子供の成績が落ちた…,そんなとき親はどうすれば?一橋生が教える対処法!【中高生編】

中学生・高校生になると,テストや模試の機会が増え,周りと成績を比べられることが多くなります。そんな中お子様の成績が下がってしまうと,「無事第一志望に合格できるか」「浪人してしまわないだろうか」と不安に思う保護者の皆様も多いでしょう。

今回は中高生のお子様をお持ちの読者の皆様に,このような成績の下落時にどのように対処していけばいいのかについて触れていきます。特にこの頃のお子様は反抗期に差し掛かっているということもあり,対応が難しいところです。ぜひ一緒に考えていきましょう。

叱る・褒める前に!まずは落ち着きましょう

まず読者の皆様に実践して欲しいのは,何か言葉をかける前に一旦落ち着くということです。この「落ち着く」ということは以前【小学生編】の記事でもお伝えしましたが,中学生・高校生というのは他人の言葉に敏感です。

そのため激しく怒鳴ったりすることはもちろん悪影響を及ぼします。またこれもありがちだと思いますが,親御さん自身の過去を持ちだして「こんなのも解けないの?」と煽ってしまったり,周りと比較して「〇〇くん・ちゃんはこんなに高い点数が取れているのにどうしてうちの子は……」とぼやいてしまったりすることは今後の成績にとって逆効果です。子供への心配・そこからくるストレスは計り知れないでしょうが,このような些細な言葉でも中高生は傷ついてしまいます。「こんなに文句を言われるのなら勉強なんてやめてやる!」とならないよう,子どもの成績が予想より悪かったらまずは深呼吸して冷静になりましょう。

成績が落ちることは普通のこと!

そして読者の皆様に理解していただきたいのは,成績が下がるのは普通のことだということです。「自分の子どもだけ成績がひどくなっている」ということはありません。どんなに賢い子でも,成績が落ちるときは必ず存在するのです。

次の成績表を見てください。これは学年360人・クラス42人中,学年317位・クラス40位をとってしまった成績表です。

この成績表は他の誰でもない私の高校時代のものになります。こんなひどい成績を取っていても現役一橋生としてこの記事を書いています(笑)。私の成績表がどれほど説得力を持つかは分かりませんが,成績が下がることはよくあることなのだ,という理解を推進するきっかけとなれば幸いです。だからこそ成績そのものではなく,この成績とどう向き合うかが重要になってきます。

子どもの努力や態度を認めてあげよう!

まず大事なことが,「成績=お子様の努力・態度」と考えることを止めてみることです。これは保護者の皆様も学生時代に感じたことがあるかもしれませんが,勉強をどれほど頑張ったからといって良い成績がとれるわけではありません。反対に勉強しないからといってい必ずしも悪い成績を取るわけでもありません。後ほどご紹介するように,悪い成績をとってしまう要因はいくつか考えられます。本当に勉強していないから成績が悪くなってしまう,という学生はおそらくそこまでいないでしょう。まずは悪い点数は一旦お子様から切り離し,テストに向けて培った努力や態度を認めてあげましょう。

このようなことを申し上げますと,「うちの子は本当に勉強していない」「家で勉強をしていないから努力していないのだ」と考える親御さんもいらっしゃるかと思います。しかし,だからといって家での態度だけで勉強をしていないと考えるのは早計です。

もしかしたら家での態度が良くなかったり無愛想だったりするかもしれませんが,お子様は家だけでなく学校や塾でも勉強していることを思い出しましょう。中には本当に勉強してない子もいるかもしれませんが,それはほんのごく一部です。実際私の中学校時代の旧友でも,真面目に授業を受けて一緒に勉強しているのになぜか成績が伸びない子が多かったです。

そもそも中学生・高校生というのは反抗期が重なりますから,家での態度は小学生のときのものとは大きく異なります。子どもが成長していること・家の他にも居場所があること・見えないところで努力していることをしっかりと想像して,積極的に認めてあげましょう。

なぜ成績が落ちているのかを考えよう!

では努力と成績を切り離して考えてみたところで,本題の成績に向き合っていくことにしましょう。上の努力を認めるというのは,次に繋げよう!ここから挽回していこう!というエネルギーを与えることを意味します。ただどうして成績が下がったのかわからないと,今後も成績も下降し続ける可能性があります。どこが良くてどこが悪かったのか,一緒に考えて次のステップに進む手がかりを探しましょう。ここからはいくつか代表的な成績降下の理由を挙げていきますので,お子様に当てはまっていないか考えてみてください。

①    学年が変わるタイミングだから

1つ目に考えられるのが,学年が切り替わるタイミングで変化についていけていない,という理由です。学年が変わると色々なことが変わってきますよね。

例えば教科を担当する先生が変わります。先生によって評価基準やテストの問題の作り方・出題傾向が違うため,学年が変わって初めてのテストは点を取りにくいです。「勉強したはずなのになんか解きにくいな」と感じたら,原因はこのことにあると考えられます。このタイプの成績降下は,次回以降傾向をきちんと抑えることで対応可能ですので,「ここテストに出るぞ」など,日頃から先生の言葉に注意して耳を傾けよう、と伝えましょう。

また内容の高度化・必要とされる勉強量の増加も変化の一つです。学年が変わるとやはり内容が難しくなっていきます。またそれに応じて必要となる勉強量も次第に増えていきます。このような場合はこれまでの勉強法や量を少し変化させればいいだけなので,テスト週間を一緒に振り返り,「ここの時間は勉強に割けた」「この時間は集中力が切れていたから休むべきだった」とスケジュールにおける反省点を洗い出すと良いでしょう。

②    受ける問題の特徴が違うから

2つ目に考えられるのが,比較している問題のレベルが違うということです。これは学校のテストというより,外部で受ける試験や模試などで当てはまりやすいです。外部の模試は制作する会社ごとに特色があり,受験者層も大きく違ってきます。

例えば中学生が受ける模試であれば,まず地域ごとに開催される模試があります。東京都であればVもぎ・Wもぎ,埼玉県であれば北辰テストというものがありますが,これらはどれも都内・県内の中学生しか受験することができず,受験者層は狭いと言えます。対して全国統一中学生テストなど全国規模で実施される模試は受験者層が広いため下振れしやすいです。この他に塾ごとの模試などもあり,単に「模試」といっても様々なものがあることがわかります。

また高校生であっても,ベネッセ模試・河合模試・駿台模試などがありますが,これらの模試は受験者の学力レベルが異なっています。ベネッセ模試は偏差値が50くらいの学校でも受験されますが,他方駿台模試は偏差値の高い高校で受験されがちです。このような特徴から,一般的にベネッセ<河合<駿台の順で点数が取りにくいと言われています。

このような違いを考慮し忘れると,全く違う模試を比べて成績が落ちていると判断してしまうことがあるのです。このケースに当てはまる場合,本当は成績が落ちているわけではない・場合によっては上がっているかもしれませんので,同じ模試で比較するか,比較せず間違いを見直すことを徹底するかのどちらかを実践していきましょう。

③    本調子ではなかったから

次に考えられる理由が,受験時に何らかの原因で最大限の力が発揮できなかった,というものになります。このようなことをお子様から言われると「言い訳だろう」と一蹴してしまう方もいるかもしれませんが,本当に調子が悪かった可能性があります。

中学生・高校生になると部活を本格的に始めるため,運動部だったら怪我をしたり,声を出す部活だったら喉が枯れて風邪をひいてしまったりと,学業に支障をきたす影響があります。体調の他にも,親の知らないところでメンタル面に傷ができ,勉強に身が入らないなどということも多々あります。

もちろんこれは部活や友達付き合いなどをやめたほうがいい,ということを言いたいのではありません。このように本調子がでないときは人間誰しもあることを理解してもらいたいのです。中高生であるお子様本人が「調子悪かった」と口にすることは滅多にないでしょうが,点数の裏に何かしらの事情があるのかも…と推測し,頭ごなしに叱らないようにしましょう。

親にできることは…?

ではここからは,中高生の子を持つ親にできることについて,現役大学生であるライターの経験も交えつつお話ししていけたらと思います。結論から言ってしまうと,保護者にてきること・してもらいたいことはほとんどないのではないか,と考えられます。

過干渉を避けよう!

まず大事なことが,過干渉を避けるということです。小学生のときは宿題やテストの復習などを一緒に行っていたかもしれませんが,中高生相手に同じことを実践するのは推奨できません。

その1つ目の理由が,何回か文中で記述したように,反抗期と重なるからです。この頃は親が何にでも干渉すると,かえって勉強から心が遠ざかってしまいます。私も口うるさく「勉強しなさい」と言われた日は一切勉強していませんでした(笑)。お子様を心配される気持ちはわかりますが,後ろから見守る役割に徹しましょう。

2つ目の理由は,子どもの自立にあります。これまでは保護者の皆様以外では,学校の先生くらいしか勉強の面倒を見てくれる人がいませんでした。しかし,お子様は学校の友達や先輩,塾の先生などたくさんの人と交流するように成長しました。親が面倒を見なくても,自分の力と人脈を使って物事を解決できるようになったのです。子どものためを思うなら,ぜひこの成長の機会を阻害しないように見守ってあげてください。

勉強のための環境を整えよう!

ただ同時に,保護者・大人にしかできないサポートの仕方もあります。それが勉強に集中するための環境を整えるということです。

親が支えられる環境のうちの1つが食事面です。栄養バランスがよく,その上量の多い食事が理想的です。詳しく調べたり考えたりするのは難しいかもしれませんが,不足しがちな野菜をこれまでより多めに購入する,などの心がけでも十分です。身体の健康は頭のパフォーマンスに直結するということを踏まえ,1日3食しっかりサポートしてあげてください。

2つめが経済面です。勉強したいというやる気・目標達成に足る勉強法が備わっていても,テキスト代や予備校代を自分で稼ぐ能力は子どもにはありません。もし子どもが「こんなテキストが欲しい」「ここの塾に通いたい」などと頼んでいたら,それは親でしかサポートできないことです。家計の状況にもよりますが,勉強に関する出費には快く応じてあげてください。

まとめ

今回は中高生のお子様を持つ保護者の皆様に向け,親としてどのように接していけばいいかを考えました。まずは①落ち着いて,②降下の理由を分析し,③陰からサポートする形で応援するということが大事になってきます。ぜひ以上のことを心がけ,お子様の今後の勉強を見守ってあげていただければ,と思います。この記事が今後の学習の手助けとなれば幸いです。

(ライター:大舘)

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