【中学受験】受験勉強には緊張感が大切!引き出すポイントを徹底解説

夏休みも終わり、2学期に入って1ヵ月が経とうとしています。今年は新型コロナウィルスの影響で夏休みが非常に短く、落ち着いて夏期講習を受講することも難しかった特別な夏でした。小学校の休校も続き、受験勉強だけでなく小学校の勉強も短期間に詰め込むという状況が起こっているため、落ち着いて勉強できない、そわそわしてしまって受験勉強に集中できない、という受験生や中学受験の勉強をしている4年生・5年生も多くいらっしゃいます。

中学受験は3年間という長丁場です。そして、3年間にわたる長期のカリキュラムを一つひとつ単元ごとに勉強し、弱点を克服しながら志望校対策をしていく、という流れを踏んでいくことがとても大切です。ただし、長丁場なだけに一度集中力が切れてしまうと、緊張感をもって勉強することが難しくなり、ひとつの単元を学習するにも時間ばかりかかってしまって内容の理解に結びつかなかったり、問題を解く際にも緊張感があまりなく、だらだらと解いてしまうことにつながりかねません。

これから秋、直前期にわたる時期は、特に受験生にとっては短い期間を集中して勉強することが非常に重要になります。そこで緊張感が持てずに時間をむだに使ってしまっては、大きくほかの受験生に差をつけられてしまうでしょう。そのために、できるだけ早く通常の受験勉強の姿勢に戻し、集中して勉強していくことが何よりも大切になってくるのです。

ただし、新型コロナウィルスの影響で来年度の中学入試で何か大きな変更点があるのではないか、と落ち着かない気持ちになるのは当然です。それは保護者の方だけではなく、当然のことながら受験生自身も気になって仕方がないことです。今まで頑張って勉強してきたのに、実力が発揮できないかもしれないという不安が生じたり、どのような問題が出題されるのか、例年通りなのかそれとも難易度が変わるのかといったように、想像すれば想像するだけ勉強が手につかないことになりかねません。

しかし、これから追い込みの時期にそのような不安を抱えていては集中して勉強するどころか、勉強そのものが手につかなくなってしまうことになりかねません。また、保護者の方がそうした不安を抱えているとお子さんは敏感に感じ取ります。影響を受けてしまい、不安感が芽生えると大切な直前期に適度な緊張感を持ちながら集中して勉強することができなくなってしまいます。

これからの時期は、学習計画に基づいて自分の弱点を克服することと、志望校対策をしていくことが両輪として非常に重要です。時間を有効に使わなければやるべきことを最後までやり切れずに消化不良に終わってしまいかねません。中学受験は、お子さんの将来を考え、実力を伸ばしてくれる中学校を吟味に吟味を重ねて選び、そこに入りたいというモチベーションを保ちながらやっていくものです。本来、お子さんの幸せのためにするものであり、結果も含めて不幸な受験にはしたくないものです。

そこで、これから追い込みの直前期にかけて、緊張感を持ちながらどのように学習を進めていったらよいのか、親子で注意する点とコツをご紹介します。受験生と言っても小学生ですから、なかなか自分自身でモチベーションを引き出し、緊張感を保ちながら勉強し続けることは難しいです。だからこそ、直前期は親子二人三脚、プラス塾や個別指導の先生などと連携してモチベーションを上げながら受験勉強に邁進することが大切なのです。受験直前までの親子の関係性についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

学習計画の管理が今後のポイント

9月に入り、2学期以降受験勉強は最後の追い込みに入ります。塾の通常授業以外にも志望校別講座が始まったりと、塾での拘束時間は非常に長くなります。そして、塾で勉強してきて終わりというわけにはいきません。習ったことを定着させるためには、自分でその内容を使いこなせるまで練習することが必要です。

ですから、時間を上手く使っていくことがとても大切になります。塾での授業時間と自宅での自分の勉強の時間、志望校・受験校の過去問を解く時間、それを解き直す時間など、勉強にかけなければいけない時間にはいくつか種類があります。

ただし、いくら分析できたからと言って、実際に受験勉強をするお子さんが緊張感をもって、集中して勉強しなければうまく進んでいきません。だからこそ、緊張感を持たせるためにも学習計画を立てて、それを着実にこなしていくことがとても重要だと言えるのです。

学習計画の管理は誰がする?

本来であれば、学習計画の管理は受験生自身ができるのが一番です。今自分がやるべきことは何か、弱点となっているところはどこでいつまでにどのように克服しなければいけないのか、ということを自分自身で把握しておく必要があるからです。

しかし、受験生と言っても小学生です。大人でも計画通りに物事が完璧に進むということはありませんよね。ましてや幼い中学受験生の場合は、やらなければならないことがどこなのかすら把握できていない可能性もあるので、やはりここはお子さんではなく保護者の方が学習計画の管理をおこなうことが必要になってきます。

学習計画の管理は、お子さんが緊張感をもって、集中して受験勉強を進めていくために非常に重要な保護者の役割ですが、今年は新型コロナウィルスの影響もあり、お子さんも例年以上に浮足立っていることが考えられます。そのため、お子さんがここにきて中だるみしないようにするためにも、保護者の皆さんの目でお子さんの学習状況を把握し、計画通りに進めていくことが非常に重要になるのです。

学習計画の管理はどのようにする?

学習計画の管理の重要性は受験生の保護者の皆さんなら十分にわかっていらっしゃることと思います。では、具体的に何をどのように管理すればよいのでしょうか。

学習計画を管理するということは、つまりは「何を」「いつまでに」「どのように」やるかということを管理することです。たとえば、日々の宿題をきちんと終えているか、弱点補強に時間をかけられているか、志望校の過去問は何年分まで終わっているか、といったことをチェックしていくことが挙げられます。

これを受験生自身がやるのはなかなか難しく混乱してしまうので、保護者の方の力が必要なのです。ただし、頭ごなしに「今日の計画通りにできていないじゃない!」と叱ったりすることは禁物です。また、毎日学習計画を管理し、チェックできればいいですが、その日にやり切れないことも出てくるはずなので、週に2~3回程度で十分です。

その際に、勉強する主体は受験生ご本人だということを忘れないでください。どうしても私たち大人は、少々無理のある計画でも詰め込んで何とか力業でこなそうとしてしまいがちです。しかし成長途中である中学受験生にそれと同じレベルを求めるのはそもそも無理があります。ですから、お子さんと約束事をしましょう。

どのような約束事をするか、ということですが、「学習計画の管理は保護者がする」けれども「それに間に合うようにしっかり勉強を進めるのは受験生」という役割分担意識を保護者と受験生のそれぞれが持つことが大切です。学習計画を立てる前に、1週間のどのタイミングで進捗状況をチェックするからそれまでにしっかり終わらせよう、ということを親子でしっかり話し合いましょう。

そして、「なぜ保護者が学習家格の管理をするか」ということをお子さんに納得するように説明してあげることが必要です。ただ押し付けられた学習計画では、お子さんは実行に移そうにもモチベーションが上がらず、やらされ勉強になってしまいかねないからです。

保護者の理屈だけで考えない

絶対に避けたいのは、お子さんのモチベーションが下がってしまうような理由付けをしないことです。子どもができないことを暗に伝えるような言い方では、かえってお子さんのモチベーションは下がります。たとえば、「あなたはいつも宿題を全部やりきれないから、チェックするから」といったことは言わないようにしてください。つまり、お子さんに対して「あなたはいつも宿題を忘れる」「どこまでやったかも覚えていない」といったように、ことばは悪いですが知らず知らずのうちにディスってしまているのと同じことです。

このように、保護者、つまり大人の立場から「これこれこういう理由で保護者の方で管理するから」ということを、お子さんが「できないから」する、と思わせてしまっては学習計画の管理どころか学習計画通りにお子さんが学習することができなくなってしまいます。お子さんは保護者の方に信頼されていないと思ってしまい、緊張感はおろかやる気すら失ってしまいます。

ですから、学習計画の管理は保護者がする、ということを親子で話し合うときには一方的に保護者の理論を押し付けるのではなく、「こうすれば効率的に勉強できるし、そうすれば勉強時間も短くなるかもしれないよ」「そうしたら安心だよね」「だから、学習計画通りに進んでいるか、1週間のうちいつといつに一緒に確認しよう」「もし、少しくらい遅れても大丈夫。次に頑張ればいいんだよ」というメッセージを伝えてあげてください。

お子さんは、自分の得になることにはとても敏感です。学習計画の管理を保護者にしてもらうことによって、安心して勉強に集中できるという理由をしっかりと、お子さん主体のことばで表現してあげましょう。お子さん自身も数カ月先までの学習計画の管理はできないとわかっているわけですから、保護者の方に管理してもらう方が得だ、と思えば計画通りに学習を進めていこうという緊張感が生まれます。納得したうえで保護者の方に学習計画を管理してもらえば、自分は勉強に集中できる、と思わせるのがポイントです。

学習計画を立てる際に注意したいこと

学習計画を立てる際には、1週間に無理のない学習量を組み込むことが大切です。あれもこれも、と詰め込み過ぎるとそもそも消化不良になるのが目に見えた計画になってしまいます。そういう計画では、いくら保護者が管理するとはいえ、実現不可能なので、常に「計画通りできていないじゃないの!」と言ってお子さんのモチベーションを下げてしまうことになりかねません。だからこそ注意が必要です。

塾の授業を通常授業と志望校別対策講座に分けてまずは計画表に入れ込みましょう。小学校に行っている時間も忘れずに入れてください。通知表のコピーは2学期までのものを中学校に提出することが必要なので、2学期の間は小学校に行っている時間も学習計画の中に取り込んでおくことは欠かせません。

そして、塾の宿題をやる時間と、過去問を解く時間、そして何よりも弱点克服のために使う時間を余白に書き込んでいくのです。1週間の間に、どことどこを克服したいか、ということのあたりをつけておくことが大切になってきます。過去問も、なかなか合格点が取れないときは弱点克服の方に時間を割くなどして臨機応変に学習計画を立て直すことも必要です。

可処分時間にはもちろん限りはありますが、どうしても動かせない小学校や塾の授業時間は固定にして、それ以外の自分の勉強に割ける時間がどれくらいあるかを洗い出してみましょう。その上で、宿題の時間と過去問の時間、弱点克服の時間にバランスを考えながら時間を配分していくことをおすすめします。

学習計画管理をモチベーションアップにつなげよう

学習計画を管理する際には、いくつか注意点があります。1週間の計画に基づいて、お子さんが着実にやるべきことをこなせているかチェックするのが一番重要なことですが、内容についてまでいちいち干渉しないようにすることも大切です。この時期は、勉強の内容については受験生ご本人と塾など指導者に任せるようにしましょう。

ですから、保護者の方が管理の際にチェックすべきことは、たとえば塾の宿題が期限までに進んでいるか確認したり、お子さんのノートの書きっぷりを確認することなどです。特にノートのチェックは意外と大切です。特に女の子のお子さんの場合に多いのですが、ノートをキレイに作ろうとしてノート作りに時間をかけすぎ、計画通りに進められないというケースが見られます。

ノートが真っ白なのは問題外ですが、ノートがキレイすぎないかというのもチェックポイントのひとつです。あまりにキレイなノートの場合、答えを見て丸写ししている可能性もあります。模範解答通りにすべての問題が解けているような場合は実際に問題を解いているところを自然な感じで観察してみましょう。そこでもじもじしているようなら、答えを写している可能性が高いです。

ただし、そういった丸写し行為も、保護者の方に褒められたいというお子さんならではの心境です。ですから、頭ごなしに叱るのではなく、止まってしまっているときに、「もう一度考えてみると良いよ。この問題重要だもんね。解けるようになると力がつくよね」というように声をかけてあげましょう。そして実際に解けたら褒めてあげてください。

ノートが真っ白で問題に対峙できていないときも一緒です。どうしても自力で解けない場合は、塾の先生や個別指導の先生と一緒に解いてきてごらん、と促してあげましょう。ここで保護者の方が「こんなのも解けない」と言ってしまうとお子さんのモチベーションは下がってしまうので注意が必要です。

答えを写してしまっている現場を押さえた場合、頭ごなしに叱るのではなく、なぜ答えを丸写しするのが良くないのか、ということをわかりやすく話してあげましょう。その根本を納得しないとお子さんは答えの丸写しを続けてしまいます。塾の宿題が多すぎる、あるいは今これはお子さんに必要ない、というものは思い切って外すのもひとつの方法です。

あまりに叱ってしまうと、丸写しが見つからない方法を編み出してしまうのが切羽詰まった受験生のやってしまうことです。そういった状態が続くと喧嘩が絶えなくなり、緊張感どころか集中力もガタ落ちになってしまうので、なぜ良くないのか、できるようになるとどういういいことがあるのか、自力で頑張ってみよう、ということをとことん時間をとって納得させてあげるのも必要です。

親子の距離感が適度な緊張感を生む

学習計画を管理することがなぜ必要かというと、お子さんが適度な緊張感を持ちながら、やるべきことを集中してやることがこれから非常に重要になるからです。スムーズにおこなうためには、親子関係が良好であること、また保護者の方がお子さんとの距離感を絶妙に取っていることが大切です。筆者も受験指導の中でさまざまなご家庭と接してきましたが、保護者の方がお子さんとの距離感を適度に取っているご家庭は中学受験に成功することが多いです。

お子さんに何かというと「時間がもったいない」「そんなことしているんだったら過去問の1年分でも解きなさい」といった否定的な声がけが多いご家庭や、計画通りに進んでいないからと言ってお子さんのことを否定するような言葉をかけてしまうと逆に失敗してしまうことが多いです。

上手くいくご家庭の保護者の方は、あまりにもお子さんが怠けているときやいい加減な勉強のしかたをしているときは除いて、毎日のように「勉強しなさい!」と強く言うことはありません。また、成績が下がっても「次にあげればいい」と考え、対応策を家族で話し合って実行に移します。つまり、保護者とお子さんの関係が「適度に近い」距離感にあることがポイントです。

たとえば、お子さんが受験勉強をしているときに、保護者の方も傍らで自分の勉強をするのも良い方法です。たとえば、お子さんが国語の問題を解いているときにその題材になっている本を横で読んだり、何かに打ち込んでいる状態を見せてあげることも大切です。お子さんが「自分ばかり勉強している」とマイナスな思考になることを防ぐためにも、保護者の方が自分のやるべきことを一生懸命やっている姿を見せることも大切です。

子どもは親の背中を見て育つ、というように、保護者の方がお子さんと同じように頑張っている姿を見せてあげるとそれがコミュニケーションの良好さに繋がります。そうすると、お子さんは「安心して」受験勉強に集中できますし、傍らに保護者の方がいらっしゃることによって適度な緊張感を保ちながら勉強することもできます

このような良好な距離感を保つのではなく、「今日は塾で何をやったの」「小テスト難点だったの」「全然宿題で来てないじゃないの」といったように矢継ぎ早にお子さんを否定する言葉を連発すると、お子さんのモチベーションは大切なこの時期にドーンと下がってしまいます。なぜなら、保護者の方に否定されるほどお子さんにとってつらいことはないからです。

また、いつ叱られるかびくびくしていると、安心して勉強できないだけでなく、模試などでも「できなかったらどうしよう、怒られる」と思い、なかには保護者の方の叱る声が聞こえてくるなどしてお腹が痛くなり、模試に集中できずに成績が取れないといったケースも実際にあります。

学習計画の管理は、お子さんが安心しながら適度な緊張感を持って勉強を続けていくためにおこなうことです。ですから、お子さんができたことは褒め、これはやってはいけないということについてはなぜいけないのか一緒に考えるという姿勢をぜひ保っていただきたいと思います。

仕事がお忙しい保護者の方の場合、なかなかお子さんと一緒の時間が取れないということもあるかもしれませんが、今年はリモートワークを取り入れている会社も多いですから、そういった時間をぜひ有効活用してください。なかなか時間が取れない場合は、帰ってきてから30分程度でいいので、お子さんが今日何をやっていたのか、どんなできごとがあったのか聞いてあげる時間、寄り添ってあげる時間をとってあげましょう。お子さんは保護者の方が自分に注意を向けてくれたことが何よりうれしいので、一緒の時間を共有することによって安心してまた勉強に向かうことができるのです。

まとめ

今年は新型コロナウィルスの影響もあり、例年以上に保護者の方もお子さんも緊張感を強いられながら生活を送っています。ですが、過度に緊張しすぎるのではなく、何が起こるかわからないだけにできることは早めにやっておこう、という適度な緊張感を持つことはとても大切です。お子さん自身が納得したうえで、気を引き締めながら日々の受験勉強に取り組むことがこの時期最も大切です。

そのためには、保護者の価値観を一方的に押し付けるのではなく、一緒に決めながら、相談しながら学習計画を進めていくことが大切です。大切なのは親子で適度な距離感を保ちながら、平穏な精神状態でドーンと構えてあげることです。マイナスなことを言うのではなく、マイナスなことが起こったらどうしてそれがマイナスになるんだろうね、ということを親子で話し合い、納得する時間をとるようにしてください。少しでも寄り添ってあげることが大切です。保護者にしかわからないお子さんの性格もありますから、うまくプロデュースして受験までの時間を有効活用していきましょう

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。