【中学受験】桜蔭中学校の入試の傾向と対策 社会編

桜蔭中学校は女子御三家の中でもトップの偏差値を誇り、毎年、東大をはじめとする難関校への揺るがない合格実績を叩き出している最難関中学校です。そんな桜蔭中学校は、入試問題においても最高難度の問題を数多く出題してきます。

特に、これまでご紹介してきた算数や国語においては「桜蔭中学校らしさ」が前面に押し出された構成となっており、この学校が求めてくる能力を100%発揮しなければ合格は難しいです。なかでも国語は、文章読解の難解さ、そして求められる文章作成力のレベルの高さにより、年度によってはなかなか差が付かないことも多い教科となっており、そういった場合はほかの教科で点数をたたき出さ根なければなりません。

そんな桜蔭中学校の入試問題において、着実な得点ソースとしたいのが、知識問題が多くの割合を占める理科と社会です。この2教科は、桜蔭中学校の入試問題中では、比較的点数を積み重ねやすく、発展的な思考力までは極端に求められなくて済む教科と言えるでしょう。それでも、ほかの中学校と比べれば問題量や問題の質ともに非常に高レベルなので、まったく対策なく単発の知識で対処できるような問題ではありません。

今回は、桜蔭中学校の入試の社会に焦点を当てて、どのような出題形式なのか、その対策としては何をやっていけばよいのか、傾向と対策を見ていきたいと思います。今後の志望校対策の参考にしてください。

桜蔭中学校の社会の出題傾向

桜蔭中学校の入試問題は、例年大問2~4問程度の構成となっています。大問ごとに長めのリード文が設定されており、その中の空欄を埋める知識問題から始まることが多いです。ほかにも、正確な知識力がなければ解けないような選択肢問題では、「当てはまるものをすべて」選びなさい、といったような、「すべて」選ばせる難易度の高い問題が出題されます。そして問題文中の下線部分について、設問に対応した説明を求められる記述問題も必ず出題されます。

地理・歴史・公民分野ごとに大問をそれぞれ出題してくることもありますが、多くの場合は融合問題の形で出題され、大問1つにつき、地理、歴史、公民の複数分野にまたがったリード文や設問が用意されています。そのため、分野ごとの分断された知識では対応することが非常に難しいのです。

制限時間は30分となっており、小問1つ1つに換算すると、設問の総数は40問前後になります。1つの設問あたり1分もかけられませんね。しかも、長めのリード文をしっかり読まなければなりません。また、問題文だけでなく設問や、選択肢問題の設問文も長いことが多いので、一つひとつの設問をじっくりと考えながら解いていくような余裕はまったくない、非常に忙しい入試です。

こういった出題に対処するためには、まずは正確で、しかも豊富な知識が各分野において求められます。そして、どういう角度から聞かれても答えられるように準備をしておくことがとても重要です。

桜蔭中学校の社会の頻出単元は?

桜蔭中学校の社会の入試問題は、地理・歴史・公民各分野からまんべんなく、またバランスよく出題されますが、公民分野からの出題は比較的少ない傾向にあります。ただし、公民分野はあらゆる知識を聞いてくる小問集合で出題されることも多いので、正確で深い知識を準備しておかなければ太刀打ちできないでしょう。

また、地理に関しては基礎知識を正確に固めておき、グラフや図、更に時事問題と絡めた問題であってもデータをすばやく取り出してくることが出来るように準備しておくことが必要です。それができれば、特殊過ぎる問題は出題されないので、それほど入試会場で苦悩することなく解ける問題が多いと言えるでしょう。

桜蔭中学校の社会の中で最も比重が重たくなってくるのは、やはり歴史分野です。桜蔭中学校の歴史の問題は、毎年ひとつのテーマに沿った形で問題文が出題されます。たとえば、終戦〇年の区切りになる年度に、第二次世界大戦関連の問題文を出題する、などが代表的な出題形式と言えるでしょう。

手ごわいのは、このテーマに沿った問題文が、歴史の場合は特に長く、通常の塾の授業では扱わないような、どちらかと言うとマイナーな知識も要求されることがある点です。また、時代横断的な問題や、短期間で多くの動きが見られる時代、たとえば江戸幕府の鎖国・開国や明治維新、帝国体制下での日本と世界の動きなどについては、特に注意深く知識を深めて理解し、整理しておく必要があります。

特徴的な出題傾向

さきほど、桜蔭中学校の地理は、比較的基礎知識をしっかり固めておけば解ける、と言及しました。ただし、残念ながら、単に基礎知識だけで解けるほど甘くはありません。求められる知識こそオーソドックスなものが多いのですが、出題傾向には大きな特徴があります。

毎年必ず出題されるのは、日本または世界の地図からの問題、そして何より特徴的なのがデータの読み取り問題です。扱っているテーマは日頃学習する際に解いているような練習問題とそれほど差があるわけではありません。しかし、普段の学習であれば、ことば、文章で出題されるような問題について、データを前面に出す形で出題されるという特徴があるので、その問題の「見た目」に戸惑ってしまう受験生も毎年少なくありません。

それに対処するためには、日ごろの学習の中で、データから情報を処理したり、逆算して考える、何を聞かれているのか落ち着いてつかむ、といったトレーニングを積み重ねて対策しておく必要があります。

塾のテキストで文章だけを読んで学習するにとどまらず、資料集や地図帳などで、テーマごと、単元ごとにデータや図をしっかり頭に入れていることが、桜蔭中学校の社会の入試問題を解くにおいては当然の前提となっています。つまり、桜蔭中学校の場合、求められる基礎部分のレベル自体がハイレベルだということが言えるでしょう。そのため、「このデータは何を指すのか」ということを常に意識し、少し形を変えられてもひるむことなく共通点を見つけながら解き進むことが必要になってきます。偏ることなく、さまざまなタイプの問題を解いて訓練することが対策として重要になってくるでしょう。

歴史においても、史料やデータを読み取り、分析してまとめる、という問題が出題されることが非常に多いので、やはり社会においての桜蔭中学校対策はしっかりしておくべきでしょう。歴史の学習をするなかでは、グラフ、年表はもちろんですが、都がどこにあったか、戦いの主戦場がどこであったかなど、地図上の知識も非常に重要なので、それらすべての史料、資料に慣れておく必要があります。

先ほども説明しましたが、桜蔭中学校の歴史分野の問題は、非常に比重が重く、重量級の問題が多く出題されます。基礎的な知識だけでなく発展的な知識が必要ですし、ひとつの知識について多角的な視点から見て分析することができる能力が求めらるのが一筋縄ではいかない理由です。歴史の場合も、地理と同じく、大前提として基礎的な知識は最低限正確に叩き込んでおく必要があります。それはできていて当たり前、ということが前提だという意識を持って学習しましょう。

さらに発展的な知識としては、塾のテキストの本文以外にまとめられている「ひとくちメモ・コラム」のような豆知識も、逃さず目にしておくことが必要です。そういった部分は、発展的な内容に言及されていることが多く、ともすると細かいので無視してしまいがちですが、桜蔭中学校のような最難関校ではそういった部分こそ題材にしてきます。おろそかにしないようにしましょう。

また、小学校の教科書の中にあるデータや資料の下に説明として書かれている細かい部分についても忘れず押さえておくことが大切です。入試問題の作問者は必ず教科書も参照し、ネタになるところを探して、そこから発展的な問題を作問していきます。そういった意味で、教科書もすみずみまで理解し、覚えて整理しておくことが必要です。

桜蔭中学校の社会の特徴的な出題傾向として、塾で学ぶようないわゆる基礎基本と言われる社会の知識だけでなく、地理や歴史と絡めた融合的な問題や、雑学的な知識を聞いてくるような問題が出されることが少なくありません。たとえば、以前、「おせち料理に砂糖がつかわれるのはなぜですか」という問題が出題されたことがあります。保存性があるので、お節料理に砂糖を使うことを知っていればすぐに解ける問題ですが、おせち料理を食べなかったりお正月の習慣、料理についても知識がないと解けませんよね。こういった問題が出題されるのは、桜蔭中学校が求める「日常的にものごとについて常に思考し、自分自身で答えを導き出す」という人物像が如実に表れている証拠だと言えるでしょう。

公民に関しては、問題数こそ多くはないですが、地理と絡めて地図の把握ができているかを確認してきたり、歴史と絡めて現在の世界情勢への理解を聞いてくるような問題が数多く出題されます。このため、地理・歴史・公民という社会の3つの分野を分断してそれぞれ理解するという方法ではなく、各分野それぞれの知識をしっかり押さえたうえで、分野横断的な知識を身につける必要があります。同じことを地理、歴史、公民のどの方向から聞かれたとしても答えられるように柔軟に組み合わせた、新たな理解を生み出す必要があると言えるでしょう。

桜蔭中学校の社会攻略トレーニング

桜蔭中学校の社会の選択問題は、一般的に見られるような「正しいものをひとつ選びなさい」という形以外にも、「正しいものを全て選びなさい」や「正しいものがない場合は〇(記号)と答えなさい」といった形の出題が非常に多く見られます。このような答えがひとつとは限らない問題の場合、ほかの学校のように、知識は不確かだったけれども選択肢の都合でたまたま正解できた、という事態はほぼ期待できないと言えるでしょう。

こういった問題を克服するためには、とにかく知識の正確性が求められます。社会の知識を覚える際には、「なんとなく」で覚えるといったことでは絶対に桜蔭中学校の社会の問題に対処することはできないので、正確性を意識し、いつでも取り出せるほどの整理が重要です。

また、知識と知識との繋がり、複合性を重要視しているのも桜蔭中学校の特徴と言えるでしょう。ただ単に一つひとつの知識を覚えるのにとどまることなく、その知識を活用して、さらにほかの分野の理解も深めていく、という学習が重要になってきます。

たとえば、戦前・戦後の日本を分けて考えるのではなく、太平洋戦争の敗戦によって、戦後の日本はどう変わったのか、なぜ大日本帝国憲法と日本国憲法との間に違いがあるのか、といったようなポイントを、常に意識させておく必要があります。このような問題では、歴史と政治が融合していますよね。このように分野横断的に常にひとつのことがらを考えることが重要なのです。

歴史の知識ならば、「この事件はどこで起こったのか」という地理的な知識も考慮する必要がありますし、公民ならば「どのような歴史上のできごとが現在の世界情勢に影響を与えたのか」という歴史的な知識も合わせて考察しておく必要があります。このように「知識と知識とのつながりを意識する」という習慣をつけながら学習をすすめることこそ、桜蔭中学校の社会を攻略するための王道です。一度にはできないかもしれませんが、意識しながら整理していくと、まったく違って見えていたものが実は同じことを違う角度から聞いているだけだ、とわかってきます。

桜蔭中学校が求める社会の力とは

今回は、桜蔭中学校の社会について、出題傾向と対策方法を解説してきました。桜蔭中学校は、入試問題においてどの教科であっても高度な思考力と情報処理能力を求めてくる学校だと言っても過言ではありません。

社会の場合は、自分が持っている知識を、設問にどのように活かせばよいのかを考えるのが思考力であり、長い問題文と数多い設問を、30分という短い制限時間の間でいかに素早く処理できるか、というのが情報処理能力となってきます。

この思考力と情報処理能力は中学受験で終わりではありません。大学受験でも、また社会人になっても両立が求められる能力です。それを中学入試時点で求めている桜蔭中学校の社会の入試は小学生であっても大人のような視点でものごとを考えることが要求されている問えるでしょう。

一見対策しにくく見えまる桜蔭中学校の社会ですが、国語や算数などのように考えつくかどうかわからない発想を求められている教科ではありません。日々の学習で堅実に一つひとつの基礎知識を積み上げてさらに発展的な知識まで理解し、整理しておきましょう。そして、そういった積み上げた知識はそのままにするのではなく、自分なりに噛み砕いて考え、理解していくことが大切です。そういった「これはどういうことなのか」という意識を常に持って問題にあたっていけば、必ず解ける問題が実はほとんどなのです。

桜蔭中学校の社会は、ひとたび安定して点数が取れるようになれば、特に対策をしていない受験生との差が明確に出る科目でもあります。ぜひ、社会を安定した得点ソースにできるように、毎日の学習においても、しっかりとポイントを意識した学習を心掛けてくださいね。

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