【女子御三家】女子学院中学校中学校の社会の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

女子学院中学校は、東京都千代田区一番町に所在する、中高一貫の私立女子中学校です。

完全中高一貫校となっており、高校から入学する生徒は募集していません。

また、創立は明治初期に遡り、キリスト教宣教師や日本人キリスト教徒によって建てらた歴史のある学校のうちの1つです。通称「JG」と略称され、桜蔭中学校、豊島岡女子学園中学校とともに、東京都の女子御三家のうちの1校として知られています。

今回は、そのような女子学院中学校の、社会の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

女子学院中学校の社会は、試験時間40分に対して大問が3〜4問、総設問数が25〜40問程度となっています。ここ数年で大問数は3〜4問を行き来していますが、総設問数は年度によって15問程度の幅があり、かなり変化しています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民、時事含む)の3分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、融合問題などはあまり見られません。

近年の出題内容

2020年度

2019年度

2018年度

出題傾向

概要

女子学院中学校の社会は、試験時間40分に対して大問が3問、総設問数が25〜40問程度となっています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からそれぞれ1問ずつ出題されることがほとんどです。複数分野を組み合わせた融合問題のようなものは出題されていません。

大問が4問出題される場合は、そのうち最初の2問が歴史、続いて地理、現代社会という出題になっていることが多いです。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替えといった知識問題がほとんどです。

そのほかにも、各大問につき、必ず1問は記述問題が出題されています。

出題傾向についての詳細

女子学院中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

ここ最近の出題パターンを見てみると、大問数は常に3、4問を行き来しています。総設問数は25〜40問の間で幅広く変化しています。

なかでも地理からは「国土と自然分野」「日本の各地方」「日本の諸産業」といった問題が、歴史からは「文化史」「戦争史」といった問題が、公民からは「三権分立の仕組み」「国会の仕組み」「現代社会の時事」についての問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

合格平均点は公表されていませんが、他教科とのバランスを考えると、できるだけ社会で点数を稼ぎたいところです。

また、毎年さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった知識問題が大部分を占めているものの、記述問題なども必ず出題されています。

当校の社会は、とにかく問題分量が多いことが特徴的です。試験時間が40分と、かなり短いなかで、多い年では40問近い問題を時終えなければなりません。年度によって問題数が大きく変わることにも注意しましょう。

1問あたりにかけることのできる時間は1分弱程度とかなり短いので、試験時間には余裕がありません時間がない中で完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

女子学院中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも特に頻出の歴史の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2021年度第1回・第2問より抜粋)

〔Ⅱ〕①昭和初期の不景気の中で、学校に弁当を持って行けず、②食事がとれない児童の増加など社会問題が起こりました。③日中戦争・太平洋戦争が終わった後、国は④長崎県に⑤広大な水田を造成する計画を立てました。そのほかの地域でも、⑥水田にする目的で新しい耕地がつくられました。長崎県の水田造成事業はその後、目的や規模が当初の計画から大きく変わりました。またこの事業の影響で、佐賀県では遠浅で干満の差が大きい海を利用した( X )の養殖など、漁業への影響が指摘されています。

問1 下線①に関して

⑴ 農民の生活向上に努め、この頃「雨ニモマケズ」を書いた人物を次から選び、記号で答えなさい。

ア 石川啄木 イ 宮沢賢治 ウ 金子みすず エ 新美南吉

⑵下線①以降のできごとをすべて選び、記号で答えなさい。

ア 米騒動が全国に広がった。

イ アメリカが日本への石油輸出を禁止した。

ウ 足尾銅山鉱毒事件が起こった。

エ 軍人が大臣らを殺害する二・二六事件が起こった。

オ 日本が韓国を併合した。

カ 全国水平社が結成され、差別をなくす運動が展開された。

問2 下線②に関して、戦後、アメリカから給食用物資が日本に提供されたことをきっかけに、学校給食が広まりました。学校給食の説明として、まちがっているものを2つ選び、記号で答えなさい。

ア 戦後、海外からの脱脂粉乳の支援があり、のちに学校給食で牛乳が出されるようになった。

イ 給食の普及は子どもたちの栄養状態の改善を目指して進められた。

ウ 戦後、アメリカから日本に小麦粉が提供され、パンの給食が始まった。

エ 米飯が給食で頻繁に出されるようになったのは、輸入小麦粉が不足したからである。

オ 学校給食は全国的な制度であるが、各地で郷土料理が献立に取り入れられている。

カ 学校給食は費用を安く抑える必要があるため、地元の産物ではなく安価な輸入食材がほとんどを占めている。

問3 下線③の戦中・戦後の食料に関して述べた文として、正しいものを2つ選び、記号で答えなさい。

ア 太平洋戦争が泥沼化して食料や日用品が不足すると、まず農村から配給制が始められた。

イ 政府は国民に対して「ぜいたくは敵だ」などのスローガンによって倹約や節約を奨励した。

ウ 配給所で食料や日用品を配給する作業は、すべて役人が行った。

エ 学童疎開先では、子どもの成長に欠かせない動物性たんぱく質が多く含まれた食事が提供された。

オ 配給量も不足したため、人々は空き地にカボチャさつまいもを植えて時給に努めた。

カ 日本が連合国に降伏して戦争が終結するとともに、配給制も終わった。

キ 家計に占める食費の割合は、1940年代後半から1970年代にかけて大幅に増大した。

問4 下線④に関して述べた文として、まちがっているものを2つ選び、記号で答えなさい。

ア 隠岐諸島をはじめ多くの島々があり、アジやサバなどの漁獲量が多い。

イ 山がちで平野が少なく、活動が活発な火山がある。

ウ 1945年8月9日、アメリカによって日本に2発目となる原子爆弾が投下され、多くの犠牲者が出た。

エ 殖産興業の政策がとられる中で造船所がつくられ、明治時代に造船業が発展した。

オ 日本修好通商条約の締結後、それまで長崎で行われていたオランダ貿易と同じ制限のもと、欧米との貿易が行われた。

カ 戦国時代には宣教師による布教が行われ、キリスト教が広まった。

問5 下線⑤に関して、この公共事業によって、1997年に一部が潮受け堤防で閉め切られた場所を次の中から選び、記号で答えなさい。

ア 八代海 イ 熊野灘 ウ 諫早湾 エ 玄界灘 オ 島原湾

問6 下線⑥に関して、次のうち、一般に水田として利用するのにもっとも適さない場所を1つ選び、記号で答えなさい。

ア 干拓地 イ 扇状地 ウ 湿地 エ 三角地

問7 文中( X )にあてはまる水産物をひらがなで書きなさい。

【答え】

  • 問1
    • ⑴イ 
    • ⑵イ・エ
  • 問2 エ・カ
  • 問3 イ・オ
  • 問4 ア・オ
  • 問5 ウ 
  • 問6 イ
  • 問7 のり

〔ポイント〕

  • 女子学院中学校は、地理・歴史・現代社会の3分野のなかからまんべんなく出題され、各分野に対して大問が1問ずつ用意されています。
  • 歴史の問題のなかでは、経済史・戦争史・文化史に関する問題が頻繁に出題されています。
  • 特定の時代に限定して出題されるというより、特定のテーマに沿ってさまざまな時代の歴史的事項を問うような場合が多いです。
  • また今回の問題のように、基本的な用語説明や記号選択などの知識問題がほとんどですが、記述問題が出題される場合もあります。
  • 全体的に難易度はそこまで高い訳ではありませんが、今まで身につけた知識を組み合わせて考える複雑な思考力が求められます。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

女子学院中学校の社会では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては、「今まで学習した内容を関連づけて推測する」ような、一筋縄ではいかないようなものもあります。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう

過去問演習は入念に

女子学院中学校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験社会でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題、並び替え問題が大部分を占めており、記述問題なども毎年必ず出題されています。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は本番までにあらかじめしっかりと行いましょう。

時間配分は慎重に

女子学院中学校の社会は、試験時間40分に対して大問が3〜4問、総設問数が25〜40問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は1分弱程度となっており、あまり時間に余裕がないことが特徴的です。

かなり手ごたえのある問題も多いため、記号選択形式が中心だからといって油断せず、冷静に取り組みましょう

試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

ここ数年では、大問数は2019年:4問→2020年:3問→2021年:4問と増減を繰り返しており、総設問数に関しては25〜40問程度の間で大きく変化しています。

昨年度と大きく傾向が変化しても焦らず、落ち着いて取り組みましょう。

まとめ

今回は、女子学院中学校の入試情報や、社会の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の社会は、試験時間40分に対して大問が3〜4問、総設問数が25〜40問程度となっており、試験時間に対する問題量がかなり多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択や用語記述といった知識問題がほとんどである」、「さまざまなな分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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