【中学受験】模試はどうしたら有効活用できる?~4年生・5年生前半編

中学受験では切っても切れない模試。前回は主に5年生の後半から受験学年である6年生の模試の活用について書きました。

今回は、受験を意識し始めた4年生から5年生前半のころの模試の活用について、反省も含めて書いていきたいと思います。

4年生・5年生も、模試は定期的に受けたほうがいい

わが家では、4年生では1回、5年生のときは3回くらい、通っていたサピックス主催の「実力診断テスト」「志望校診断テスト」の二種類の模試を受けました。サピックス主催の模試は、カリキュラムに含まれていたので、特に「模試!」という意識を持つことなく、気にせずそのまま受けていたのですが、6年生になってから、模試についての知識や位置づけについてその当時は全く無知だったのだということに気がついたのです。

とりあえずセオリー通り、「現状の位置づけ」や「できないところはどこで、できているところはどこなのか」をチェックしていましたが、個人的には、このころはあまり現状の立ち位置を意識する必要はなかったのではないかと思います。順位や偏差値ですね。

それよりも、子ども自身が模試を受けたことによって、「苦手分野がわかった」「それが克服できた」という自信をつけさせることの方が、模試を活用するという意味では有益であったと思います。

周囲でも、4年生から5年生にかけて受験した模試の成績が悪くて落ち込んでいる親御さん(お子さんより落ち込む傾向は親御さんの方が多かったように思います)もいらっしゃいました。でも、この時期にはまったく落ち込む必要はありません。

模試によって何が今わが子にかけているのか、何が必要なのか、これからの学習方法をどう見直すか、そういったことが明らかになるので、十分に克服できる時間が残されているこの時期こそ、しっかりと計画を立てて苦手分野をなくしていく方が大切です。

模試の結果は、あくまで「模試受験者の中での位置づけ」にすぎない

さらに、わが家では6年生の春までは、サピックス主催の模試のみを受けていました。受験生の多くがサピックスであるという現実がありますから、偏差値はほかの模試よりも低めに出ます。ですから、子ども自身にとって、勉強してもなかなか数字に表れない、と落ち込む原因にもなっていました。

6年生になって、ゴールデンウィークのときにお世話になった家庭教師の先生に言われて初めて、サピックス主催ではない模試、「首都圏模試」を受けてみました。押さえの学校をどのあたりにするか」を決めるために受けてみたのですが、サピックス主催の模試より偏差値が20も上がって出てきました。そもそもきちんと親が「偏差値」について子どもに説明していなかったのがいけなかったと思いますが、その結果に息子は大きく反応しました。

「なんだ、俺ってできるじゃん!」と言い、その後のモチベーションに大きく影響したと思います。数字はわかりやすいので、子どもは偏差値が上がったり(実際は、成績そのもの、理解そのものが上がっているとは必ずしも言えないのですが)すると、良い方向に影響が出やすいですよね。息子が自信を無くしてサピックスをやめたいと言い出したのに、結局サピックスに戻ったことにも関係しています。

子どもだけでなく、親もどうしても偏差値のようにはっきり出てくる数字に反応してしまいます。そこは、子どもの自信喪失、あるいは自信過剰になる原因にならないよう、また、親自身が過剰に反応しないように、偏差値についてはしっかり理解をして、子どもにもこういうものだと話しておいた方がいいと思います。

実際に、男子御三家に合格した息子の友人は、個人の小規模塾に通ってマイペースに勉強していましたが、押しはサピックス主催のものを中心に受け、他の模試も利用するなど、常に実際のライバルたちの中での立ち位置を確認していました。

まとめ

模試は受けてみて間違った問題を「解き直し」して安心し、そこでとどまってしまうことが少なくありません。もちろん解き直しをし、できなかったものができるようになるようにすることはとても必要なことです。

ですが、模試を受けることにより最も重要なことは、「何が今後必要なのか」「どこを強化すべきなのか」ということを検討する材料にすることです。受けて終わり、ではなく、今後の受験までのスケジュールを考えて、どういう指針を立てるか、そういうことに役立てることに模試を受ける意味があるのです。

また、本来は、模試の結果に一喜一憂する必要はありません。とくに親御さんは偏差値に目が行ってしまいがちで、その上下に一喜一憂し、場合によってはお子さんに対して責めてしまうこともあるのではないでしょうか。

模試の偏差値だけをとらえて「なんでこんな成績なの!」ということはしないようにしましょう。今の立ち位置に過ぎない、と考えたうえで、教科ごとに今やるべきことは何なのか、穴となってしまっているところはどこなのか、そういうことを冷静に洗い出しましょう。場合によっては、塾の先生に相談し、今後の指針を立てる参考にすることをおすすめします。

ただ、偏差値も考え方によってはお子さんのモチベーションに大きく関係してくることもあります。よかったときはぜひ褒めてあげましょう。ただし、自信過剰にならないように、褒めたうえで「ここができるようになったらもっと成績が伸びるね」「頑張ろう」と前向きに声をかけてあげましょう。そのためにも、一つの塾主催の模試だけ受けるのではなく、適宜、受験者の母集団が異なる、他の塾主催の模試を受けてみることも大切です。スケジュールや優先順位に応じて、ぜひチャレンジしてみてください。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。