【中学受験】理科の記述問題の注意点 その2

前回は、理科の記述問題の注意点として、理科という教科の特色をふまえたうえで対処することが必要だということ、そして理科ならではの読解力が必要であることについて解説しました。

理科の記述問題は、実験に関するものが多いですが、実験の内容や結果、条件を変えたときの「対比」といったことを文章中からしっかり読み取ることがとても大切です。それができないと、いくら知識がたくさんあったとしても、どの場面でどの知識を問われるのか、ということがわからないと対応することができません。

それを克服するためには、長いリード文や実験についての図表、グラフなどをすべて含めてしっかり読解し、設問一つひとつに丁寧に答えていくこと、また「何を聞かれているのか」ということを意識することがとても大切です。

今回は、これらの理科の記述問題を解く際に必要な姿勢を前提として、実際にどのように理科の記述問題の答案を作っていくかということを解説します。記述問題は設問の一環であって、けっして特殊な知識を聞いているものではありません。基礎基本を大切にして、実践的な答案を作る方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。

文章のまとめ方や字数には注意!

 

記述問題を解く際に、内容を書いてきて、最後をどうまとめるか(記述をどう締めるか)ということや字数制限がある場合の字数に対する意識は、国語や社会の記述問題でも当然意識しなければいけないポイントです。しかし、理科の記述問題の場合、たくさんの図表や実験データ、条件を整理すること、またどの知識を使って書けばよいかということに必死になってしまい、文章のまとめ方がおろそかになってしまうことが多いです。理科の記述問題で意識するべき「文章の締め方」には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 理由を聞かれている場合

理科の記述問題で最も多く見られるのが「理由を聞かれている」パターンです。「~となるのはなぜか。」「~となる理由を答えなさい。」というような形式で設問が作られていますが、このような理由を聞かれている設問を見たら、必ず文末を「~から。」で終わらせるようにしましょう。

設問を見たら「どうまとめるか」「どのことばで終わらせるか」ということを瞬時に判断して、設問の横に忘れないように書いておくと書いているうちに忘れることもないのでおすすめです。簡単なことのように思えるのですが、意外におろそかになりがちで減点ポイントになるので注意しましょう。

また、難易度の高い記述問題の場合は、問題文だけでなく設問の文章も複雑になることが多いです。キーワードを見てすぐに問題に飛びつくのではなく、まずは「何を聞かれているのか」を落ち着いて把握するようにしましょう。設問で、いったいどの現象について、それが起こる理由を説明するように求められているのか、実験のどの部分について聞かれているのか、など、「答えるべきこと」をしっかり把握してから答案を作るように習慣づけることが大切です。この場合も、設問をしっかり読み、理由が問われている問題であれば文末処理をどうするべきなのかまず考えておくようにすることをおすすめします。

  • 現象の内容やメカニズムなどについて聞かれている場合

理科の記述問題では「〇〇の理由を答えなさい」というパターンの設問が多いですが、それ以外の現象やメカニズムなどについて聞かれる問題も頻出です。たとえば、「どのような現象か答えなさい。」「どのような性質の気体なのか答えなさい。」といったものです。

どのような現象なのか、どのような性質なのかといったメカニズムを問われている記述問題の設問を見たら、その設問に対応した名詞で文末処理をするように習慣づけるようにしましょう。たとえば、「どのような現象か答えなさい。」と問われている場合は、「~という現象。」、気体の性質の説明を求められている場合は、「~(その気体の特徴を書いたうえで)気体。」というような文末になるはずです。もし、対応していない場合は、設問をよく読めていないということになります。

このような現象の内容やメカニズムなどについて聞かれている場合は、本質的な基本知識が必要となります。まずは、設問で何を聞かれているのかをしっかり把握できなければ、自分がみにつけている基本知識のどれを使ったらよいのかがわかりません。克服するためには、設問で聞かれている内容を簡単に書き出し、その内容を正確にまとめて答えるように繰り返すことをおすすめします。

日ごろの知識の学習で意識すること

社会と同じように、理科の記述問題にあいても、記憶した単語+アルファの知識を求められることが多いです。では、その「+アルファ」部分の知識を、普段の学習を行う時にどのように意識して身につけていけばよいのでしょうか。

大切なのは「理論の正確な理解と記憶」

理科の学習を進めていく際に一番意識するべき点は、「理論の正確な理解」そして「理論の正確な記憶」です。たとえば、生物の実験では顕微鏡をよくつかいますよね。受験生の皆さんも、小学校で理科の時間に顕微鏡をのぞいて実験をした経験を持っているでしょう。

多くの受験生は、まず「プレパラート」「接眼レンズ」といった単語をまず最初に叩き込み、そのあとに顕微鏡の使い方の知識を覚えていくことになるでしょう。顕微鏡を使って観察をするときには、まずレンズを低倍率に設定して、徐々に倍率を上げていくという方法を採ることになりますが、このような段階を踏むことにはどのような意味があるのか、皆さんはご存じでしょうか。

結論から言うと、低倍率の方が見える範囲が広くなり、観察したい部分が見つけやすくなるから、まずは低倍率で観察するのです。少し考えてみれば当たり前のことだと思われるのではないでしょうか。最初から高倍率にしてしまうと、全体像が見えにくいので、いま見ているのがプレパラートのうちの「どの部分なのか」ということがわからなくなってしまうので、最初から高倍率にはせず、低倍率から徐々に倍率を挙げていく、というメカニズムがあるわけです。

このように、「なぜこうなるのか」「どうしてこうするのか」ということを日頃から自然と意識できるようにしておくと、その内容が記述問題の形式で出題されたとしても焦る必要はありません。原理原則やメカニズムを正確に理解し、覚えられているからです。

しかし、逆に6年生の受験学年までひたすら用語だけを取り出して羅列し、覚えるだけという勉強をしていると、原理原則やメカニズムを正確に理解し、覚えるということができません。そうすると、原理原則やメカニズムについて問われたときに急に軌道修正をするのは非常に困難になってしまうでしょう。なるべく早い段階から、単語に加えて理論の記憶を習慣づけるようにしましょう。

難しい理論は少数派

原理原則やメカニズムを正確に理解し、覚えるということは、一見してハードルが高いと感じることがあるかもしれません。理科の記述問題では、なにもその場で新しい理論をみつけるだとか、理論について深く掘り下げて考えさせられるといったことはありません。あくまで問題でおこなわれている実験観察や、化学反応、力学の原理原則について正確に理解しておけば十分対応できます。

また、このように記述問題で問われる原理原則やメカニズムは、よく考えると本当に基礎基本のものであることがほとんどです。もちろん条件が加わっていたりすると少し複雑化している面はあるかもしれませんが、小学生レベルですから、柔軟な思考力が必要だとは言っても、おとなの研究者が考えるようなことまで求められることはありません。

また、出題されるパターンはそれほど多いわけではないので、塾のテキストや学校の教科書、資料集といったものをしっかり読み込み、まずは太字になっている重要単語と、その理論の説明部分をセットで理解し、覚えられるようよく目を通すように心がけるだけで、理解が進みます。

そのうえで、問題演習を重ねて、どのような原理原則やメカニズムがよく出題されるのかを分析することも非常に大切です。もしどうしても仕組みがわかりにくいということがあったら、ぜひ親子で知識の確認をしてみましょう。「どうしてこうなるの?」「なんのために抗するの?」といった発問をして、お子さんが口に出してその原理原則やメカニズムを説明できるかどうか確認してみましょう。もしあやふやなら、またテキストや教科書などに戻って理解を深めればよいのです。こういった確認方法を取り入れてみると、受験生も「なぜ」「どうして」を自然と意識できるようになっていきます。

まとめ

理科の記述問題に対応するためには、少し独特な対策が必要です。受験生は記述問題に対して苦手意識をもちがちですが、いきなり長文の記述問題を解かせるのは得策とは言えません。まずは、答案に盛り込むべき理論や知識が頭の中からスムーズに出てくるように、「どうして」「何のために」を意識的に覚えていくようにしましょう。

理由付けや原理原則、メカニズムについて基本的知識が万全になったら、次は文章力と問題の読解力のトレーニングをしましょう。文末処理が設問と食い違っていないか、そもそも答えた内容は本当に設問で聞かれている内容なのか・・・といったことを、限られた解答時間の中でスムーズにチェックできるように、試行錯誤を重ねていく努力を惜しまないことが大切です。

理科の記述問題は、解答方法が記述形式になっているだけで、実は難解な応用的知識が求められているケースはほとんどありません。日頃の学習における意識を少し変えて基礎基本を重視するだけで、記述問題への向き合い方も変えることができますよ。ぜひやってみてください。

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