【卒業生に聞く!】カトリックの女子校「白百合学園」、どんな学校だった?

中学受験の際にどれだけ学校説明会に行っても、入学してみなくては分からないことはたくさんあります。

その学校のこと、その学校での学びの良かったところを一番知っているのは卒業生。

今回は、白百合学園中学高等学校の2018年度卒業生のAさんからお話を聞きました。

学校説明会だけでは分からない「白百合学園の良さ」が伝われば幸いです。

学校情報

  • 名称:白百合学園中学高等学校
  • 所在地:東京都千代田区九段2-4-1
  • 最寄り駅:飯田橋駅(JR総武線/地下鉄 東西線・有楽町線・南北線・都営大江戸線)、九段下駅(地下鉄 東西線・半蔵門線・都営新宿線)
  • 設立:1881年(明治14年)
  • 学校形態:女子校・全日制・中高完全一貫制
  • 宗教:カトリック
  • 入試形式:筆記試験4科目(国数理社)+面接(合否には関係なし)
    ※帰国生の筆記試験は国数外国語
  • 学年人数:120名程度(2018年時点)

「体験重視」で生徒の個性を引き出す

白百合学園の授業には「体験型のものが多い」という特徴があります。

例えば、理科の授業では中学の頃から文理問わず、解剖をたくさん経験させてもらえたのが印象に残っています。また、校舎はそれほど大きくないのですが、2つの美術室や彫金木工室、天文室といった色々な教室があり、施設も充実していました。

さらに、「ニュージーランド研修」「スミス・カレッジ(Self-Development Program at Smith College) 」といった夏期語学留学や、毎年行われる東日本大震災の被災地ボランティア活動、交換留学でしばらくの間クラスの一員となるフランス人学生との交流など、様々な形で学びの機会を提供してくれるので、座学だけでは学べない貴重な経験ができると思います。


〔米マサチューセッツ州 スミス大学〕©public domain

部活動もバスケットボール部やダンス部、理科部といった一般的なクラブだけでなく、レザークラフト部や消しゴムはんこ部、CCF部(フランス語部)、点字部などの一風変わったクラブを含む多種多様なレパートリーがありました。
ちなみに、部活動は全体的にどちらかというとアットホームな雰囲気でした。

このように、白百合学園は日々の授業やクラブ活動、課外活動などの様々な面から学生が興味を持つきっかけを作ってくれる学校だったと思います。

穏やかでのびのびとした雰囲気

白百合学園は穏やかでのびのびとした印象の人が多い学校でした。

世間的には”お嬢様学校”というイメージが強いようですが、実際はそのようなギスギスした雰囲気もなく、しっかり者で優しい人が多かったです。

私がこのように感じた最初の経験は、中学校に入学したばかりの時のことです。白百合学園中学校は付属の幼稚園・小学校から上がってくる内部生も多く、私が入学した頃には中学受験で入学する生徒は学年の3分の1程度でした。そのため、中学から白百合学園に入る私は大きな不安の抱えていたのですが、いざ入学してみると皆優しく、すぐに学校に馴染むことができたのをよく覚えています。

クラス替えは年に一度ありますが、新学期すぐに開催される合唱祭がクラスメイトと仲良くなるきっかけとなります。また、一学年の人数があまり多くないので、6年間で学年のほとんどの人と交流することができるのも白百合学園の良い所だと思います。

「2か国語教育」で語学を強みとする

白百合学園の教育における最大の特徴は、外国語として英語だけでなくフランス語も必修で学ぶ点でしょう。

白百合学園はその母体を17世紀フランスのシャルトル聖パウロ修道女会としているため、他の学校と比べてフランス語教育や日仏交換留学などのフランス語に関わる機会が多くあります。中学1年~3年まではフランス語が必修となり、高校では英語とフランス語のどちらかを選択することができました。

一方で、英語教育にも力が入れられています。
中学の頃から少人数クラスで丁寧に見てもらえますが、非常に進度が速く、授業のぺース付いていくのが大変でした。しかし、先生方は優しく、手こずっている生徒のフォローアップをしっかりとしてくれるので心配はないと思います。

このように、白百合学園では英語とフランス語の2か国語を学びますが、どちらもネイティブの先生とのコミュニケーションの中で直接学べること、そして少人数クラスでしっかりと学べることが強みです。また、ニュージーランドやフランスへの留学プログラムも用意されています。私の在学中には、学年で10人程度がこうしたプログラムに参加していました。

大学受験事情

白百合女子学園では、ほとんどの生徒が大学受験をします。付属大学として白百合女子大学がありますが、内部進学する生徒は10人程度と少ない印象です。

大学受験が近づくと、私を含めほとんどの生徒が学校の授業に加えて予備校に通っていましたが、現実的には学校の勉強だけでも大学受験対策として十分だったのではないかと思います。高校二年~三年生になると、文系/理系・日本史/世界史・上級/普通といったようにクラスが分けられ、それぞれの進路に沿って学習する流れとなりますが、その中で過去問や受験対策をしっかりと受けられます。数学の進みが遅いとの声も一部では聞かれましたが、文系に関しては基本的に学校の勉強がメインで問題ないでしょう。

特に語学を中心に中学の頃から力を入れている上、先生方は優しく、質問対応なども個別にしっかりとしてくれるので学習環境はとても良いです。また、白百合学園は週5日制(土曜授業なし)をとっていますが、勉強面での不足を感じることも無く、とても通いやすかったと思います。

白百合学園での6年間

私が在学中の6年間を振り返って感じるのは、白百合学園は「個性を大事にしてくれる場所」だということです。様々な体験や挑戦を通じて一人一人の好奇心を育て、個性を引き出してくれること、そして、そのための”サポートをしてくれる環境”が整っていることは、この学校の最大の魅力だと思います。

また、白百合学園の校訓には「従順・勤勉・愛徳」という言葉がありますが、実際のところ、頭が良く、真面目でしっかりしている印象の子が多いです。勉強熱心でありながら、それをひけらかすことのない、謙虚でおしとやかな雰囲気が白百合学園の校風となっています。

以上のように、白百合学園は「個性を大事にしてくれる環境」「穏やかで真面目な雰囲気」「外国語教育に力を入れている学校」といったように特徴付けらます。

みなさんの受験の参考になりましたでしょうか?
白百合学園の最新情報は 白百合学園中学高等学校HP で確認してください。

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こんにちは。 私は現役大学生ライターとして中高生向けの学習関係の記事を書いています。大学では美術史を専攻し、主に20世紀前半の絵画を研究の対象としており、休みの日は美術展に行くことが好きです。趣味は古い洋楽を聴くことです。中学高校時代は中高一貫の女子校に通い、部活と勉強尽くしの6年間を送りました。中学入学当初は学年でも真ん中より少し上程度の学力でしたが、中学2年生の夏から勉強に真剣に向き合うようになり、そこから自分の勉強法を見直し、試行錯誤を重ねる中で勉強が好きになりました。そうした経験も踏まえ、効率的な勉強の仕方やモチベーションの保ち方などをみなさんにお伝えできると思います。また、記事ではテストに出る内容だけでなく知識として知っていると面白い内容もコラムとして載せています。みなさんが楽しく学習する手助けとなれれば幸いです。