小学校の理科の授業は役に立たない?中学受験「理科」の勉強法

都圏の私立中学受験では算国理社の4教科か算国の2教科、英語を取り入れた入試、適性検査型入試など様々な入試形式がありますが、難関校の入試はやはり4教科型がほとんどです。

傾斜配点で算国の配点が高い学校が多いですが、理科社会も得点を積み上げるという意味ではおろそかにできません。ですが、塾のカリキュラムでも、理科は最初は非常に緩やかに始まり、学年が上がるごとに新しい知識、難しい単元が目白押しになります。それはなぜなのでしょうか。

今回は、中学受験の理科の「勉強法の基本」について書いていきます。

塾の理科の学習スケジュール

小学校の理科の学習スピードは非常に緩やかです。そのことも関係しているかもしれませんが、塾では高学年になって初めて難しい単元をカリキュラムに組み込んでいることが多いです。

また、4科目入試の配点は算数2:国語2:理科1:社会1といった傾斜配点が多く、算数と国語に重点を置くことになり、理科と社会は限られた時間で効率よく学習する必要があります。

中学受験で4教科入試の学校を志望するなら、理社の学習配分を塾とよく相談することが必要です。

小学校の理科は受験に必要ないの?

では、小学校の理科の授業は中学受験に必要ないのでしょうか?そんなことは全くありません。

理科では難しい計算問題も出題されますが、正確な知識を身に着けることが必要です。そして、その知識のベースとなるのは教科書や参考書、塾のテキストに載っているものだけではありません

実際に体験すること。つまり理科の実験や、花や野菜を育ててみて初めてわかることが理科の知識の基礎となっていくので、学校で学習することはおろそかにしてはいけません。

たとえば、東京の最難関校である筑波大学附属中学は国立なので、基本的に学習指導要領を超えた知識を問うような問題は出すことができません。しかし、教科書に書いてある内容を正確に覚えているか試す問題がよく出題されます。

実験に使う器具についての細かい説明など、見落としがちですがしっかり教科書には記述がある内容が出題されるのです。そのような例もありますから、教科書の内容や実験、実験器具の使い方など、一度はやった内容とはいえ、おろそかにしてはいけないのです。

実験の道具は塾にはない?

理科実験教室を設けている塾にはあるかもしれませんが、通常の進学塾では、実験に使用する道具(ビーカーやメスシリンダー、アルコールランプなど、学校には備えられているもの)をそろえて活用しているということはありません。また、理科実験教室も、中学受験が本格化する小学校4年生では設定している塾はほとんどありません。

身近に触れて、実際に使ってみることができるのはやはり小学校の授業ということになるでしょう。ですから、特に実験の授業では、理科室にあるものをじかに触れ、見て、器具の使い方などを覚えるようにしましょう。

理科は暗記力が必要

理科は主に物理、化学、生物、地学の4分野に分かれることはご存知の方が多いと思います。このうち、物理は計算問題中心になりますが、ほかの分野は一部計算が入るものの、知識の習得が中心になります。受験対策では、これらの知識を早めに自分のものにする必要があります。

計算問題が多く出題される物理に関しても、解き方のパターンをまずは自分のものにして、様々な問題を演習する中で使いこなせるようにすることが必要です。

入試では、4分野からまんべんなく出題されることが多いですが、どの分野に配点が重く置かれているかはわかりません。得意・不得意分野を作らないよう、苦手なところは基礎に戻って学習するようにしましょう。

終わりに

中学受験の学習において、理科については塾で入試対策の問題をたくさん解くことはとても重要なことです。しかし「実体験」を伴わない問題演習は、その問題は解けても、違う聞き方をされると解けなくなるという落とし穴があります。

また、基本となる知識は実体験することにより身につくものです。たとえば夜の空に星座早見盤をかざしてみる、学校の実験器具の使い方を実際に手に取ってやってみる、理科とはそういった実体験が何よりものをいう科目です。

日常でも、プラネタリウムや動物園、自然植物園など、実体験できる場はたくさんあります。机上の学習だけで詰め込むのではなく、実体験を伴う姿勢をもって理科を勉強してほしいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。