これで解決!白百合学園中の理科の特徴と対策法を徹底検証!

入試情報

問題構成・解答形式

白百合学園中の理科は、試験時間30分に対して大問が6問、総設問数が30〜40問程度となっています。ここ数年で大問数は安定していますが、総設問数は年度によってかなり変化しています。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野から少なくとも1問ずつ出題されていますが、同じ分野から複数問出題される場合がほとんどです。

近年の出題内容

2020年度

2019年度

2018年度

出題傾向

概要

白百合学園中の理科は、試験時間30分に対して大問が6問、総設問数が30〜40問程度となっています。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野から少なくとも1問ずつ出題されますが、ほとんどの年度で1つの分野から複数問出題されています。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の理科では、様々な種類の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述といった問題のほかにも、記述問題や作図問題なども毎年必ず出題されています。

出題傾向についての詳細

白百合学園中の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

なかでも物理からは「電気」「熱」といったエネルギーに関する問題が、化学からは「ものの溶け方」「水溶液の性質」といった問題が、生物からは「植物や動物の生態」が、地学からは「天体」「宇宙」「地形」に関する問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。ここ最近の合格者平均点は7〜8割程度とかなり完成度の高い解答が求められます

また、様々な形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験理科でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述といった問題はもちろんですが、記述問題や作図問題などもよく出題されています。

記述問題は、現象説明のような短い記述を求めるものから、受験生同士の考えを問うような手ごたえのあるものまで様々です。各大問につき必ず1問は出題されており、当校の理科では頻出の問題となっています。

また、作図問題は一から受験生に作図させるというより、もともと解答用紙に記載されている図やグラフに書き込む形式が多いです。

なかでも、化学の実験についての問題で、実験結果を考察しながらグラフを記入する問題が頻出となっています。

当校の理科は、とにかく問題分量が多いことが特徴的です。試験時間が30分と、かなり短いなかで、全30〜40問にもわたる問題を解き終えなければなりません。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

白百合学園中の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも特に頻出の、化学・生物の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

実際の出題例1〜化学〜

(2019年度第1回・第2問より抜粋)

〔2〕氷とドライアイスを使って、実験をしました。これについて、問1〜問8に答えなさい。

問1 温度と時間を測りながら氷を温めてとかし、加熱し続けて水蒸気にしました。−(マイナス)40℃の氷が加熱開始から1分後にとけ始め、5分後にすべてとけ切り、10分後に水蒸気になり始めました。氷から水、水蒸気へと変化するときの時間と温度の関係をグラフで表しなさい。ただし、縦軸は温度〔℃〕、横軸は時間〔分〕とし、必要な値はすべてグラフに記入されています。

問2 以下の文は、氷から水へ変わるときの温度変化について、説明したものです。(    )に入る適切な文を答えなさい。

氷から水へ変わるときの温度変化が、問1のようなグラフになるのは、外から加えられた熱が(    )のに使われるからです。

問3 「吸湿発熱繊維」は、人間の体から出される水蒸気が水へと変わることを利用した衣類です。これについて、⑴、⑵に答えなさい。

⑴次の分は、人の体の表面で水が変化するときのようすについて書かれたものです。①、②に入る適切な語句をそれぞれ答えなさい。

私たちは、体がぬれると、その水分が( ①    )するときに、周囲から熱を( ②    )ため、涼しく感じます。

⑵なぜ「吸湿発熱繊維」を着ると温かいのか、⑴の文を参考にして理由を答えなさい。

問4 多くのものの体積は、固体から液体、気体へと変化していくと、どうなりますか。

問5 1gの氷がすべて水蒸気に変わると重さはどうなりますか。次の(ア)〜(ウ)から選び、記号で答えなさい。

(ア)1gより軽くなる (イ)1gより重くなる (ウ)1gのまま

問6 ドライアイスは、何の個体ですか。

問7 ドライアイスは直接気体に変化します。この変化のことを何といいますか。

問8 下図のように、ドライアイスを水につけた容器の上で、シャボン玉を作りました。すると、シャボン玉は下に沈まずに、水面より少し高い位置で浮きました。これはなぜですか、理由を簡単に説明しなさい。

【答え】

  • 問1
  • 問2 氷を溶かして水にする
  • 問3 ⑴①蒸発 ②奪う
  • 問3⑵体から出された水蒸気が水に変化するとき、周囲に熱を発する性質を利用しているから。
  • 問4 大きくなる
  • 問5ウ
  • 問6 二酸化炭素
  • 問7 昇華
  • 問8 ドライアイスから発生した二酸化炭素は空気よりも重く、水面付近にたまっており、シャボン玉は空気中よりも大きな浮力を受けているため。

〔解説〕

  • 問1
    • 1分後に溶け始め、5分後に溶け終わる→1分〜5分後:液体
    • 10分後に水蒸気になり始める→10分〜:気体
  • 問3
    • 水→水蒸気になるとき、周囲から熱を奪う
    • ⑵反対に、水蒸気→水になるとき、周囲に熱を放出する
  • 問4
    • 水と水蒸気では、水蒸気の方が体積が大きくなる。
  • 問5
    • 水と水蒸気は体積が異なるが、重さは同じである。

〔ポイント〕白百合学園中では、物理・化学・生物・地学の4分野のなかでも、物理・化学・地学が特に頻出です。化学の問題のなかでは、ものの溶け方・物質の三態に関する問題が頻繁に出題されています。今回の問題のように、基本的な用語説明や知識問題がほとんどです。難易度はそこまで高くない場合が多いので、満点を目指したい内容となっています。

実際の出題例2〜地学〜

(2018年度第1回・第5問より抜粋)

〔5〕海水について、問1〜問4に答えなさい。

問1 図は、ある時期の海水の深さと水温の関係を表したグラフです。このグラフでは、水面近くの水温が最も高くなっているのが分かります。なぜ、水面近くの水温が高くなるのでしょうか。簡単に説明しなさい。

問2 日本では海洋研究開発機構が中心となって深海(数千メートル級の深さの海)を調べる試みがなされてきました。なぜ、深海を調べる必要があるのでしょうか。次の(ア)〜(オ)から適当なものを3つ選び、記号で答えなさい。

(ア)地震の原因の断層を調べるため。

(イ)海底に沈んでいる古代遺跡の調査のため。

(ウ)オゾンホールの観測のため。

(エ)未知の生物を見つけるため。

(オ)海底資源の調査のため。

【答え】

  • 問1 太陽の熱で上から温められており、対流が起きないから。
  • 問2 ア・エ・オ

〔解説〕

  • 問2(ア)地震の原因の断層を調べるため。→正しい(イ)海底に沈んでいる古代遺跡の調査のため。→海洋研究の一環ではないため、不適切(ウ)オゾンホールの観測のため。→オゾンホールは深海には存在しないため、不適切

    (エ)未知の生物を見つけるため。→正しい

    (オ)海底資源の調査のため。→正しい

〔ポイント〕

  • 白百合学園中の理科では、様々な形式の問題が出題されることが特徴的です。一般的な中学受験理科でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述といった問題のほかにも、記述問題や作図問題も出題されています
  • なかでも記述問題は毎年必ず出題されています。今回のように、基本的な知識を問うような簡単な問題から、受験生独自の思考を問うような手応えのある問題まで、分量・難易度も様々です。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

白百合学園中の理科では、難問・奇問は出題されていないので苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。

過去問演習は入念に

白百合学園中の理科では、様々な形式の問題が出題されることが特徴的です。

作図問題も良く出題されますが、作図は自分で図やグラフを完成させる形式の問題が多いです。化学の実験に関する問題などでよく出題されるので、過去問を通じてそのような問題に慣れておきましょう。

まとめ

今回は、白百合学園中の入試情報や、理科の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の理科は、試験時間30分に対して大問が6問、総設問数が30〜40問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記述問題の分量が多い」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

参考

学園概要|白百合女子学園中学高等学校

生徒の一日/行事一覧|学園生活|白百合女子学園中学高等学校

アクセス|白百合女子学園中学高等学校

クラブ活動/生徒会活動|学園生活|白百合女子学園中学高等学校

説明会日程|受験生の方へ|白百合女子学園中学高等学校

入試結果|受験生の方へ|白百合女子学園中学高等学校

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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