中学受験・理科 地球と月、惑星に関する問題の対策 その2

受験直前になり、受験生の皆さんは自分の苦手分野や、覚えている気になっていたけれど覚えていなかった、わかったつもりになっていたけれど問題を解いてみて、理解できていなかった、できるところまでやり切っていなかったというところが出てきて不安に思うこともあると思います。

受験生が苦手とする分野、単元は多くが共通点を持っています。特に理科に関しては、単なる知識の丸覚えで対処できるところではなく、根本的な考え方が理解できているかどうかが試されるようなところを苦手とする方が非常に多いです。

天体分野は、どちらかというと暗記分野だと思われがちですが、地球から見ているのか、宇宙から見ているのか、月から見ているのか、というように視点を変えることによって同じ基本事項を様々な形で出題しやすい分野です。そうすると、知っているはずなのに解けない、という問題が増えてしまうのです。

最近では宇宙ステーションに日本人宇宙飛行士が滞在するニュースなどもありましたから、これからの人類の未来を考えるという意味でも、時事問題との関連からみて天体分野は甘く見ることのできない分野です。

追い込みの時期に入ってきて、1対1対応の問題集でひたすら知識を覚える勉強に時間をかけすぎていませんか?もちろんそうして知識を覚える努力も大切ですが、それをどう実際の入試問題で使うのか、その使い方を納得するまで理解しないと、いくら覚えても正解を出すのは非常に難しいです。また、天体分野の選択肢問題は紛らわしいものが非常に多いので、少しでも知識があいまいだと正解することが難しいところです。

地球や月、惑星に関する問題は今後も頻出だと考えられます。中でも惑星の動きや見え方についての問題で基本となるところについては、正確な理解が要求されます。

今回は、地球と月、惑星に関する問題の対策その2として、例題をもとに基本を確認していきをいましょう。

惑星の動きや見え方の問題の基本は「金星」

金星は地球からもよく見える、なじみのある惑星です。この金星が、惑星の動きや見え方の問題についての問題で一番基本となるということは、意外に受験生に理解されていません。天体の問題をたくさん解いていても、共通点を意識することなくただ解いていて合っていた、間違っていたということを繰り返すことが多かったからだと思われます。このようにただ問題を数多く解くだけでは、本当に大事な視点や、頻出の知識や考え方を見逃してしまうことになってしまいます。

今回は、例題をもとにして、金星の見え方と動きについて整理しておきましょう。

まずは図が描けるかどうか

金星の見え方と動きを理解できているかどうかを確認するためには、まずは下記のような、金星の位置と見え方の図が描けるかどうかが一番効果的です。何も見ずに描けるかどうか、描けない場合ということは、金星の見え方や動きについて十分な理解ができていない証拠です。再度基礎知識を確認して描けるように練習しておきましょう。

受験生なら、一度は見たことがある図なのではないでしょうか。金星は地球に近く、この動きを理解できると天体の問題に対する苦手意識を克服するきっかけになります。面倒くさがらずに、自分の手で図を描けるようにしておきましょう。テキストに載っている図を写すところから始めてもかまいません。ですが、どうしてこのような見え方になるのか考えながら、自力で描けるように練習をしておきましょう。

例題を考える

これは、早稲田中学校の2013年度の入試からの抜粋です。最初の図などは、まさに何度も学習の際に見たことがあるのではないでしょうか。

問1(正解)ア

早稲田中学校の問題だと思うだけで難問ばかりだと思う必要はありません。これは非常に基本的な問題です。誤っている選択肢を選ばせる問題です。

ア これが誤りです。金星は内惑星、つまり公転の軌道が地球より内側にある惑星なので、真夜中に南の空に見えることはありえません。

イ 自ら光る星は恒星。反射して光るのは惑星です。この区別がついていればこれも難しい選択肢ではありません。この知識は天体の基礎中の基礎の知識です。しっかり覚えておきましょう。

ウ 太陽系の惑星は内側から、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天皇星、海王星の順で並んでいます。「すいきんちかもく・・・」と覚えたことはありませんか?この並び方も基礎中の基礎の知識です。

エ 惑星は、比較的地球に近いところで、太陽の周りを公転しています。つまり、星座の間をさまようような動きをしています。だから惑星なのですね。

問2 イ

地球から遠いと小さく見え、近いと大きく見えるということは誰でもわかるでしょう。また、1の位置は太陽の光に照らされた金星がよく見えますが、3の位置では太陽とは逆の面、つまり影になる部分を地球に向けていることがわかります。

問3 2

地球の自転の方向を覚えていますか?必ずテキストに載っています。その自転の方向を考えると、図2の地球の左側が日の入りの位置です。そのときに見えるのは2ですね。

この位置がいわゆる「宵の明星」です。反対側の位置が日の出の位置ですから、4が「明けの明星」ということになります。

問4 ア

aは4:00ごろ金星の出、6:00ごろに日の出ですから、金星が東の空に、太陽に先立つようにして昇っていきます。「明けの明星」ですね。

また、14:00ごろに金星の入り、18:00ごろに日の入りですから、太陽が沈む前に金星が沈んでしまっています。「宵の明星」は太陽を追いかけるように西の空に沈んでいきます。

問5 C

太陽の表面を金星が通過する、という現象は、「太陽が昇って、次に金星が昇る」という順番から、「金星が昇って、次に太陽が昇る」という順番に変わる途中で起こる現象と考えられます。

ですから、金星の出の時間が日の出の時間よりも早くなり始めるのはCの時間ですから、これが正解です。

問4、問5のグラフの問題は応用問題で、そう簡単に直感で解けるような問題ではありませんが、金星の動きと地球からの見え方について確実に結びつけて理解できていれば、そう悩まずに解答できると思います。

金星の太陽面の通過は見慣れない問題かもしれませんが、金星は地球より公転の速度が速いことや、公転の方向のイメージができていれば、初見の問題であっても対応できます

難関校の問題は、知識そのものは基本的なものであっても、問題の見せ方、聞き方を変えてくることによって受験生を混乱させるような出題をしてきます。ですので、一見見るとすべて初めて見る問題だ、解けない、と思ってしまうかもしれません。

しかし、問題文にヒントはたくさん隠されています。図やグラフもどこかで見たことがあるものの応用であることが多いです。まずは誰もがしっかりとってくる問題を確実に得点し、後半の難問については知っている知識を問題文に合わせる気持ちで解いていきましょう。

まとめ

月にしても、金星にしても、基本的な図が描けること、また地球からの見え方を理解することができていれば、たいていの問題(難問と言われるものも含む)は解答できます。ただ、見え方が違うために警戒しすぎてしまい、よく見れば知っている知識で十分に解ける問題でも不正解になってしまったり、ときには白紙で出してしまうこともあるので注意が必要です。

月には三日月や満月がいつ見えるのか、金星では「明けの明星」、「宵の明星」の位置、満ち欠け、大きさの変化など、一見たくさん覚えなければならないことがあるように思えるかもしれませんが、実際はその必要はありません。基本の図が描ければ、丸暗記を一つ一つしなくても、理解できるようになっています。

天体の問題はイメージがしにくく、苦手としている受験生の方も多いと思います。計算問題を解く以前に覚えなければいけないことがたくさんありすぎる、そんな理由で苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。ですが、細かすぎる知識は必要ありません。

これまでの模試やテストの問題を見直して、正答率を見てみましょう。そのうえで、超難問を解ける必要はありません。正答率50%以上の問題は必ずとる、正答率30%~40%の問題はなぜ解けなかったのか改めて解き直してみるようにしてみましょう。

大切なのは、基本的な図を描けるようになり、一つ一つの知識をつなげ、一つがわかれば芋づる式に知識が出てくるようにすることです。記憶の負担をなるべく減らすように意識して、学習を進めていきましょう。

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