【グローバル化・理系志向で人気再燃】青山学院中等部の入試の国語の特徴を徹底解説!詩の出題も特徴的!その1・問題分析編

青山学院中等部は、東京都渋谷区にあるキリスト教系(プロテスタント)の男女共学校です。1947年(昭和22年)、第二次世界大戦終戦直後の日本の教育改革を背景に新しく男女共学の中学校として設立されました。

G-MARCHの一角である青山学院大学が併設されており、在学生の多くが進学しますが、近年では理系志向の高まりなどを背景に、医学部をはじめとする他大学への進学率も上がっています。

レベルの高い大学の附属校でありながら、自分の将来の進路に合わせて外部を受験する生徒さんも少なくないため、将来の大学受験も視野に入れ、高いレベルの教育を求めて入学してくる生徒さんが増えている傾向にあると言えるでしょう。

今回は、そんな変革のまっただ中にあり、人気が再燃してきている、青山学院中等部の国語の出題傾向や入試対策方法について解説します。

入試情報

試験時間と満点、合格者最低点

国語の試験時間は50分、100点満点であり、4教科合計の満点は300点です。2021年度は、男子合格最低点が162点、女子合格最低点が191点でした。

2020年度は男子が178点、女子が200点と、いずれも女子の合格最低点が男子のそれを20~30点上回っています。

男子ももちろん偏差値は高いので決してやさしい入試ではありませんが、特に女子にとっては、合格するためのハードルが非常に高い入試である傾向は続いている傾向にあると言えるでしょう。

問題構成・解答形式

例年、大問が5~6問の出題と、大問そのものの数が多めです。漢字で1題、長文読解が3~4題、詩が1題、という出題形式がここ数年続いています。

長文読解問題中心で、説明的文章(説明文、論説文)が2題、文学的文章(物語文)が1題ということが多いです。

2021年度の入試においても、その傾向は踏襲されており、漢字が1題、詩が1題、論説文2題、物語文1題という出題で、大問の合計は5題でした。

小問数は例年40問程度です。2021年度、2020年ともに、小問39問の出題でした。2021年度は39問中漢字の書き取り(読みの問題は無し)が6問、記号選択肢問題が12問、書き抜き問題が12問、記述問題が1問、その他(ことばの問題など)の問題、という構成になっています。

適語を書かせる問題なども出題されており、しかも「自分のことばで」考えさせ、説明させる問題が出題されるのが非常に特徴的です。

202年度は39問中、記号選択肢問題が21問、書き抜き問題が7問だったので、2021年度は前年度に比べて書き抜き問題が大幅に増えていることが分かります。

書き抜き問題は一言一句間違えずに書き抜かなければいけない問題であるだけではなく、字数指定がされている問題が非常に多いため、正しいところを抜き出すための細心の注意が必要です。

「こういうことを書き抜くのだ」という見当がついたとしても、設問で指定されている字数が合わないことも良く見られ、時間をロスしてしまう受験生も少なくないと考えられます。

文章題は文学的文章の文章量が多く、4,000~5,000字程度、説明的文章は少し短めで1,500~2,500字程度の文章が出題されています。

説明的文章が2題は出題されるので、年によっては合計文字数が10,000字を超えることも少なくありません。全体的に文章量が多く、非常に忙しい入試だと言えるでしょう。

近年の出題傾向

概要

青山学院中等部の国語では、詩と長文読解問題で4~5題出題する、という形式が続いています。取り上げられるテーマは非常に幅広く、いわゆるベストセラーものから、中学入試ではあまり出題されない「詩」などの韻文まで、幅広い文種が出題されるのが大きな特徴です。

海外文学を題材にした出題がされることもあり、青山学院中等部のグローバル化への取り組みが透けて見える出題も少なくありません。

2021年度の出題

大問1:漢字

漢字6問は、すべて書き取り問題でした。読みの問題は出題されていません。具体的な出題は以下の6問です。

「コクソウ地帯」「エイセイを打ち上げる」「魔がサす」「小説のヒヒョウ家」「親コウコウ」「タイマイをはたく」

いずれも、日々の漢字練習をしっかり行っていればそれほど難しくない漢字ばかりですが、同音異義語、同訓異字などといった出題がされるため、高い語彙力が必要です。そのため、普段の漢字練習の姿勢が問われる出題となっています。

大問2:詩

志樹逸馬「志樹逸馬詩集」(方向社)より「わたしの世界」

青山学院の特徴でもある詩の出題は、2021年度も健在でした。詩そのものは比較的読みやすいものである一方、設問としては「○○とはどういうことですか」、と詩の表現について考察させるような問題、言い換え表現を理解しているかを試すような出題が目立ちました。

詩は対策ができている受験生とそうでない受験生の差が大きく開く文種なので、どれだけ対策をしてきたかという点が結果を分ける、いわば「差がつく」出題であると言えます。

大問3:論説文

永田和宏「知の体力」(新潮新書)より

論説文の出題ですが、説明的随筆文の要素も含む、少々読みにくい文章でした。

記号選択肢問題や書き抜き問題が多く出題されていますが、「どういうことですか」と説明を求め、合致する選択肢を選ばせる問題、しかも選択肢も一筋縄ではいかない、吟味を必要とするものが出題されています。

「ポジティブ」の反対語を答えさせるなど、ことばの知識(外来語)も求められました。

大問4:論説文

「何のために『学ぶ』のか(中学生からの大学講義1)」ちくまプリマ―新書より 本川達雄「生物学を学ぶ意味」

近年、青山学院高等部の卒業生は、医学部をはじめとした理系の他大学を受験するケースも少なくありません。この文章は、生物学を学ぶ意味を深く考えさせ、哲学的な問いかけを学生に行う内容です。

必ずしも理系向けの文章であるわけではないのですが、青山学院中等部のアドミッションポリシーがかいま見える出題だったと言えるでしょう。文章の要点の読み取り、本文との内容合致、さらにことばに対する知識が総合的に問われる出題でした。

大問5:物語文

片島麦子「想いであずかり処 にじや質店」(ポプラ社)

主人公は、妻子がいる男性です。中学入試の物語文では、主人公が受験生と同年代の若者であることが多いですが、平易な文章の中に、大人の視点への理解が求められる出題となっています。

記号選択肢問題、書き抜き問題が中心ですが、文中に出てくる「誇り」について30字以上35字以内でまとめさせるという、短い記述問題が1問出題されました。指定文字数がそれほど多くない場合は、聞かれていることに端的に答えなければ得点できません。つまり、確実に記述に使える部分を本文から探し出し、それを問いに合うようにまとめ直して文章にしなければならないのです。

文章の中に出てくることば一つひとつについて「これはどういう意味だろう」と考えながら読み進まないと正確な記述ができないお手本のような記述問題だったと言えます。

まとめ~高得点をとるカギ

青山学院中等部の国語で高得点を取るカギは以下の4つです。

  • 要点を読み取るためのスピードと正確さ
  • 記号選択肢問題や書き抜き問題は文章中の根拠を大切に
  • 記述問題は必要なことを簡潔にまとめる
  • 漢字やことばの高度な運用能力

詳しくは次回の記事「青山学院の国語の特徴を徹底解説!その2」で攻略法についてご紹介しますが、青山学院中等部の国語の入試は、制限時間はほかの中学校と変わりませんが、そのわりに大問数も多く、その文種も多岐にわたります。

それぞれの文章を正確に読み取り、なおかつ大量の設問を、頭を切り替えながら解き進まなければならないので、非常に忙しい入試だということができるでしょう。

ただし、「大変そう」としり込みしていては、配点の高い国語のこと、ほかの受験生と大きな差がついてしまいます。

どのような文種であってもひるまずに読み、内容を把握し、設問も吟味しながら正確に答えていくという、テクニックも含めた総合的な国語力が問われる、それが青山学院中等部の国語の入試の特徴だと言っても過言ではありません。

特に、出題する学校の少ない「詩」などのの韻文が出題されるのは大きな出題傾向の特徴のひとつです。これを攻略できるかどうかは、国語で高得点を取ることができるかどうかの分かれ目になるでしょう。

次回の記事では、青山学院中等部の国語の入試について、その攻略法を解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。