人口に関する問題は入試でもひんぱんに出題されます。
ところで、日本の現在の人口が分かりますか?2020年3月の日本の人口はおよそ1億2600万人です。この数字は世界で11位ですが、少子(しょうし)高齢化(こうれいか)や過疎化(かそか)など今の日本には様々な問題が生じています。
この記事では日本の人口に関するいろいろなことがらについて説明していきます。
日本の人口
日本の人口は2005年以降減り続けています。また、日本では若い世代の人口が少なく高齢者の割合が増える少子高齢化が進んでいます。このような人口問題について考えてみましょう。
日本の人口
日本の総人口は約1億2600万人で、世界11位となっています。ちなみに少し前までは世界10位でしたが、メキシコに抜かれて11位となりました。また、人口密度は約330人/㎢です。
少子高齢化の問題
人口が減少している理由の一つが少子高齢化です。少子高齢化とは子供の数が減り、対照的に高齢者の数が増えることを言います。現在、高齢者(65歳(さい)以上)の割合が人口全体の4分の1以上をしめており、対して15歳未満と15歳~64歳以上の人口は減り続けています。
15~64歳の人口は生産年齢人口といい、一般的に働くことのできる年齢層とされています。この人口が減ると国内の生産活動が活発に行われなくなり、経済が悪化してしまうおそれがあるのです。そのため、最近の日本では定年をむかえた65歳以上の高齢者が働くというケースも見られます。
図1 年齢区分別人口の割合の推移(1950年~2019年)
(出典:総務省統計局ホームページ)
図2 年齢区分別人口(2019年)
(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)
※語句説明
- 高齢社会…高齢者(65歳以上)の割合が14%をこえた社会のことです。「高齢化社会」ではないので注意してください。
- 超高齢社会…高齢者(65歳以上)の割合が21%をこえた社会のことです。これらのような社会では生産年齢人口の割合が減り、高齢者への年金・社会保障に対する負担が大きくなるという問題が起きています。
- ベビーブーム…ある時期に集中して多くの子どもが生まれることです。特に日本では戦後間もない1947~1949年にベビーブーム(第一次ベビーブーム)が起きました。この時期に生まれた世代を「団塊(だんかい)の世代」といい、この世代の人々が定年を迎えたことで高齢者の割合が増加しました。(現在は70~75歳となっています。)
その他の人口区分と問題
産業別の人口
さまざまな産業は、第一次産業・第二次産業・第三次産業の3種類に分けられます。このうち、第一次産業とは農業・漁業・林業など、第二次産業は製造業や建設業など、第三次産業は商業や金融(きんゆう)・保険業、サービス業、情報通信業などのことを指します。
現在の日本では第三次産業に従事する人の割合が高いのが大きな特色です。産業別に人口を見ると70%以上が第三次産業のもとで働いています。一方で第一次産業と第二次産業に従事する人口は減り続けており、1970年では第一次産業が約17%、第二次産業が約35%だったのに対し、2015年はそれぞれ4%、25%という数字になっています。
このように、農業などの第一次産業はおとろえているという印象を受けますが、最近では農村地域の豊かな自然が見直され、グリーンツーリズム(農村・漁村などで自然や文化、人々との交流をたのしむ旅行のこと)などでふたたび活気を取り戻している地域もあります。
図3 産業別人口(2015年)
(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)
過疎と過密
過疎(かそ)とは、特定の地域で人口が大きく減少し生活が成り立たなくなってしまうことです。特に若者が都会に移動してしまうことで地方の農山村・漁村では過疎現象が起き、労働力が減少したり福祉(ふくし)・教育などの公共サービスの質が下がったりしてしまいます。
それに対し、東京などの都心部では人口や産業が集中する過密現象が起きています。このような地域では人口の集中による公共施設の不足や住宅不足、公害・ごみの増加などの問題が生じてしまいます。
下の図では緑色に塗られているところが過疎化が起きている地域です。全国の広い範囲で問題が起きていることが分かります。
図4 日本の過疎地域
(出典:全国過疎地域自立促進連盟ホームページ)
おわりに
今回は日本の人口に関する問題について見ていきました。
少子高齢化と過疎・過密は人口の減少に関連してよく出題されるテーマです。また、現在の日本ではサービス業などの第三次産業が中心となっていることを覚えておきましょう。
<関連記事>
初めまして。髙橋利弥と言います。
武蔵中・高校から一年浪人を経て今年東京大学文科三類に入学しました。中高時代はサッカー部に所属し、高校では主将を務めていました。現在は体育会サッカー部のスタッフとして主にプレー分析などを担当しています。趣味は音楽を聴くことで、[ALEXANDROS]などの日本のバンドのほか、QUEENも好きです。ボヘミアン・ラプソディーは浪人していたにも関わらず公開直後に観に行ってしまいました。また、ライブに行くのも大好きです。高校時代は部活で忙しくてあまり行けず浪人の時も我慢していましたが、大学に入ったからには行きまくりたいと思います。今ハマっていることはハリウッド版のGODZILLAシリーズです。オリジナルのゴジラは見たことがないのですが、興味がわいてきて見てみたいと思っています。最後に、自分は昔から文章を書くことが好きでこうやってライターとして仕事ができることがとても嬉しいです。まだまだヘタクソですが、これから経験を積んで成長していきたいです。
よろしくお願いします。