海城中学校に合格するためには?出題傾向と対策③理科

海城中学の理科・出題分野、傾向は?

海城中学では、一般入試の第1回、第2回ともに大問が合計4題、生物・化学・物理・地学の4分野からそれぞれ1題ずつ出題されます。2017年度の入試では、生物では動物の仕組みと成長、化学では物質の変化について、物理では力のつり合い、地学では天体と気候などが出題されています。大問は4題ですが、それぞれの設問数はかなり多く記述式の設問や、計算問題も豊富に出題されます。絵やグラフを描かせる問題も頻出です。

算数と同様、新傾向問題(新しい素材を取り上げて作問した問題)の出題が目立ちます。過去には、チョウの幼虫の細かい観察問題や、力のつり合いを自転車を題材に考えさせる問題、鉄の精錬についての問題など、これまでの中学入試でほとんど見たことのないユニークな問題が出題されています

頻出分野としては、動物・植物の生態、生物と環境の関係、気体や液体の性質、物質と変化の総合問題、力のつり合い・浮力・電流・音・光、天体・気象など物理全般、こういった分野が毎年のように出題されています。また、時事的な問題も頻出で、地球温暖化や火山、岩石についても出題されています。

出題の特徴は?

問題文や実験結果をしっかり読みとらないと解けない問題が多い

海城中学の理科の問題文はかなり長く、条件を整理し、問題の内容を把握するのがまず大変です。ですから、問題文が何を述べているのか、何を聞いているのかを把握するためにはかなりの訓練が必要になります。単に知識を詰め込んだだけでは正解するのは難しいです。

中でも、実験・観察に関する問題が多く、長い文章を読み解き、結果をもとにグラフや表を作成し、さらにそれをもとに設問に答えていくという問題が必ず出題されています。データの分析力や判断力が問われるような問題です。そして、実験結果から、なぜそのような結果になったのか、理由を記述する問題も頻出ですので、普段の学習で実験・観察問題を勉強するときも、ただ書かれている実験結果をそのまま受け入れるだけでなく、「なぜこういう実験結果になるのか」という理由を意識して考えるようにする必要があります。

計算問題、作図も出題される

最近は多くの中学校で計算問題、作図などが出題されていますが、実験・観察問題が多く出題される海城中学ではその傾向は特に顕著です。問題文が長いため、「何を計算するのか」「そのためにはどのデータを使えばいいのか」を素早くつかみ、順序立てて考えていく必要があります。単純な計算問題ではないので、計算過程にも気を配り、正確な計算力も要求されます。

同様に、実験・観察問題に関する作図問題も頻出です。ある典型的な実験の結果を覚える、いわゆる暗記重視で対応できるものではありません。「この実験はどういう実験なのか」という本質をつかむことと、実験手順の基本をしっかり理解しておく必要があります。たとえば、2017年度には、ある混合物を試験管に入れて加熱する様子を図示しなさい、という問題が出題されました。また、以前にはサケの切り身について、背骨とろっ骨を書き込むという問題も出題されています。ヒントは問題文に隠されていることが多いので、問題文と設問を注意深く読んで整理する訓練が必要です。

記述問題も出題される

用語を答えさせるような記述ではなく、あるもの、事柄の特徴をつかんだ上で対比して説明しなさい、というような記述問題が出題されます。2016年度には、鳥の酸素供給の仕組みについて、ヒトの呼吸と対比させ、優れている点を記述させる問題が出題されています。鳥が長時間飛び続けることができることや、空気の薄い標高の高い地域でも生息できるという特徴について問題文に記述があり、その中からポイントを素早く読みとったうえでヒトと対比して説明させる、というものでした。また、気象衛星からみた観測画像をもとに、2つの領域の雲のできている高さの違いについて説明させる、といった問題も出題されています。どれも問題文、いくつかの図などをしっかり読み解き、設問の条件(○○という言葉につなげる形で書きなさい、など)に合わせて記述するなど、答え方にも気をつけなければいけない出題となっています。

こんなユニークな問題も

2017年度は、大問3の問3で、人のからだのしくみと音の伝わり方を組み合わせた問題が出題されました。これは左右の耳に届く音の時間差を求める問題で、とてもユニークな問題ですが、問題文に「聞こえる」ということはどういうことなのか、ということが記述されており(一部知識を埋めながら読み進み)、それに沿って答えれば難問、というよりはしっかりと基礎の理解ができていれば解くことができる問題でした。

 

海城中学の理科で問われている力とは?

もちろん知識問題もありますが、全体的には、細かい知識を聞くというよりは、「与えられた情報をもとに、基礎知識をフル活用して解き進んでいく」ことが要求されていると言えます。結果として、「初めて目にする問題に対し、全知識を向けて取り組む」ことになるので、出題者側としては、受験生の本当の観察力、思考力、粘り強さを見たいという意図で作問していると考えられます。

海城中学の理科で合格点をとるための対策

まずはできる問題から解く

海城中学の理科は時間との勝負です。読まなければいけない文章が多く、設問もよく読まないと答えるのが難しいですから、分からない問題で止まっていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。まずは自分が得意とする分野の問題から解くようにしましょう。また、計算問題が多いので、計算ミスが多いと合格点を取れません。それは海城中学の算数でも同じです。普段から計算を速く正確にできるよう練習を積んでおきましょう。

目新しい問題や記述問題で焦らない

海城中学では、最初にも書いたように今まで見たことのないような新傾向の問題も出題されます。しかし、使わなければいけない知識そのものは、細かい知識ではなく、皆さんがこれまでに習ってきた知識で解けるものです。実験・観察問題が多いですが、問題文をしっかり読み解き、知っている知識を総動員して解く、という姿勢を貫いてください。見たことないからできない、とあきらめては、合格点をとることはできません。落ち着いて問題文を読んで問題を解くようにしていきましょう。

また、見たことがないような問題を出題するということは、「その場で考察する」問題が多いということです。使わなければいけない知識そのものは決して細かすぎるものではないので、まず4分野の基礎知識をしっかり仕上げることが必要です。そして、記述問題では、目に見えない原理や因果関係を見抜き、説明することが求められているので、単に知識を丸暗記して吐き出すのではなく、「なぜそうなるのか」という理由を常に考え、説明できるように訓練しておく必要があります。もし、弱点分野があるようなら、小5、あるいは小4で解いた問題集に戻って再確認するようにしてみてください。

実験・観察問題を多く解いておきましょう

海城中学で実験・観察問題が多く出題されるのは、中学入学後のカリキュラムに大きく関係しています。入学後、理科の授業では4分野について膨大な実験を行うカリキュラムになっています。そのような授業を楽しめるように、興味を持てるような基礎力をもって入学してほしいという学校側の意図があります。

実験・観察問題については、その結果と理由だけでなく、実験器具の使い方についての設問もよくみられます。正しい手順、正しい使い方、どういう実験の時にその器具を使うか、そういったことは小学校の理科の実験などで実体験していますから、それをもとにどういう使い方をするのか、正しい実験・観察の方法をしっかり理解し、整理しておきましょう。中学に入ってからその知識が必ず役に立ちます。

海城の理科対策にオススメの問題集

 

知識の確認と定着のためにオススメの問題集です。オールカラーでとても見やすく、字も読みやすいのが特徴です。練習問題が数多く収録されており、標準→発展とステップアップしながら様々な問題に取り組むことができます。最近の入試で増えている、作図問題や記述問題も多いので、海城中学対策にとても役立ちます。海城中は時事に関する理科の問題も出題しますが、生態系のメカニズムや環境問題など、時事を意識した問題も収録されているのでぜひ取り組んでいただきたいです。不得意分野の克服にも役立ちますので、問題文を読み、間違えたものは何度もチャレンジしてしっかり理解しましょう。

 

毎年夏ごろに出版される、有名中学入試問題を集めた問題集、通称「銀本」です。海城中学の理科と類似の出題傾向の学校として、たとえば駒場東邦中、麻布中、桜蔭中、雙葉中、世田谷学園中、フェリス女学院中などがあります。志望校の赤本だと、その学校の過去問しか載っていませんが、この問題集は、その年度の各学校の入試問題が集められていますので、役立ちそうな問題をピックアップして解いてみるなど、演習問題集として使うことができます。毎年夏ごろに出版されるので、「何年度のものか」は注意してください(ここで紹介しているのは2016年度用です)。また、残念ながら解説がなく、解答のみなので、問題のピックアップや解説については塾や指導者と協力して使う必要があることはご承知おきください。

まとめ

海城中学の理科は見たことがない問題も出題されますし、難問も多いです。作図や記述問題も出題され、実験・観察問題が中心です。ですが、マニアックな知識を問われるわけではなく、問題文をしっかり読み、与えられた条件を整理して、基礎知識を総動員すれば、しっかりと得点していけるように作られています。基本的な知識をしっかりと習得するとともに、実験・観察問題に多くあたっておきましょう。その際にはなぜこのような実験結果になるのか、理由や原因についても必ず理解し、説明できるようにしておくことを忘れずに学習していきましょう。

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