【中学受験】志望校選びの大きなポイント!中高一貫校か大学附属校か

これまで、中学受験の勉強をスムーズに進めていくために、塾選びや転塾活動、個別との併用など、塾に関して書いてきました。でも、中学受験の目標はあくまで志望校の合格ですよね。中学・高校の6年間は、子どもにとって大きく成長する時期ですし、同時に非常に多感な年頃を、進学先の学校で過ごすことになりますから、親としては志望校選びをどうしようか、いろいろ考えていかなければなりません。

親なら、だれもが「子どもに合っていて、教育方針に共感できる学校」を探したい、と考えると思います。今回は、ご家庭の方針が顕著に表れる、「志望校選び」について、わが家の体験談を書かせていただきます。

中高一貫校か、大学附属校か

わが家の志望校は、この点については迷いなく、最初から大学附属校でした。大きな理由としては、下記の6つです。

  1. 息子自身が行きたい学校が大学附属校だった
  2. 大学まで、10年間にかかる教育費用がある程度わかるので資金計画を立てられる
  3. 息子が好きなスポーツで最長10年活躍でき、なおかつ卒業後もOBとして楽しめる
  4. 運動部だととくに縦割りで、大学の先輩が指導に来てくれたり、大学の施設を共有できるという、ハード面が優れている
  5. 大学は本人が希望すれば別の大学に行く選択をすればよい
  6. 大学入試の時に、やれ予備校だ、模試だ、オープンキャンパスだ、という受験がらみのイベントで極力労力を割きたくない

大学附属校でなくても、上記のような条件を満たす学校はもちろんあると思いますが、息子の第一志望校が大学附属校だったこともあり、自然と同大学の別の附属校も候補に入り、押さえの学校も含めて志望校は全て大学附属校になりました。実際の受験時には、附属校でない学校も受けましたが。

大学入試改革との関係と注意点

大学入試改革により、最近は大学附属校の人気が高まっているようですね。息子が入学した学校も、受験時よりも偏差値が上がってきているようです。やはり、どうなるのかまだ中身が具体的にわからない、大学入試改革に対する不安感も、大学附属校人気を押し上げているように思います。

注意点①大学進学の条件

ですが、大学附属校といっても、気をつけなければいけない点があります。それは、「高校から大学に進学する際の条件」です。早慶クラスではほとんどないかもしれませんが、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、最近は最初に学習院大学のGをつけてG-MARCHとよばれますよね)クラスの附属校でも当時半分~7割くらいしか系列大学に進めない例もありました。現在はもう少し割合を増やしている可能性はありますが、「附属」で全員大学に進めるわけではない学校もある、ということはしっかりアンテナを張って調べておくべきです。

また、附属校から他大学を受験する場合、系列大学への推薦枠を保持したまま希望する大学を受験できる学校と、他大学を受験するのであれば系列大学への推薦権を放棄しなければならない学校もありますから、それは受験する際に調べておかなければならない注意事項です。

注意点②進路を考えたときのカリキュラムは調べておく

また、カリキュラムにも注意が必要です。他大学への進学を希望する場合は、自分の通っている学校の系列大学に、希望する学部がない場合などがあると思いますが、学校によっては、系列大学への進学を前提としたカリキュラムを組んでおり、受験に必要ない科目も高校3年生で履修しなければならないケースもありますから、受験勉強との両立はかなりハードになります。この点は、中学に進学してから考えていくことだと思いますが、もし将来進学したい学部がある程度決まっているのなら、学校に率直に問い合わせてみることも必要になるでしょう。

注意点③附属校に入っても高校に進学できないケースもある?

大学までエスカレーター式で行ける、という切符を手にしたとたん、親子で気を緩めすぎてしまうご家庭もあります。最近は附属校でも他大学受験のために勉強に時間を割くお子さんも増えているという事情もあるでしょうが、「手を抜きすぎて高校進学が危ない」という状況に陥ってしまうこともあります。附属校はたしかに系列大学に進学できる条件のそろった学校ですが、授業で使うテキストや問題集も難しいものを扱っていたち、宿題もかなり出す、課題もいい加減にできない、など、学校によっていろいろなカラーがあります。中学に入って気を抜いてついていけなくなり、よしんば高校に進学できたとしても、同じことを繰り返して、最悪の場合留年や退学になることもありますから、注意が必要です。

大事なのは大学卒業までを見据えた学校選び

ある友人の息子さんは、大学附属ではない、いわゆる中高一貫校の男子校に進学されました。その際、おっしゃっていたことは「伸びしろが少なくなってしまうから、うちは大学附属は志望校にしない」ということでした。高校から大学へ進学する際、附属校の場合はたしかにのんびりしている部分が否めないところはあるので、それも一理あると思います。附属でないだけに、大学受験の勉強を頑張ってものすごく伸びるお子さんもいらっしゃいます。ただ、逆のケースももちろんあるわけで、たとえば首都圏模試で偏差値65以上の中高一貫校を卒業された方で、大学受験はなかなか思うような結果を出せなかった方もいらっしゃるわけです。

中高一貫校にせよ、大学附属校にせよ、それぞれ良い点がたくさんあります。各ご家庭の方針や、通学の利便性、お子さん本人の希望や相性(これが一番大事かもしれませんが)など、様々な点をクリアする学校を選んでいくことになります。ただし、今目指すのは中学受験ですが、大学への進学、そして卒業後まで見据えた学校選びが、後々のことを考えると大事になってくるのではないかと思います。

ちなみに、大学附属校に入学したわが息子は中学に入ってからすっかり洋楽にはまり、部活でやっているスポーツの影響もあって、大学は海外に行きたいと言っています・・・。

大学附属校=ワーキングマザーが多い?

たまたまかもしれませんが、最初に書いた「理由6」のように考える親御さんは結構多いのかな、と思うことがあります。息子が現在通っている大学附属校の保護者(もちろん全員知っているわけではありませんが)は、フルタイムのワーキングマザーがかなり多くいらっしゃいます。また、中学受験をする時期に、仕事関係で中学受験の話になると、ワーキングマザーのお子さんの多くは大学附属校を受験していました(まあ、そもそも今時ワーキングマザーという表現自体、時代に遅れているかもしれませんが)。

中高一貫校の統計を取ったわけではないので実際のところは分かりませんが、それでも中学受験時に、「フルタイムで働く母と中学受験」というテーマのコラムは様々な媒体に載っています。ですから、少なくとも多数派だとは思えないのですが、それにもかかわらず、これだけ周りにフルタイムで働いているお母さんが多いのは、単なる偶然ではないのではないか、という気がします。

まとめ

中高一貫校、大学附属校、それぞれに良いところはたくさんあります。ですが、同じ中高一貫校、大学附属校と大きく分けられるとしても、結局はそれぞれの学校の教育方針や特徴に、家庭として共感できるか、お子さんの性格や希望に合っているか、そういうところをしっかり調べて志望校を選んでいくことが必要なのだと思います。

現在は、大学入試改革も含め、変革の時期ですから、いずれの学校を選んだとしても、高校卒業時にはお子さん自身の希望も、大学入試の精度も、また学校の方針も変わっている可能性もあり得ます。ですから、やはり志望校選択の際には、大学卒業、その後まで見据えて、家族でよく話し合って決めることが大事だと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。