これで解決!吉祥女子中学校理科の特徴と対策法を徹底検証

中学受験において一度は耳にする「御三家」という言葉があります。 数ある学校の中でも代表的な学校のことを意味し、女子御三家は桜蔭中学校・女子学院中学校・雙葉中学校の3校となっています。

いわゆる御三家の学校のほかに、最近では「新御三家」と呼ばれる学校も存在します。女子新御三家は、豊島岡女子学園中学校・鷗友学園女子中学校・吉祥女子中学校の3校です。これらの学校は、大学合格実績の向上などにおいて勢いがあり、近年特に注目されています。

今回は、女子新御三家の一つである吉祥女子中学校について、理科の入試傾向や入試対策方法についてご紹介します。

近年の出題内容

出題傾向

過去3年間の出題内容

2020年度
〈大問1〉エネルギー〜てこのつりあい〜
〈大問2〉地球〜天体、地球、地軸の傾き〜
〈大問3〉物質〜液体、固体の性質について〜
〈大問4〉生命〜森林の生態系について〜
2019年度
〈大問1〉物質〜混合物について〜
〈大問2〉地球〜台風について〜
〈大問3〉生命〜シロアリの生態について〜
〈大問4〉  エネルギー〜温度や圧力の変化による体積変化について〜

2018年度
〈大問1〉生物〜呼吸について〜
〈大問2〉物質〜水の沸騰について〜
〈大問3〉地球〜月の動きについて〜
〈大問4〉 エネルギー〜凸レンズの特徴について〜

出題傾向についての詳細

吉祥女子中の理科は、試験時間35分に対して大問が4問、総設問数が40問前後となっています。高度なひらめきや思考力を必要とする問題は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問い、受験生の演習量が得点に直結するような内容となっています。そのため、今まで学習してきた解法や技術をいかに応用させ、展開させていくことができるかがカギになります。

まれに点差を分けるような難易度の高い問題が出題されることもありますが、実際にはそのような問題が直接合否を分けるわけではありません。しっかりと単元についての理解を深めていれば必ず高得点を狙えるような内容となっています。

当校の理科は、生命、物質、エネルギー、地球の4分野すべてからまんべんなく出題されることが特徴的です。一つの分野で一つのテーマからのみ出題されるわけではなく、複数のテーマから問いが作られていることが多いです。過去に出題された化学の問題では、液体・気体・固体の三態変化、化学物質の性質、水溶液の性質といった複数のテーマが同じ大問の中で扱わています。

特に物質・エネルギー分野の問題が頻出で、「水溶液の中和」、「溶解度」、「てこのつり合い」、「液体・気体の性質やその発生について」、「浮力」の問題がよく出題されています。

当校の理科の特徴として、様々な形式の問題が出題される、ということが挙げられます。基本的には記号選択や適語補充といった穴埋め形式の問題が中心となっていますが、なかには計算問題や理由説明を求める記述問題、作図問題なども出題されています。あらゆる種類の問題がバランスよく出題されることが特徴的です。

吉祥女子中の理科で出題される計算問題は、男子校にも劣らないほどの難易度があることで有名です。計算量が多く、手応えのある問題が多いため、過去問を通じてしっかりと対策しておきましょう。

入試対策

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう!〜

吉祥女子中の理科では、物質・エネルギー・地球・生命分野全てからバランスよく出題されることが特徴的です。実際の過去問を抜粋しながら、分野ごとの対策方法についてご紹介します。

実際の出題例1〜物質〜

(2019年度第1回・第1問より抜粋)

私たちの身のまわりにある物質のほとんどは、いくつかの物質が混ざった混合物です。混合物の性質は、混ざっている一つひとつの物質の性質によって決まります。これらの物質の性質を利用すれば、混合物からその中に混ざっている物質を取り出すことができます。

⑴次のア〜エの物質のうち、混合物ではないものを一つ選び、記号で答えなさい。

ア 空気  イ 海水  ウ 都市ガス  エ ドライアイス

⑵2種類の物質が混ざった混合物があります。片方の物質だけがよく水に溶けて。もう片方の物質は水に溶けない組み合わせとして、もっとも適当なものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。

ア ちっ素と酸素  イ 水素と塩化水素

ウ 砂糖と食塩  エ 鉄粉と二酸化マンガン

【答え】⑴エ ⑵イ

〔ポイント〕吉祥女子中の理科では、基本的な物質の性質や三体(液体・気体・固体)変化についての知識問題がよく出題されています。ひっかけの選択肢も分かりやすいものが多く、難易度が易しい問題がほとんどです。このような問題では、「時間をかけすぎないこと」「確実に満点を目指すこと」を心がけましょう。

実際の出題例2〜生命〜

(2017年度第1回・第2問より抜粋)

ヒトの血液の循環について、次の問いに答えなさい。

⑴血管やそこに流れている血液について説明した分として正しいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。

ア 動脈から静脈に流れる血液は必ず毛細血管を通る。

イ 動脈は静脈よりも必ず丈夫な壁を持ち、弁がところどころにある。

ウ 静脈を流れる血液は静脈を流れる血液よりも必ず不要物を多く含んでいる。

エ 動脈を流れる血液は静脈を流れる血液よりも必ず栄養分や酸素を多く含んでいる。

【答え】ア

〔ポイント〕吉祥女子中の理科はほとんどが記号選択形式ですが、選択肢が用語ではなく説明文となっている場合も多いです。このような問題では、「主語が同じでも述語部分が異なる」「述語部分は似ているが、些細な部分が異なる」といったひっかけの選択肢が用意されていることがほとんどです。

その選択肢の特徴や、ポイントとなりそうな部分には目印をつけておき、一つずつ消去法を使って候補を絞っていくようにすると良いでしょう。

実際の出題例3〜地球〜

(2016年度第1回・第1問より抜粋)

風や水の流れのはたらきについて、後の問いに答えなさい。

地表に見られる岩石は、長い年月の間に形を変えたり、もろくなり小さく砕かれていきます。このはたらきを風化作用と言い、風化作用で小さくなった岩石に粒を砂と言います。

⑴中国の砂漠で舞い上がった小さな砂が春先に日本まで届くことがあります。この砂のことを何と言いますか。漢字2字で答えなさい。

川の水のはたらきによっても岩石が砕かれることがあります。

⑵川の上流や下流の様子として最も適当なものを次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。

ア 上流では川幅が狭く、小さな丸い石が多い。

イ 上流では流れが激しく、大きな角ばった石が多い。

ウ 上流では水の量が少なく、小さな角ばった石が多い。

エ 下流では川幅が広く、大きな角ばった石が多い。

オ 下流では流れがゆるやかで、小さな角ばった石が多い。

カ 下流では水の量が多く、大きな丸い石が多い。

⑶川の水のはたらきは、しん食、たい積、運ぱんの三つに分けることができます。主にしん食のはたらきでできた地形として正しいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。

ア V字谷  イ 三角州  ウ 扇状地  エ 砂州

⑷川の曲がっている部分の特徴を説明したものとしてもっとも適当なものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。

ア 曲がっている部分の内側の方が流れが速く、川底は深い。

イ 曲がっている部分の内側の方が流れがゆるやかで、川底は浅い。

ウ 曲がっている部分の外側の方が流れが速く、川底は浅い。

エ 曲がっている部分の外側の方が流れがゆるやかで、川底は浅い。

川の水のはたらきによって砕かれた岩石や生物の死がいなどさまざまなものが、海に運ばれて海底でたい積し、それが長い年月の間に押し固まってたい積岩となります。

⑸たい積岩として正しくないものを次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。

ア ギョウカイ岩  イ サ岩  ウ セッカイ岩

エ ネンバン岩 オ カコウ岩

【答え】⑴黄砂 ⑵イ ⑶ア ⑷イ ⑸オ

〔ポイント〕⑴基本的には記号選択問題がほとんどですが、まれに適語補充や用語記述の問題も出題されています。問われていること自体は基本的なものばかりなので、順調に学習を進めていればしっかりと得点できるような内容となっています。⑸記号選択形式の問題は、必ずしも正しい選択肢を選ばせるとは限りません。正しくないものを選択するタイプの問題もまれに出題されています。このような問題についても対策方法は同じで、自分の持っている知識をもとに消去法を使って候補を絞るようにすると良いでしょう。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

問題の難易度も基本〜応用レベルまで多岐にわたり、様々な難易度の問題が出題されています。ほとんどの問題は基本〜標準レベルの問題となっており、理科が苦手な場合であっても高得点を狙いたい内容となっています。また当校の理科はスピード勝負の内容ではありませんが、全体的に難易度が易しめに設定されている分、差がつきにくい内容となっています。

高得点を取るために、まずは知識問題で満点を目指すことが重要です。吉祥女子中の理科は、記号選択や適語補充といった知識問題の割合が大きいことが特徴的です。このような問題は、知識の定着度や理解度がそのまま得点に直結します。苦手な単元がある場合は早急に対策を行い、知識の抜け忘れがないようにしましょう。

計算間違い・問題文の読み間違いをはじめとしたケアレスミスは大幅な失点につながりかねないため、慎重に取り組みましょう。試験時間終了前の5〜10分間は、必ず見直しや検算の時間にあてるようにしましょう。試験時間が始まったらまずは全体に目を通し、全体のうち自分の得意分野の問題や、解きやすそうな問題から手をつけるようにすると良いでしょう。

参考