【中学受験】思考力って特別なものなの?中学受験で求められる力とは その2

前回の記事では、中学受験でも求められる「思考力」について、どのようなものなのか、これからの大学入試改革に向けて必要とされる「学力の三要素」という考え方の中でご紹介しました。知識・技能を中心に、思考力が求められているのが現在の中学入試だと言っても良いでしょう。

最近の中学入試では「思考力」が重視されている傾向にあるのはたしかです。ですが、思考力を要求しているからといって、特別難解な問題が出題されるわけではありません。しっかりした基礎に基づいて、その問題にくらいついて試行錯誤できるかどうか、その点が問われていると言えるのです。何か特殊な力を身につけるわけではなく、入試問題を解いていくプロセスにおいて必ず必要となる力で合って、これまでの中学入試でも問われてきた力なのです。

また、同じく中学入試で重視されている「発想力」もただひらめけばよい、ということではありません。問題によって生徒一人ひとりひらめき方は違いますし、その場だけでひらめいて解答を作ることを求められているわけではないことに注意しましょう。さまざまな道具を用いて、問題に集中して解答プロセスを作り出していく、という意味で思考力とそれほど違うものだと考える必要はありません。ひらめくためにも必要な知識は必要です。ですから、ひらめきを鍛えるというよりも、発想するために必要な力が根底にあるということを知っておkましょう

学習指導要領の変更に伴い、思考力や発想力が中学入試においても重視されていることはたしかです。ですが、思考力や発想力をどのように育てていけばいいのか、そのピントがずれてしまったり不自然な学習を進めたりしていると、なかなか身につけられるものではありません。

今回は、中学入試で重視される思考力を身につけるにはどのようにしたらよいのか、根底にはどのような力が必要なのかについて考えてみたいと思います。中学入試で求められている力をよく分析し、思考力は受験勉強をしていく中で身につけるものであること、ひとつだけ取り出して考えるものではなく、入試に求められている力全体の中で考えていくことなどについてお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。

基礎ができていなくては思考力は身につかない

前回は、学力の三要素に合わせて思考力とはどのようなものだと中学校側が考えているのか、について解説しました。では、求められる思考力とはどのように身につけていけばよいのでしょうか。思考力にも段階があり、大きく分けて以下の4ステップがあると考えられるでしょう。

  1. 問題文を読んで状況を把握すること
  2. 問題文の中にある情報を分析し、整理すること
  3. その問題に合った的確な手段で解いていくこと
  4. 新しい解法も考えてみること

いろいろな考え方があると思いますが、中学受験に向けて、問題を解いていく中で思考力を養っていくステップとして、このように分解できるのではないかと思います。思考力を身につけるためには、問題一つひとつを解く中で、この4ステップを踏むこと、それも一度にできるようになる必要はなく、一つひとつ順番にステップを踏むことができるようになれば、中学受験で必要になる「思考力」を身につけることができると考えられます。

前提となるステップを軽視してはいけない

塾でも、秋以降「思考力クラス」といったように、特に難関中学対策として思考力を身につけましょう、というクラスが開講されたり、授業の中で重視されたりといったことが始まります。そのこと自体は悪いわけではないのですが、気になる点があります。それは、先に述べた4ステップのうち、1、2を軽視し、3、4を何とかすればよいだろう、と前提となるステップを軽視し、一足飛びに問題演習をひたすらおこない、いつのまにか「思考力ってなんだっけ?」という状態になってしまうということです。

問題に合った的確な手段で解いていくことや新しい解法を考えることはとても大切です。しかし、ただ問題演習を大量におこない、解けた、解けない、ということを繰り返していても、思考力が何なのか、ということは漠然としたままで、結局身についているのか身についていないのかわからないことになってしまいます。そうすると、「うちの子は果たして思考力が身についているのだろうか」とかえって不安になってしまうことになりかねません。

原因のひとつとしては、思考力というものに対して目に見えない大きなもの、攻略しなければいけないけれどどうしたらいいかわからない怖いもの、という意識があることが挙げられます。ですが、それほど難しく考える必要はありません。1、2のステップをおろそかにせず、ある程度っ時間がかかっても4ステップを順に身につけていくことによって解決できるのです。以下、それぞれのステップについてどう対応していくのが良いのかご紹介していきましょう。

ステップ1:問題文を読んで状況を把握

思考力を身につけるための第一ステップは、「問題文を読んで状況を把握する」ことです。問題文を読んで状況を把握するためには、何といっても「正確な読解力」が欠かせません。問題文を正確に読めていなければ、何を聞かれているのか、何を解けばいいのか、という次のステップに進むことができません。

まずは、正確な読解力を身につけることが基礎中の基礎だと言えるでしょう。正確な読解力がないと、入試で聞かれていること、求められている解答を的確に把握することができません。どんなに豊かな想像力があったとしても、正確に問題文を読み進むことができなくては、問われていることからずれていくことになってしまいかねません。

入試で求められているのは、出題者が「これについて考えてね」ということに対して「こう考えて、結論はこうなりました」というキャッチボールができる能力です。その中に思考力も含まれるわけですが、そのキャッチボールをおこなう際にも、問題文を正確に読み取ることができなくては各設問に答えることもできないので、結局問題が解けないということになってしまいます。

読解力というと国語、と思うかもしれませんが、これはどの教科でも必要です。算数や理科、社会でも最近は問題文が非常に長文化されており、何を書いているのかを把握できなくては設問に取り掛かることもできません。国語の読解法が役に立ちますので実践してみましょう。重要なことが書いてある部分にしるしをつけながら、問題文の中に何が書いているのか、ということを各教科の問題文を読むときにも実践してくださいね。

ステップ2:問題文の中にある情報を分析し、整理

ステップ1で、正確な読解力を身につけたら、次のステップは「問題文の中にある情報を分析し、整理すること」です。文章中に入っている図表やグラフをはじめとした「データの読み取り」もここには含まれます。最近の入試問題では、各教科で様々なグラフや図形、資料や実験結果などが含まれていることがほとんどです。そこに入っているデータや条件は、実際に設問を解いていくうえで非常に重要です。

そういった、問題文の中に含まれているデータや条件をしっかり、なおかつ制限時間も意識してすばやく読み取ることが中学受験では非常に重要です。ただ速く、ではありません。正確に読み取る、ということが求められていることに注意してください。データはひとつ読み誤ると前提条件が変わってしまうため、設問を解くことができなくなってしまいます。

データを正確に、すばやく読み取るためには、前提として「このデータはこういうことだな」と読み取ることができる「基礎知識」が必要です。たとえば、理科の化学の物質の解け方についての問題であれば、どの物質にどのような性質があるのか、それはどういう反応をするのか、中和するにあたってどのような条件があるのか、その条件に基づいて計算するときにはどの知識が必要なのか、ということをデータを読み取りながら素早く頭から引っ張り出してこなくてはなりません。

つまり、データや条件を正確に、すばやく読み取るためには、必要となる前提知識、つまり中学受験で身につけておかなければならない基礎知識を徹底して身につけておくことが必要であると言えるでしょう、そのような知識なく単にデータや条件を見ても、なんのことやらわからないだけでなく、少し条件に手を加えられたら太刀打ちできず、意味も分からず大問1つまるまる落としてしまうことにもなりかねません。

ステップ1、2は、いわば「思考力」の土台となる基礎力です。これが身についていなくては、いくら難しい問題を解こうとしても決して解くことはできません。基礎力というとどうしても軽視しがちになる受験生が多いのですが、ないがしろにしていては解ける問題が増えないばかりか間違いを連発することになってしまいます。

ステップ1、2はコツコツと

思考力はたしかに重要なものですが、思考力を身につけていくためには文章を読んでしっかり把握する、データや条件を正確にすばやく読み取るという基礎中の基礎が身についていなければ思考力を要求する問題には太刀打ちできないということを知っておきましょう、知識を何でも詰め込めば良いというものではありません。知識の1問1答のような問題はもはや中学入試ではほとんど出題されませんし、知識と知識のつながりを理解していることが重要です。

そのためには、一つひとつの知識を正確に理解し、定着させ、他の知識とのつながりを意識し、必要なときに必要な知識を出してきて使いこなせる、という一連のステップが必要です。思考力と知識は一心同体なのです。

まとめ

今回は、中学受験で必要な思考力のステップについて、4ステップのうち2ステップまでの重要性について解説しました。思考力というのは、決して難しく考える必要はありません。基礎基本をしっかり身につけ、条件を正確に読み取ったうえで試行錯誤する、そのステップを繰り返すことこそが思考力の養成に繋がります。ぜひ、意識してみてくださいね。次回は、ステップ3、4と、思考力養成における注意点についてまとめていきたいと思います。

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