中学受験・社会 戦後の国際紛争を調べてみる~その1

最近の中学入試の社会では、時事問題の出題が必須と言っても過言ではありません。中でも、戦争や国際紛争について、その時代の国際社会の背景や、国どうしの関係などの知識を前提に、多方面から聞いてくる問題が増えています。

第二次世界大戦後、太平洋戦争後について、私たち日本人は「戦後」と呼んでいます。ですが、ニュースや新聞を見ても、世界で戦争がなくなって平和になったわけではありません。第二次大戦後、さらに多様な武器やミサイルなど、兵器の開発は全世界で進んでいます。日本は唯一の戦争における被爆国ですが、最近でも核兵器開発などについて世界的に緊張感が漂っています。先日発表されたノーベル平和賞は核兵器廃絶NGOに贈られました。

世界中の人々が現代を「戦後」と呼べるようになったら素晴らしいことです。でも、現状はまだまだ国際間の緊張が高まっており、新しい形の戦争が起こるかもしれません。

今回は、第二次世界大戦後に起こった二つの大きな戦争について解説します。中学入試でもよく出題される戦争です。しっかり経緯と内容を理解しておきましょう。

朝鮮戦争

戦争までの経緯

第二次世界大戦が終わってから、日本の植民地支配から解放された朝鮮ですが、東西冷戦の影響から、北緯38度線で南北に分断されてしまいました。アメリカを中心とする資本主義の国々(西)と、ソ連(現在は連邦ではなくなりましたが、ロシアが以前力を保っています)を中心とした社会主義の国々(東)の対立が東西冷戦と呼ばれることは知っておきましょう。

1948年に、朝鮮の北側は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、南側は大韓民国(韓国)ができました。北朝鮮はソ連寄りの社会主義体制、韓国はアメリカ寄りの資本主義体制をとることになったのです。

戦争勃発

1950年に、ついに戦争が勃発しました。北朝鮮軍は、短期間でほぼ全土を制圧します。それに対して、アメリカを中心とする多国籍軍が、国連軍として北への猛反撃を開始しました。北朝鮮軍を北へと追い詰めると、今度は中華人民共和国(中国)からの義勇兵が北側に参戦し、反撃します。追い詰められては反撃、ということを北、南両軍が繰り返し、その戦況から「アコーディオン戦争」と呼ばれました。

戦争終結と日本への影響

結局、1953年に、もとの北緯38度線付近で休戦することになり、休戦協定が成立しました。ですが、現在に至るまで「終戦」ではなく、「休戦」状態であって、完全な和平には至っていないのです。いつ戦争が始まってもおかしくない緊張状態が続いています。

朝鮮はこのように大変なことになりましたが、日本にとっては、苦しんでいた戦後の混乱から立ち直るきっかけとなりました。アメリカ軍に物資を提供することによって大きな利益を得ることができたからです。これは、「朝鮮特需」と呼ばれます。この特需によって、日本は戦後の経済復興を成し遂げることができました。

また、朝鮮戦争に日本が関わったこととしては、警察予備隊が組織されるきっかけとなったことが挙げられます。のちの自衛隊ですね。警察予備隊から自衛隊の流れについては、中学入試でもよく問われるところなので、きっかけになった朝鮮戦争と、アメリカとの関係、地理的な関係も含めて理解しておきましょう。

現在も影を落とす朝鮮戦争

北朝鮮問題は、日本を含めた東アジア情勢の不安定要素の大きな一つです。現在の北朝鮮を取り巻く状況を見ると、2017年の時事問題で最も狙われやすいところになると考えられます。最近では、北朝鮮が核実験を行ったり、アメリカとの緊張感が高まったり、国際的な非難を受けたりという状況が続いています。朝鮮戦争が起こるまでの歴史的な流れと、現在の北朝鮮情勢、国際情勢について、国連でどのようなやりとりがされているか、おおまかで良いので、ニュースなどで理解を深めておきましょう。

ベトナム戦争

戦争までの経緯

この戦争も、資本主義と社会主義の対立、冷戦の中で行われたものです。ベトナムが南北に分断された後、南ベトナムのうしろだてになっていたアメリカ合衆国は、北ベトナムの共産党政権が南に及ぶことを強く警戒していました。北ベトナムは武力による統一を試み、南ベトナム解放戦線(とベトコンといいます)を結成し、内戦が始まります。

アメリカは、北ベトナムはソ連が後ろ盾となっているので、北ベトナムが勝利して全土が共産化すると東南アジア全体が次々に共産化してしまうのではないかという「ドミノ理論」を唱え、それを根拠として北ベトナム攻撃を決意します。つまり、ベトナムはアメリカ対ソ連の東西戦争に巻き込まれてしまったのです。

戦争勃発

1964年、アメリカの軍艦が北ベトナムの警備艇に攻撃されたとする、トンキン湾事件が起こります。真相については異論が多数あるところですが、それを口実に1975年、アメリカは北爆を開始し、全面的な戦争に突入します。

結局、ベトナム民衆の抵抗、アメリカ国内での反戦運動の高まりなどによって、1973年にアメリカは撤退します。アメリカが撤退すると南ベトナムはなすすべもなく、1975年にサイゴンが陥落し、ついにベトナムは北ベトナムによって統一されました。

この戦争では、アメリカが枯葉剤を使用するなど、その後のベトナム国民の健康に大きな影響を及ぼすなど、人道的に大きな非難を浴びることになりました。

ベトナム戦争の重み

ベトナム戦争は、第二次世界大戦後最も規模の大きい戦争であり、アメリカにとって歴史上初めて敗北した戦争でした。アメリカにとって非常にダメージが大きかったようです。

ベトナム戦争は明確な宣戦布告のない戦争だったので、その期間についてはいくつかの説があります。一般的には1964年のトンキン湾事件か、1965年の北爆開始からとされています。中学入試に関しては、細かいところまでは問われないでしょうが、このあたりの年代から始まった戦争であることを知っておきましょう。

そして、戦争終結は1973年のアメリカ撤退か、1975年のサイゴン陥落とされています。サイゴンは、北ベトナムで活躍した、ホー・チ・ミンの名前をとって、現在はホーチミンという地名になっています。この人名は知っておきましょう。

ベトナム戦争については、詳細を説明できない大人も多いです。ぜひ親御さんも参考書などで勉強したり、テレビのドキュメンタリー番組などを参考にして、お子さんに説明できるようにしていただきたいと思います。

流れももちろん大切ですが、かかわったアメリカ大統領がケネディ、ニクソンであったことや、この時期に日本では東京オリンピックが開催されたこと(1964年です)、韓国と日韓基本条約を締結したこと(1965年です)については覚えておく必要があります。

まとめ

朝鮮戦争については、現在の日本にも非常に大きく影響しています。北朝鮮のミサイル開発によりJアラートなど、ニュースになっていることなどは、ぜひ親御さんとお子さんの間でも一緒にニュースを見るなどして、いま何が起こっているのかを理解しておきましょう。そしてその背景がどんなものであったのか、朝鮮戦争や、朝鮮と日本の歴史的関係についても整理しておきましょう。

ベトナム戦争については、日本にとってみればわかりにくいところもありますが、年代が非常に重要です。特に、2020年には東京オリンピックが開催されます。ベトナム戦争の時期に東京オリンピックが開催されたことなど、関連事項がかなりたくさんあるところなので、入試でも時事問題と関係して出題される可能性があります。

歴史については、過去の出来事として興味を持たれないことが多いですが、世界全体の平和が実現されておらず、様々な国際紛争が起こっているという現状にぜひ興味をもっていただきたいと思います。それをきっかけに、歴史、特に理解の難しい近現代の歴史や時事問題の対策にもなります。ぜひ家族で話し合うなど、興味を持って勉強してください。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。