理科の勉強法~全体像をつかむためのグループ分け

中学受験の勉強というと、算数と国語がまず先行します。理科、社会は「暗記科目でしょ」と置き去りにされてしまい、6年生の夏休みに間に合わなくて焦る・・・このような生徒さんをたくさん見てきました。

確かに、算数・国語は配点も高いですし、わかる→できるようになるのに時間がかかる科目です。

ですが、中学受験は、多くの場合が4教科総合点での勝負です。近年の中学受験で求められているのは「問題解決能力」です与えられた条件を整理し、聞かれたことに答える。これは、中学受験が終わり、そのあとの学校生活で最も求められる能力です。理科・社会は、実は問題解決能力をはかるのに、様々な切り口の問題を作りやすい、「差がつく」科目なのです。

今回は、中学受験の理科の勉強法の中で、まず理科という科目がどういう構造になっているのか、全体像について解説していきます。

理科というと何をイメージしますか?

皆さんは、「理科」というと、何をイメージしますか?

「自然に親しみ、見通しをもって観察、実験などを行い、問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに、自然の事物・現象についての実感を伴った理解を図り、科学的な見方や考え方を養う。」

これが何かといいますと、文部科学省が定める理科教育の目標なのです。

ですが、ただこの目標を読んでも理科という科目が結局どのようなものなのかは、今ひとつわからないというのが正直なところではないでしょうか。

私なら、理科と言われて浮かぶイメージといえば・・・そうですね、黒い机に水道、アルコールランプ…など、理科室のイメージが浮かびます。でも、こういうイメージは、実は人によって結構バラバラですよね。

たとえば、生徒さんに「理科って何?」と質問をすると、「実験」であったり「メダカの飼育」だったり、はたまたある生徒さんはとても感覚的に「黄色!」と答えました(中学受験の理科の教材って、黄色のイメージがありませんか?)。

おすすめの勉強法~グルーピング

このように、理科そのもののイメージがあいまいなので、その勉強方法に悩む方は少なくありません。また、「覚えないきゃいけないこと、やらなきゃいけないことが多そう」というイメージを持ち、敬遠する生徒さん(保護者の方も)多いです。

そこで、私がおすすめするのは「グルーピング(Grouping)」による勉強法です。

「グルーピング」って何?という方に少し説明しますと、グルーピングとはグループを作ること、つまり単元や内容に細分化して組み分けするということです。似たような特徴や性質を持った仲間ごとに分けて考えることで、覚える総量を減らし、効率よく知識を定着させることができるようになります。

理科の勉強にはグルーピングがおすすめと言われても、そもそもどんなグループがあるのかを理解していなければ、組み分けなどできません。

理科の分野はよく「ブッカセイチ」と表現されます。つまり、「物理」「化学(科学じゃありませんよ)」「生物」「地学」の4つを指します。これは、大学受験でも同じように科目分けされています。さらに、例えば物理なら、力学(力と運動)、電気、音・・・のように単元が細分化されています。

では、4つの分野にはどのような単元があるのか、見てみましょう。

物理分野

物理分野は、カリキュラムとして後の方に配分されていることが多いこともあり、苦手意識を持つ生徒さんが大変多いです。計算力も要求され、いくつかの単元が複合されている問題も多く出されます。

そのような物理分野の単元の内容といえば、「力学(てこや滑車、振り子、浮力などさまざまあります)」「電気」「音」「光」「熱」が代表です。

化学分野

よく「科学」と区別するために「ばけがく」と言ったりしますね。化学は、計算問題も多く出されますが、暗記する事項も多いです。

「水溶液」「気体」「燃焼」などが代表です。計算問題もありますが、水溶液の色やにおい、気体の種類など、暗記しなければならないこともたくさんあります。

生物分野

生物分野は、小学校でも観察する授業があったり、親しみやすいかもしれませんね。ですが、中学受験の理科になると、覚えなければならないこと、理解することは非常に多く、頭からがむしゃらに覚えようとしてもなかなか定着しない、実は手ごわい分野です。「植物」「動物」「人体」が代表ですね。

中でも「人体」は生徒さんに人気がないです。人体の図解が気持ち悪い、消化酵素などの物質の名前が呪文みたいで覚えられない・・・そういった理由が多いようです。ですが、そこを克服すれば差がつけられるところでもあるんですよ。

地学分野

たとえば、「地層」「岩石」「気象」「太陽」「天体」などが地学分野です。

身近なようでいて身近に思えない…それが地学分野かもしれません。毎日太陽を見ているのに、月を見ているのに、問題として出されると計算もあるし、一気にいやになってしまう、そんな分野です。

「地層」「岩石」などは、小学生ではあまり実物を見たことがないことも多いかもしれません。暗記が多いですが、やはり実体験が伴わないと理解するのはなかなか難しいものです。

各分野の対策法(全体像)

では、各分野について、具体的にどのような対策が必要なのか、簡単にまとめてみましょう。

物理分野

物理分野は、計算問題が数多く出題されます。算数が得意な生徒さんは比較的すらすらと解けることが多いのですが、中にはてこと浮力が組み合わさったりして、複雑になり、根本的な理解が必要です。

では、どのように対策すればよいのでしょうか。まずは、「典型パターン」とされる問題の解法を、問題を解きながら覚えることから始めましょう。全部を見ると怖くなってしまう生徒さんも多い物理分野ですが、一つ一つの典型例を覚えれば、解ける問題が飛躍的に多くなります。

まずは具体的な数や値が決まっている問題から始めて、徐々に一般的・抽象的な公式の形の理解に落とし込んでいくのです。

詳細はまた別の機会に紹介したいと思います。

化学分野

化学分野も、物理分野と同様、計算問題が多いと考えられがちです。確かに入試問題では差がつくところなのですが、実は代表的な「濃度」や「中和」などの計算を除くと、約半分は暗記物が占めています。どういう反応が起こると水溶液の色がどう変わるか、などは覚えるしか方法がないところです。

ですからまずは入試で頻出の水溶液と気体の性質をしっかり押さえるところから始めるのが良いでしょう。

生物分野

生物分野と、次に説明する地学分野は、先の2つの分野とは対照的に、暗記物でほぼすべての範囲がカバーできます。

ただし、生物の場合、「原則」と「例外」の関係が多く存在するので、やみくもに暗記するのではなく、まずは例外を覚えることに力を注ぎましょう。

地学分野

この分野も、暗記がほぼ占めるところですが、単純な暗記では対処できない問題も多く出題されます。たとえば、地層のずれ、断層からなにがわかるか、など、表面的な暗記ではいつまでたっても理解できないため、苦手と感じる生徒さんが多いです。

また、天体では角度の入った計算問題が重要になってきます。また、月から見ているのか、宇宙ステーションから見ているのか、など様々な状況から基本知識を問う問題も多く出題され、時事問題ともからめやすい分野です。

ただ暗記すればよいと思わずに、いろんな角度からものを見ることができる目を養うことが重要です。

終わりに

中学受験の理科は、先に書いたように、4分野に分かれます。ただし、入試問題では、各単元の複合問題が多く出題されますし、一つの大問で分野横断的な知識を問うような問題も出題される傾向にあります。

また、時事関係の知識も問われる場合があります。「緑のカーテン」や「はやぶさ」、そのときどきで話題になったニュースからヒントを得た出題も増えてきています。

いきなり入試問題に取り組もうとすると、何が何だかわからないという状態になってしまうはずです。ですから、まずはグルーピングを行って理科という科目の全体像を理解し、そこから各分野・単元と細かく勉強していけば、入試の理科といえども恐れることはなくなります。

各分野や単元ごとの勉強法はまた次の機会に書いていきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です