基本データ

試験時間・満点

  国語 算数 理科 社会 合計
試験時間 45分 45分 35分 35分
満点 100点 100点 75点 75点 350点

  満点・受験者平均点・合格者最低点

    満点 2/1入試 2/2入試 2/3入試(PM)合科型入試 2/3(AM)インタラクティブ入試
受験者平均点 国語 100点 66.2 55.5
英語インタラクティブトライアル 100点 78.1
算数 100点 51.6 60.7 56.6 32.4
社会 100点 44.8 42.5
理科 75点 37.3 41.9
合科型論述 75点 26.3
合計 199.9 200.6 83.0 110.4
合格者最低点 218 225 111 120

問題構成

共立女子中の算数は、試験時間45分に対し大問6問、総設問数15〜23問程度の問題構成です。2018年度までは15問程度の総設問数でしたが、ここ数年では毎回20〜23問程度の出題となっています。

それぞれの大問では毎年同じような出題パターンが見られ、第1問では計算問題、第2問では小問集合、第3〜6問では応用問題が出題される傾向にあります。第1問では計算問題が3問程度、第2問では各単元の定型問題が5問程度、第3問以降では各単元の応用問題が各1〜3問程度出題されています。

解答形式

共立女子中の算数では、問題用紙とは別に解答用紙が用意されています。解答欄内には最終的な答えのみを書く形式で、途中式や考え方についての説明を記入するような欄はありません。そのため、解法や途中過程が正しくても、最終的な答え自体が間違っていた場合、得点することはできません。

近年の出題内容

  • 2020年度
分野・単元
〈大問1〉計算問題
〈大問2〉小問集合
〈大問3〉周の長さ
〈大問4〉展開図
〈大問5〉立体図形の回転
〈大問6〉旅人算
  • 2019年度
分野・単元
〈大問1〉計算問題
〈大問2〉小問集合
〈大問3〉周の長さ
〈大問4〉整数、小数
〈大問5〉旅人算
〈大問6〉水の深さと体積
  • 2018年度
分野・単元
〈大問1〉計算問題
〈大問2〉小問集合
〈大問3〉面積
〈大問4〉図形の移動
〈大問5〉整数
〈大問6〉旅人算

出題傾向

 概要

  • ここ最近の出題構成は一定
    共立女子中の算数は、ここ数年で一定の出題構成がみられます。試験時間45分に対して全6問大問があり、総設問数は20問程度です。それぞれの大問を見てみると、第1問で計算問題が、第2問で小問集合が、第3〜6問で応用問題が出題されています。
  • 頻出分野が限定的
    当校の算数は出題構成が一定で、なおかつ頻出分野にも偏りがあることが特徴的です。第1問では基本的な計算問題が3問程度出題されています。第2問では特殊算の問題を中心に、各単元の基本的な問題が6問程度出題されています。第3問以降の応用問題では、図形問題や速さの問題、割合と比の問題などが頻出です。
    特に複合図形の周の長さについての問題は頻出で、ここ最近の入試では毎年出題されています。
  • 難易度は標準レベル
    難関男子校などでは、いわゆる難問・奇問と呼ばれるような、高度な思考力やひらめきを必要とする問題が出題されることが多いですが、共立女子中ではそのような問題は見られません。
    各単元についての基本的な理解を問うような問題がほとんど、しっかり対策すれば高得点を期待できるような内容となっています。また、比較的難易度が高く、手間を取らせるような問題も出題されていますが、そのような問題も基本的には定型問題をベースにしたような問題です。

内容

  • 【頻出分野】
    • 計算
      • 四則計算、逆算、計算の工夫
    • 割合と比
      • 還元算、倍数算、売買損益、濃度、仕事算、ニュートン算
    • 和と差
      • 和差算、分配算、差集め算、つるかめ算、年齢算
    • 平面図形
      • 角度、長さ、面積、相似、表とグラフ
    • 立体図形
      • 表面積、体積、立体図形の展開図、水の深さと体積
    • 速さ
      • 速さ、旅人算、通過算、流水算、通過算、速さと比
    • 規則性
      • 周期算、植木算
    • 数の性質
      • 整数、小数
  • 難易度について出題分野についての詳細
    共立女子中では、第1問に計算問題が3問、第2問に一行問題が6問、第3問以降に応用問題が各1〜3問程度出題されています。
    まず第1問の計算問題についてですが、内容は四則計算や計算の工夫など基本的なものが3題出題されています。全ての大問の中で最も難易度が易しい問題で、必ず得点しておきたい問題となっています。
    第2問では特殊算を中心に一行問題が6問程度出題されています。特殊算のなかでも還元算、和差算、旅人算などは頻出です。難易度は各単元の基本的な理解を問うようなものがほとんどであり、第1問と並んでパーフェクトな解答が求められます。
    続く第3〜6問では、各単元の応用問題が出題されています。応用問題といっても、難問・奇問といった、高度な思考力やひらめきを必要とするものではなく、あくまで定型問題をベースにした解きやすい問題が中心となっています。また、ここ最近では第3〜6問における出題にはかなり偏りが見られます。第3問では複合図形の周の長さや面積についての問題がほぼ毎年出題されています。第4問以降では、決まった出題分野があるわけではありませんが、旅人算、速さと比、整数、少数、ニュートン算、水の深さと体積などが頻出で、毎年趣向を変えて出題されています。
    当校の算数は、全体的に標準的な難易度と言えるでしょう。各問題を見てみると、第1問の計算問題・第2問の小問集合は各単元の基礎的な問題から出題されています。第3問以降では応用問題が出題されており、なかには複雑な計算処理や手間を要する問題もありますが、基本的には定型問題をベースにした問題で構成されています。
    また、合格した受験生の得点が高いことも特徴です。例えば、算数の合格者平均点は2014年で53.9点、2015年で59.6点、2016年で78.1点、2017年で70.0点、2018年で62.9点と上昇傾向にあります。そのため合格するためには、大体65〜70%程度の得点率が求められるでしょう。

対策

 分野別

  • 図形問題対策
    共立女子中の算数では、図形の問題がよく出題されています。なかでも角度、長さ、面積、相似、体積、表面積の問題が頻出です。
    まずはそれぞれの問題の典型的な解き方や公式を身につけるため、標準的なレベルの問題集をくりかえし解き、定型問題をマスターしましょう。また、ここ数年の入試では、毎年第3問で複合図形の周の長さや面積に関する問題が出題されています。このような頻出の問題の対策としては、過去問を繰り返し解くことが重要です。定型問題を一通りマスターしたら過去問研究を行い、実際に出題されている問題の難易度を把握しましょう。
  • 速さ対策
    当校の算数では速さの問題が頻出です。なかでも旅人算、速さと比がよく出題されます。まずは標準的なレベルの問題集を繰り返し解き、速さの基本公式や定型問題の解法を理解しましょう。定型問題一通りマスターしたら過去問研究に移りましょう。
    旅人算や通過算の問題は、立式だけでは条件を整理できず、図を描いて整理しなければいけない問題がほとんどです。普段問題を解くときからきれいに・分かりやすく図を描く練習をしましょう。
    また当校の算数では、ダイヤグラムを使った速さと比の問題もよく出題されています。ダイヤグラムの問題では比や相似の考え方を用いる場合がほとんどです。合わせて対策しておきましょう。このような問題は鷗友学園女子中でも出題されています。もし時間に余裕があれば、鷗友学園の問題についても、一緒に過去問演習をしておくと良いでしょう。

問題集別

共立女子中の算数入試で頻出の「ニュートン算」、「旅人算」の定型問題を問題集からピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

<ニュートン算>

  • [問題]

120Lの水が入っている水そうに、毎分10Lの水が流れこんでいます。この水そうの水をポンプ1台でくみ出すと、24分で水そうは空になります。これについて、次の各問いに答えなさい。

  • ⑴このポンプ1台は、毎分何Lの割合で水をくみ出しますか。
  • ⑵もし、2台のポンプを使って水をくみ出すと、水そうは何分で空になりますか。

『中学受験新演習 算数小6上 実力アップ問題集』p235より

  • [解答]
    • ⑴15L
    • ⑵6分
  • [解説]

    • 1台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、120+10×24=360(L)
      1台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、360÷24=15(L)

    • 2台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、15×2=30(L)
      1分間に減る水の量は、30-10=20(L)
      水そうが空になるまでの時間は、120÷20=6(分)

<旅人算>

  • [問題]

家から学校まで行くのに姉は12分、妹は20分かかります。妹が家を出発してから6分後に、姉が家を出発して、妹を追いかけました。これについて、次の各問いに答えなさい。

  • ⑴姉と妹の速さと比を求めなさい。
  • ⑵姉が妹に追いつくのは、姉が家を出発してから何分後ですか。

『中学受験新演習 算数小6上 実力アップ問題集』p316より

  • [解答]
    • ⑴5:3
    • ⑵9分後
  • [解説]
    • ⑴\(\frac{1}{12}:\frac{1}{20}=5:3\)
    • ⑵姉の速さを5、妹の速さを3とすると、姉が出発する時までに妹が進んだ道のりは、3×6=18
      姉が妹に追いつくのは、8÷(5-3)=9(分後)

おすすめの問題集

  • 『予習シリーズ』 (中学受験の四谷大塚)
    四谷大塚や早稲田アカデミーなどを始めとした中学受験大手塾と同じカリキュラムで算数の学習ができるシリーズ。各学年用の教材が出版されており、レベルに合った教材を選ぶことができます。予習シリーズ6年下まで全て終えれば、中学受験における定型問題を一通りマスターすることができます。予習シリーズが終了したら、過去問を中心に応用問題に取り組みましょう。
    また各ページに数問ずつ計算問題が掲載されているため、計画的に進めれば、計算問題対策をすることもできます。

合格点を取るには

  • 解答形式に慣れよう
    共立女子中の算数では、問題用紙とは別に解答用紙が用意されており、最終的な答えのみを解答欄に記入する形式です。そのため途中式や考え方が正しくても、最終的な答えが間違っていた場合、大幅に失点してしまう可能性があります。
    計算ミスや凡ミスを防ぐためにも、試験終了前の5〜10分は必ず見直しや検算の時間にあて、思わぬ失点を防ぎましょう。

  • 頻出分野は重点的に対策しよう
    当校の算数は、問題構成も一定で、出題分野にかなり偏りがあることが特徴的です。例えば第1問では四則計算や計算の工夫の問題が3問程度、第2問は特殊算の問題を中心に6問程度、第3問では複合図形の長さ、面積に関する問題などは、ここ数年で毎年必ず出題されています。そのほかにも、ダイヤグラムを用いた速さの問題なども頻繁に出題されています。
    このような頻出分野の問題の対策としては、過去問を通して演習を行うことが有効です。なるべく多くの過去問にふれ、頻出単元や問題の難易度を確認しておきましょう。

  • 時間配分に気をつけよう
    当校の算数は、試験時間45分に対し大問が6問、総設問数は15〜23問程度です。2018年度入試までは15問程度の出題でしたが、ここ数年では20〜23問程度出題されており、問題数は上昇傾向にあります。また、当校の算数は難易度が標準的であり、合格ラインは65〜70%程度と高い得点率が求められることが特徴的です。
    より高い得点を目指すには、効率的な時間配分をすることが重要です。試験時間が始まったら、まずは問題に一通り目を通しましょう。その上で解きやすそうな問題や、自分の得意分野の問題から手をつけましょう。一つの問題で詰まってしまった場合は、ひとまず次の問題に移り、最終的に余った時間で手をつけるようにすると良いでしょう。

入試問題に挑戦!

総括

今回は、共立女子中の算数入試対策についてご紹介しました。当校の算数は試験時間45分に対し大問が6問で、それぞれ第1問が計算問題、第2問が特殊算を中心とした一行問題、第3〜6問が応用問題となっています。

いわゆる難問・奇問といった問題は出題されておらず、ここ最近は単元についての基本的な理解を問うような問題が中心となっています。対策としては、まずは標準的なレベルの問題集を繰り返し解き、定型問題を一通りマスターしましょう。定型問題を一通りマスターしたら、過去問研究に移りましょう。当校の算数は出題分野に偏りがあり、問題構成も一定であることから、過去問演習を通して時間配分の仕方や問題の難易度を把握することが重要です。

当校の算数は標準的で、合格ラインが65〜70%と高い得点率を求められます。時間配分や計算ミスに気をつけ、点の取りこぼしをできる限り減らしましょう。

算数は全科目の中で一番点差を分ける科目です。算数の点数が合否を分けると言っても過言ではないでしょう。入試本番まで時間は限られていますが、他科目とのバランスを考えつつ、限られた時間の中で優先順位に気をつけながら最大限の対策をしましょう。

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参考

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ABOUTこの記事をかいた人

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
皆さんの役に立つ、面白くてわかりやすい記事をお届けできるように頑張ります!