【中学受験】わが子の学力を伸ばしてくれる中学校の学びとは?

中学受験をお考えのご家庭では、お子さんをどのような学校に通わせたいと思われるでしょうか?ご家庭の教育方針に近いことや学校の教育理念に共感できるかどうか、2020年の大学入試改革を目指して新たな教育に取り組んでいるか、などいろいろな点からお子さんが受験する中学校選びを進めていらっしゃると思います。

中でも、やはり保護者の方が気になるのは、「入学したらわが子の力をどれだけ伸ばしてくれる学校だろうか」という点ではないでしょうか。この、伸ばしてほしい力にはいろいろなものがありますが、一番は「学力」だと思います。学力に対する考え方も、近年さまざまな方向性があると思いますが、一つの指標になるのは「大学合格実績」と言えるのではないでしょうか。

中学・高校、さらに附属校では大学も含めた多感な時期にお子さんを預けるわけですから、将来はお子さんの望むような進路に進ませてやりたい、そのように保護者の方が思うのは当然のことです。ですが、大学合格実績にも様々な考え方があります。たしかに、入学時に難易度が高い学校は、高い大学合格実績を期待できます。では、そういった難関校に入学できなければ、将来お子さんは自分の希望する進路に進むことはできないのでしょうか?そうは思いたくないですよね。

いま、人気を集めている学校は、これまでの伝統ある難関校だけではなく、「入口に比べて出口の成績がいい」、つまり、中学に入学するときの偏差値はそれほど高くなくても、学校の教育の取り組み方によって、在学中に学力を伸ばすことに成功し、非常に良い結果を残している学校、言い方は悪いかもしれませんが、「入口に比べてお得な学校」と言える面があると思います。

特に、中学入学時の難易度と、実際の卒業生の大学合格実績の関係から、在学中に生徒の学力がどのくらい伸びたかということが、人気を集める一つの要因になっています。これから始まる大学入試改革に向けて、そこで求められるさまざまな「力」を、中学・高校で身につけることができること、そのような学校がこれからさらに人気を集めることになるでしょう。

今回は、このように「入口に比べてお得」といえる、入学後に学力を伸ばしたという結果を出している学校の学びの特徴について書いていきたいと思います。学校選びの参考として、学校生活の中でわが子のどのような良いところを伸ばしてくれる学校とはどんな学校なのか、考えていただくきっかけになり、お子さんの力を伸ばしてくれそうな学校を選ぶ一助となれば幸いです。

特徴その①学習習慣をつけるためのきめ細かなフォロー

中学校に入って、学力を伸ばすためには、まず中学1年生、2年生の間にいかに学習習慣をつけるか、ということが一番のポイントになります。最初の中間テストで上位5%に入ると、その後も上位の成績を保つことができるとも言われています。

それはなぜかというと、柔軟な思考力を持ち、その思考力が伸びる中学1年生、2年生の時期にまじめに、さまざまなことに興味を持って学ぶ姿勢を身につけておくことがとても大切なことなのです。いわば「脳の基礎体力」を作るということと言ってもよいでしょう。

特に、基礎からコツコツ積み上げていく必要のある数学や英語といった科目は、授業の予習・復習をしっかり行うことがとても大切です。予習の段階で教科書を読んでわからなかったことを、授業を聞いて解消し、さらに復習をして、できるようになるまで繰り返し練習する、ということをしてはじめて、知識や解法を身につくものとする、そのような学習習慣を身につけることが非常に大切ですし、その姿勢を続けていけるかどうかが、学習能力をアップさせるのです。

ですが、塾のカリキュラムで中学受験をしてきた方にとっては、「予習」「復習」といえば、「テキストを読んでいくこと」「宿題を必死でやること」という短絡的なイメージを持ってしまうかもしれません。ですから、「予習」→「授業」→「復習」という学習サイクルを、最初に身につけさせてくれる学校はこれから非常に伸びてくる学校と言ってよいでしょう。手取り足取りやってくれるということではありません。あくまで、生徒さんが自分自身でそのようなサイクルを身につける手助けをしてくれる、ということが大切なのです。

また、同じく英語については、単語をていねいに覚え、学んだ文法事項や、構文を繰り返し使って長文をよめるようにするような地道な学習が最終的にはモノを言います。単語テストはどの学校でも行われていますが、ただ1対1対応で1つの単語につき1つの意味しか覚えないというのではなく、1つの単語にも使い方によっていろいろな意味を持つものがある、ということは使いこなす練習をしなければ理解することができません。これは、英語を苦手とする生徒さんにとても多い特徴です。また、大学入試もそういったことばの運用能力を重視してきました。「差がつく」からです。

入学してきた生徒の学力をしっかり伸ばしている学校のほとんどは、家庭学習に対する指示が非常に明確で的を得ています。さらに、ただ指示をするだけではなく、提出させて「どこまでやってきたのか」「どこまでわかっているのか」というところをチェックし、できていない部分に対してはていねいにフォローを行うか、そこまでやってくれるかが重要なのです。学校にもよりますが、たとえば、小テストを行ったり、ときには指名制で補習を行ったりするような学習チェックを行ているところもあります。場合によっては、保護者の方に家庭学習の様子を聞き取るなど、学校側が積極的に行なっている非常に「親切な」ケースもあります。

従来から面倒見がいい、と言われている学校にもいろいろな学校があります。なかには、生徒自身が家庭学習のやり方をはじめ悩みがあったときに、まず学校の先生に相談する、という学校もあるほどです。個人面談などで、生徒さんの様子を親御さんよりも先生がよく知っている、という学校もあります。

学校に任せて保護者の方が何もしない、というのは極端ですが、中学受験のときを思い出してください。すべて塾にまかせて全てがうまくいきましたか?むしろそういう方は少なかったのでは井でしょうか。

とはいえ、中学・高校生は年齢的に思春期ですから、親御さんがあれこれ指示をするとかえって反抗するということも多い時期です。そのようなときに、安心して任せることのできる先生、学校があるということはとてもラッキーなことではないでしょうか。

そのひとつの例として、家庭学習への指示など、1日、1週間の学習サイクルを一緒に考えてくれる学校という存在があるということによって、反抗期のお子さんに対してご家庭で対応に困ったときにも安心して相談に行くこともできますし、学校の方から連絡をくれるということもあります。そのような学校であれば、生徒さんは「先生が、学校が自分を信じてくれている」というポジティブな考え方を持つことができますし、学習意欲もより積極的なものになっていきます。

このように、家庭学習に対する指示が明確で的確であるということは、生徒自身に「どこからわかっていないのか」ということに気づかせ、その部分はちゃんと教員が責任を持って勉強する機会を与えているということです。休み時間に質問も自由に受け付けていたり、生徒が職員室に質問に来やすい雰囲気など、お子さんが学校を居場所として頼ることのできる体制を作り出しています。

「わかっていない」ことがわかっても、それを克服させるように導かなければ、指導しているとは言えません。「いついつまでにやってきなさい」というだけではなく、生徒自身から「やらなければならない」と気づかせるのが上手な学校は、教員もうまく持っていく方法を研究しています。

教員が目上から「やれ」と強制するよりも、生徒自身が周囲の頑張りを見て「やらなければ」という自覚を持たせる方がじつはずっと難しいのですが、授業中にクラスメートがコツコツと英単語や会話を練習して上達している姿を見ると、生徒自身も、「負けたくない」と、友達との横のつながりの中で、やるべきことを自覚するようになります。そのように持っていくことができている学校は、生徒の学力をしっかり伸ばしています。

特徴②生徒から主に発信させることによって「ことばの力」を磨く取り組み

2020年に大学入試は大きく変わります。それにともない、今後はAO入試のようなタイプの入試の比重がさらに大きくなることが考えられますし、すでに慶應義塾大学などは、センター利用入試を廃止し、AO入試をはじめとして独自の入試に重点を置いています。この傾向は今後さらに強まっていく可能性は非常に高いでしょう。

読む、聞く、書く、話すという力を試すためには、大量の資料を読見込む経験を積んだり、ほかの人の話や意見を聞いたりしてお互いに理解しあう、最終的にはそれらのやり取りをふまえて、自分なりに考察したことを聞く人にわかりやすくプレゼンテーションする、論文のような形で書いてまとめ、発表するといった学習のプロセスが非常に大事になります。

特に大切になるのは、話をする相手を説得する「ことばの力」です。これは、社会に出てからも非常に重要な力と言ってもいいでしょう。「ことば」というと、国語・英語といった言語系の教科がまず頭に浮かぶでしょうが、ほかの教科でも同じです。

ことばを正確に使って自分の考えを表し、他の人の発したことばの意味を考え、取り入れるものは取り入れ、中には自分と違う考え方の場合にはしっかり話し合ってそれぞれの違いを受け入れるということは、教科を問わず、これからますます重要になってくるでしょう。

なにより「相手にわかるように伝える」ということばの力こそが、相手を説得したり納得させる力に直結します。このような力がこれからは評価の基準の一つとして存在感を増してくるでしょう。

読解力の低下と、その克服法は?

一方で、近年、子どもの「読解力の低下」が非常に問題となっています。さまざまな調査結果から、特に中学・高校生の読解力の低下は深刻の一途をたどっています。たとえば、主語と述語の関係、指示語の示す内容、接続語が示す意味など、文章の基本的な構造が理解できていない子どもが多くなってきていることが読みとれます。

これは中学・高校生に対する調査データですが、その段階で読解力が低下しているということは、当然小学生の読解力も低くなってきている傾向にあるということが言えるわけです。いきなり中学生になって読解力が低くなるわけではありません。小学生では英語の授業が重視されてきていますが、それ以前に日本語の運用能力ともいえる「読解力」が低下してれば、小学校で近年重視され始めている英語をいくら詰め込んでも、読解力を上げることはできません。

そこで、中学入試でも、「読解力の高さ」を測るべく、各教科、問題文を長くしてみたり、設問を複雑にしてみたり、どのような文章で問題を作ったとしてもきちんと読み解くことができるかどうかを判定できるような出題が中心的になってきているのです。「ことばの力」がなければ、読解力をつけることもできませんし、当然設問に正解することもできないのです。ましてや、今後重視される、コミュニケーション能力を身につける上で致命傷になってしまいます。

「ことばの力」を磨くためには?

このように、これからの中学・高校時代、さらには大学入試の改革に向けて、「ことばの力」は非常に重要性を持っています。ですが、これだけ「ことばの力」のひとつである読解力が低下していては、そう簡単に「ことばの力」を養成することはできません。では、どうすればよいのでしょうか。

「ことばの力」を磨くためにできることはたくさんあります。たとえば、生徒どうしで、あるテーマについて話し合い、その中で自分の意見や考えを積極的に発信させる、ということが考えられます。このような機会をなるべく多く持つことが「ことばの力」を磨くためには非常に重要です。「ことばの力」はことばを運用、つまり使わなければ養成することはできないからです。

生徒どうしで話し合うときには、相手と自分の意見や考え方のどこが同じで、どこが違うのか、ということを正確にとらえる必要があります。実は言い方が違うだけで言っている意見が同じであることもあるでしょうし、同じようなことを言っていても、核となる意見は違っている、ということもあり得ます。相手や自分の意見や考え方を整理するためには、共通点とともに「どこが違うのか」を整理して書き出してみるなどの工夫も効果的です。

生徒どうしで話し合う機会を多く持つことによって、それぞれの生徒が持つ語彙力やことばの使い方(センスと言ってもよいかもしれません)、さらに思考力も磨かれていきます。相手のことばの中に「自分とはここがちょっと違うな」などと、「小さな違和感」を感じたときに、そこをより掘り下げて話し合っていくと、とても大きな発見があったり、よりことばの力を向上させることもできてきます。ただ「聞いている」だけでは、「ことばの力」は上達しません。「ことばの力」は、相手と自分、お互いの意見や考え方をまずは述べてみて、違いや共通点を見つける中で磨かれていくものです。

入試時から卒業時までの間に生徒の学力を伸ばしているといわれる学校は、最近よく話題になり、注目をあびている「アクティブ・ラーニング」や、課題を与えて研究し、自分なりの考察をさせるという授業に熱心に取り組んでいます。しかし、それだけにとどまるわけではありません。通常の授業の中でも、生徒どうしの意見交換が活発に行われ、教員も適度にヒントを与えるなどして、意見交換をさらに活発なものにしていくといった取り組みがされています。

特徴③留学やコンテストなど、行事をきっかけに主体的に学ぶ機会を増やしている

入学時の学力に比べて卒業時の学力を伸ばしているといわれる学校では、さまざまな、生徒が主体的に学ぶ機会を設けています。たとえば、外国への短期留学やホームステイ、国際交流に力をいれたり、校内でディベートコンテストを行ったり、上位チームは学校を代表してさらに大きな大会に参加するなど、行内にとどまらない活動を重視しています。

その他にも、中学3年生や高校2年生というタイミングで、研究発表を行う学校が非常に増えています。課題を自分で選ばせ、1年から2年かけてそれに対する調査を行い、考察し、最終的には自分の意見をまとめ、ほかの生徒や教員の前でパワーポイントなどを使って発表する機会を設けている、といった具合です。調べる力、書く力、考察する力、さらにプレゼンテーションする力、といった総合的な「ことばの力」が試されるような取り組みを行っています。

具体的には、留学することを目標に、学校を上げて英語検定に取り組むといったことも行われています。スケジュールを決めて、全校の生徒たちが一生懸命英語検定取得に取り組む、というくらい力を入れている学校もあります。また、漢字検定も同じように全校を挙げて取り組み、全国でも上位の成績をおさめることによって「ことばに対する興味」を刺激するようなカリキュラムをとっていたりします。

その他、先ほど述べた研究発表に向けて生徒が主体的に、熱心に調べ、自分の考察をまとめるといった学習に励んでいたり、とった、その学校ならではの独自の熱気を感じることができます。それは、生徒にただ主体的に取り組め、というのではなく、教員も一緒になって質問に答えたり、論文を作成するヒントや書き方を教えたり、プレゼンテーションのやり方を指導したりという、学校全体の取り組みをしている学校は、生徒の成績や能力を入口よりも出口で伸ばしているという傾向にあります。

さらに国際的な取り組みとしては、代表生徒を募集して「模擬国連」に挑戦するなど、中学生でも高校生の先輩とチームを組んであるテーマについて学んだり、パフォーマンスの方法を考えるなどという経験を積むということも盛んにおこなわれています。

中学生と高校生ではもちろん考察やパフォーマンス能力は異なるでしょうが、中学生でも高校生の先輩のより優れたパフォーマンスをじかに目にすることによって、上の学年の生徒からさまざまな刺激を受けるということができます。世界中の学校が集まった模擬国連に挑戦する学校もあり、昨年は最優秀賞を取った日本の学校も見られました。

このような、ある程度時間がかかる学習への取り組みには、中学・高校といった長いスパンで学習できる環境があるということもとても大切です。また、さまざまな行事の中で、自分たちでグループを作って取り組むことができるのも、一貫校の良さのひとつですです。

生徒の学力を伸ばしているという結果を出している学校には、年に数回、このような行事を通して学ぶしかけを取り入れ、生徒自身がよく考え、主体的に取り組み、協働して活動する場を大切にしているところが多いようです。

まとめ

中学受験をお考えの保護者の方は、もちろん偏差値の高さ、という一つの指標を頼りに学校選びをしていらっしゃるのではないかと思います。もちろん、偏差値の高さは、それだけの各教科の基礎を備えて入学してきている生徒さんが多いという手がかりに変わりはありません。

ですが、高い偏差値の中学校に入学したことで満足してしまい、その中で中くらいの成績で推移していれば卒業時にはある程度難関の大学に入学できる・・・そのようにお考えになるご家庭は非常に多いです。ですが、中学受験で合格するということはあくまでそれから続く学習のスタートラインに立ったにすぎません。

逆に、中学受験の勉強で伸びきってしまって、主体的に中学に入ってから学習することができなくなってしまう生徒さんも非常に多いのです。それでは、せっかく頑張って受験勉強をしたのにもったいないとは思いませんか?

ご自分のお子さんは、いったいどのような環境の学校の中で伸びるのだろうか、どういうところで強みを発揮できるだろうか、どのようなことに興味を持って熱心に取り組むだろうか、そのヒントを得るには、やはり実際に学校に足を運んでいただき、実際の生徒さんの取り組み方を目にするのが一番です。そのほかにも、学校説明会で一方的に話を聞いてくるだけではなく、ぜひ積極的に学校全体の取り組みについて個別相談などで聞いてみましょう。

その際に、質問にしっかり答えられる教員がいる学校は信頼できます。中には、「このような取り組みをしています」と言いながら、実はまだその内容がしっかり決まっていないという学校もあるのがまだまだ現状です。「口先だけの学校改革」か、それとも「学校を挙げて生徒の能力を伸ばす取り組みに一丸になっているか」、そういったことは、実際に足を運ばなければわからないものです。

体験学習などを行っている学校もありますから、お子さんと一緒に足を運んで体験してみるのもよいでしょう。そこで、実際に学校の教員がどのように生徒の意見を適切に取り上げ、ほかの生徒に投げかけ、考えさせるといった一連のファシリテーターとしての役割を果たしているかどうかを見ることも大切です。

各学校の取り組みは学校によってさまざまです。ぜひ、実際に足を運んで、肌で感じて、実際に体験して、お子さんの意見もよく聞いて学校選びをしていただきたいと思います。

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