1月に入り、いよいよ入試までカウントダウンという時期になってきました。1月10日からは埼玉入試、1月20日からは千葉入試、そして2月1日からは東京・神奈川の入試が解禁となります。
入試が近づいてくるにつれて、焦る気持ちや緊張感が高まってくるのはどこのご家庭でも同じことです。それでも親子でそろって心身ともにおちつき、ベストなコンディションで入試当日を迎えたいですよね。
そうはいってもただ時間が過ぎていってしまって、冷静になれない、ということもあるでしょう。そのようなときにチェックしておきたいポイントを今回はご紹介します。当たり前のように思えることもあるかもしれませんが、意外と抜けてしまっていることは多いものです。
入試直前の時期は、お子さんの状態に波が出ないようにすることが何よりも大切です。そのためにはお子さんはもちろんですが、保護者の方が常日頃からお子さんの様子をチェックし、入試当日に向けてさりげなく改善していき、ベストコンディションに持っていくことが大切です。心構えも含めて気をつけるべきポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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お子さんの「朝時間」の状態をチェックしよう
お子さんによっては朝型、夜型など、元気な時間帯が異なるものです。しかし、入試が行われるのは基本的に午前中です。午後入試ももちろんありますが、第一志望校の入試は午前中に行われるという方がほとんどではないでしょうか。
そこで、やはり入試がはじまる時間帯にベストなコンディションで向かうことができるように調整しておくことがとても大切になります。入試のタイムテーブルは受験票や入試要項に書かれていますから、それを参考にして、入試が行われる時間帯に集中力や思考力がベストな状態に持っていけるようにからだを慣らしておくことがとても大切です。
ベストコンディションに持っていくために
試験開始の時間から逆算してお子さんの状態がベストになるのにどのくらい時間がかかるか考慮し、入試の日には何時に起きてどのように移動し、入試時間にぱっちり目がさえて良いコンディションで入試に向かうことが大切です。そこで、お子さんが起きてからベストな状態になるまでにどのくらい時間がかかるかをチェックし、ベストなコンディションになるためには何時に起きるのが良いのかをチェックしておいてください。
ただし、夜型とはいっても、睡眠がしっかりとれて、朝にはいつもと変わらず学校に行けていた、というお子さんの場合は、無理に早く寝かせようとしてもできないこともあります。その際には、無理に早く寝かせよう、完璧な朝型に仕上げなければ、と焦る必要はありません。要は入試の時間帯にベストコンディションであればよいわけですから、お子さんの状態を見ながら、またお子さんと対話しながら一緒に確認し、ベストコンディションとなるために必要な時間を割り出しましょう。
朝の学習も入試を意識して
4教科の入試、あるいは算数・国語2科入試の場合、入試当日のタイムテーブルは最初に算数・国語の入試が行われることがほとんどです。そのため、これはお子さんの状態や気持ちの状態にもよりますが、教科別の学習時間を考える際には、算数・国語については朝に取り組むことをおすすめします。特に朝は夜よりも頭がさえているので、計算を必要とする算数や国語の読解問題や語彙力アップのための学習に集中できると言えるでしょう。
朝に学習を行う際にチェックしたいポイントのひとつに「ケアレスミスが多くなっていないか」という点があります。もし朝に学習をおこなっていて、ミスが増えがちだな、と思ったら、その時点ではまだお子さんの脳がしっかり起きていない可能性があります。その場合は、もう少し早く起きてみるなどして、起きてからどのくらいの時間でお子さんの脳がしっかり働き始めるかということを知っておく必要があります。それに合わせて直前期の学習スケジュールを立てていくと良いでしょう。
このように、お子さんが目覚めてから頭がしっかり働き始めるまでどのくらい時間がかかるかを知っておけば、たとえば算数であれば計算問題からやって慣らすか、それとも大問から取り組むか、といった優先順位を決めることができるようになります。朝一番で合ってもじっくり考える問題に取り組めるのであれば大問からはじめ、やはり少し計算でならしてからのほうがじっくり集中して学習に取り組めるというのであれば計算練習を一定時間行ってから大問に移行する、といったように臨機応変に対応できるようにしておきましょう。
理科や社会は、この時期暗記系の学習も増えているのではないでしょうか。知識がないと解けない問題も多い教科ですから、知識が定着しやすい夜、寝る前に暗記事項をしっかり頭に叩き込むと効率的なことが多いです。朝に暗記ものを集中してやったとしても、その1日が終わるころにはいろいろなできごとによって暗記したことの上にその日のできごとの記憶が上書きされてしまうので、定着しにくい、というお子さんも少なくありません。筆者も受験生を見て、暗記は朝に集中してやっても忘れてしまうな・・・と感じたことは一度や二度ではありません。
お子さん一人ひとり個性がありますから、ほかの人がどうか、ということを考える必要はこの直前期にはまったくありません。それよりも、お子さんの状態をよく見ながら、1日のスケジュールを立て、うまくいかなければ順番を入れ替えてみるなどしていきましょう。お子さんごとに個別に最適化していくことが大切です。教科や思考なのか暗記なのかといったことも考慮に入れながら準備を進めていくようにしてください。
小学校は休ませる?
入試直前期になると、小学校をやすませたほうがよいのか、というご相談をよく受けます。特に今年は新型コロナウィルスの感染拡大という特殊な事情があるので、なおさらどうしたらよいか迷っているという保護者の方は少なくありません。
結論から言うと、お子さんが体を動かしたい、どうしても小学校に行きたい場合には間引きして行かせるのもアリですが、新型コロナやインフルエンザも流行る時期なので、入試日を除いて1月は小学校をなるべくお休みし、直前期の勉強に当てるのも受験生のご家庭では珍しくありません。どうしても人が集まるところに行けばそれだけ感染リスクが高くなりますし、入試を行う中学校自体も感染対策を万全にしていますが、それだけでもリスクがあるということは理解しておく方が賢明です。
通知表のコピーは2学期まで
小学校によりますが、いつ、どこの中学校を受験するかを書いて提出することもあります。その場合は欠席ではなく「出席停止」という扱いになります。もちろんそうした用紙は提出しておく必要はありますが、問題はそれ以外の日です。ここで思い起こしていただきたいのが、願書と一緒に提出する通知表のコピーや調査書などの書類です。通知表のコピーや調査書には出席日数、欠席日数、遅刻日数なども載っており、中学校側が提出させるのにはひとつにはこうした欠席、遅刻の日数を見るため、という要因があります。
ただし、通知表のコピーや調査書に記載されるのは2学期、つまり前年の12月までのことです。したがって、1月の出席日数・欠席日数・遅刻日数などは中学校にはわかりません。つまり、1月は入試準備のために休んだとしても、小学校から様子伺いの電話はかかってくるでしょうが、大きな影響はなく、入試が終わってからまた卒業式までの日々を小学校で精いっぱい過ごす、ということができるのです。
これはご家庭の判断によりますが、もちろん小学校生活は残り少ないですし、日々のスケジュールを崩さないためにも行かせたい、とお考えならば行かせるのが良いでしょう。また、お子さんがどうしても小学校に行きたい、という場合も同様です。しかしもし、そのような状況ではないのであれば、思い切って休める日は小学校をお休みするのもひとつの方法です。
感染症にかからないことが一番の理由ですが、この時期はそういった要因がなくても緊張感から焦ってしまい、勉強が思うように進まないこともあります。また、塾のスケジュールがタイトになり、特に志望校別の講座などがある場合は入試を受けたその足で夜には塾に通う、ということも少なくありません。そうするとお子さんがパンクしてしまうこともあり得るのです。
そうした状態にならずに、落ち着いて入試を迎えるためには、ある程度心身の余裕を持っている状態にしておくことが必要です。ご家庭で親子でよく話し合い、1月中の入試のスケジュールや塾のスケジュールなどを総合的に考慮して、小学校に行く日、行かない日を決めておくことをおすすめします。
その際には、親子で対話しておくことが重要です。いつも通り小学校に行くほうが気分が楽というお子さんもいるでしょうし、特に私立小学校に通っている方の場合、通学に時間がかかって疲れてしまうから休ませたい、という事情など、ご家庭によって理由はさまざまです。
ただし、お子さんのモチベーションを無視して保護者が一方的に決めることは避けたほうが賢明です。また、ほかのお子さんに合わせていくか行かないかを決める必要がないことも伝えたうえで、お子さん本人の気持ちに最もフィットする方法をとることをおすすめします。
特にまじめな性格のお子さんに多いのが、塾と小学校の両方の勉強量が追い詰められてしまってパニックになってしまうということです。そうした状況を考慮せずに一方的にお子さんに方針を押し付けてしまうのはやめましょう。困っている、追い詰められている様子は表情を見ればわかるものです。「みんながんばっているんだからやりなさい」と押し付けるのではなく、親子でよく話し合ってどうしようか進めることが大切です。そのほうが、お子さんも保護者の方もよけいなプレッシャーに苦しみ、潰されてしまうことを避けられます。
入試が迫ってくると、親子でどうしても緊張感、不安感をもつものです。保護者の方が焦るあまりにお子さんを追い立てるような声掛けをしてしまったり、逆に不自然にことばをかけない、緊張を無理に隠すようないつもと違う行動をすることはかえって逆効果になります。まずは保護者の方が落ち着いて、いつも通り自然体に過ごしてお子さんと対話する時間をとることが大切です。緊張しているなら「緊張するよね」「でもこうしてやっていれば大丈夫だよ」と、親子で共有してそれを克服していくムードを積極的につくっていきましょう。
ただし、小学校をお休みしたからと言ってだらだら時間を過ごしてしまうことは禁物です。否が応でも高まる入試直前の緊張感を和らげつつ、余裕を持って直前期の学習を進めることと、体調を万全に整えることが目的なので、そこはしっかり意識しておきましょう。
健康管理のためにできること
入試直前期ということもあり、保保護者の皆さんはお子さんの体調管理に苦心していらっしゃることと思います。乾燥が激しい時期なので、喉が弱いお子さんは扁桃炎など炎症をおこしてしまったり、痛みが出てしまったりして勉強に集中できないということも少なくありません。また、季節性インフルエンザも流行の時期ですから、熱が出ないようにも注意しなければなりません。
何よりも今年は新型コロナウィルスの感染拡大という特殊な事情があるので、例年以上に消毒・殺菌をしっかり行っていく必要があります。では、受験生の皆さんのご家庭で行っている対策はどういったものがあるのでしょうか。また、おすすめのアイテムはあるのでしょうか。ここでは、中学受験生を持つ保護者の方を対象にしたアンケートをご紹介します。テーマは「体調を崩さないために、どのような健康管理を行っているか」です。
寄せられた解答として多かったのは、「マスクの着用」「人ごみを避ける」というものでした。そのほか多かったのは、「帰宅後の手洗いの徹底」「手指や触れるものを消毒する」という回答などです。これらは新型コロナウィルスの影響から、私たちの新しい生活様式として提唱されてきたことなので、実践しているご家庭が多いことが分かります。
一方で、「食事に気をつける」「睡眠時間を多くとる」といった回答はあまり多くなかったのが気になるところです。食事や睡眠時間は、お子さんの健康管理に非常に重要ですが、それだけでなく、学習の効率を上げる、維持するためにも不可欠な要素だと言えるでしょう。
そこで、入試直前期は、保護者の方には意識してお子さんの食事の栄養バランスと、睡眠時間の確保を行っていただきたいと思います。これが崩れてしまうと健康状態が万全でないまま入試に突入してしまうことになるので注意してください。
新しい生活様式プラスアルファも大切
新型コロナウィルスの流行にともない、厚生労働省が新しい生活様式を発表しました。それは「身体的距離の確保」(密を避ける)「マスクの着用」「手洗いの徹底」ですが、先ほどのアンケート結果からもほとんどのご家庭で意識されていることが分かります。
ただし、意外にできていないこともあります。それは、「外出先での口の中の殺菌・消毒」「外出先でのうがいの徹底」です。外出先から帰ってきてうがいをするということはしていても、外出先ではあまりやらないという方が多いのではないでしょうか。
外出先でもなにかしらのちょっとしたタイミングでマスクを外したときや食事中など、口から菌やウィルスがダイレクトに体内に侵入してくる機会は案外多いものです。ですから、外出先でも意識したいところですが、気軽に外出先でうがいをしに行くということはあまり考えにくいかもしれませんし、第一うがいができる場所がなければ難しいですよね。
「CPC」成分で口の中の菌やウイルスを殺菌・消毒できる
口の中の殺菌・消毒といっても、具体的にどうしたらよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。気軽に携帯できるアイテムとして、「GUM」の「お口/のど殺菌スプレー」があります。特徴は「CPC」という成分が配合されていること、吐き出す必要がないことです。原因菌を殺菌・消毒できるスプレーで、手のひらサイズなので形態がしやすいので外出時にも便利です。目立たずに一瞬で使用することができるのも特徴だと言えるでしょう。
厚生労働省が発表している新しい生活様式プラスアルファとして、口の衛生も大切です。口の中の殺菌や消毒に使えるこのようなアイテムを取り入れてみると気軽に殺菌・消毒できるのでおすすめです。
特に入試直前期の冬は、空気が非常に乾燥します。そうすると、口の中やのどが乾燥し、ウィルスや細菌などといった、外からの侵入者を防御する機能が弱まってしまうことが少なくありません。「GUM」の「お口/のど殺菌スプレー」には「CPC」という成分が配合されていますが、この成分は口の中の原因菌やウィルスを殺菌・消毒してくれます。のどがはれやすい、痛みが出やすい、といった場合や、痛みが出ている、腫れが気になる場合は携帯して使ってみると良いでしょう。
外出から帰ってきてケアするのはすでに定着した生活様式ですが、外出先でも気になるタイミングでさっと細菌やウィルスを殺菌・消毒できるとより安心感が高まります。この冬はやはり口の中の殺菌や消毒に気をつかっている人が増えているようで、「GUM」の「お口/のど殺菌スプレー」は、昨年比約3倍の売り上げだそうです。
たとえば、入試当日、午前の入試を終えて外で食事をし、午後にも入試を受けるという方も多いでしょう。また、入試のあと塾で授業を受ける方も少なくありません。そうしたときに歯磨きをしたいけれどできる場所もなく時間もない、といったときにシュッとスプレーするだけで口の中の殺菌や消毒ができ、口の中がさっぱりするので午後からの入試や授業にも集中できます。
そのほか、小学校から直接塾に行くときや、電車やバスなどの人の多い場所に行ったときなどは長時間マスクを着用することになります。そうすると気になるのが口臭や口の中の気持ち悪さです。そうしたときにもいつでもどこでも使えますし、カバンに入れてもかさばらないので、親子で持っておくと安心です。ただし、5歳未満は使用できないので、年齢の満たない下のお子さんに使うのはやめておきましょう。
家族全員で取り組もう
入試直前期は、受験生本人の健康はもちろんのことですが、家族全員が受験態勢に入り、健康管理を徹底するという意識を持つことが大切です。外出時のマスク着用や手指の消毒に加えて帰宅したときのうがいは徹底してください。自己防衛することが結局は感染を防ぐことにつながります。
そして、栄養バランスを考えた食事や睡眠時間をしっかりとることを意識して、それが特別ではない、当たり前のことにしてしまいましょう。お子さんの体調サポートのためには、ご家族全体で取り組むことが大切だということを意識してくださいね。
入試当日にチェックしたいポイント
いよいよ入試当日、となったときに一番大切なのは「平常心を保つ」ことです。ですから、ことさら入試だから、と口に出すよりも、普段通り1日を過ごせるように意識することが大切です。当日にチェックしておきたいポイントを以下に挙げるので、参考にしてください。どれも基本的なことですが、意外と抜けてしまいがちなのでチェックしておきましょう。
持ち物は自分で持つこと
中学受験の場合、入試会場にお子さんがひとりで行くということはあまりないでしょう。保護者の方が付き添って一緒に行くことがほとんどです。その場合、お子さんの負担を減らそうと、荷物を保護者の方がすべて管理し、持ってあげるケースがときどき見られるのですが、これは避けましょう。自分の持ち物は絶対にお子さん自身に管理させることが大切です。
入試会場はごった返しています。多くの受験生が集まってくるので、混乱することもあります。そうしたときに親子がはぐれてしまうことも十分にあり得るのです。万が一はぐれてしまっても入試に支障が出ないように、お子さんの荷物はお子さんが管理し、持っていくようにしましょう。特に受験票を保護者の方が管理するのは危険です。お子さんがきちんと持って、受験するんだ、と意識することも大切です。
筆記用具は使い慣れたものを
入試だから、と新しい筆記用具を用意しよう、というご家庭がありますが、入試では使い慣れた筆記用具で受験するほうが緊張しすぎずにおすすめです。新しい筆記用具をはじめて使うと、重心や使い心地が変わってしまうので、書きにくいと感じることがあります。鉛筆やシャープペンシルの芯が折れやすくなってしまうと焦りますよね。制限時間が厳しい入試本番ではなおさらです。
そのようなことがあると、新しい筆記用具を使いこなそうと脳がそちらの方に集中してしまいます。それでは、入試に集中できなくなってしまい、本末転倒です。いつもの実力を入試の現場ですべて出し切るためにも、極力いつもつかっている使い慣れた筆記用具を使うことをおすすめします。
服装は温度調節しやすいものを
面接がある学校の場合、ブレザーなど少しフォーマルな服装で行くこともあるでしょうが、基本的には普段着で構いません。それよりも大切なのは、学校によって、また入試会場の部屋や座る場所によって意外と温度差があるということです。
受験者が多い中学校では、体育館などひろくがらーんとした場所を試験会場にすることもあります。そうすると以外に寒く、入試に集中できないこともあります。反対に小さな教室の場合、暖房が効いていて途中で暑くなってしまうこともあります。
そのため、入試当日の服装は、受験会場によってその場でお子さん自身が調整しやすいものをチョイスすることをおすすめします。脱ぎ着しやすいように重ね着をしておき、暑い、寒いに合わせて1枚脱ぎ着するようにしましょう。
体感温度は集中力に大きく影響します。ですから、そういったことが気になって入試に集中できないという事態は避けなければなりません。暑すぎる、寒すぎる、という事態で入試の妨げにならないように備えましょう。ヒートテックの短パンなどを冷え防止にはいておいてはきなれていないタイツは避ける、などできることはいろいろあります。動きやすく集中できる服装で入試に挑みましょう。
受験票のコピーは携帯しておこう
入試の際は、受験票を机の上に常に出しておきます。ですが、入試当日なぜか受験票を忘れてしまうという受験生はいるもので、入試要項にも受験票を忘れた場合には申し出てください、と書かれているほどです。
受験票は1枚しか発行されませんが、受験票のコピーを常に財布などに入れておき、携帯しておくと良いでしょう。スマホで撮影して画像でも保存しておくと、番号なども忘れないで済むのでおすすめです。万が一忘れてしまった場合は、受験番号を申し出て当日発行してもらうこともできるので、落ち着いて行動することを忘れずに。
トイレは事前に必ずすませておこう
これは当たり前のように思えることなのですが、実は重要なことです。中学校によっては試験中にトイレに行くことを可としている場合もありますが、制限時間が厳しい試験時間中に中座することは時間のロスになるばかりか、リズムを崩してしまうことになりかねません。ですから、入試がはじまる前にトイレはすませておくことが大切です。
試験中にトイレに行きたくなると集中力が格段に下がってしまいます。せっかく努力してきたのですから、万全の状態で入試を受けたいですね。最初の科目の入試がはじまる前は特に重要です。ただし、校門から試験会場となる建物まで距離があり時間がかかることもあるので、試験会場に到着する時間に余裕を持っておくことも大切です。塾の先生による校門激励で、なかなか前に進めないこともあり得るので、前もって時間を割り出しておきましょう。
公共交通機関を利用する
中学入試では、公共交通機関を利用するのが通常です。自家用車で行くという受験生がときどきいるのですが、学校の近くに駐車場がないことも多いですし、止めるところがなかなかなくて時間切れということにもなりかねません。また、渋滞に巻き込まれる可能性もありますが、渋滞で遅刻した場合は特別措置は行ってもらえないので、最初の教科の時間に間に合わなければ入試自体を受けることができなくなってしまいます。そのため、自家用車で受験会場に向かうことや止めましょう。
公共交通機関であればもし遅延が起きた場合も、遅延証明書をもらっておけば中学校のほうもそのことを斟酌して別室でタイムテーブルを専用に用意して受験させてもらえます。自家用車ではそのような配慮はありませんので、必ず公共交通機関を使って受験会場まで行きましょう。事前に実際に公共交通機関を使った生き方や時間を把握しておくことは大切です。間違っても一度も行ったことのない状態で入試当日はじめて行く、ということはしないようにしてくださいね。
友だちと待ち合わせしない
同じ中学校を受験する友だちがいる場合もあるでしょう。その際、お子さんどうしで当日待ち合わせして行こう、と約束してきてしまうことがあるので注意が必要です。友だちと待ち合わせすると、どちらかが遅れたり来なかったりした場合に開始時間に間に合わない可能性があります。そうすると、入試前に余計なプレッシャーがかかったりやきもきしたりと不安を抱えることになってしまいます。
友だちと言ってもライバルです。仲良し気分で試験会場に行くのはほどよい緊張感を奪うことにもなってしまうので、待ち合わせして一緒に行くということは避けましょう。あくまでも入試は自分が受けるもの、という意識を持って、親子で行くようにしてください。
試験中に具合が悪くなったら遠慮なく申し出る
緊張感などから、試験中に具合が悪くなってしまうお子さんもいらっしゃいます。その場合は、申し出れば保健室受験をさせてくれるなど中学校側も対応策を講じていることが多いので、もし試験中に体調が悪くなった場合の対応についてあらかじめ中学校に問い合わせて確認しておきましょう。具合が悪くなっても対応してもらえる、という安心感は大切です。
朝は体調が良くても、だんだん熱が上がってくるなど、お子さんの体調はちょっとしたことでバランスを崩すこともあります。それを無理に我慢しても実力が発揮できないでしょう。ですから、お子さんに「試験中に具合が悪くなったら手を上げて監督の先生にその旨を伝える」ことを伝えておき、共有しておきましょう。入試当日は突発的に何が起こるかわかりません。そうしたときにも冷静に対応するために、前日は睡眠をしっかりとり、朝は消化の良いものを食べるなどして突発的な体調不良でも落ち着いて行動できるようにしておきましょう。
複数回受験のメリットと塾への相談
第一志望校が複数回入試を実施する場合、あるいは第一志望校は1回しか入試をしないけれど翌日から第二志望校が複数回入試を実施するというケースは少なくありません。たとえば豊島岡女子、吉祥女子、鴎友学園など、女子御三家を受験する生徒さんが併願する学校が複数回入試を実施している例はたくさんあります。男子校でも同じです。
複数回受験の出題傾向は押さえておこう
同じ学校を複数回受験する場合、当然のことながら毎回入試問題は異なります。なかには、1回目の入試と2回目の入試でまったく傾向が異なる中学校もあるので注意しましょう。複数回受験を考えているなら、その学校の各回の出題傾向を事前にしっかり調べておくことが大切です。
学校によって、回数によって一部変更して1回目の入試と同様の出題傾向である場合、がらっと変えてくる場合もありますし、複数回受験すると最も点数が高かった回の点数を評価してくれる学校もあります。複数回受験で全部の回を受けると優遇するという学校もあります。こうしたメリットや試験内容の違いなどは、学校のホームページなどで告知されることもありますし、説明会で言及されることもあります。また、塾でその学校の入試傾向を複数回受験することを前提に分析してもらうのも良いでしょう。
また、同じ中学校を複数回受験するときにありがちなのが、1回目が不合格だった場合に保護者の方が焦ってしまい、お子さんの前で落ち込んでしまったり投げやりな言動をしてしまったりすることもありますが、これは絶対にやめましょう。誰よりもショックを受けているのはお子さん自身です。最後の最後まであきらめずに入試を受験できるように、お子さんがモチベーションを保てるような声掛けをすることが大切です。
塾には積極的に相談を
現在では、インターネットがあれば、塾で出している情報と同程度の受験情報を手に入れることもできます。ただし、サイトによって情報がまちまちだったり多すぎたりすることが多いので、多すぎる情報の中からわが子の受験に本当に必要な情報を選び出すのはそう簡単なことではありません。そこで、お通いの塾に、複数回受験をする際の注意点などについて相談するのが有効です。
また、塾に相談するのは出題傾向だけではありません。入試前の出願パターンをいくつか考えるときに相談にのってもらったり、入試が進んでいき、合格がなかなか取れない場合にどこを受験すると可能性があるか、といったことについても相談できる強い味方です。
どうしても公立中学校には進学させたくない、お子さんが私立中学校への進学を強く希望している場合は、直前でも出願できる中学校や、各学校の追加入試などの情報もチェックする必要が出てくるかもしれません。そうした情報は、連日行われる入試を受けながらバタバタと集めて結論を出すには重すぎます。精神的にも物理的にも難しいところがありますので、そういった時こそ塾の力を借りて相談し、よりよい方策を一緒に考えてもらいましょう。
家族の中での方針を統一することも大切
複数回受験をする場合や、入試の進み方によって急遽受験校を変更する、というケースも少なくありません。そうしたときに備えて、家族の中で同じ方向を向いて受験に向かうことがとても大切です。もちろん塾に相談すれば、良い方法を考えてくれますが、もし家族の誰かがその方針に反対したり、合意形成ができずに両親で意見が分かれてしまったりすると、お子さんが迷ってしまい、不安感が増してしまいます。なかには、「自分が合格できないからお父さんとお母さんが揉めている」と自分を責めてしまい、泣き出してしまうと言ったケースもあるのです。
連日の受験をがんばっているのはお子さん自身です。そして、その結果を受け止め切れていないのもお子さん自身です。入試が進むにつれてお子さんは不安を増しているものです。そうした気持ちを無視して保護者が揉めることは絶対に避けなければいけません。
そもそもの受験方針、公立中への進学も視野に入れるのか、何が何でも私立中学校に行きたいのか、という大きな方針は事前に固めておく必要があります。そして、お子さんも含め親子全員で同じ方向を向いて合格を勝ち取るという強い気持ちを持つことが大切です。塾への相談前に、こうした家庭内の合意形成をしっかりしておくことも忘れないようにしましょう。
入試が終わったらまずは労いを
これから入試がはじまるので、終わったときのことを考えるのはまだまだ早いのですが、合否の結果は本当に受験生一人ひとりそれぞれ違います。結果はいろいろでも、忘れてはいけないのは長丁場の受験勉強をがんばり、とてつもない緊張感の中で入試に挑んだお子さんに対して労り、ねぎらいの気持ちを持ち、それをことばで伝えてあげることです。
合格はもちろんとても嬉しいことです。思い切り褒めてあげてください。どこかが不合格であっても合格した学校があった場合も同じです。また、なかなか結果が出なかったけれど最後の最後で繰り上げ合格が出るケースもあります。どのようなケースであっても共通して言えることは、受験生として過ごした3年間、そして1月から2月にかけての入試期間の間に、お子さんは確実に成長しているということです。通常であれば経験しないことを経験し、その中で悩み、時には喜び、ということを経て、中学生になる扉を自ら押し開ける、それが中学受験です。
結果は受験生によって異なるにしてもどのような結果であっても受け入れて、お子さんが経てきたプロセスを褒めて認めてあげてください。人事を尽くして天命を待つ、というように、受験勉強期間を経て入試を受けたら、何が失敗の原因だったのかと重く受け止めて振り返り、お子さんに「ここがだめだったんだ」などということはするべきではありません。頑張り切ったことに達成感を持たせるようなイメージを持って、親子で会話をする時間をとってください。
むしろ、合格を手にした時こそ、長い受験生活を振り返って、「もっとこうすればよかったとか思うことはある?」「この時期はトンネルを抜けるのが辛かったね」というようにすべて終わってから振り返り、中学校に入学してからどのように行動するか、ということに活かしていくと良いでしょう。
中学受験の合否だけでお子さんの人生が決定づけられるものではありません。中学受験は、お子さんにより良い環境で成長してほしいから、幸せになってほしいからするものですよね。成長する実感を持てた時、お子さんはさらに成長します。受験が良い経験であったと親子で笑って話せるように、これからの直前期もコミュニケーションをしっかりとることが大切です。
頑張れ、受験生。そして、サポートし、プロデュースする保護者の方も大変ですから、ほっとできるひとときをもち、親子でベストなコンディションで入試に向かっていきましょう。
おわりに
今回のような記事に加えて、
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・志望校の選び方
・効果的な復習のタイミングや方法
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受験相談では、
・子どもがなかなかやる気にならない
・集団指導の塾に通っているが、イマイチ成果が出ない
・集団指導の塾の授業についていけず苦手が蓄積している
上記のお悩みをはじめとし、小中高生の子をお持ちの保護者様とお話させていただいております。
もし、お子様のことで何かお悩みがありましたら、個別指導塾テスティーへお気軽にご相談ください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。