中学受験・社会 戦後の国際紛争を調べてみる~その2

近年の中学入試の社会では、時事問題、特に国際関係についての出題が増えています。中でも、世界各地で起こっている国際紛争について、国際社会の背景や、国どうしの関係などについての知識を聞いてきたり、そのような知識をもとに国際関係について考えさせ、中には記述問題という形で現代社会における問題を考察させる出題も見られます。

第二次大戦後、いわゆる世界大戦というものは起きていません。しかし、その時代からさらに多様な武器やミサイルなど、兵器の開発が全世界で進んでおり、核実験も繰り返されています。最近も、北朝鮮によるミサイル発射や、それをめぐる各国の主張をめぐって、国際連合でも混乱がみられます。この先、国際関係の絵図がどのように変わっていくか、それは我々の生活に直接関係してくる深刻な問題です。

「戦後」と呼ばれる時代になっても、国際間の緊張は以前続いており、世界中で様々な理由により国際紛争が起こっています。もしかすると、新しい形の戦争が起こることだってあり得ます。決して日本は巻き込まれていないから大丈夫、などと考えるわけにはいきません。

今回は、その1に続いて、第二次世界大戦後に起こった二つの大きな戦争について解説します。中学入試でもよく出題される戦争ですし、最近でもニュースで報道されることのある紛争です。しっかり時代背景、経緯と内容を理解しておきましょう。

キューバ危機

1962年、キューバにおけるソ連のミサイル基地の建設をめぐって、アメリカとソ連が激しく対立した事件です。核戦争にまでなりかけた、非常に緊張した時期でした。

1959年にキューバ革命が起こります。キューバ革命といえば有名な人物がいます。フィデル・カストロと、その右腕チェ・ゲバラです。主にこの2人が活躍した革命です。今のキューバの最高指導者は、フィデル・カストロの弟です。

やがて、キューバはアメリカと国交を断絶します。キューバはソ連と関係を深め、社会主義国家となりました。これに対して、アメリカのキューバに対する敵視政策はエスカレートしていきます。東西冷戦が緊張の超っ点に向かって突き進みます。

1962年10月14日、アメリカ空軍の偵察機がキューバの上空で撮影した写真で、ソ連によるミサイル基地が建設進行中であることが判明します。当時のアメリカ大統領はケネディでした。ケネディは、10月22日、兵器が運び込まれるのを防ぐため、キューバ周囲を、海と空から海上封鎖することを宣言します。ここにきて、ついに核戦争勃発か、といわれる寸前まで緊張が高まります。

その後、ソ連からの申し入れにより、アメリカがキューバに侵攻しないことと引き換えに、ミサイル基地を撤去するという提案がケネディに伝えられ、承諾されます。10月27日に合意が成立し、危機は回避されました。

キューバ危機で覚えておきたいこと

キューバ危機という事件でまず覚えておきたいのは、当時のソ連とアメリカの最高指導者です。ソ連は共産党書記長のフルシチョフ、アメリカはケネディ大統領です。この2人の名前はしっかり憶えておきましょう。

キューバ革命の指導者であったフィデル・カストロは2016年11月に死去しました。時期的にも、カストロの死を受けて、キューバ危機について、時事問題として現代史の分野で出題される可能性があります。

さらに、キューバ革命やキューバ危機とは逆の状況、つまり「キューバの雪解け」と呼ばれるアメリカとキューバの関係改善の動きがみられることにも注目しておきましょう。2015年7月、54年ぶりに両国の国交正常化が実現し、2016年3月にはオバマ大統領がアメリカ大統領として88年ぶりにキューバを訪問しました。

東西冷戦時代がどういう時代だったのか、それによりどのような対立が起きていたのか、そういったことを整理しておきましょう。

ソ連・アフガニスタン侵攻

1979年、ソ連がアフガニスタンを侵攻した事件です。キューバ危機のあと、1970年代は「デタント」と呼ばれる、アメリカとソ連の緊張関係が少し緩んでいた時期でした。ですが、このソ連によるアフガニスタン侵攻によって西側諸国が反発し、緊張した対立状況に戻ってしまいました。

理由には諸説ありますが、社会主義政権の維持と、ソ連国内へのイスラム教徒への影響を防ぐため、というのが有力な説です。アフガニスタン各地で組織されたムジャヒディンと名乗る反政府ゲリラがソ連軍に抵抗します。当初は苦戦していましたが、アメリカ大統領にレーガンが就任すると、彼らに最新兵器が供給されるようになり、戦況は一変します。10年に及ぶ闘いは完全に泥沼化し、結局侵攻は失敗しました。

ソ連のアフガニスタン侵攻で覚えておきたいこと

ソ連のアフガニスタン侵攻という事件で覚えておきたいのは、これがソ連解体の一因となったということです。この時期の経済的・社会的疲弊がソ連の崩壊につながりました。また、このとき、アメリカが支援していたムジャヒディンが、9.11の同時多発テロに関係していることも覚えておきたいところです。

ムジャヒディンには、イスラム世界から多くの志願兵が集まり、のちにアルカイダを率いたウサマ・ビン・ラディンも参加していました。アメリカが支援していた彼が、アメリカを相手に、大規模テロ事件を引き起こしていく、という歴史の皮肉があるのですが、その背景にはこのソ連のアフガニスタン侵攻があるのです。

また、この事件は、アフガニスタンでのタリバーンの台頭、IS(イスラミックステート)の出現にも関係しています。

まとめ

東西冷戦時代のアメリカとソ連を中心とした、資本主義国と社会主義国との対立は、冷戦終結といわれた今でも、その時々にくすぶって表れます。キューバ危機は冷戦を代表する紛争の一つですが、現代社会にも大いに関わりを持っています。そして、時事問題として出題される可能性があるので、しっかり押さえておきましょう。

また、現代はテロとの闘いの歴史ともいえます。それを理解するには、アフガニスタン侵攻について知っておく必要があります。細かいところまで記憶しておく必要はありませんが、ソ連崩壊とイスラム原理主義によるテロと大きな関連があることは覚えておきましょう。

テロはいきなり起こるわけではありません。なぜそのようなことが起こるのか、起こす勢力はどこから資金を調達しているのか、どこかの国が支援しているのか、なぜテロは次々と起こるのか、そういったつながりを意識してニュースを見たりすると、理解が深まると思います。

国際関係については、中学に入ってからさらに深く勉強していくところですが、前提となる代表的な出来事や紛争、戦争についてはしっかり中学受験としての知識として、理解しておきましょう。

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