【中学受験】中だるみしてほしくない!夏休みに保護者ができるサポート

中学受験のカリキュラムは、4年生からはじまり、約3年間にもわたる長丁場です。その間、毎日のように塾に行き、宿題に取り組み、習い事や友達と遊ぶ時間は抑えて、という日々を送っていて、息つく間もない、というのが現実ではないでしょうか。受験勉強は長丁場にわたる自分との戦いですが、3年間ずっと集中力を保ちつつけるというのは、小学生にとっては非常に難しいことです。大人でもなかなかできることではありません。

ですから、受験勉強に臨むにあたっては、やはり適度に休憩時間を入れて、頭と体を休めながら進めていくことがとても大切になってきます。趣味や読みたい本を読んだりして、その時間は思い切り楽しむ、という方がその後の学習もはかどります。しかし、やはり小学生なので、たとえば「何時まで休憩しよう」と決めても、再度切り替えて休憩時間が終わったら再び勉強机に向かうときにだらだらしてしまいがちです。一度中断した集中力を再び取り戻してまた受験勉強に戻るには、強い意思が必要です。一度緩めた状態を再び緊張感のある集中した状態に切り替えるのは、休憩に入るときよりやはり強い精神力が必要です。

長時間勉強していると、体だけでなく脳が疲れてきます。脳の疲労を回復することはとても大切なので、勉強につかれたら適宜休憩をとることは必要です。そこから戻る際に、だらだら、いやいや勉強を再開し、机に向かっても上の空で集中していない、というように見えることも多いのではないでしょうか。

とくに夏休みは1年の中間地点でもあるので、一番中だるみしやすい時期でもあります。学習する内容が多く、長い拘束時間のなかで勉強するので、当然宿題もたくさん出ますし、今年は夏休みが短縮されるので1日1日のプログラムはかなり突貫工事になっていると思います。そのようなな中、時間が来たら休憩はやめてまた勉強しなさい、というと反発するお子さんも少なくありません。

勉強に疲れて休憩して、時間が来たからまた勉強しなきゃ・・・とお子さんは頭ではわかっています。でも、もう少しゆっくりしたい、と考えてなかなか勉強を再開しない、というケースもこれから目立つようになるかもしれません。メリハリをつけて勉強するときはする、休むときは休む、といったように日々を過ごしていけるのが一番良いのですが、なかなかお子さんの自主性にだけ任せていると先に進まなくてやきもきするという保護者の方も多いと思います。

今回は、夏休みの中だるみを防ぐために、保護者の方ができるサポートと、お子さんの様子をよく観察してどう対処したらよいのか解説します。

粘り強く見守るスタンスが基本

保護者から見ると、受験生なのに休んでばかり、一度休憩したらなかなか勉強に戻ろうとしない、という状況だとイライラしてしまいますよね。そうすると「いつまでだらだらしてるの!休憩はもう終わりでしょ!勉強しなさい!」と言ってしまいがちになると思います。ですが、その対応は果たして正しいのでしょうか。

もちろん、普段からのお子さんの勉強に対する態度があまり良くない場合、注意することは必要です。ですが、受験勉強で疲れている受験生にとっては、1分でも多く休みたい、もう少し休んだら勉強に戻ろう、と考えていたのに「勉強しなさい!早く!」と言われてしまうと反発を覚え、「勉強しない」ということになり、親子げんかに発展してしまうケースも少なくありません。

ですが、これからも受験勉強を続けていくなら、勉強と休憩のメリハリをつけることはとても大切になってきます。適切な球速はその後の勉強をはかどらせてくれます。できれば、お子さんが自分から区切りをつけてまた勉強に戻ってほしいですよね。そのためには、保護者の方の基本的なスタンスは「粘り強くお子さんを見守る」ことが一番です。

ただし、ただ見守っていていつ勉強に戻るのかハラハラするという場合、あるいはいつまでもダラダラしていて時間を浪費している場合は、お子さんが休んでいるときの様子をよく観察して、「そろそろ・・」と促してみるのがおすすめです。上から高圧的に命令するのではなく、お子さんと同じ目線に合わせて、今やるべきことを共有する、という感覚が大切です。

お子さんの休憩時間、どう見守りますか

小学校高学年ともなれば、やはりお子さんが休憩時間にやりたがるのはゲーム、ではないでしょうか。ひとたびゲームを始めると夢中になってしまって、制限時間を設けていたのにその時間を過ぎてもいつまでもゲームから手を離さない、あと少し、といった態度をとる受験生も少なくありません。そんな場合、保護者の方としては「いつまでゲームばかりしてるの!早く勉強に戻りなさい!」とついつい上から命令、指示してしまいますよね。

たしかに、このように叱ることによってお子さんを再び勉強机に向かわせるのは一番手っ取り早いかもしれません。ですが、「いつまで」「ばかり」「早く」といった漠然とした命令や指示では、具体的でないためお子さんは反発心を持ってしまいかねません。そうすると叱られたので「しかたなく」勉強机に戻ったとしても、「勉強しろって言われたから」「これ以上怒られたくないから」という気持ちになっているので、勉強に集中できません

また、こういったことが繰り返されると、「叱られるまでゲームをしよう」と都合よく解釈してしまい、主体的に学習に向かうことができなくなってしまうことが非常に多いです。これからの時期は、以下に主体的に受験生自身が受験勉強に向かうことができるか、が最も大切です。勉強や志望校に対するモチベーションが下がってしまうと、いわゆる中だるみ状態から抜け出せなくなってしまうので注意が必要です。

切替のタイミングを親子で相談しておく

保護者の方の対応としては、何も言わずにじっと待つ、あるいは上の例のように叱ったりするアクションを起こして勉強に向かわせる、など、いくつかのパターンがあることでしょう。それは、保護者の側から見て「猛勉強する時間だからどうしよう」という気持ちを持ちながらの対応ですよね。では、お子さんの側はどのように考えているでしょうか。

何も言わずにじっと待たれていると、「あれっ、もう勉強する時間だ」と思うお子さんもいれば、「叱られたからやる気が失せた」といってさらに休憩を続ける、など、お子さんなりに自立心が芽生えている時期なので、「こうすればこうなる」というセオリーはお子さんによって異なるということに注意が必要です。

そのためには、親子の間で「勉強スイッチ」を入れるタイミングを話し合っておくことが大切です。いつも命令されてやらされ勉強に終始してしまっては、いくら勉強机に向かっていても効果は低いという結果になりかねないので、保護者の側からスイッチを入れてあげるから、どのタイミングがいいか話し合い、お互いそれを守る、というスタンスが望ましいです。

たとえば、「そろそろ勉強する時間だよー」と言ってほしいか、それとも黙って見守って自分が気づくまで放っておいてほしいのか、そうすれば自分から気づいて勉強に向かうのか、あるいは休憩から勉強モードに切り替わったときはどんなことばをかけてほしいか、といった具合に話し合っておくと良いでしょう。

望ましいのは、お子さんがどのように保護者の方に関わってほしいのかを「自分で考える」ということです。自分で考えた方法なら、それを破ることは約束を破ったことにほかなりませんから、お子さん自身の反省材料になります。ですから、お子さんが自分で考えた方法に対して、保護者は声掛けなどのサポートをする、という形を取るのがお互いの立場から一番スムーズだと言えるでしょう。

勉強時間と休憩時間のスイッチは、1日の勉強をどのようにどのくらい進めるか、というプロセスをお子さん時間が決めることが受験生であれば望ましいです。4年生、5年生だと少し難しいかもしれませんが、受験学年である6年生であれば、よく話し合えば理解できる内容です。保護者の方はお子さんが休憩して心身を休め、リフレッシュしてもう一度勉強を始めるのには実は大きなエネルギーが必要だということを知っておきましょう。

お子さんが自分から再び勉強スイッチを入れられれば一番いいですが、それができないお子さんの場合は、上から高圧的に命令するのではなく、お子さんの性格に合わせてスイッチを入れることばを掛けるようにしていくと良いでしょう。お子さん自身が「受験勉強は自分がやるもの」という当たり前ですが忘れがちな意識を持つためにも、対応のしかたには最新の注意が必要です。

お子さんが気持ちを切り替えた瞬間がチャンス

受験生といっても小学生ですから、ゲームを始めたらもう少しやりたい、という気持ちを持つのはある意味当然のことです。でも、その「もう少しやりたい」という気持ちをがまんして、再び机に向かい、勉強スイッチを入れたタイミングが、保護者の方が声がけをしてお子さんの気持ちを上げるチャンスです。つまり、「お子さんが「気持ちを切り替えた瞬間」を見逃さないことが大切です。

たとえば、「ゲームしてたけど、自分から勉強に切り替えたんだ!すごいね、気持ちの切り替え方、教えて!」といったような声掛けは非常に有効です。休憩から勉強への切り替えは、単にゲームをやめて勉強を始めた、といったような単純なことではありません。勉強机に向かう、という行動のほかに、お子さんが内面の葛藤に打ち勝った、ということが大切なのです。

本来であればもっとゲームをしたかったけれど、勉強をそろそろ始めなければ、というように、お子さんは自分自身の中で葛藤した結果、「勉強スイッチに切り替えた」わけですから、そこを見逃さずに、「どうやって気持ちを切り替えたか」をお子さんがことばにできるようにうながすと良いでしょう。

決して保護者の方から答えを言うのではなく、お子さんがうまく気持ちをことばにするよう見守る姿勢が大切です。声がけをすると、「見ていてくれたんだ」という自己肯定感がお子さんの中に生まれます。それが、切替後の学習態度に大きく関わってきますし、成長に繋がります。

中だるみが見られたら中学受験について親子で話し合う

中学受験をしよう、と家族みんなで決めたのに、なぜ中だるみが起こるのでしょうか?単に体が疲れたから、というだけであればまだ良いのですが、もしかすると精神的に追い詰められていたり、受験に対するモチベーションが下がりかけている可能性もあります。もし中だるみ状態が目についたら、中学受験をすることについて、親子で話し合う機会をなるべく早く持つことが大切です。

お子さんのモチベーションを下げない声がけを

中学受験は「親の受験」と言われるくらい、保護者の方の存在が大きな受験です。中学受験を決める際にも、どちらかというと保護者の方の誘導にお子さんがのって始めた、というご家庭も多いのではないでしょうか。そもそもは「わが子に合う学校に行かせたい」「力を伸ばしてほしい」という保護者の方の願望からスタートしていることが多いです。

ですが、きっかけは保護者の方の願望であったとしても、実際に受験勉強をするお子さんの中に少しずつ主体性や、「あの学校に行きたい」という気持ちが芽生えてきている時期です。「自分がこういう結果を欲しいから勉強する」「あの学校で6年間過ごしたいから頑張る」という意識を持てるようによく話し合い、その気持ちを思い出させてあげるように語り合っていただきたいと思います。

お子さんの気持ちは学年が上がるごとに変化している

中だるみが続いているように思われたら、親子で話し合っていただきたいのは以下の点です。

  • 中学受験したいと思っているのか
  • 志望校に行きたいと今も思っているのか
  • 将来はどんな道に進みたいか希望はあるのか

この3つは、中学受験をするなら、折に触れて親子で確認しておきたいテーマです。学年が変わる時期、成績が下がった時期、あるいは上がった時期、そして今回のテーマである中だるみ状態の時期、などがそのタイミングです。

中学受験生活は、4年生からの3年間のカリキュラムで進めていくと考えると、約1,000日にもわたる長丁場です。また、4年生から6年生にかけての小学校高学年の時期というのは、お子さんが非常に成長する時期でもあります。中学受験が山あり谷ありなのは、受験生活と成長期がちょうど重なるということが大きな要因です。1,000日もあれば、時間の経過とともにお子さんの気持ちは変化していきますし、保護者の方の考え方も変わっていくでしょう。

このように親子で変化しながら過ごしていく受験生活ですから、感情的なぶつかり合いは避けたほうが賢明です。もちろん、隠すことなく親子で中学受験に対してどのように考えているのか共有することは大切ですが、あくまで冷静に、まずはお子さんの考えをよく聴いてあげてください。

その際に、かぶせるように「あなたが受検するって言ったんじゃないの」などと高圧的に感情をぶつけるのはNGです。そのことばをきっかけに、お子さんは自分を否定された気持ちになり、受験勉強を続けるとしても、「言われたから勉強する」という消極的な姿勢になってしまいます。あくまで、お子さんが納得して受験勉強に取り組むことができるように、よく聴きながら方向性を修正していきましょう。

お子さんの内面にも配慮を

親子で時期ごとに中学受験について話し合い、お子さんのモチベーションを維持することは、中だるみを予防するためにも大切です。その際は、お子さんの話をよく聴くことがもちろん大切ですが、お子さんもうまくことばにできない思いについても配慮してあげることも大切です。

実は「この教科のここがわからないのだけど、基本的すぎて誰にも聞けない」という悩みを抱えているかもしれません。そのため、その教科の勉強に積極的に取り組めていない可能性もあります。そういった、声にならないお子さんの声をくみ取ってあげるのも保護者の大切な役割です。

あるいは、志望校について、親子で話し合った中学校よりも行きたい学校が実はできたけれど、なかなか言い出せない、ということもあるでしょう。それは、秋以降の学習にも密接にかかわってくることなので、なんでもオープンに話せるように、話したからといって否定しないような環境を作っておくことをおすすめします。

受験生といっても小学生ですから、もしかすると漠然としていてまだことばにできない思いはたくさんあるはずです。なかなか具体的なことばにできないお子さんの内面についても、言動から察してあげて、話しやすい空間を作ってあげてくださいね。それが、中だるみを防ぐために一番大切なことです。

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