立教女学院中学に合格するためには?評判や入試情報をチェック!

学校説明会や学校行事も本格的に始まってきている今の時期、ある程度志望校や受験校をどこにしようか、絞り込んでこられたご家庭も多いのではないでしょうか。

これまでも何校か例に挙げてお伝えしてきましたが、志望校や受験校を選ぶ際には、受験日程を考慮して決める必要がありますが、一番の核となるのは「第一志望校」の存在です。

中学受験生のお子さんは、「ここに行きたい」というモチベーションを持つことができると、受験勉強に対する姿勢が大きく変わってきます。もちろん、現在の成績や伸びしろがどうであるか、志望校と現在の実力との距離がどのくらいあるかによって、完全に決定するにはもうしばらく時間がかかる、という方もいらっしゃると思います。

お子さんの志望校や受験校を選ぶ際には、ご家庭の教育方針などに合わせて、「この学校に通わせたい」「通ってもよい」という学校をいくつ見つけられるか、がポイントになります。それを考えるのは、親御さんが中心になるとは思いますが、お子さんの気持ちや憧れといった点も無視することはできません。

ぜひ、学校説明会や学校行事に、お子さんとご一緒に足を運んでいただき、さまざまな話を聴いたり、体験してください。どうしても、学校に対する情報というと、インターネットの口コミなどが中心になってしまったり、ママ友どうしの噂話が影響してしまうことがあります。しかし、大切なのは「正確な情報」です。それは、実際に見学に行かずに「聞いただけ」では手に入れることはできません。

今回は、立教女学院中学校について、実際に塾向けの説明会に参加した経験などをもとに、お伝えしたいと思います。どのような雰囲気の学校なのか、どのような教育方針なのか、実際に通っている生徒さんの様子はどうか、などについて、経験を交えてお伝えします。

ぜひ、志望校をお考えになる上での参考にしていただきたいと思います。

学校の概要

立教女学院中学校・高等学校は、6年間の完全中高一貫校を行う私立女子校です。定員は約110人で、一般入試日程は2月1日です。2019年度の入試も、2月1日に実施するということがすでにホームページで発表されています。

プロテスタントの宣教師によって創立された学校ですが、受験資格に宗教は問いません。さまざまなバックグラウンドを持った生徒さんが集まってきます。

学校周辺の環境など

学校の所在地は、東京都杉並区久我山4丁目29-60です。最寄り駅は、京王井の頭線・三鷹台駅から徒歩1分、またはJR中央線・西荻窪」駅南口から関東バス「立教女学院行き」(乗車時間は約10分)です。

渋谷や新宿といったターミナル駅にも近く、隣には吉祥寺駅もあります。駅から徒歩1分という近さにありながら、最寄りの駅が閑静な住宅街ということもあり、武蔵野の緑に囲まれた非常に静かで落ち着いた環境の中に、立教女学院中学校・高等学校はあります。

学校の沿革

  • 1877(明治10)年、アメリカ聖公会の宣教師である、チャニング・M・ウィリアムスを創立者として、現在の文京区・湯島に立教女学校を設立。明治政府がキリスト教禁制を撤廃してからわずか4年後、最初は5名からスタートしました。
  • 1884年(明治17年)には、中央区・築地明石町に校舎を建て、はじめて「セント・マーガレット・ハイスクール」の名称を用いるようになった。生徒数は約500人を数えるようになりました。
  • 私立立教女学校・私立立教高等女学校と名称を変えながら、関東大震災を経て1924(大正13年)に現在の杉並区久我山に新校舎を設立しました。
  • 1947(昭和22年)、学制改革により立教女学院を設立、小学校、中学校を併設しました。
  • 2001年(平成13年)、中学校新校舎が完成しました。
  • 2017年(平成29年)立教女学院創立140年をむかえました。

学校生活における特徴

  • 一日は、毎朝の礼拝から始まります。
  • 前期・後期の二期制をとっており、授業は週5日制。週末は、「土曜集会プログラム」として、通常の教科カリキュラムでは扱わないような、多彩なプログラムを展開しています。
  • 創立以来、制服は定めていません。

立教女学院中高の「平和憲章」

立教女学院中学校・高等学校は、キリスト教の宣教師によって設立されたという経緯もあり、これまでも独自の平和教育を進めてきたという歴史があります。今後も続いていくであろう、立教女学院の平和教育をさらに推し進めるために、次のようなことばを掲げています。

「立教女学院の平和教育は暴力と飢えと恐怖からの解放を目指します」。ここに掲げられている平和教育には、3本の柱があります。

  1. 戦いのない時代とするための提言と行動によって暴力をなくしていく。
  2. 貧困と飢餓をなくすための学習を積み重ね、現在自分たちができることを実施する。
  3. 迫る人類生存の危機と病の恐怖となる環境悪化とどう取り組むかを考え、可能なことから行動していく。

立教女学院では、ここに掲げられた平和教育の3本柱を、現在の社会にとって重要な課題と認識するという姿勢をとっています。そして、さまざまな教育活動を通じて、具体的な形で社会に発信していくことを目指しています。

ここでいう「さまざまな教育活動」とは、教科学習、ホームルーム活動、生徒会活動、長崎・沖縄修学旅行、宗教行事、ARE学習、土曜集会プログラム、部活動など、学校生活の核となるものを含んでいます。ARE学習、土曜集会プログラムについてはあとで説明します。

立教女学院の「基本方針」

先ほど書いた、立教女学院の「平和憲章」を実現していくために、「基本方針」も掲げられています。具体的には、以下の4つです。

  1. 戦いによる暴力をはじめ、さまざまな暴力から解放されるためにどうすればよいのか中学生・高校生の立場から提言し、行動していく。
  2. 飢えで苦しんでいる人たちに「Table for Two」の認識を持ち、日々の食事から少しを分けあっていく。
  3. 悪化する環境を守るために省資源、省エネルギーの意識を怠らず、自分たちでできることを実行していく。
  4. この平和憲章を実現するために校内だけに限らず地域社会、多くの仲間と共に協力していく。

設備・施設などの特徴

  • キリスト教に基づく教育をおこなっていることから、聖マーガレット礼拝堂や講堂といった、集会を行う設備が充実しています。
  • 緑豊かな自然に恵まれた環境を活かし、都心でも緑に囲まれた校庭を備えた恵まれた環境が備わっています。
  • 立教女学院の創立135周年記念プロジェクトして、「総合体育館2014」が着工し、2014年4月から使用されています。単なる体育館ではなく、大小22つのアリーナを中心として、多目的フロア、プール、特別音楽教室を備えた体育・文化総合施設として位置付けられています。在学生、卒業生から末永く愛し続けられる立教女学院の新しいシンボルとして、自然に囲まれたキャンパスに調和するよう作られたということです。将来を担う生徒たちへのきめ細やかな教育を柔軟に実践するための空間となっています。
  • その他、コンピューター室があったり、音楽室が中学と高等学校で分かれているなど、特徴的な設備が備わっています。

教育に関する特徴

教育方針

立教女学院は、「キリスト教に基づく人間教育」に重点を置いています。なかでも、立教女学院がめざす女性は「知的で品格のある凛とした女性」です。このような人間教育を実践するために、5つの教育目標が掲げられています。

  1. 他者に奉仕できる人間になる
  2. 知的で品格のある人間になる
  3. 自由と規律を重んじる人間になる
  4. 世の中に流されない凛とした人間になる
  5. 平和を作り出し、発信する人間になる

先ほど紹介した「平和憲章」「基本方針」をより具体的にし、かつシンプルな教育目標となっています。

実際の学校生活の中でこれらの人間教育を実現するために、カリキュラム・教科学習は、それを単独のものとするのではなく、礼拝や土曜プログラム、ARE学習(いわゆる「総合的な学習の時間」)、生徒会活動、進路学習などのような、さまざまな教育プログラムと密接に結びついておこなわれています。

教育カリキュラム

立教女学院は、6年間の中高一貫教育を行っている学校です。国語、数学、理科、英語については、中学校3年生の段階で高校の先取り授業に入ります。私立というと、どうしても数学と英語についての先取り授業は注目されがちですが、立教女学院では、国語や理科に関しても中高一貫校ならではの先取り授業を採り入ています。

高等学校になると、生徒一人ひとりが現実的な進路を考え始めます(すでに中学校の段階で決めている、という方もいらっしゃいますが)。生徒一人ひとりの進路は個性に酔って幅広いものですし、将来活躍するためにも進路の多様化は重要です。立教女学院では、このようにさまざまな進路を目指す生徒たちに対応できるようにするために、高校2年生・3年生の2年間でいわゆる「コース制度」を導入しています。

また、中学・高等学校とも、英語は学習進度別 のクラス編成を行い、ホームルームのクラスよりもさらに少人数での授業を展開しています。英語の指導は大人数だとどうしても一方的な授業になりがちですが、少人数かつ習熟度越のクラス編成で授業を行うことによって、生徒間に刺激を生み出し、かつ教員の目の届く授業が実現されるように考えられています。

今後注目されるであろうグローバル教育ですが、このような地道な英語の指導を行い、指導法を研究することによって、生徒に英語に対する興味をもたせ、習熟度別クラスを採用することによって無理のないように実力をつけていくことができるような工夫がされています。

立教女学院の教育は、6年間の一貫教育をおこなっていますが、基本的には学習指導要領に準拠して編成されています。教育方針の特色の1つとしては、先ほども毎日の礼拝などについて触れましたが、キリスト教に基づいた教育をおこなっていることから、毎日の礼拝と、週1時間の聖書の授業があります。ほかの教育上の特色には以下のようなものがあります。

  • 中学校は、各学年5学級で編成され、高等学校は、各学年4学級で編成されています。
  • 前期・後期の2学期制をとっている。前期は4月1日から9月30日、後期は10月1日から3月31日となっています。
  • 各教科の授業は週5日(月曜日から金曜日まで)で行われます。
  • 年10回程度、土曜日の午前中に、人間性を豊かに養うための宗教教育の一環として、「土曜集会プログラム」を行っています。
  • 高等学校では、進路や生徒の適性に応じた「選択制」をとっており、少人数のゼミ形式の授業も用意されています。
  • 立教大学への推薦制度があり、日常の学習への取り組みや、部活動や課外活動などを含めた学校生活を誠実におこない、所定の要件を満たせば、立教大学に推薦入学することができます。

特徴ある教育①「土曜集会プログラム」

通常の教科の授業は週5日制をとっている立教女学院ですが、年間で10回程度、「土曜集会プログラム」を実施しています。この「土曜集会プログラム」は、宗教教育の一環としておこなわれていますが、単なる宗教教育ではなく、宗教の目を通した、現代社会の課題と向き合うプログラムとなっているところに、立教女学院ならではの特徴があります。

毎年、メインテーマとサブテーマが決定され、そのテーマを通じてどのようなことを身につけてほしいか、ということを明らかにしたうえでプログラムが組まれています。さまざまな見地をもった、いろいろな道の専門家であるゲストを迎えての講演会では、世界の宗教の現状や、朗読、落語、など、1年間に多様なものが企画されています。

また、キリスト教と音楽は切っても切れない関係にありますが、音楽のコンサートなどの多彩なプログラムを組み込んでいます。終盤には、「まとめの礼拝」や「合唱交歓会」など、ミッション・スクールならではの「まとめの時間」も用意されています。

2018年度の中学校の土曜集会プログラムは?

2018年度の中学校の「土曜集会プログラム」のテーマは以下のようになっています。
  • メインテーマ:「隣人を大切にして、平和な社会をつくろう」
  • サブテーマ:「つながるいのちー多様性をみつめてー」
今年度の中学校の「土曜集会プログラム」でこのようなテーマが選ばれた趣旨として、立教女学院は以下のように説明しています。

私たちのいのちが、あらゆる人々やいのちにつながっていることを確認し、未来へ向かう皆さんが様々ないのちに支えられながら歩み、次へつなげていく存在であることを自覚し、勇気をもって次のいのちにつなげることができることを年間を通して学んでいきます。

ちなみに、2017年度の土曜集会プログラムのメインテーマは、「隣人を大切にして、平和な社会をつくろう」、サブテーマ は、「つながるいのち―言葉の力、祈りの力―」でした。
ミッションスクールだからこそ出てくるテーマであったといえますが、このプログラムの内容として、神と人々との関わりの中、ことばや祈りによっていのちを紡いでこられた 方々にお話を伺う、ということをしています。私たちは何を大切に生きるべきかことばや祈りのなかで育 まれたいのちを見つめることができれば、という目標をもって1年間にわたるプログラムが行われました。

2018年度の高等学校の土曜集会プログラムは?

高等学校の、2018年度の土曜集会プログラムのテーマは以下のようなものです。

  • メインテーマ:「広く世界に目を向け、人間性を豊かにしよう」
  • サブテーマ:「『私』を越えて、踏み出す」
2017年度の高等学校の土曜集会プログラムのメインテーマは「広く世界に目を向けて、人間性を豊かにしよう」、サブテーマは「『私を越えて、啓く(ひらく)」と設定されていました。昨年度は「『私』を越えて、啓く」ということをテーマにして、今、本当に必要とされる世界的な感覚、多様性の理解を深めるという内容で土曜集会プログラムを開催したとのことです。

2018年度は、昨年のテーマでもあった、「私を啓く」先へと踏み出してゆくことを、さまざまな講師の方々の講演や、具体的な生き方を通して学ぶということを重点に置いているということです。昨年度の「「私を越えて、啓く」というテーマから連続・発展させた内容を想定しているようです。

「私を越えて、啓く」という昨年度のテーマのもとで意識されていたことは、「私」という個人の枠を越えて、他者と出会うこと、自分を「啓くことを意識しながら、いま本当に必要とされている世界的な感覚、多様性の理解について理解を深めたという内容の土曜集会プログラムが開催されていたということです。

これは、今後学習の中心となるグローバル教育や、さまざまなバックグラウンドを持つ他者に学び、他者を受け入れる、ということを学ぶ素地になっていたといえるでしょう。それをふまえて、2018年度は、「私を啓く、その先」へと踏み出していくことを目標としてプログラムを用意しているようです。様々な講師の方々の講演などを通して、具体的な生き方を学び、その中で自分自身の進路や生き方を考える機会を提供する内容として土曜集会プログラムを位置付けているということです。

立教女学院の特色ある学習プログラム~「ARE学習」

立教女学院は、国際バカロレア(IB)」教育を採り入れることを視野に入れているということも耳に入ってきていますが、現在のところ、まだ導入には至っていないようです。現在、立教女学院ならではの独自の学習として、「ARE学習」をとりいれています。

立教女学院で学習の核となっている「ARE学習」の内容は、次の3つのテーマを合わせたものです。

  • 自らテーマを求める(ASK)
  • 自ら決めたテーマについて調べる(RESEARCH)
  • 自ら決めたテーマについて調べ、まとめ、言語化して発表する(EXPRESS)

これらのテーマの頭文字をとって、「ARE学習」と呼ばれています。中学校・高等学校とも、カリキュラムを組んで実践されていますが、高等学校では、ARE学習を通して、卒業論文を作成することになっています。

具体的に、中学校時代、高等学校時代でどのような学習プログラムが組まれているか見ていきましょう。

中学校 での「ARE学習」とは

2002年より、新・学習指導要領が施行され、「総合的な学習」という新しい教科が必修となったことをご存知の方も多いと思います。

立教女学院では、2000年度から、「総合的な学習」にあたる時間として、「ARE学習」を採り入れています。内容としては、「自らの問い」について自分なりに調べてまとめることにより、自学自習能力を養うというものです。

この「ARE学習」を行うことにより、立教女学院では、将来、生徒たちが「生きていくための基礎となる学力」を養成し、広く社会に貢献できる人間になることを目指しています。

具体的に、中学校3年間ではどのような学習内容がおこなわれているのでしょうか・

  • 中学校1年生:「新聞」 新聞を題材とした、作業や読書教育をおこなう。
  • 中学校2年生:「修学旅行事前学習」 修学旅行先となっている長崎・平戸訪問に向けての準備をおこなう。
  • 中学校3年生:①「平和」をテーマとして、戦争とは何か、平和な社会とは何か、について考える。
  • 中学校3年生:②「人権」をテーマとして、一人ひとりが個人として尊重される社会の在り方について考える。

高等学校での「ARE学習」とは

立教女学院では、中学校時代にも平和や人権といった重要なテーマをもとにARE学習を行っています。これをふまえて、高等学校では、中学校3年間のARE学習で培った「課題設定力」や「調査研究力・表現発表力」といった基礎的学習の成果の上にさらに積み上げる形で、高校1年生・2年生で準備段階(最終的な論文作成のためのオリエンテーション受講、およびテーマの模索・テーマに関連する読書活動)を経て、高校3年生で、「卒業論文」の作成を行っています。

この、高校3年生で作成する「卒業論文」は、立教女学院が中高一貫教育を通じて実施してきたARE学習の名のもとで学んできたことのの集大成といえるような位置づけとなっています。

「卒業論文」の作成は、高校3年生全員に課されるものというわけではありません。学年の中から、希望者を対象として、「卒業論文」の作成を課しています。ただし、立教大学に推薦入学を希望する生徒は、この「卒業論文」の作成が必修となっています。

具体的に、高等学校で行われている「ARE学習」の内容は以下のようなものです。1年間を通して、段階を踏んで行われています。

  • 4月:テーマの選択・設定:導入ガイダンスを受ける、自分の関心領域を探り、テーマを模索する、テーマを設定する、というステップが用意されています。
  • 5月:テーマの選択・設定:サブテーマを設定する、仮説を立て、それを支える論拠を探ることを始めます。
  • 6月:資料のリサーチ:資料を幅広く探し、分析する、引用の仕方、注の付け方を学ぶ、全体の構成を考える、というように、論文作成のために必要な技術と、参考文献の探し方、さらに自分がまとめたいことの「構成」を考えるという、重要な段階について学びます。
  • 7月:資料のリサーチ・論文執筆:引き続き資料を探し、分析して、論文のドラフト(骨子)を作成します。
  • 8月:資料のリサーチ・論文執筆:論文のドラフトを作成し、それを提出できるよう準備します。
  • 9月:論文執筆・作品制作:中間プレゼンテーションを行う、論文のドラフトを返却され、本論文の作成に入ります。
  • 10月:論文執筆:本論文を作成し、その構成や内容を推敲し、構成を行い、清書して提出できるよう準備をすすめます。
  • 11月:論文執筆・論文発表:本論文を提出し、パワーポイントを使用して、プレゼンテーションを順次始めていく段階に入ります。
  • 12月:論文発表:引き続き、プレゼンテーションをおこない、自分の設定したテーマについての考察を発表していきます。

このように、中高一貫校ということを考えると、立教女学院の「ARE学習」は、中学1年生から段階をふんですすめられていくような形をとっています。立教大学への推薦入学を希望する生徒は論文作成・プレゼンテーションが必須、となっていますが、このような論文の作成やプレゼンテーションは、ほかの大学でも求められる力です。

中高6年間を通して、学校のカリキュラムの中にしっかり組み込まれている「ARE学習」は、立教大学に進学する・しないに限らず、ぜひ経験し、6年間をかけて形にし、プレゼンテーション能力を磨くために非常に有用な学習プログラムといえるでしょう。

ボランティア学習

ミッションスクールでは、課外活動の一環として、あるいは授業の一環として、「ボランティア学習」を採り入れているところが多いです。特に女子校ではそのような傾向がよくみられます。立教女学院のボランティア活動は、創立以来、100年以上の歴史を持つ、伝統的な活動となっています。

内容はさまざまですが、中には、事情があって親子が一緒に生活できないという子どもが入所している乳児院や、児童福祉施設などに行き、職員の手伝いをすることによって、自分の恵まれた教育環境を実感し、社会問題となっていることについて深く考えるきっかけを得るような活動をしたりしています。また、高齢者施設に行って、おじいさん・おばあさんの生活の補助をしたり、リハビリの手伝いをするなどということもあるようです。

どちらの例も、「自分以外の他者の生き方」「社会問題をどのように解決するか」ということを自分で経験し、問題を整理し、解決方法をひもといていく一端となるような経験を積むことによって、生徒自身の成長と、現実の厳しさを目にする機会を与えているようです。ボランティア活動は、基本的に自由参加による活動で、土曜日の午後や、夏休みなどに、病院や施設を訪問して行われています。

 中学校のボランティア活動について

年間を通じて、基本的には土曜日に、有志のボランティアグループを作って、小グループに分かれてさまざまな施設を訪問しています。たとえば、最近では以下のようなボランティア活動が行われてきています。

  • 聖公会浅草聖ヨハネ教会での、日曜求職活動(場所:蔵前)
  • 配食準備・配食・礼拝参加
  • 特別養護老人ホーム「ゆとりえ」訪問(場所:吉祥寺)
  • 給食配膳の手伝いと、利用者の方々との歓談などのコミュニケーションを行う
また、休暇中の活動として、希望者を対象にした「夏休みボランティアキャンプ」も実施されています。特別養護老人ホーム「新生命」(群馬県榛名町)に、2泊3日の予定で泊まり込み、館内の清掃や、行事の準備、入居者の方々との歓談などを行います。

高等学校のボランティア活動について

高等学校では、休暇中の活動として、特別養護老人ホームへの訪問などを行っています。最近では、特別養護老人ホーム「深川愛の園」(江東区)を訪問し、食事の介助、館内の清掃、利用者との対話などといった活動を行っています。

また、土曜日の奉仕活動として、「GFS(Girls’ Friendly Society)という活動を行っています。たとえば、以下のような活動が行われています。

  • 「ふれあいの家」特別養護老人ホーム上井草園を訪れ、利用者のケア活動にあたっています。
  • 東京家庭学校 上水保育園への訪問を行います。この施設は、明治32年に創立された基督教関係の施設で、乳幼児が生活しています。この施設を訪れ、乳幼児のお世話などをしています。
  • 「吉祥寺ホーム」(特別養護老人ホーム)を訪れ、高齢者へのデイサービス(車いすの介助、高齢者への給食サービス、おむつ畳などの生活上のお世話)のお手伝いをしています。
  • 「グループホーム永福」を訪問し、傾聴やお掃除などのお手伝いをしています。
このほかにも、キリスト教の精神に基づきつつ、社会的な問題を抱えた人々が生活する施設を訪れ、実際にふれあい、自分に何ができるのか、社会問題として解決しなければいけないことはいったいなに何なのか、などを考えるきっかけを作っています。

全校で行うボランティア活動

毎年12月に、全校生徒がクリスマスカードを作り、「新生会老人ホーム」の利用者全員(約500名にのぼります)に対してプレゼントをしています。また、有志を募り、立教女学院荷関係する「福島の4幼稚園」にカードを贈るなどの活動もおこなっています。

中高生徒会における活動

立教女学院には、いくつもの委員会が存在しますが、中でも宗教委員会が、礼拝準備や、献金集めなどを中心とした奉仕活動を行っています。

中高チャペル団体による活動

ミッションスクールでは、聖歌隊やハンドベルクワイヤーによる礼拝での奉仕活動が活発です。立教女学院ではないですが、東洋英和女学院中学校でも、学校説明会の始まりに、ハンドベルクワイヤーによる演奏がおこなわれています。

立教女学院では、聖歌隊やハンドベルクワイヤーが礼拝中に奉仕活動を行い、講堂で毎日行われる礼拝では、高校生の有志が、讃美歌の伴奏などのオルガン演奏をして奉仕活動を行っています。また、近隣の施設を訪問し、年に数回、奉唱という形で讃美歌などをうたう活動を行っています。

立教女学院中学校の入試情報について

立教女学院は、小学校が併設されています。また、帰国生入学者も受け入れています。

  • 入試は、2月1日の1回のみの入試で、中学募集定員(一般入試)は約110名です。
  • 一般募集の約110名に加えて、帰国生入学者20名、小学校からの内部進学者70名を加え、合計200名が1学年の生徒の人数の目安となっています。
  • 2018年度の入試では、一般入試の募集定員約110名に対して志願者数は291名、受験者数は282名、合格者数は131名でした。これに加え、帰国生入試の合格者数は36名という入試結果となっています。

2018年度の中学入試について

  • 志願者数は、前年度の288名から291名と増えており、3年連続増加しています。ただし、受験者数は前年度と2018年度は同じ282名で、合格者数は2018年度が131名、前年度は124名でした。これは、単に難易度が下がったということではなく、学校側が設定している合格最低点をクリアした生徒の数が多かったとも考えられます。
  • 各教科の配点は国語・算数が90点満点(45分)、理科・社会が60点満点(30分)です。合格者最低点は国語が47点、算数が32点、理科が30点、社会が29点でした。4教科合計の合格者最低点は194点(64.7%)、合格者最高点は256点(85.3%)、合格者平均点は211.4点(70.5%)でした。
  • 合格者平均点は70.5%と、中学受験の合格点に近くなっていますが、合格者最低点を見ると、かなりばらつきがあり、たとえ1科目半分得点できなくても合格している生徒が見られます。4教科ででこぼこのないように点数をそろえていくことが求められる入試となっているといってよいでしょう。
  • 合格者のうち、入学辞退者は、共学の大学附属校への進学を決めた生徒が多いということです。たとえば、2月2日入試の慶應湘南藤沢中等部や、青山学院中等部などへの進学者が多いようです。ほかにも、この数年、明大明治中学校に進学する受験生が見られ、増加する傾向がみられます。
  • 四谷大塚の80%合格偏差値では、60から65という、かなりハイレベルで推移しており、入試も1回しか行われないので、立教女学院中学を第1志望とする生徒は確実に対策をして受検してきます。このような第1志望者を中心に、厳しい入試が毎年繰り広げられています。
  • 合格を確実にするためには、先ほどご紹介したような、4教科で70%を超えるくらいの得点率が必要になるので、過去問演習を行うときにも意識するようにするのが良いでしょう。

2019年度の入試について

現在のところ、特に変更点は発表されていません。近年、WEB出願の学校が増えてきていますが、立教女学院は2019年度も、現在のところ、郵送での出願に限っています。

合格発表は、2月1日(金)21時にホームページ上に掲示されますが、2月2日(土)の9時から12時の間構内掲示が行われます。入学手続きも2月2日の9時から12時となっていますので、構内掲示で合否を確認し、手続きをするようにしましょう。

立教女学院の大学進学実績と、進路指導について

2018年度の進学実績について

立教女学院は、「立教」と名はついているものの、完全なエスカレーター式の附属校ではありません。ですが、立教大学へは121名の推薦枠があります。2018年度は、全体生徒のうち90名(49.5%)が立教大学に進学しています。年にもよりますが、2017年度は101名(54.6%)でしたので、減少傾向にあります。

4年制大学への進学者は、立教大学への進学者を含めて163名(89.6%)、浪人生は19名(10.4%)でした。

卒業生全体のうち人文科学系(文学部、教育学部など)に進学したのは22%、社会科学系(法学部、経済学部など)に進学したのは55.8%、理工系に進学したのは8.0%、医歯薬系に進学したのは9.8%という結果になっています。

文系学部に進学する生徒が多くを占めますが、医歯薬系学部に進学する生徒が増加傾向にあるなど、進学校としてのカラーが強まってきています。

進路指導教育の特徴

  • 東大や東工大といった、最難関国公立大学にも毎年のように合格者を出していますが、立教女学院の進路指導教育の基本は、「生徒それぞれが目指す進路を支援する」という方針にあります。
  • 6年間のさまざまな学習カリキュラムを通して生徒の自立を促すことを重視していることから、立教大学への推薦入学枠があるにもかかわらず、必ずしも立教大学への進学にこだわらずに進路指導を行っています
  • その結果、立教以外の大学や、立教大学にはない学部に進学を希望する生徒に対しては、他の大学への進学という、チャレンジ精神を尊重し、しっかりとサポートすることを進路指導の姿勢として貫いています。
  • 高校1年生までは、全教科が必修カリキュラムで、文系・理系にコースを分けることなく授業が行われています。高校2年生・3年生で進路別のコース分けが行われ、理系・文Ⅰ(他大学受験コース)・文Ⅱ(立教大推薦希望コース)に分かれるようになっています。

実際に学校を訪問してみて感じたこと

立教女学院の校舎・敷地は、豊かな緑の中にあります。広い敷地の中に、伝統が感じられる低層階の校舎が配置されており、全体的にとてもゆとりある空間となっています。そのような恵まれた環境の中、校舎内には自然の光とさわやかな季節の風が流れており、大変に居心地のよいたたずまいを保っています。

そのような恵まれた環境の中、閑静な住宅街の中に校舎があることや、小学校からの募集を行っていることから、いわゆる「お嬢様学校」としてのイメージを持たれやすい立教女学院ですが、実際に中学・高等学校の校舎の中では、とても元気な生徒たちが、無邪気に歓声を上げて走り回っている様子を見ることができます。ミッション系の学校=おしとやかなお嬢様学校、というわけではないことをじかに見ると、規律はあるものの、非常に自由な雰囲気を感じることができます。

立教女学院はアメリカ国教会の宣教師によって設立されているというバックグラウンドがあるので、根底に流れるキリスト教教育の精神が、生徒たちをしっかり見守っているということがよくわかります。そのようなキリスト教教育の腕の中で、生徒一人ひとりの持つ、年齢相応のくったくのない元気よさと、柔軟な発想力が十分発揮できるような環境が整えられているという印象を持ちました。これこそが、創立140年という伝統の持つ重み、力といえるのではないでしょうか。

2017年に新しく赴任された校長先生は、神奈川の有名ミッションスクールの校長先生から転じられましたが、立教女学院での学びのスタイルは、「座学よりも実戦的でアクティブなものが多い」とおっしゃっていらっしゃいました。このような学びのアクティブさも、生徒一人ひとりの行動力の原動力になっているのかもしれません。

また、校長先生は、しっかりとした基礎・基本を学ばせることを重視して質の高い中等教育をおこない、中等教育における、リベラル・アーツの実践を目指したい、ということもおっしゃっていました。

また、立教女学院では、海外交流プログラムにも積極的に取り組んでいます。アメリカ、フィリピン、ニュージーランドにある姉妹校との交換留学はもう何年にもわたって続いています。そのほかにも、短期・長期の留学制度が用意されており、そのようなプログラムを利用して見聞を深める生徒さんも多いということです。

立教女学院は、長い歴史を持つミッション系の伝統女子校です。伝統校には、「変わらないものと変わるもの」を考え、今後も続いていく学校であるという使命があるのではないかと思います。時代に拘束されない学校であり続けること、手作りの教育、私学ならではの自由な教育改革を進める、など、立教女学院でもさまざまな試みがなされています。

そのような学校のチャレンジは、「生徒が、時間だけに追われるような学校生活ではなく、地に足の着いた6年間を過ごせるように」という想いから考えられ、そのような想いが教員をはじめ、学校の隅々まで浸透しているように感じました。6年間を通して、生徒たちも肌でそのような教育の重要性を感じ取っているのではないでしょうか。

まとめ

立教女学院の環境や学習カリキュラム、校長先生のお話を通じて、生徒一人ひとりが「この学校の卒業生で良かった。」そういった想いや誇りをもって成長することができ、将来を切りひらく力を身につける学校だという印象を受けました。

女子校ならではの、「自分たちで何でも決めて行動する」という能動性もさることながら、キリスト教教育に根付いた奉仕精神や、他者との違いを受け入れるという多様性を違和感なく採り入れる力が、中高6年間で養われているように思います。

学校側も、そのような生徒に寄り添い、より良い教育がどのようなものか常に議論を行っているという積極的な姿勢をとっていることにもとても好感を持つことができるという良さもありました。

もちろん、同じ環境で学生生活を送るといっても、生徒は一人ひとり、考え方も違えば感じ方も違います。また、帰国生であったり、小学校から内部進学してきた生徒もいるので、中学高等学校に入学するに至った経緯も違います。

そのような多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが集まってくること、それぞれに配慮しながら特別扱いしない学校の教育姿勢が、うまくなじみあうことによって、立教女学院全体の一体感を作っているということが、一番の魅力ではないでしょうか。

立教女学院は、第一志望校として受験してくる生徒さんが多い中学校です。出願者の中での受験者の率も非常に高いです。学校見学に行き、あるいは近所で実際にお通いの生徒さんの姿をみて、あこがれて「立教女学院一本」の中学受験を目指す受験生も少なくありません。

入試が1回しか行われないということもあり、立教女学院を第1志望にして受験の核と決めたなら、併願校も実際に見に行って決めるようにしましょう。完全な大学附属校ではないので、将来の大学受験のことも考えると、選択肢は非常にたくさんあるということも、大学が併設されている中学校としてはお子さんの将来をよく考えて学校を選ぶことができるという意味では珍しいといえるでしょう。

立教女学院は、緑に恵まれた、伝統ある校舎の中で、これからも無邪気ともいえるくらい元気な生徒たちの歓声が聞こえる学び舎であり続けてほしいと願ってやまない学校の一つです。ぜひ、学校見学などに足を運び、志望校選びの参考にしていただけると幸いです。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。