【中学受験理科】振り子の基本を理解する ~振り子の基礎知識をマスターし、周期についての理解を深めよう~

皆さんは振り子と聞いてどんなものを思い浮かべますか? いちばんよく見かけるのはブランコでしょう。少し古いですが、振り子時計というものもあります。私は、謎解き系のドラマのワンシーンなどで見ることが多い気がしますね。名探偵が推理をしている間に振り子が一定のリズムで振れている……というような。また、振り子として有名なものとして「フーコーの振り子」があります。これは、地球が自転していることを実証することができる装置で、フランスの物理学者フーコーによって考案されました。国立科学博物館でも実際に見ることができるので、興味のある方は訪れてみてはどうでしょうか? その大きさに反して、緻密な軌道を刻んでいるという事実に驚くと思います。

振り子自体を日常で目にしなくても、「振り子の周期」や「振り子の運動」を考えることは、高校物理そして大学物理でも非常に重要な役割を果たします。そのシンプルさと周期性があるという性質のおかげで、振り子は物理の世界においても扱いやすいのです。今回はそんな振り子について、基礎的な知識を紹介したうえで、周期に関する内容を詳しく解説していきます。さて、学ぶモチベーションは出てきたでしょうか? 鉄は熱いうちに打て、早速解説に入りましょう。

振り子とは? 基礎知識を習得しよう!

振り子とは、支点から伸び縮みしない物を通してぶら下がった物体のことをいいます。中学受験では、天井から糸を通してぶら下がったおもりのことを指すのが一般的でしょう。この振り子を、糸を張った状態のまま高さをつけて手を離すと、振り子は周期的に左右に移動します。これが基本的な振り子の運動です。

ここで一つ、間違えやすいポイントを説明します。次の問題を考えてみてください。

いま、糸の重さは考えなくてもよいものとしましょう。おもりの大きさを考慮すると、振り子の長さは

  1. 支点から糸だけの長さ
  2. 支点からおもりの中心までの長さ
  3. 支点からおもりまでの長さ

の3つのうち、どれになるでしょう。

正解は、2の「支点からおもりの中心までの長さ」です。

支点からおもりの中心までの長さ

なぜこのような答えになるのでしょうか? それは、振り子の長さというのは、「振り子の視点から振り子の重心までの長さ」のことを指すからです。いま、糸の重さは考えなくてよいので、振り子の中心はおもりの中心になります。これが答えです。

振り子の周期とはどんなもの?

さて、今度は振り子の周期について考えましょう。振り子の周期といえば、基本的には「振り子が1往復するまでの時間」のことを指します。振り子の運動10周期といえば、振り子が10往復するまでの時間のことですね。

振り子は、周期的に運動するという特徴があります。周期的とはどういうことでしょうか。例えば、高い位置から物体を落とすことを考えましょう。このとき、一度物体から手を放してしまえば、もとの高さに戻ってくることはありませんよね?このような運動は周期的ではありません。

一方で、例えば地球の公転を考えてみましょう。 地球が太陽の周りを回転しているのはご存じだと思いますが、これって誰か人間や宇宙人が力を加えているわけではありませんよね? 誰かの力が加わっていないのであれば、いずれ公転は止まってしまいそうですが、そのようなことは起こりません。地球は必ず1年に1回太陽の周りをまわります。

周期的な運動の例

このように、誰かが力を加えなくても繰り返される運動のことを周期的な運動といいます。 振り子もそのような運動の一つです。

振り子の周期は高さやおもりによって変わらない? 振り子の周期の特性について

振り子は周期的に運動するということを説明しました。ここで、一つの振り子は必ず同じ周期で運動するという性質があります。例えば、長さが\(10\,\mathrm{cm}\)、おもりの重さが\(10\,\mathrm{g}\)の振り子があったとします。この振り子を糸を張った状態で高さ\(5\,\mathrm{cm}\)の場所から手を離してみます。このような振り子は約\(0.6\,\)秒で1往復するのですが、この時間は振り子を変化させない限り変化することはありません。

では、何が振り子の周期を決めているのでしょうか? それは

「振り子の長さ」

のみです!

ここで、疑問を感じた人もいるかもしれません。

「おもりの重さを変えても周期は変わらないの?」
「おもりを落とす高さを変えても周期は変わらないの?」

変わりません。

さきほどの例でいえば、おもりの重さを\(20\,\mathrm{g}\)にしても、手を離す高さを\(2\,\mathrm{cm}\)にしても、振り子の周期は\(0.6\,\)秒のままです。

振り子の長さが等しい→周期が同じ

反対に、振り子の長さを\(40\,\mathrm{cm}\)に変えてみましょう。そうすると、振り子が1往復する時間は約\(1.2\,\)秒に変化します。

振り子の長さと周期の長さは反比例

一般に、振り子の長さを4倍、9倍、16倍……と変化させると、振り子の周期は2倍、3倍、4倍……と増えていきます。ここまでは覚える必要はありませんが、最低でも

  • 振り子の長さを長くすると周期は長くなる
  • 振り子の長さを短くすると周期は短くなる
  • おもりの重さや手を離す高さは周期とは無関係

この3点は必ず覚えておきましょう。

まとめ……の前に

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最後に

今回は振り子の基本について解説しました。振り子の長さは「支点から振り子の中心までの長さ」であることや、「振り子の周期は振り子の長さにのみ関係する」ことなど、直感とはちがう事実を知ることができたのではないかなと思います。振り子の基本はまだこれですべてではありませんので、それに関しては後からでる記事を参考に、理科の勉強を頑張って下さい!

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