国語のオススメ基礎問題集とその使い方

中学受験において、算数はできるけど国語の成績が安定しないので成績が上がらない・・・というお子さんはとても多いと思います。では、国語の成績を上げるにはどうすればいいのでしょうか。中学入試の国語で必要なのは、簡単にまとめてしまえば、「ことばの知識」と「読解力」の2点です(応用になると、表現力が必要になりますが)。

国語は基礎と応用の区別がつきにくく、どうやって勉強したらわかりにくい科目です。しかし、特別なことをしなくても、「正しい方法を知ること」により、実力をつけ、成績をアップすることができるのです。今回ご紹介する基礎問題集で正しい勉強を実践した結果、偏差値が10以上アップしたケースもあります。

この記事では、「これから中学受験を始めようとしている、または始めたばかりの人」や、「6年生で首都圏模試偏差値45~55前後でなかなか安定しない人」をなどを対象として、まず基礎を固めるのにおすすめの問題集をご紹介します。

国語で必要な基礎力=知識と読解力

国語で必要な基礎力とは、最初にも書いたようにことばの知識と読解力です。

まずはことばの知識を身につけましょう

まず、ことばの知識とは、漢字とことわざ・慣用句・四字熟語や語彙力です。ことばを知らないと文章を読むことはできませんし、設問の内容を理解することもできません。したがって、正解するのも難しいです。ですが、日々の学習の中でコツコツ勉強を重ね、また、文章に出てきたことばを調べたりすることで、確実に知識を増やすことができます。まず成績を安定させたいならば、この部分で失点しないように学習することが必要です。

正しい「読解」とは何でしょう

読解力については、やみくもに文章を読めば上がると勘違いされている方が非常に多いです。読解力とは簡単に言うと、文章を「読み解く力」です。たとえば、物語文では場面や登場人物の気持ちの読み取り、説明文・論説文では筆者の主張(結局なにが言いたいのか)を読みとらなければなりません。このこと自体はわかっていても、自分で勝手に解釈をして、文章の内容そのものから離れた読み方をしてしまう方が非常に多いのです。

受験の国語で求められるのは、「客観的な」読解力です。問われているのは、登場人物の気持ちや筆者の主張であって、自分自身の気持ちや主張ではありません答えの根拠が文章の内容から離れてしまっては成績が一気に下がります。これが、国語の成績が安定しない理由です。文章一つ一つ見てみれば、まったく違う筆者の全く違う文章ですから、その文章ごとに「正しい方法」で読み解くことが重要です。

国語の成績が中程度で安定しない、ときには大失敗して偏差値40を割ってしまう・・・そんな方は、まず正しい方法を身につけて、国語の力をアップさせましょう。記述問題がいつも空欄で・・・と気になさることもあるでしょうが、まず「書く力」の前に「読む力」をしっかり身につけていきましょう。

基礎的なことばの知識を身につけるオススメ問題集

ご存知、「でる順シリーズ」の漢字編です。でる順には、でる順過去問とそうでないものがありますが、6年生であればこちらを使うのが良いでしょう。出題頻度順にカテゴリ分けされており、問題数もしっかりあります。チェック欄もあり、繰り返し練習できるので、これを毎日コツコツ時間を決めるなどして練習すれば、漢字については十分合格点がとれるようになるでしょう。

中にはかなり難しいものもありますので、小学校4年生・5年生が使う場合には、ピックアップして着実に力をつけるようにするのがおすすめです。

中学入試 でる順過去問 ことわざ・語句・文法 合格への1190問(中学入試でる順)』(旺文社)

でる順の知識版です。内容的によくまとまっており、知識問題で失点しがちな方におすすめです。語句関係の問題に限らず、読解問題の文章を読むのに十分な知識を身に着けることができます。ことわざや慣用句などは、日常的に使うことの少ない語句も多いですから、毎日親御さんと一緒に進めていくと、知識問題で確実に点数が取れるようになるでしょう。

中学入試問題から特に大切な言葉1200語が集められている問題集です。ことばの性質に応じて3ステップに分かれているので。レベルに応じた効率的な学習ができるのがおすすめポイントです。シンプルな書き込み問題と作文問題があり、毎日少しずつ言葉を覚えていくのに最適です。意味が分かりやすく説明されているので、辞書代わりに使ってみるのもよいでしょう。内容をノートに書いてみるのも、記述への抵抗感が薄れていくので、おすすめです(4年生、5年生など、時間的に余裕がある場合)。

基礎的な読解力を身につけるオススメ問題集

過去問の読解問題を使って練習することができるので、現在の読解力を確認し、さらに高めるためにおすすめの問題集です。解説もしっかりと読むと、読解の基礎的な「正しいやり方」をしっかりと身につけることができます。解説に書いてあることを実際にやってみるだけで、点数が倍に伸びたお子さんもいらっしゃいます。

物語文、説明文、随筆文、詩・短歌・俳句のカテゴリーに分けられており、それぞれ読み取りのポイントが的確に学習できます。どこをどう読み取って解答につなげるか、という「形」を身につけることに主眼が置かれているので、参考書的な使い方もできます。基礎的な内容になっており、設問数も少ないので読解の基本を身につけるのにおすすめです。毎日少しずつでも問題に取り組み、間違っている問題だけではなく、正解している問題も解説を読むようにしましょう。

もし、読解問題はお手・・・という、かなりのつまずきを抱えているお子さんの場合には、ポイント部分を親御さんが説明してあげたり、どうしてその解答になったのかを分析してアドバイスしてあげてください。もし、それでも理解が難しい場合は、指導者に聞いて基本を身につけさせてあげるのが有効です。

問題集の使い方

世の中にはたくさんの問題集が存在します。しかし、特に基礎を固めたい場合、問題集は何冊もそろえて手を広げすぎるよりも、1冊を何度も繰り返し、完璧になるまでやりきることが重要です。特に、漢字やことわざ、慣用句、文法などのことばの分野では、あれもこれもと手を広げすぎると、自分が知っていることばのチェックを直前期にできなくなってしまいます。それならば、中心となる問題集を決めて、あとはテストを受けて知らないことばが出てきたら調べ、付け加えていくなどして、「直前に見返す1冊」を作る方がよほど力をつけるには有効です。

読解については、まず「正しい方法」をわかりやすく説明してくれる問題集を選んでその方法を身につけたうえで、さらに文章が多く収録されているものに移る、と段階を踏みましょう。その場合、解説が丁寧なものを選ぶのがポイントです。

問題集を実際に使うときには、注意していただきたい点があるので、最後にまとめておきましょう。

  1. 繰り返し解くことを前提として、問題集に直接書き込むのではなく、ノートに書きましょう。「書き込み式」とうたったものもありますが、知識も繰り返して覚えなければ定着しませんし、読解問題であれば答えを覚えてしまうので繰り返す意味がなくなってしまいますから注意しましょう。
  2. やりっぱなしにせず、必ず答え合わせをして、間違えたものは辞書で調べたり解説を読んで理解しましょう。できなかった問題には必ず印をつけておき、やり直すようにしましょう。
  3. できた問題であっても、一度解説には目を通し、自分が正しく理解しているか、正しい方法で解答を導き出したか確認しておきましょう。

国語もことば知識をしっかりと身につけ、正しい方法で文章を読む訓練を積み重ねていけば点数は必ず上がります。今回例に挙げた問題集などを使って、毎日少しずつ練習をしていきましょう。そうすることで苦手な国語が一番の得点源になるかもしれませんよ

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。