これで解決!桜蔭中学校国語の特徴と対策法を徹底検証!

本日解説するのは、桜蔭中学校」さんの国語の入試問題です。

東大合格者数女子校中NO.1を誇る女子御三家の1つ、桜蔭中学校。

そんな桜蔭中学校の国語の入試問題は、どのようなもので、どんな対策をしていけば良いのでしょうか。

学校情報や入試の基本データをまとめた上で、桜蔭中学校さんの入試問題を分析し、問題を解くにはどういった対策が必要なのかを解説します。

【学校情報】

[応募状況]

◎2020年度:募集人員 合計235名

  応募者数 受験者数 合格者数
女子 555人 532人 283人

[倍率]

◎2020年度:1.9倍

[進路実績]

◎2020年度:大学合格者数

国公立大学 私立大学
東京大学 85名 早稲田大学 152名
お茶の水女子大学 6名 慶応義塾大学 97名
一橋大学 5名 上智大学 48名
東京医科歯科大学 10名 東京理科大学 86名
東京工業大学 6名 立教大学 16名
筑波大学 7名 青山学院大学 8名
千葉大学 11名 学習院大学 3名
横浜国立大学 3名 国際基督教大学 2名
京都大学 2名 中央大学 33名

<学校公式HP「『学校法人桜蔭学園 桜蔭中学校・高等学校』令和2年度進路状況」より一部抜粋。>

[学校説明会日程]

  • Webでの申し込みによる予約制。
  • 予約の期間、方法などの詳細は、8月下旬に学校HPに掲載予定。

◎2020年中学校説明会

・第1回 … 2020年10月31日(土)  9時30分~12時  (小5~6保護者対象)

・第2回 … 2020年11月 4日(水)  9時30分~12時  (小5~6保護者対象)

・第3回 … 2020年11月 7日(土)  9時30分~12時  (小5~6保護者対象)

・第4回 … 2020年11月11日(水)  9時30分~12時   (小4以下保護者対象)

※第1回、第2回、第3回について

  • 第1回・第3回(土曜日)→ 入学希望者ご本人も参加可能。
  • 第2回(水曜日)    → 小学生は参加不可。

※第4回について

  • 小学生は参加不可。

<学校公式HP「『学校法人桜蔭学園 桜蔭中学校・高等学校』学校説明会」より抜粋>

[入試情報・日程・科目数]

◎2020年度入試

  入試
日程 2020年2月1日(土)
試験内容 学力検査 [ 国語・算数・理科・社会 ]・生徒面接・保護者面接
募集人員 235名
出願期間 2019年1月10日(金) ~ 2020年1月16日(木) 日曜祝日を除く
合格発表 2020年2月2日(日)  14:00 ~
手続期限 2020年2月3日(月)  10:00 ~ 13:00
合格者保護者会 2020年2月8日(土)   13:00 ~

<学校公式HP「『学校法人桜蔭学園 桜蔭中学校・高等学校』令和2年度入試要項より」 より抜粋>

【基本データ】

[試験時間・満点]

◎2020年度入試

  国語 算数 理科 社会
試験時間 50分 50分 30分 30分
満点 100点 100点 60点 60点

<学校公式HP「『学校法人桜蔭学園 桜蔭中学校・高等学校』令和2年度入試要項より」 より抜粋>

[問題構成・解答形式]

桜蔭中学校の国語は、試験時間50分100点満点の入試です。

近年の入試では、大問が2問、小問数は15~21問の問題数で、出題形式は「記述式」がメインとなっています。

「選択式」の問題は「空所補充」の問題が数問程度のため、「記述式」の問題のウェイトがかなり高いと言えるでしょう。

また、桜蔭中学校の「記述式」の問題は、字数の制限がなく、解答欄に合わせて記述する形式で、設問に「くわしく説明しなさい」「具体的に説明しなさい」といった条件が付されている場合が多いです。記述解答欄の大きさからも、設問ごとにかなりの文章量を書くことが求められていることがわかります。

問題構成は、大問1「説明的文章」、大問2「文学的文章」といった形をとることが多いようです。

文学的文章に関しては、10年間毎年「小説」の読解問題が出題されていますが、説明的文章については、年度によって「説明文・論説」が出題されるか「随筆」が出題されるかが変わっています。

本文の文章量においても、「小説」の方が長く引用されていることが多いため、「小説」の読解問題の対策は必須といえるでしょう。

[合格最低点・平均点]

非公表

【近年の出題内容】

◎2020年度

大問1 随筆 記述式9問 語句(四字熟語、漢字の書き取り・読み取り)

 

記述(筆者の考え)    1問

記述(内容説明)     1問

記述(理由説明)     1問

大問2 小説 選択式2問 空所補充
記述式4問 記述(空所補充)        1問

 

記述(心情説明)      2問

記述(理由説明)     1問

◎2019年度

大問1 説明文 記述式9問 語句(四字熟語、漢字の書き取り)

 

記述(内容説明)     1問

記述(指示語・内容説明) 1問

記述(理由説明)     1問

大問2 小説 選択式3問 空所補充
記述式5問 記述(空所補充・書き抜き) 1問

 

記述(心情説明)       2問

記述(状況説明)      1問

記述(人物説明)      1問

◎2018年度

大問1 小説 選択式5問 空所補充
記述式7問 語句(漢字の書き取り・二字熟語)

 

記述(理由説明)     1問

記述(内容説明)     1問

記述(表現)       1問

大問2 説明文 記述式9問 語句(漢字の書き取り、慣用句)

 

記述(空所補充)     1問

記述(指示語・内容説明) 1問

記述(内容説明)     2問

記述(理由説明)     1問

【出題傾向】

[出題のポイント]

  1. 「小説」は毎年必ず出題!
    文脈に応じた言葉を補う「空所補充」問題が頻出。小説でよく使われる表現や語彙のインプットをたくさんしましょう。

     

    桜蔭中学校の入試問題は、小説の読解問題が毎年必ず出題されており、本文の文章量・記述式の問題の設問数が、説明的文章よりも多いのが特徴です。説明的文章よりも小説の読解問題に比重が置かれる傾向にあると言っても良いでしょう。

    小説の読解問題の中では、文脈に合った表現を選ぶ「空所補充」の問題が、選択式・記述式の両形式で出題されています。

    選択肢に似た音の擬態語が並ぶ問題や自分で当てはまる言葉を記述する問題など、空所補充の中でも難度が高い問題が出題されることもあるため、油断ができません。

    そういった桜蔭中学校の問題を解けるようにするためには、読書を通じて言語感覚を養うことも重要なように思われます。

  1. 設問の大きな割合を占める「記述式」!
    作文のような文章量を求められる場合も。

    桜蔭中学校の入試問題の中で、かなりのウェイトを占める「記述式」の問題。2018年度から2020年度入試では字数制限の課されない、解答欄に合わせた文字数で記述する問題となっていますが、平成29年までは「200字以内の記述式」が出題されていました。

     

    現在も、解答するために書く文章量としては、平成29年までと比べても遜色がないと考えて対策を行う方が良いでしょう。

    一文でまとめる記述式の問題というよりも、接続詞を用いて何文か書く小作文のような形式の記述問題のため、論理的な構成で文章を書く力も必要と言えそうです。

  2. 語句系統は、「漢字の書き取り」が頻出!
    熟語や慣用句と組み合わせて出題される問題も。

     

    語句の問題は問題数自体が少なく、漢字の書き取りが毎年出題されている程度です。

    ただ、その中に慣用句や熟語の問題が混ざっていることがあるので、注意が必要です。近年は連続して、熟語(二字熟語・四字熟語)の知識が必要な問題が出題されていたので、基本となる熟語や慣用句、四字熟語などはおさえておいた方が無難といえるでしょう。

[問題の分析と対策]

桜蔭中学校の問題は、「記述の問題」をいかに対策するかがポイントとなりそうです。

桜蔭中学校の記述の問題では、字数制限があるときは「200字以内」という指定があるなど、記述の問題としてはかなり長めの文章を書くことが求められています。

そして、問題の内容も、筆者の意図や登場人物の心情などを、本文を踏まえて推測し、それを自分の言葉で説明するといったタイプのものがあるので、かなり難度が高い記述の問題であると言えるでしょう。

こういった問題を制限時間内で解くためには、物語の内容を速く精確に読めるようになること、そして、自分が考えたことを文章で表現できるようになることが必要と言えます。

本文の要点を掴みながら読み、その要点を踏まえて考え、自分の言葉でまとめる。そういったことができると正答に近づけるでしょう。

物語の要点を掴むためには、最初は時間がかかっても良いので、登場人物の心情を表す文章に線を引き、「物語中のできごとが登場人物の心情にどのような変化をもたらしたのか」をまとめながら読んでいくと良いでしょう。

物語の読解問題の中には、「登場人物の様子がどのように変わったか」「登場人物の心情がどのように変わったか」を説明させる問題も出題されているので、物語の筋だけでなく、登場人物の心情を整理しながら読んでいくことが肝要であると思われます。

また、自分の考えを文章で表現できるようにするためには、日頃から文章を書く習慣をつけ、まずは文章を書くことに慣れることが重要でしょう。

字数制限で求められていた「200字」は原稿用紙の半分に相当する量なので、接続詞などを効果的に用いながら文章を書く必要があります。記述の問題集などで、記述のときに使える文章の構文や型を学び、解答する際は書きたい内容をその型に当てはめて記述するようにすると効率的でしょう。

そして、記述の問題に時間を割くためには、空所に当てはまる言葉を選ぶ(記述する)空所補充の問題を瞬時に解く必要があります。

選択式でなく、当てはまる言葉を自分で書かなければいけない問題で瞬間的にひらめくためには、日頃から活字に触れているかがものをいうでしょう。

たとえば、日頃から読書をし、小説によく出てくる表現が語彙として身についていると、空所の前後の言葉を見ただけで、すぐに解答が思い浮かぶと思います。問題集で演習を重ねるにとどまらず、日頃から活字に触れておくこともお薦めをしたいです。

[おすすめの問題集]

◎15ステップですらすら書ける 出口汪の作文講座

入試準備をする小学中学年の方におすすめのドリルです。論理的な文章を書く際の基本的なルールを身につけることができます。

◎ふくしま式200字メソッド「書く力」が身につく問題集[小学生版]

『文章の型』を身につけるのにおすすめの教材です。文章をまねるところから始めるので、文章を書くことが苦手な生徒さんでも無理なく進められます。

◎中学入試 最高水準問題集 国語

過去問以外の問題集で問題演習をしたいときにおすすめの問題集です。難関中の入試問題から良問を取り揃えており、字数制限のない記述問題なども織り込まれています。

[総括]

今回は桜蔭中学校の問題を解説しました。

記述式の問題に力を入れて対策すると、中学入試だけでなく、今後の大学入試にも有用だと思います。ぜひ記述の問題に力を入れて対策し、論理的思考力と文章表現力を身につけていきましょう。

【参考】

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明治大学文学部卒。 明光義塾、トライグループと渡り歩いた豊富な指導経験を活かし、初学者の躓く勘所を抑えた記事を多数執筆。 大学での選考は日本近代文学で、芥川龍之介や梶井基次郎など大正時代の文学論にも造詣が深い。