説明文が苦手な人必見!筆者は何を伝えたいのかを理解する

前回の記事では、説明文を段落に分けてその段落ごとの要点を考えることを説明しました。段落には形式段落意味段落の2つがあり、意味段落の話題をよみとることで文章全体の話題の変化にも気づくことができます。

文章を段落に分けられたら、次は文章全体の話題と要旨(ようし)をよみとっていきましょう。説明文を読んでいて、意味が分からず混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。難しい問題を解いていて、ぼくも途中(とちゅう)で頭がこんがらがってきてしまうことがあります。そんな時に大事にしているのは、話題にそって、「つまり筆者は何を伝えたいのか」を意識しながら読むことです。時には細かい部分をスパッと切り捨ててしまうことも作戦の一つです。

話題を正しく理解することはとても大切です。どんな問題でも、一度文章全体を読んで段落に分けたらその次に話題が何なのか考えましょう。なれてくれば無意識のうちに話題を理解できるようになりますが、最初のうちはしっかりと考えることをオススメします。

それでは、今回は話題と要旨をよみとる方法について説明していきます。

文章の話題をよみとる

まずは下の文章を読んでみてください。難しかったら全部を理解する必要はありません。

宗教は時に自然科学と対立する。その一例として、生命の起源の問題を考えてみよう。

地球上の生物が現在の姿になった経緯(けいい)としては進化論が広く知られている。進化論とは19世紀にチャールズ・ダーウィンによって確立された論であり、すべての生物は環境(かんきょう)に適応して進化してきたという考えである。

この説によれば、人間の祖先はサルということになる。大昔にサルから枝分かれした種がおり、それが今のヒトになったということだ。ヒトは700~500万年前にチンパンジーと分かれ、その後二足歩行を開始した。その後だんだんと脳の大きさが大きくなり、サルと比べてたくさんの情報を処理できるようになっていった。約189万年前からは現在のヒトと同じような体を持つようになり、約79~40万年前には火を使うようになったと考えられている。そして約20万年前に現在のヒトに直接つながる「新人」がうまれ、その後世界中に広がって各地で生活を始めていったのだ。実際に、ヒトとチンパンジーの遺伝子を比べるととてもよく似ており、進化論が正しいとする証拠(しょうこ)の一つとされている。このような科学的な根拠から、一般(いっぱん)的には正しいとされることが多い。

ところが、この進化論という考えに反対するひとびとがいる。それが信心深いキリスト教徒やイスラム教徒のひとびとだ。彼らは神がこの世界を作ったという「創造論」を信じている。旧約聖書の中の「アダムとイブ」のエピソードが有名だ。この中では神が世界の全てを作ったとされ、もちろん人間や動物・植物もはじめから現在の姿だったとされる。確かに、このような考えと「ヒトはサルから進化した」という進化論の考えは共存できない。

日本には宗教を信じている人が多くないため進化論が広まっており、創造論をただの神話のように感じる人も多いかもしれない。しかし世界には進化論を認めず、創造論を信じている人もいるのだ。たとえば、アメリカ合衆国では2014年の調査で4割の人が創造説を信じているという結果が出た。なぜこんなにも創造論を信じている人が多いのだろうか。小さいうちから教会で創造論に親しんでいる人が多いのも理由の一つだろう。また、教育の仕事にたずさわっている人にも熱心なキリスト教徒が多く、進化論とおなじように創造論を教えている学校もある。

それでは、このような状況で、科学的に正しいとされている進化論以外の考えを否定することが正しいことなのだろうか。そして、これは生命の起源の問題にとどまらない。科学と宗教の主張が食い違った時に、どちらか一方を否定することは正しい行いなのだろうか。

物事を科学的に、客観的にとらえることはとても重要なことである。その一方で、宗教は世界中の多くの人の心の支えになっている。だから、宗教的な思想を重視しすぎて科学をないがしろにすることも、非科学的な考えだといって宗教を批判することも、どちらもおろかなことであり、正しい行いだとは言えない。そして、我々は両者が共存できるような方法を考えなければならないと思う。

準備:段落に分ける

それでは、上の文章を形式段落と意味段落に分けてみてください。文章全体を2つの意味段落に分けるとすると、どこで分かれるでしょうか?接続語の役割に注目して考えてみてください。

まず、形式段落は7つに分けられます。

表1 形式段落のポイント

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

さて、文章を意味段落に分けたら次は何をすればいいでしょうか。

ここで、「ポイント」を見てください。⑤段落までは進化論と創造論について説明し、創造論を信じている人も多くいることを説明しています。しかし⑥段落に「それでは」という転換(てんかん)の接続語があり、科学と宗教の関係性についての問題提起がなされています。

つまり、文章を2つの意味段落に分ける場合、①~⑤と⑥~⑦に分けられるのです。

話題

それでは、文章全体の話題について考えてみましょう。話題は、文章の最初に書いてあることが多いです。この文章の最初を見てみると、「宗教は時に自然科学と対立する。」とあります。そして最後の形式段落ではつまり、「宗教と自然科学の関係(対立)」が話題です。続きを読んでみても宗教と化学に関するお話なので、これが話題で正しいと確かめられます。

もし話題をまちがって考えていたら、その後の説明部分を正しく理解することはできません。おそらく問題も正解できないでしょう。なので、話題を意識しながら読むことはとても大事なことです。

文章全体では「宗教と自然科学の関係」という大きな話題がありますが、意味段落の分かれ目で小さな話題の変化があります。前回の記事では

  1. 形式段落の要点を考える
  2. 要点どうしの関係を考える
  3. 全体を意味段落に分ける
  4. 意味段落どうしの関係を考える
  5. 文章全体の話題の変化を考える

という方法を紹介しました。下の図を参考にしてみて下さい。

図1 話題と段落

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可)

要旨をよみとる

文章の要旨

次は、文章の要旨をよみとってみましょう。要旨とは文章の一番主要な内容のことです。説明文の場合、筆者の主張のことを表しています。実際の問題では、「この文章の要旨を○○文字以内でまとめなさい」「筆者の主張を○○文字以内で書きなさい」のような形で出てきます。それでは、この文章の要旨を70文字以内でまとめてみてください。

解答例をぼくなりに書いてみました。

進化論と創造論のように科学と宗教が対立することもあるが、どちらかを否定するのではなく両者が共存できる方法を考えなければならない。(64文字)

要旨は、文章の最初か最後にあることが多いです。この文章では⑦段落が筆者の主張であり要旨になっています。もっと具体的に言えば「宗教的な思想を重視しすぎて科学をないがしろにすることも、非科学的な考えだといって宗教を批判することも、どちらもおろかなことであり、正しい行いだとは言えない。そして、我々は両者が共存できるような方法を考えなければならないと思う。」の部分です。

そのため、⑦段落の内容をまとめつつ文章全体の内容をまとめるとほぼ正解の文章が書けます。解答例では②~⑤段落で述べられている進化論と創造論の関係についても書いてみました。

不要な部分を省く

最後に、文章を読むときのテクニックを紹介します。それは、文章の本題と関係ない部分は飛ばし読みするという方法です。

例えば、上の文章の話題は「宗教と科学の関係」でした。①段落は話題の投げかけで、⑥・⑦段落は要旨に関わる部分です。それでは、②~⑤段落は話題や要旨と重要な関係を持っているでしょうか…?

実は、②~⑤段落は話の主題とは大きく関係ありません。これらの部分は、具体的な例を示すことで筆者の説明に説得力を持たせるという働きを持っています。なので、文章自体には必要ですが「この文章の要旨は?」といった問題を解くときには読まなくても問題ないのです。

もちろん、この部分から問題が出ることもあるでしょうし、必ず1回は読まなければいけません。ですが、難しくてどうしても意味が分からない文章の場合は、どこが大切か・どこは飛ばしても大丈夫かを考えながら読むことも大切です。

まとめ

今回は説明文の話題と要旨について説明しました。話題・要旨とはつまり「筆者は何を伝えたいのか」をはっきり表している部分です。これが分からないと、どんな文章を読んでも書いてあることの半分くらいの内容しか理解できません。

話題や要旨を正確によみとることは受験勉強にかかわらず、ふだんの読書や人の話を聞くときにも大切です。また、これらをはっきり伝えることで自分が話すときにも分かりやすい説明ができます。

最後におさらいです。

  • 文章を読んで段落に分けたら、まず話題が何なのか考える
  • 話題は文章のはじめに書いてあることが多い
  • 要旨は文章のはじめかおわりに書いてあることが多い
    つまり、話題や要旨を考える時にははじめとおわりをとにかくしっかり読む!

どんな文章を読むときでも、この3点は忘れずにいてください。

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