海城中学校に合格するためには?出題傾向と対策④社会

海城中学といえば、社会の問題が非常に特徴的なことで有名です。毎年、あるテーマについて多方面から考えさせる、総合問題1題の出題です。設問数は例年10~15問程度と多いわけではありませんが、問題文の長さや出題内容の深さ、記述の多さから見てもかなりハイレベルで、試験時間内に解き終えるのはそう簡単なことではありません。

問題の構成としては、初めにある長い説明文と資料を読みとった上で設問に答えていく形で、各設問は記号選択、適語記入に加え、本格的な長い記述問題が2~4問程度出題されます。

今回は、このような特徴のある海城中学の社会について、出題の特徴と対策について分析していきます。

海城中学・社会の出題の特徴

なんといっても読解力が必要

最初にも書きましたが、海城中学の社会は、1つのテーマをもとにした総合問題1題のみの出題です。そして、問題文が非常に長いのが特徴で、1000字を軽く超えます。その問題文を読んで、さらに写真やグラフなどの資料を読み解いたうえで各設問に答えていく必要があります。そして、設問も地理、歴史、公民、時事とあらゆる方向から聞いてくるので、単に知識があるだけでは解くことができません。なぜそのような出来事が起こったのか、なぜ現代ではそのような現象が現れているのか、その原因と結果について意識しながら解かなければなりません。問題文を読んで理解し、書いてある内容を整理するという高い読解力が求められます。

記述力が求められる

海城中学の社会は、半分かそれ以上を記述問題が占めます。問題文を理解するだけでなく、記述力・表現力が求められます。記述総字数は増加傾向にあり、最大で1問200字超の問題が複数出題される(もはや記述というより論述レベル)こともあります。今年は、100字、50字、50字、150字と4問出題されました。「○○について説明しなさい」という問題が中心で、完全自由記述ではないので、あくまでも問題文・設問を丁寧に読んで出題意図を的確につかみ本文や資料をもとに、条件を満たす解答を字数内で書き上げなければならないことに注意が必要です。記述問題の分量が多いですから、時間配分には細心の注意が必要です。

将来の予測について問われる問題も

2017年度は、電気自動車をテーマに、これまでの日本の自動車工業の特徴と、電気自動車の生産が中心になってきていることによって将来予測される変化や影響について説明する記述問題が出題されました。記述の設問そのものに資料がついていたり、資料を正確に読みとる力も必要です。

これまでに出題されたテーマとしては、以下のようなものがあります。

  • ブラジルのアグロフォレストリー(森林農業)をテーマに、地図、グラフ、写真を用いて具体的に考えさせる問題
  • 四代公害病をテーマに、グラフや写真から環境問題について答えさせる問題
  • 東日本大震災で被災した宮城県の気仙沼を題材として、資料を参考にして漁業や関連する歴史的な事柄について答えさせる問題
  • 不平等条約を結んだ江戸幕府について、従来とは異なる評価をテーマとして考えさせる問題
  • 海城中学のある地域(大久保)の移り変わりを題材として、文化史、国際交流、地方自治の問題に答えたり、人口変化の傾向・特徴とその理由を考えさせる問題
  • 日本が黄金の国「ジパング」と呼ばれていたことを題材として、当時の日本の様子を答えたり、提示された地図や資料を参考に、「ジパング」伝説が作られた理由を考えさせる問題

など、非常にターゲットをつかむことは難しく、ありとあらゆる社会の知識を総動員し、どんなテーマが出されても対応できる力と、現代社会の問題を考える姿勢が求めらています。

海城中学の社会で合格点をとるための対策は?

まずは中学受験に必要な基礎知識を徹底して身につけることが必要

海城中学の社会では、大記述問題に目が行きがちですが、用語記述や記号選択問題も出題されます。そして、これらの用語記述や記号選択問題は比較的標準的なものが多いので、確実に得点源にする必要があります。記述問題に余力を残しておけるよう、スピーディに答えていく必要もありますし、全てお分野についてあらゆる方向から聞いてくる設問になっているので、まずは中学受験に必要な基礎知識を徹底して身につけることが大切です。

必要な基礎知識とは、やみくもに覚えた断片的なものではなく、聞かれ方を変えられても対応できるレベルまで要求されると考えてください。時間軸や地域、時代のつながりの軸の中に自分のっ持っている知識を位置付けて体系的に整理しておき、「使いこなせる」レベルになって初めて、海城中学の社会で戦える「基礎知識」ということができます。

記述練習は必須

約半分かそれ以上を記述問題が占める海城中学の社会。記述問題は合否を分けるポイントとなります。ただ単に知識を暗記してそれをつなぎ合わせて答えられるような生易しいものではありません。なぜその出来事が起こったのか、原因もしっかり把握し、説明できるようにしておく必要があります。塾のテキストだけでなく、地図帳や資料集もしっかり読み込んでおきたいところです。

記述問題については、難しいことを書きなさい、という意図ではなく、「この問題で聞かれていることは○○だ」と理解した(見切った、と海城中学の先生は言っていらっしゃいました)ということを、素直にわかりやすく伝えてほしいというのが出題側の意図です。特に2つの事柄を比較して述べさせる問題がよく出題されるので、双方向的視点(この問題にはこの考えだけ、というような固定観念ではなく、反対から考えたらどうなるかな?という視点)を忘れないことが大事です。

記述総字数は多いですが、ただ長くしているわけではありません。自分がわかったこと、表や図、資料から読み取ったことを設問の指示通りに、必要十分に表現していけばこの字数になるだろう、と予想される字数が指定されているので、どれだけの要素を、何字くらいで書けばいいのか、という感覚を身につけるために、過去問はできるだけ解いておいた方がいいでしょう。

また、先ほども書きましたが、完全自由記述ではありません。「○○について説明しなさい」「どのような利点と欠点があるか説明しなさい」「以下の3点に従って書きなさい」などの指定がありますから、内容のないことをだらだら書いても「書いているのに得点にならない」状態に陥るだけです。設問をよく読んで理解したうえで表現することを求めているので、指定された文や資料の中から必要な情報を抜き出し、関連付けて答案を書く練習を積む必要があります。

やはり読解力は大事

問題文が非常に長いため、読解力を養っておかないと、問題文に書いてある内容すら理解することができません。断片的な知識だけでは理解できないような、流れのある文章が出題されますから、海城中学の過去問に加え、同じように問題文が長い学校の過去問などを使って対策するとよいでしょう。

類似する問題を出題する学校としては、開成、麻布、武蔵、駒場東邦、栄光学園、聖光学院、浅野、桜蔭、女子学院、成蹊(特に歴史、公民)、本郷(選択肢問題対策として)などの中学校があります。こういった入試問題レベルの問題をピックアップして練習しておくとよいでしょう。記述対策にも有効です。

海城中学の社会対策にオススメの問題集

思考力を問うような良問が多く集められており、海城中学の社会レベルの知識や理解力をつけることができます。総合的な問題を扱う章では、地理の総合問題のほか、歴史分野と融合した問題も収録されています。模擬テストもついているので、時間を測って問題を解ききる練習にも使えます。

 

政治・国際社会分野を出題テーマごとに分けて、良問がセレクトされています。知識や理解を深めるのに効率的にできており、総合的問題の模擬テストもついています。難問が多いので、入試の基礎問題をマスターした後でチャレンジするとよいでしょう。

 

例題→基本問題→標準問題→発展問題と、段階的にレベルアップしながら、的確にポイントを押さえて記述する力をつけることができる問題集です。考え方や正解記述の作り方のポイントが詳しく書かれているので、記述の仕上げに役立ちます。

 

年度ごとに各中学校の入試問題を集めた通称「銀本」の社会編です。類似する出題をする学校の入試問題を使って演習するのにオススメです。毎年その年の問題集が出版されるので、何年度のものかは注意してください。

まとめ

海城中学の社会は、総合力を問われる出題です。ですが、受験に必要な基礎的な知識をまず徹底して身につけ、記述練習も積んでいけば、克服できないものではありません。時事的な問題もよく出題されますので、日常的にニュースにもアンテナを張り、一つのテーマについて多角的に考えることができるよう、しっかり対策をしましょう。

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