【都内女子御三家】女子学院中学校中学校の理科の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

女子学院中学校は、東京都千代田区一番町に所在する、中高一貫の私立女子中学校です。

完全中高一貫校となっており、高校から入学する生徒は募集していません。

また、創立は明治初期に遡り、キリスト教宣教師や日本人キリスト教徒によって建てらた歴史のある学校のうちの1つです。通称「JG」と略称され、桜蔭中学校、豊島岡女子学園中学校とともに、東京都の女子御三家のうちの1校として知られています。

今回は、そのような女子学院中学校の、理科の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

女子学院中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が30〜35程度となっています。ここ数年で大問数は安定していますが、総設問数は年度によって多少変化しています。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、同じ分野から複数問出題されるということはほとんどありません。

近年の出題内容

2021年度

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

女子学院中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が30〜35問程度となっています。

基本的には、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、融合問題などは出題されていません。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の理科は、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴のうちの一つだと言えるでしょう。一般的な中学受験理科でよく出題されるような、記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めるものの記述問題や作図問題なども出題されています。

出題傾向についての詳細

女子学院中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。基本的に、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されています。

なかでも物理からは「電気回路」「熱」「光の反射」といったエネルギーに関する問題が、化学からは「ものの溶け方」「ものの燃え方」「水溶液の性質」といった化学物質に関する問題が、生物からは「生態系」「食物連鎖」が、地学からは「地形」「地層」に関する問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

知識問題の割合が大きいため、受験生の演習量や知識の豊富さがそのまま得点に直結するような内容となっています。難易度がそこまで高くない分受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

また当校の理科では、出題形式がある程度一定であることが特徴としてあげられます。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めています。

そのほかにも、毎年必ず記述問題や作図問題なども出題されています。ほとんどが事象や用語についての簡単な記述を求める問題になっているので、いずれも完ぺきな解答を目指したいところです。

当校の理科は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が45分と、かなり短いなかで、全30〜35問にもわたる問題を解き終えなければなりません。1問あたりにかけることのできる時間は1分弱程度となっています。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

女子学院中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも化学の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2019年度第1回・第1問より抜粋)

〔Ⅰ〕私たちが捨てるごみのうち、「資源ごみ」といわれるものの多くはリサイクルされている。資源ごみには様々なものがあるが、飲料の容器に使われているペットボトルもその一つである。

1 ペットボトルに火をつけると燃え、ドライアイスから出る気体と同じ気体ができる。この気体をAとする。

⑴ Aの名前を答えなさい。

⑵ Aが水に溶ける量について、正しいものをア〜エから選びなさい。

 ア 温度に関係なくほとんど溶けない

 イ 低音ほどよく溶ける

 ウ 高温ほどよく溶ける

 エ 温度に関係なくよく溶ける

⑶ ①〜③にあてはまるものをア〜キから選びなさい。ただし、香料などは入っていないものとする。

①酸性の水溶液 ②アルカリ性の水溶液で固体が溶けているもの ③酸性以外の水溶液でにおいを持つもの

 ア せっけん水 イ 酢 ウ 塩酸 エ 水酸化ナトリウム水溶液 オ アンモニア水 カ さとう水 キ サラダ油

⑷ Aを通すと反応する無色透明の水溶液の名前と反応の様子を書きなさい。

⑸ 一般に、火を通すときには次にあげたア〜ウの方法がある。①〜④に最も関係が深いものをア〜ウから選びなさい。

 ア 燃えるものを取り除く イ 燃焼を助ける気体を遮断する ウ 燃えているものの温度を下げる

①消化器につめたAを噴射すると火が消える。

②紙でつくった鍋に水を入れて火にかけると紙を燃やさずに湯を沸かすことができる。

③燃えているアルコールランプにふたをすると火が消える。

④火のついたろうそくの芯の根元(右図の矢印の部分)をピンセットでつまむと火が消える。

⑹燃えやすく、実験で発生させるときに注意が必要な気体に水滴がある。反応させると水素が発生する2つのものの組み合わせをア〜コから選んで例のように(  )で囲んで答えなさい。ただし、同じ記号を何度使ってもよい。 例(ア イ)

 ア 銅 イ アルミニウム ウ スチールウール エ 二酸化マンガン オ  チョーク カ 炭酸水 キ アンモニア水 ク 過酸化水素水 ケ うすい塩酸 コ うすい水酸化ナトリウム水溶液

2 水素をエネルギー源として発電するときには有害なものが生じない。しかし、有害なものが排出される発電方法もある。

 ア 水力発電 イ 地熱発電 ウ 原子力発電 エ 太陽光発電 オ 風力発電 カ 火力発電

3 ペットボトル本体をつくるときに、日本では共通のきまりがある。それは、次の製品にリサイクルしやすくするためである。どのようなきまりか、予想して書きなさい。

4 アルミニウムとペットボトルの小さなかけら(同じ大きさ、形)が混ざっていたとき、重さの差を利用してそれぞれに分ける方法を考えて書きなさい。ただし、同じ体積で比べたとき、アルミニウムはペットボトルの2.5倍以上の重さで、両方ともに水に沈む。

【答え】

  • 問1 
    • ⑴二酸化炭素 
    • ⑵イ 
    • ⑶①イ、ウ ②ア、エ ③オ 
    • ⑷名前:石灰水 反応の様子:白くにごる。 
    • ⑸①イ ②ウ ③イ ④ア  
    • ⑹(イ、ケ)、(イ、コ)、(ウ、ケ)
  • 問2 ウ、カ
  • 問3 ほかの物質を混ぜない。
  • 問4 ペットボトルより密度が大きく、アルミニウムより小さい液体に沈むかどうかで分ける。

〔ポイント〕

  • 女子学院中学校では、毎年各単元からそれぞれ1問ずつ出題されています。
  • 今回の問題のように、用語記述や記号選択といった基本的な知識問題がほとんどです。
  • 難しいことは出題されていないため、受験生の演習量や知識量がそのまま得点に直結するような内容となっています。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

女子学院中学校の理科では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては「今まで学習したことを関連づけて、論理を組み立てる」ような、一筋縄ではいかないようなものも見かけられます。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。

過去問演習は入念に

女子学院中学校の理科では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験理科でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題がほとんどですが、記述問題や作図問題なども、毎年必ず出題されています。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は事前にしっかりと行うと良いでしょう。

時間配分は慎重に

女子学院中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が30〜35問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は約1分弱程度と、あまり時間に余裕がないことが特徴的です。

試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は、女子学院中学校の入試情報や、理科の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が30〜35問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択、用語記述の問題がほとんど」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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