受験生は「寝る間も惜しんで勉強しなきゃ!」よく言われますよね。でもこれは、実はとてもナンセンスな話なのです。睡眠をしっかりとることによって脳を休め、体の疲れも回復しなければ、長丁場の中学受験生活を乗り切ることはできません。中学受験の時期はお子さんの成長期と重なりますから、なおさらです。
また、一生懸命暗記したこと、問題の解法、勉強したことを定着させるためにも質の良い睡眠はとても大事なのです。つまり、学力アップのためにも睡眠はとても重要です。
ですが、睡眠時間は長ければよいというものでもありません。睡眠にはベストな時間帯、ベストな長さというものがあります。だらだらと寝るよりも、「質の良い睡眠」をとることが大事です。では、具体的にはどのように睡眠の質を上げ、どの程度の睡眠時間をとるのがよいのでしょうか。
理想的なのは90分の倍数の睡眠時間
ご存知の方も多いと思いますが、睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。人は通常、このレム睡眠とノンレム睡眠を90分のサイクルで繰り返しながら眠っています。また、浅い眠りであるレム睡眠の時に目覚めると、すっきりと起きることができると言われています。
眠りに入る時間も重要
脳の疲れを回復する働きを助けるのが、「成長ホルモン」です。この成長ホルモンは、眠りについてから約3時間後から大量に分泌されます。また、朝起きて学校に行く、朝型生活の場合には、夜22時から午前2時頃までの間に成長ホルモンが多く分泌されます。この時間帯は「睡眠のゴールデンタイム」と言われています。成長ホルモンの分泌時間は体内時計によってコントロールされており、体内時計は朝日を浴びて朝食を食べたときにリセットされます。つまり、不規則な生活をしていると、「睡眠のゴールデンタイム」を逃してしまうことになるのです。
成長ホルモンの分泌を最大限に利用し、脳の疲れを回復する、この「睡眠のゴールデンタイム」を忠実に守るためには、22時から3時間逆算して、19時には眠りにつかなければならないことになってしまいます。ですが、19時といえば、中学受験生にとっては塾で、あるいは家庭で勉強したり夕ご飯を食べたりしている時間ですから、その時間に就寝することは非現実的ですよね。では、どうしたらよいのでしょう。
質の良い睡眠をとるために気をつけるべきこと
さきほども書いたように、中学受験生が19時に就寝することは現実的には無理な話です。それなら、布団に入ったらすぐに眠りにつけるようにして、できるだけ睡眠のゴールデンタイムを活用したいと思いませんか?つまり、「寝つきを良く」すればいいのです。寝つきを良くするためには、以下のことに気をつけるとよいでしょう。
- 夕食は早めに、かつ軽めにとること
- 入浴後すぐは眠りにつきにくいので、就寝1時間前には済ませること
- 朝ごはんをきちんととること
体内時計が整っていれば、無理に19時に就寝しなくても、規則正しく毎日同じくらいの時間に睡眠をとるようにすれば、成長ホルモンは分泌されやすくなります。規則正しい生活を心がけて、脳の疲れを癒し、また次の日も頑張れる状態にしましょう。
受験生に必要な睡眠時間は
これまでいろいろ書いてきましたが、まとめると、目安としては22時~翌朝5時半くらいまでの7時間半(90分の倍数)が、受験生にとってはベストな睡眠時間だと考えられます。夜は早めに就寝して、朝学校に行く前に少し勉強する習慣をつけると、入試本番の時の1日のリズムに体を慣らすこともできます。朝型生活がよい、と言われるのはそういう意味もあるのです。
ただ、夜型でもしっかり熟睡して、翌朝元気に学校に行き、塾にも通えるお子さんもいます。もちろん、夜型にも限度はあります(朝まで起きていて学校に行かないなどは問題外です)し、小学生という成長期ということを考えれば、朝型の方が望ましいとは思いますが、いろいろ試してみて、「夜何時から朝何時まで寝る」という規則正しいリズムができていて、体調を崩したりすることもなく元気に頑張っていれば、それがそのお子さんの生活リズムですから、受験直前期に無理に超・朝型にしなくては、と焦らなくても大丈夫です。
「質の良い睡眠」をとることができるよう、ぜひお子さんに規則正しい生活をさせるようにサポートしてあげましょう。
おわりに
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。